【年長~小1】 頭を働かせることを『好き』にさせよう!

3487_img_01

 

 

「頭のよさ」の背景にあるワーキングメモリ(作業記憶)。 
 
ワーキングメモリとは、記憶や情報を一時的に保持しながら組み合わせて答えを出す機能。知的活動の基盤となる機能ということです。 
 
では、わが子のワーキングメモリの力を伸ばすにはどんなことを行うといいのか、脳科学者の篠原菊紀先生にうかがいました。 
 
 
●頭を働かせることを「好き」にさせよう 
 
年長~小1の子どものワーキングメモリを発達させるには、どんなことをするといいのでしょうか。 
 
篠原 「この年頃は脳の発達段階でいうと、物事の好き・嫌いの基礎が固まってきて、だんだん知的な作業を行えるようになっていく移行期にあたります。 
 
そのため、この時期は『~が出来る』というよりは、『ちょっと複雑に頭を使うのが、好き』と思えるようになることが一番大切。 
 
楽しみながら、ワーキングメモリの発達を促すことを行ってみましょう。 
 
たとえば 
 
・迷路 
・折り紙 
・ボードゲーム 
・工作 
・手芸 
 
などの遊びはおすすめです。 
 
今やるべき作業を行いながら、この先の展開を読む、というふたつのことを並行して行うことが、ワーキングメモリのトレーニングになっていますし、なによりそれを遊びとして楽しむ、好きでやるのが大切です。 
 
ただし、慣れてしまうとトレーニングの効果は落ちます。 
同じことをくり返すのではなく、適当なところで新しいものにチャレンジしていくといいですね」 
 
 
この年頃向けの学習教材も、ワーキングメモリの発達に役立ちますか? 
 
篠原 「最近の学習教材は、そういう観点も踏まえてよく作られているものが多いと感じます。 
 
お子さんが楽しんでできるのであれば利用してみるのもよいでしょう。 
 
脳は『ちょっと難しいけれど、がんばればできる』ということをくり返していくことで、発達します。 
 
そのため、1回で終わってしまうものではなく、少しずつレベルを上げながら、長期間にわたって行えるタイプの教材がおすすめです。 
もちろん、面白いことが第一です」 
 
 
●脳は楽しさによって働きを高める 
 
「好き」「楽しい」と思えることは、効果を高めるうえでも大切なのでしょうか。 
 
篠原 「そのとおりです。 
好きで楽しいと感じると、脳からドーパミンというホルモンが分泌されて、働きを高めます。 
 
逆にイヤだと感じると、コルチゾールというホルモンが分泌され、働きが落ちることがわかっています。 
 
『好きこそものの上手なれ』というのは、本当のことなんですよ」 
 
わが子の性格を考えながら、楽しく、遊ばせ方や学習を工夫することが大切なんですね。 
 
次回は、ワーキングメモリを発達させる生活習慣について、篠原先生にくわしく教えて頂きます。
 
 

☆花びらいっぱい! 部屋の中でもお花見気分

【ダウンロードふろくは、こちら】

3695_img_01

 

こんにちは、ママノート編集部です。
あんなに寒かった今年の冬ですが、ようやく暖かくなってきましたね。
 
入学・進級をひかえた春休み、ご家族で楽しく過ごしているでしょうか?
イチゴ狩りお花摘みお花見など、自然を感じられるイベントに出掛けてみるのもいいですね。
 
お花見をしたいけど、もうが散ってしまっている地域もあるかもしれません。
今回は、春休みに親子で挑戦するのにぴったりな、ダウンロードふろくを使った桜の木製作をご提案します。
家の中でお花見気分を味わえるかもしれませんね。

 
3695_img_02

 
●桜と梅の違いとは?
 
ところで、桜より少し先に咲く「梅」、桜とよく似ていますが、一体何がどう違うのかごぞんじでしょうか?花の部分を注意して見ると違いがわかりますよ。
 
●桜の特徴
・花柄が長いので、枝からこぼれるように花が咲く
(※花柄とは、花の柄の部分です)
・分かれた枝の先に花が房状についているので、花の数が多くとても華やかなイメージ
・花びらの先が割れている
 
●梅の特徴
・花柄(かへい)がないため、枝にくっつくように花が咲く
・分かれた枝に直線的に花がつくので、溢れんばかりに咲くのではなくシンプルなイメージ
・花びらの先が丸い
 
 
地域によっては、梅も桜もまだまだこれから、というところもあると思います。お子さんと図鑑を見て調べたり、観察してみたりしてはいかがでしょうか。
 
 
さて、をもう見た方も、これから見る方も、春休みにお子さんと、紙を使って桜の木をつくってみましょう。
 
 
親子で花びらをたくさん作ると、桜が満開でとってもきれい!是非、ふろくをダウンロードして挑戦してみてくださいね。

 

●こちらもあわせてどうぞ!

子どもが喜んだ手作りの「表彰状」

【年長~小1】 努力で脳はどんどんよくなる!

3473_img_01

 

 

わが子を頭のいい子にしたいというのは、多くの親御さんの願い。
 

頭のよさは勉強だけではなく、技術を身につけたり、人と円滑にコミュニケーションをとったりするうえでも、大きな強みになります。
 

この力を司るのは、もちろん脳。
 

わが子の頭をよくするための脳の育て方について、脳科学者篠原菊紀先生にお話をうかがいました。
 
 
●脳は二段階に分けて発達していく
 

人間の脳は生まれてから、どのように発達していくのですか?
 

篠原 「幼いうちはとくに個人差が大きいので、一概には言えません。 
 

でも、多くの場合は二段階に分けて脳の各部位が発達していき、12歳頃までに、ある程度の完成を迎えます。
 

各段階で発達のピークを迎える部位は次のようになります。
 
 

<第一段階> 5歳前
 

語彙や表情の読み取りにかかわる部位と、好き・嫌いという価値の判断にかかわる部位が発達のピークを迎える。
 
 

<第二段階> 8~12歳ころ
 

意味の理解にかかわる部位、空間的な位置関係の理解にかかわる部位、運動にかかわる部位、知的活動の中核的な働きをする部位などが発達のピークを迎える。
 
 

とくに、『ふたつのことを並行して行う』『こみいった事柄について考える』といった複雑な知的作業の基盤となる、『ワーキングメモリ』という働きが発達していく。
 

年少~小学1年生のお子さんだと、ちょうど第一段階から第二段階へと移行していく時期にあるといえますから、『何かが出来るようになること』より、『それが好きになること』を優先すべき時期ですね」

 
 

●努力で頭はどんどんよくなる!
 

脳の発達には、遺伝が関係するのでしょうか。
 

篠原 「発達の道筋に大きな違いはありませんが、様々な能力に遺伝の影響があることは明らかです。
 

たとえばIQテストなどで測られる一般知能の7割程度は遺伝、つまり遺伝子の組み合わせによって説明できます」
 
 

すると頭がよくなるかどうかも、遺伝によって決まることに…?
 

篠原 「誤解されがちですが違います。
大人数で調べれば点数の散らばりの7割程度が遺伝によって説明できるということで、個人の能力の何割が遺伝によるのか、を導き出す数学モデルはまだありません。
 

逆に、能力は遺伝や素質によると捉えるのか、努力によると捉えるのかで、その後の伸び方に差が出ることが報告されていますから、努力の力は絶大です。
 

実際、子どもが一定のトレーニングを行うとワーキングメモリの力やIQが伸びるという研究報告が多々ありますし、極端な話、90歳になっても脳の力が伸びることも示されています」
 

努力はムダにならないということですね!
それならぜひ、いろいろなことにトライさせてみたいものです。
 

次回は篠原先生に、「知的活動の基盤となる」という、ワーキングメモリを発達させるおすすめの方法を教えて頂きます。

親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第17回

3468_img_01

 

 

●文章問題を作るコツ 
 
私が教師として最後に受け持ったのが2年生でしたが、そのときの教え子にYさんという女の子がいました。 
 
その子は、毎日欠かさず自主勉強をやってきました。 
特によくやってきたのが算数の文章問題でした。 
 
なぜ、それほどがんばれたかというと、毎日お母さんが手作りの文章問題を作ってくれたからです。 
 
例えば、次のような問題です。 
 
Yさんは、焼津のイオンで257円のお菓子を1つ買い、138円のノートを2冊買いました。 
最初に950円持っていました。 
残りはいくらですか? 
 
Yさんは、200ミリリットルのジュースを2本のヤクルトのボトルに入れて弟のS君にあげました。 
すると、S君はすぐ飲んでしまいました。 
そのヤクルトのボトルは65ミリリットルと80ミリリットルでした。 
残りのジュースは何ミリリットルですか? 
 
 
●身近な人が登場するので解いてみたくなる 
 
このように、文章問題にはYさん自身や、家族、友達などがよく出てきます。 
そして、実際の生活であったこと、あるいはありそうな場面がよく題材になっています。 
 
こういった工夫のおかげで、Yさんは毎日楽しく文章問題に取り組めたのです。 
子どもは、自分や家族や友達が出てくるだけで楽しくなり、やってみたいという気になります。 
 
また、登場人物も場面も身近なので、文章問題の内容をイメージしやすくなります。 
それによって、式も作りやすくなるのです。 
 
さらに、親の手作り問題には、できあいの問題にはないよさがあります。 
それは、子どもの理解度や必要性に応じて問題が作れるということです。 
 
例えば、足し算と引き算が組み合わさった問題が苦手なら、それに応じた問題を出すことができます。 
 
つまり、究極的な個別指導ということになります。 
 
 
●子どもも問題を作りたくなる 
 
親が問題を作ってくれていると、子どもは「自分でも問題が作れそうだ。作ってみたい」と思うようになります。 
 
Yさんも、自分で問題を作って、お父さんや弟に解かせて楽しんでいました。 
私も問題を出されたことがあります。 
 
そして、子どもにとって、人に問題を解かせて丸つけするのも楽しいことなのです。 
 
 
●心地よい経験が算数好きにつながる 
 
子どもが一生懸命問題を取り組んでいる姿を見て、「算数が好きだね」とか「文章問題が得意だね」とほめてあげましょう。 
 
これが子どもの自信になります。 
 
それに、何と言っても自分のために問題を作ってくれるのですから、子どもは親の愛情を実感できます。 
 
親の愛情を感じながら算数の勉強をすることで、これがひとくくりの心地よい経験になります。 
 
すると、「算数って楽しい。算数が好き」と思えるようになります。 
 
(当然ながら、算数について叱られることが多いと「算数ってつまらない。算数は嫌い」になります)
 
 

★指導員さんとのつきあい方がポイント?

3440_img_01

 

 

親としては、場所や時間、料金面だけでなく、その学童保育の雰囲気や指導員の人柄・資質なども気になるところです。 
 
前回に引き続き、「保育園を考える親の会」の普光院亜紀(ふこういん あき)さんに、指導員とのコミュニケーションや子ども同士の関係など、学童保育とのつきあい方を教えていただきます。 
 
 
●基準や指針がなく、施設や職員の質にばらつきが 
 
学童保育は、施設によって、職員の質などが大きく違うという話をよく耳にします。 
 
普光院 「学童保育は、保育園と違って、建物や指導員などに法律的な根拠をもった基準や指針があるわけではありません(※)。 
 
子どもの数が多すぎたりして施設環境があまりよくない施設もありますし、指導員についても、採用の際に保育士などの資格を問われないので、子どもにどういう環境が必要か、どういう接し方をすればいいかなどについて専門性が不十分である場合もあって、全体に今ひとつ成熟していません。 
 
施設によってというよりも、人によってばらつきが大きいのは残念ながら事実だと思います。 
 
学童保育が地域にたくさんある場合は、「選ぶ」こともできますが、小学校単位で学童保育が設置されている地域では、通っている小学校に対応した学童保育に行くのがやっぱり安心です。 
 
そんな選択肢のない中では、指導員と信頼関係をつくりながら、要望などは積極的に伝えていったほうがよいと思います。 
 
いくつかの選択肢があるという人は、すでに通わせている親御さんから情報を集めたり、親子で見学に行って、実際に指導員さんから話を聞き、あらかじめどんな環境なのか調べてみるとよいでしょう」 
 
※ 2015年の4月から、新しく『子ども・子育て支援制度』が施行されるのにあたって、学童保育にも正式な基準が設けられる予定。 
 
 
●指導員には、あえて聞きにくいことを聞いてみる 
 
具体的にはどんな点をチェックすればいいでしょう? 
 
普光院 「施設の状況や、子どもたちがどんなふうに遊んでいるかなどを見てみるといいと思います。 
 
指導員の人にも、夏休みを含め、子どもたちがどんなふうに生活しているかなど、疑問点はなんでも質問しましょう。 
 
会って話をすれば、だいたいわかるとは思いますが、質問したときに、子どもの様子が捉えられているかどうかを見極められると思います。 
 
または、『お友だち関係が原因でやめちゃうようなことがあったりするんですか?』などと、あえてデリケートな質問をしてみるのも一つの手です。 
 
指導員がどう答えるかによって、子どもをちゃんと見てくれているかどうかがわかることもあります」 
 
 
●学童保育内での子ども同士の力関係は見守って 
 
これまで通ってきた保育園と学童保育の雰囲気がまったく違うので、戸惑ってしまう人もいます。 
 
普光院 「学童保育では、指導員も必要以上に遊びや子ども同士の関係に介入しませんし、保育園と同じに考えていると、かなりシビアに見えるかもしれません。 
 
子ども同士の関係も、3年生から1年生までの縦社会になっていて、3年生がいばっているなんていうことはよくあります」 
 
 
気の弱い子には、なかなか大変そうな世界ですね 
 
普光院 「でも、経験から言うと、子どもってそういう社会の中で強くなるんですよね。弱いと思っていた子でも、意外にたくましく、学童の中でのポジションを見つけてやっていくことも多い。 
 
今「いじめ」が大問題になっていますが、小学校の低学年は、まだ「あとくされ」が少ない時期です。 
 
だからあまり最初から、『うちの子がいじわるされている』と、親が動揺して口をはさまないほうがいいかなと思います。 
 
それよりも子どもの様子に注意を払って、ストレスを感じているなと思ったら、とにかく話を聞いてあげて、『ああそうなの、それっていやだよね』と共感してあげること、そして子どもを信じてあげることも大切です。 
 
指導員と積極的にコミュニケーションをとることも重要です。 
困ったことがあったら、『こんなに困っているんです』『子どもがこう言っています』などと伝えたり、学童保育でのわが子のようすも詳しく聞いたりして、注意して見てもらうようにします。 
 
直接介入しなくても、子どもの様子を見てくれるだけでも、親にとっては安心ですから。 
 
指導員に不満があるからといって、すぐに市区町村に訴えたりせず、まずは信頼関係を前提に相談しながら、こちらの要望を伝えていきましょう。 
 
お互い歩み寄って、コミュニケーションを重ねながら解決策を探していくことも大切だと思います」 
 
 
学童保育は、子どもにとっては、社会を学ぶ大切な場所でもあるんですね。経験者の意見を聞けて、少し安心しました。 
 
普光院さん、ありがとうございました。
 
 

★学童に入れなかったときの選択肢は?

3439_img_01

 

 

各地で学童保育の募集がスタートしています。 
最近希望者が増え、わずかながらも待機児童が出ているところもあるのだとか。 
 
「学童に入れなかったら、どういう選択肢があるの?」 
「入れるときにはどんな点に注意すればいい?」 
 
など、学童保育を検討中のお母さんたちの素朴な疑問を、働くお母さんの先輩であり、「保育園を考える親の会」(以下「親の会」)代表を務める普光院亜紀(ふこういん あき)さんに、お話を伺いました。 
 
 
●学童保育、まずはここをチェック! 
 
学童保育を考えるときに、チェックしておいたほうがいいポイントはなんですか? 
 
普光院 「基本的なポイントとしては、 
 
・小学校から学童までの距離 
・料金 
・利用時間 
・指導員 
・施設(遊び場や室内のスペースの広さなど) 
・内容(自由か習い事などがあるか) 
 
などについて調べておくといいと思います。 
 
だいぶ以前のことになりますが、私自身、自分の子どものときは、通学する小学校の敷地内に学童保育がありましたので安心でした。 
 
時間が気になるという方も多いですね。首都圏などは、特に18:00までという施設が多いため、親の会でも『せめてあと30分ほしい』という声が多く聞かれます」 
 
 
●万が一入れない場合は、ファミサポや民間経営の施設なども視野に入れて 
 
ただ、学童保育は、保育園のように選べるほど数がない地域もあるようですが、もしも入れなかったとしたら、どういう選択肢がありますか? 
 
普光院 「待機児童の数は、保育園ほどは多くないようです。定員を超過すると3年生が卒業して1年生を優先して入れる、という地域もあります。 
 
万が一、入れないとなったら、別に子どもが安心して通える場所を探さなくてはならないので、親としては頭が痛いところですよね。 
 
子どもの通う小学校の近くの学童保育に入れなくて、越境している人もいます。でも、毎日遠くまで通わせなくてはいけないのは、いろいろな面で心配です。 
 
ほかには習い事をさせて時間をつなぐとか、どうしても空いてしまう時間帯だけ留守番を考える人もいるようです。 
 
あとはちょっと料金がかかりますが、ベビーシッターやファミリーサポートセンター(※)
を利用するという手もありますね。 
 
最近は、大都市の一部では、民間の企業が経営する施設もあります。 
習い事や塾などと学童の機能を一体化していることもあり、料金は非常に高額ですが、送迎もしてもらえるなど、サービスが充実しているというところが多いようです。 
 
最近は公的な学童保育だけでなく、これらの施設を選択肢の一つにして考えている人もいるようです」 
 
 
●民間企業の施設は、プログラムの内容と子どもの体力を考えて 
 
送迎などのサービスがあれば、親は安心ですね 
 
普光院 「公営の学童にはない魅力ですね。子ども自身が楽しめるのであれば、それが一番だと思います。 
 
ただ、プログラムの内容にもよりますが、学校でずっと授業を受けて、放課後も習い事中心みたいな生活になったら、子どもは一日中大人の指図を受けて過ごすことになります。 
 
それって、自立心や社会性の育ちにとってどうなのかな、と感じることもあります。 
子どもには、自分で考えて行動する時間も必要ですし、ぼーっとしたり休息する時間も必要です。 
 
それに、この時期は、友だち同士で自由に遊ぶことで社会性が育つ時期と言われています。子どもは友だちと自由に遊んだりけんかしたりしながらたくましく成長します。 
 
親はつい習い事に魅かれてしまいますが、子どもの希望も聞きながら、性格や生活能力の育ちに合った環境を選んであげてほしいと思います」 
 
 
「子どもが楽しく通えるのであれば、それが一番」という普光院さん。 
学童施設そのものが多くないという現在、学童保育とのつきあい方も大切になってくるようです。 
 
次回はそのあたりを普光院さんにうかがいます。
 
 
 
ファミリーサポートセンター…地域の中で、育児を助けてもらいたい人と手助けしたい人が登録し、お互いが会員となって、育児を助け合っていく互助組織。自治体が直接あるいは民間に委託して運営されている。 
 

うちの子らしい写真が撮りたい!

885_img_01

 

 

「年賀状、そろそろ作らなくちゃ!」
 
そこで、ステキで “伝わる” 子どもの写真を撮影する方法を、前回から引田早香さんにお伺いしています。
 
今回は、“うちの子らしい” 写真の撮り方をお聞きします。
 
 
●シャッターチャンスは、遊んでいるところ
 
シンプルでスタイリッシュな写真もいいのですが、うちの子らしさが伝わる写真を撮ってみたいです。
 
引田 「年長さんから小学1年生なら “元気に大きくなりました感” を伝えたいですよね。
 
子どもの個性を伝えるなら、屋外で遊んでいるところを撮影しましょう。
ジャンプしたり走ったり、道具を使って真剣に遊んでいるときもいい表情をしてくれますよ。
 
あまり人のいない広い公園を選び、自由に遊んでいるところを、ママが追いかけて撮る!
自然に子どものいい表情を捉えることができます。
 
屋外なら、光のことは考えずにどんどん撮れるので、とにかく撮りまくっていいものを選びましょう。

 
 

885_img_02

 
好きな遊びをしているところを捉えると、
自然な表情に。
真剣な表情もgood!

 

 
 
前回はシンプルな白をおすすめしましたが、カラフルな遊具のある公園で撮影してもポップな写真が仕上がります。
あえて雨の日に雨具を持たせて撮影するのもおもしろいと思いますよ。

 

 
 

885_img_03

 
カラフルな傘と長靴でジャーンプ!
何度も跳ばせて、たくさん撮って、
ぶれてないものを選びましょう。

 

 
また、公園で撮影するなら自然のグリーンを利用しましょう。
秋から冬の季節の今は難しいかもしれませんが、きれいな芝生や木々は、背景として最適。
葉っぱ越しに子どもを撮るのも雰囲気がでます。

 
 

885_img_04

 
お散歩中の子どもを、
葉っぱ越しに撮ると素敵な一枚に。

 

 
●食べているとき、子どもはいい表情をする!
 
実は、ユニークで、思わず笑ってしまうような写真を狙いたいな、なんて思ってまして…。
 
引田「年賀状ですから、笑顔を届けるという意味でそういう写真もいいですよね!
 
子どものいい表情を捉えるなら、食べているところを撮影するのもおすすめです。
あえて口の周りに食べ物がついてしまったところをパチリ。いい表情をしているはずです。

 
 

885_img_05

 
ヨーグルトを食べた後、上を向かせてパチリ。
いたずらな表情に心なごみますね。
生き生きとした表情にご注目!

 

 
おすすめの食べ物はヨーグルトやソフトクリーム。
オムライスのケチャップもいいかなと思いましたが、試してみたら血まみれみたいに見えちゃったので(笑)、避けたほうが無難です。
 
お子さんのいい表情を捉えるためのひと工夫、ぜひ試してみてくださいね!」
 
 
引田さん、ありがとうございました!
 
今年はいい年賀状をつくることができそうです。
年末の忙しくなる前に、頑張ってみましょう!

子どもをスマートにかっこよく撮影するコツとは?

884_img_01

 

 

12月の声を聞くと、ママが気になってくるのが年賀状づくり。
 
お世話になっている方やお友だちに子どもの成長を伝えるには、子どもの写真を使った年賀状がぴったりですね。
 
とはいえ、デジカメで撮った子ども写真、ごちゃごちゃしていたり、ありふれていたりでイマイチだったりしませんか?
 
カメラに詳しくなくてもできる、シンプルでかわいい子ども写真の撮り方を、プロカメラマンの引田早香さんにお聞きします。
 
 
●室内で撮るなら、白い壁を探そう
 
年賀状に使う子どもの写真をいざ探そうとすると、どれもイマイチなんですが…。
 
引田 「お子さんはどの子も無垢で、かわいいもの。
その魅力を引き出すのは、カメラの性能ではなく、“スタイリング力” なんです!
 
遊園地や公園に遊びに行ったときの写真だと、背景がごちゃごちゃしていたり、知らない人が背後に写りこんでいたりしていて、年賀状には不向きですよね。
 
年賀状にお子さんの写真を載せるなら、ありものの写真ではなく、年賀状用に撮り下ろしするのがおすすめです」
 
 
年賀状のために撮影する、というわけですね。でも、プロじゃなくてもできるものなんでしょうか?
 
引田 「ちょっとした工夫で、かんたんにシンプルでかわいい写真を撮ることができるんです。
 
とにかく手早く撮るなら、背景に気をつかってみましょう。
「迷ったらシンプルに」が鉄則。
背景をシンプルにするだけで、写真力がぐっとアップしますよ。
 
家の中で、真っ白な壁を探しましょう。
なるべく窓の近くの、光がよく当たる場所がおすすめ。
 
家具があって、もう白い壁はない! という場合は、かわいい布地をマスキングテープなどで貼るだけで、おうちに簡易スタジオができあがります。
 
年賀状は文字の要素も入りますから、シンプルで周囲にスペースのある写真が使いやすいはずです」

 
 

884_img_02

 
真っ白な壁の前に立つだけで、
我が子がまるでモデルのよう!?

 
 

884_img_03

 
カラフルな布にアイロンをかけて壁に貼ってみて。
光の入る窓際がおすすめ。

 
 
●光を制するものが、子ども写真を制する!?
 
室内で撮ると、どうしても暗くなったり、ぶれたりします。逆光とかなんとか、よくわかんないんですけど…。
 
引田 「写真は、光との勝負ともいえます。
少し難しいですが、光と写真の写り具合のことを覚えておけば、今後の撮影でも参考にもなりますよ。
 
人物撮影でおすすめするのは、顔の横から光が当たる「サイド光」。
昼間、窓がとなりにある壁で撮ると「サイド光」になります。
フォトジェニックで、かっこいい写真になります。

 
 

884_img_04

 
子どもの左側から光が当たっていて、
ほどよい陰影のある写真に仕上がります。

 
 
ノーマルな仕上がりなのが「順光」。
子どもの真正面から光が当たるパターンですね。
 
難しいことにこだわらない、とにかく子どもの顔がはっきり写っていてほしい場合は最適です。

 
 

884_img_05

 
顔全体に光が当たっていてくっきり。
ノーマルですが確実です。

 
 
そして、子どもの背中側から光が当たるのが「逆光」。
後光が差すようにうまく撮れるとアーティスティックですが、顔が暗くなりすぎて、失敗も多いんです。
少し上級者向けといえますね。

 
 

884_img_06

 
窓を背にして撮ると「逆光」。
後光がドラマティックな雰囲気に仕上げてくれます。

 
 
室内で撮影するとき、部屋の電気は消してくださいね。
窓からの自然光だけで撮ると、ナチュラルですてきな写真が撮れるはずです」
 
 
引田さん、ありがとうございました。
 
次回は屋外撮影のコツ、その他のウラワザについて伺います!

 

悪質な業者の巧妙な手口にのせられないで!

881_img_01

 

こんにちは。『ママノート』編集部です。
 
前回は、悪質な業者によって高額な商品の契約に至ってしまった事例をご紹介しました。
 
今回は、その他の消費者トラブルについて、東京都消費生活総合センター 相談課長 阿部耕治さんにお話を伺います。
 
 
●注文した覚えのない商品が代引きで届く
 
最近増えている消費者トラブルについて教えてください。
 
阿部 「平成24年度に東京都内の消費生活センターに寄せられた消費生活相談では、健康食品などの『送りつけ商法』の被害が急増しています。
実際の事例を見ていきましょう。
 
――ひとり暮らしの祖母に、ある事業者から『注文したサプリメントを発送する』との電話があった。祖母が『注文した覚えがない』と言うと、『1か月前に電話で注文している』と言われた。
後日、電話で断ったはずのサプリメントが代引きの宅配便で送られてきた。
仕方なく代金を支払い、受け取ってしまった。以前、別の会社のサプリメントを注文して飲んでいたが今はやめており、その事業者からの電話と勘違いしたようだ。

 
送りつけ商法で請求される金額は数千円から数万円程度で、支払ってしまうケースが多いようです。
 
また、受け取りを拒否すると、『弁護士に頼んで、出る所に出てもいい』などと脅し、健康食品を購入させていた悪質な業者もありました」
 
 
●点検目的の訪問と見せかけて商品の勧誘をする
 
事業者の訪問によるトラブルはありますか?
 
阿部 「『点検商法』というトラブルがあります。“無料の点検” と称して訪問し、商品の勧誘をして契約させられるのです。
 
例えば、『水道管が壊れているため、管理組合から頼まれて点検に来ました』『下水の点検です。下水マスを見せてください』などと言って訪問。
 
その後、『排水管の洗浄が必要です』『下水マスの修理が必要』などと言って工事をすすめ、代金を請求してきます。
 
また、『水質検査に来ました。この地域全体で検査をしています』などと言って訪問。
 
塩素に反応する試薬を使って水道水の色が変わる様子を見せ、『この水を飲み続けるのは健康によくないですよ』などと科学的根拠が明らかではないことを言い、浄水器の販売をしたり、レンタル契約の勧誘をしたりするケースもあります。
 
大切なのは、その場で契約しないことです。家族に相談したり、集合住宅であれば管理組合、近所に聞いてみたりして慎重に考えることが大切です」
 
 
●ネット通販で注文した商品のトラブルも
 
30~40代女性からは、どのような消費トラブルの相談がありますか?
 
阿部 「ネット通販に関するトラブルの相談を多く受けますね。
注文した商品が来ない、海外の通販サイトでブランド品だと思って購入したけれどコピー商品(偽物)だったという被害もあります。
 
直輸入だからといって、あまりにも価格が安すぎるものには注意してください。
また、海外の通販サイトの場合、よく読んでみると日本語がつたないことがあります。
万が一トラブルにあったときにメールでのやりとりや、電話でのやりとりができないことがあるので、気をつけてください。
 
『この通販サイトだから安心』という基準はありませんが、問い合わせ先(事業者名、住所、電話番号)がきちんと表記されているか、サイトの運営年数、クチコミ情報など、総合的に見て信用できるか判断する必要があります」
 
 
●美容医療に関するトラブルもある
 
阿部 「さらに、美容医療に関する相談も増えています。
安価な注射の広告で客を引き寄せ、実際には高額な施術を勧誘しているケースが多発しています。
ある事例をご紹介します。
 
――安価なシワ取りの注射の広告を見て美容クリニックに行き、3,000円のヒアルロン酸注射を打つことにした。
その後、医師から、『ヒアルロン酸注射の効果は一時的で、続けると費用がかさむ』と言われ、永久的に効果が持続するというリフトアップをすすめられた。
そして、『今決めれば半額の60万円にする』と言われ、契約をしてしまった。施術後、顔面には痛み、はれ、しびれなどがあり、皮膚が引きつって食事もできなくなった。しかもほうれい線は改善しておらず、半永久的といわれた効果も感じられない。

 
この事例のように、医療行為はリスクが伴います。『期間限定キャンペーン』『今だけ』『○%OFF』などという勧誘の文句にのせられないようにしてください。
 
エステや美容クリニックで契約をする際には、費用、効果、リスク等について十分に説明を受け、冷静に考えてから契約するようにしましょう」
 
「お得すぎるのは、もしかして裏があるかも」と、慎重に考えたほうがいいですね。
 
次回は、消費者トラブルにあわないためのポイントを伺います。

 
※紹介した事例は、『平成24年度消費生活相談概要 主な相談事例』(生活文化局)、『東京くらしねっと no.199 相談の窓口から』(東京都消費生活総合センター)を参考にしています。
 

数百万円の契約金額も!? 悪徳商法に気をつけて!

880_img_01

 

こんにちは。『ママノート』編集部です。 
 
突然ですが、「無料」「○%OFF」「お得」「儲かる」… そのような言葉を見たり聞いたりすると、つい引き寄せられてしまうことはありませんか? 
 
しかし、甘い文句につられて安易に個人情報を提供したり、契約したりすることは、悪徳商法の被害につながるケースがあります。 
 
今回は、東京都消費生活総合センター 相談課長 阿部耕治さんに、悪徳商法の高額な被害の事例についてお話を伺いました。 
 
 
●60歳以上の “親世代” が狙われやすい!? 
 
どんな世代の方からの消費者トラブルの相談が多いのでしょうか? 
 
阿部 「平成24年度に東京都内の消費生活センターへ寄せられた消費生活相談の件数は、118,208件でした。このうち、契約当事者の年代別割合をみると、20歳代9.9%、30歳代15.4%、40歳代16.7%、50歳代11.9%となっています。 
全体としては、60歳以上の世代が28.4%と3割近くを占めていますね。 
 
また、80歳以上の相談件数は前年度よりも増加していて、60歳以上の相談の平均契約金額でも229万円と、相談全体の平均契約金額163万円と比較して高額になっているんです」 
 
 
●高額な商品に関する相談もある 
 
なぜ、数百万円もの契約金額のトラブルが多いのでしょうか? 
 
阿部 「ファンド型投資商品(海外不動産投資、CO2排出権取引など)、預貯金・証券(公社債、未公開株、預貯金など)といった、平均契約金額が高額なものに関する相談が多いからです。 
 
また、これらの商品に関する全相談件数は、8割以上を60歳以上の高齢者が占めています」 
 
 
●“劇場型” の悪徳商法の手口にも注意! 
 
どのような手口で、契約にいたってしまったのでしょうか? 
 
阿部 「まずは、東京都消費生活総合センターに寄せられた、ファンド型投資商品の契約に関するトラブルの相談事例をご紹介します。 
 
――ある日、70代女性の自宅にA社からカンボジアの高齢者向けの不動産所有権投資の書類が郵送で送られてきた。 
数日後、B社から電話があり、『そちらに封筒が届いていますか?』と聞かれた。そして、『2倍の金額で買い取るので代わりに購入して欲しい』と勧誘された。 
手元に現金があったので、5口申し込むことに(150万円)。そして、販売代理店C社に代金を普通為替で支払った。 
その後、買取業者のB社の電話番号が変更されたり、通話の途中で切れたりするので不審に思い、詐欺ではないかと心配になった。
 
 
このように、事前に封筒が送られてきたうえで、別の事業者から、『高く買い取るので、代わりに購入して欲しい』と電話があるケースが多くみられます。 
 
さらに “劇場型” といって、物語のように仕組まれている悪徳商法もあります。いきなりセールスしても警戒されるので、下準備をしてから勧誘するのです。 
 
例えば、事前にある事業者から『未公開株を持っていませんか? 持っていたら高く買いますよ』と電話が入り、『持っていません』と断ります。 
 
しかし、時間をおいて別の事業者から今度は、『未公開株を買いませんか?』とセールスの電話が入り、契約に至ってしまったケースもあります」 
 
 
●親切心につけこんでくることもある 
 
手口が巧妙ですね…。直接、自宅へセールスに来るケースもあるのですか? 悪徳業者というと、見るからにあやしい雰囲気がありそうなものですが。 
 
阿部 「いいえ、むしろ “好青年風” を装ってセールスに来ることが多いんですよ。 
 
例えば、ご主人が亡くなられたご高齢の女性に対して、『若い頃、○○さん(ご主人の名前)にお世話になりました。今は、○○○(仕事内容)をしています』などと言って、『ああ、主人が世話をしていた子なのね』と思い込ませます。 
 
そして、長い時間をかけて話を聞いてあげて、打ち解けたところで商品を勧誘し、『断ったら悪いんじゃないか』と思わせるぐらい仲良くなってしまうんですね」 
 
 
●二次被害にも要注意! 
 
人を信じる気持ちを利用してくることもあるのですね…。一度ひっかかってしまうと、ターゲットになりやすいのでしょうか? 
 
阿部 「はい。中には二次被害にあうケースもみられます。 
金融商品に関するトラブルの二次被害に関する事例をご紹介します。 
 
――80代の男性は、D社に『代理で買い取る』と言われて外貨通貨両替を申し込んだ。しかし、D社と連絡が取れなくなってしまった。 
その後、あるNPO法人から、『D社が警察に捕まり、被害が回復されることとなった』と電話があった。そして、保証金を振り込むように言われたため、指定の口座に振り込んだ。NPO法人から、『心配なことがあれば連絡するように』と紹介された弁護士事務所に電話をしたところ、NPO法人とは関係が無いと言われた。
 
 
このように、悪質な業者は、“お金が戻ってくるかもしれない” という気持ちにつけ込んでくる場合もあるのです。 
 
また、バブル期に『原野商法』という、ほとんど価値のない土地を、『将来リゾート地になるから』、『新幹線が通るから値上がりする』などと言って売りつける悪徳商法が盛んに行われていたことがありました。 
 
最近では、この被害にあった人の “できれば売却したい” という気持ちにつけ込んだ二次被害が増えています。 
 
ある事例では、『○○(場所名)に土地を持っていますよね。土地を売りませんか? 整地の費用に30~40万円かかります』などと電話がかかってきて、売却をにおわせる虚偽の説明をしているケースもあります」 
 
騙されないように気を引き締めるのはもちろん、親にも注意するように伝えたいですね。 
 
今回は、高額な契約商品に関するトラブル事例を紹介しましたが、注意が必要な消費者トラブルはまだまだあります。 
次回に続きます!
 
 
※紹介した事例は、『平成24年度消費生活相談概要 主な相談事例』(生活文化局)を参考にしています。 
 

悪徳商法から身を守るために今すぐできること

882_img_01

 

 

こんにちは。『ママノート』編集部です。
 
前々回前回と悪徳商法などの消費者トラブルについて取り上げてきました。
 
これからの年末年始は、実家に帰省する方も多いはず。
高齢者をターゲットにした悪徳商法について話題に出して、親御さんにも注意をするよう伝えたいですね。
 
今回は、悪徳商法から身を守るためのポイントについて、東京都消費生活総合センター 相談課長 阿部耕治さんにお話を伺います。
 
 
●被害にあったことを子どもに言えないケースも
 
親が悪徳商法にあわないよう、どのように見守ればいいでしょうか?
 
阿部 「親御さんに会ったときはもちろん、ときどき実家に電話をかけて変わったことがないかを聞いてください。
 
前々回、前回の記事で紹介した事例を参考に、『最近の悪徳商法ってこんな手法があるらしいよ。気をつけようね』『何かあったら、必ず相談してね』と伝えられるといいですね。
 
悪徳業者の被害にあったご高齢の方の中には、恥ずかしさもあって言い出すことができず、お子さんに隠している場合もあるようです。
 
例えば…
 
急に無口になった
身に覚えのない物が実家にたくさん届いている
不要な工事を何回もしている
 
そんなことがあれば、『何かあったの?』と聞いてみてください」
 
 
●契約は “冷静に検討する” ことが大切
 
悪徳商法にあわないようにするには、どんなことに気をつければいいですか?
 
阿部 「悪徳商法などの消費者トラブルを防ぐポイントをご紹介します。
 
 
■安易に個人情報を伝えない
 
悪質な業者へ名簿が出回るのを避けるには、個人情報(名前、住所、電話番号)を不用意に広めないようにしてください。
どこの事業者が行なっているかわからない、使用目的が明確でないアンケートなど、安易に記入しないほうがいいでしょう。
 
また、過去に、事業者から脅すような口調で、『名前と住所を教えろ!』と言われ、怖くて教えてしまったケースもあるようです。
不審に思った場合は、お住まいの地域にある『消費生活センター』に相談してください。
 
 
■契約はその場ですぐに決めず、冷静になって考える
 
相手の甘いセールス文句につられて、その場で契約をしないようにしてください。
時間をおいて冷静な頭で考え、家族や親しい知人、近所の人などに相談して、本当に必要なのか、価格は妥当かなどをよく検討しましょう。
普段から気軽に相談し合える関係をつくっておくことも大切です。
 
 
■クーリング・オフ制度を知る
 
『クーリング・オフ』とは、消費者が訪問販売などの不意打ち的な取引で契約するなどした場合、一定期間であれば無条件で、一方的に契約を解除できる制度です。事業者に対して書面でクーリング・オフの通知をします。
『消費生活センター』で、書面の書き方などについてアドバイスを受けることができます。
 
 
■最寄りの『消費生活センター』のHP、セミナーなどで情報収集する
 
悪徳商法の手口は、どんどん巧妙化する傾向があります。どのような消費者トラブルの事例が増えているかなど、最新情報を消費者センターのHPなどでときどきチェックしてみてください。
また、消費生活セミナーなどに参加するのもいいでしょう」
 
 
●東京都消費生活総合センター
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/center/

 
 
阿部さん、ありがとうございました。
 
契約する前に、後悔しないよう “立ち止まって冷静な頭で考える” ことを基本にしていきたいですね。

 

「いじめ」を考える

1256_img_01

 

「いじめ」については、親も、学校も、しっかりと向き合わなければならない問題だと思います。
 

今回は佐藤正寿先生のご体験からアドバイスをいただきます。
 
 

佐藤 「まだ教師になって数年のことです。
3年生を担任していたのですが、私のクラスの子で、他の学級の子どもからいじめを受けていた男の子がいました。
 
前兆は、その子どもの、『お腹が痛い。学校に行きたくない』という訴えでした。
それでも遅れて登校していました。
しかし、同じ状態が数日続いたので、『何かある』と母親が考えました。
じっくりと本人に聞いたら、『休み時間に他の学級の子たちが追いかけてきて、いじめる』と言います。
そのことを考えるとお腹が痛くなるということです。
 
とても優しい子でしたから、母親にも担任の私にも心配をかけまいと考えて、我慢していたのです。
その時、その子が本当にいとおしくなりました。
同時に担任としていじめに気づかなかった自分を恥じました。
 
この時には、先に述べたような取り組みをして、いじめはやみ、その子は立ち直りました。
(別記事思い込みで『いじめがある』と言うお母さんに対してをご覧ください)
私も母親もホッとしたものです。
 
2年後、私が転勤する時に、その男の子から手紙をもらいました。
『先生、あの時にぼくを守ってくれてありがとう! ぼくは大丈夫です。』
担任である自分が至らなかったのに、子どもはこう言ってくれる。
これから担任する子たちには、『いじめは絶対に許さない』という強い意志を持って学級経営をしなければと心に誓いました。
 
この子から特に学んだことがふたつあります。
ひとつは、親も担任も知らないところで、子どもが悩んでいる場合があるということ。
ですから時々、『困っていることやいやなことはない?』と聞いてみることが必要なのです。
小さいうちなら、素直に話してくれます。
 
もうひとつは、『今の自分でいいんだ』と自信を持たせることが大切だということ。
私はその男の子を4年生でも担任しましたが、常に励まし続けました。
自分に自信がついて、『ありがとう!』という手紙を書けるようになったのだと思います。
 
前述の手紙は今も大事にとってあります。
この手紙は、子どもを敏感に見ること、励ましを与えることがいじめを起こさせないために必要なのだということを教えてくれます。
そしてその教えは、お母さんやお父さんにとっても同じなのではないでしょうか」
 
佐藤先生、ありがとうございました。

 

☆マネー・センスがある子の育て方

879_img_01

 

 

子どものマネー教育に取り組むキッズ・マネー・ステーション主宰の八木陽子さんに、前回は親のお金の使い方を子どもに伝え、お金の大切さを実感させる方法をお聞きしました。
 
今回は、子どものおこづかいについてうかがいます。
 
 
●金額とあげ方は子どもの性格に合わせて
 
おこづかいはいつから、いくらぐらいあげればいいのでしょう?
 
八木 「子どもが『お金とものを取り替えられる』ということを理解できたら、あげ始めてOKです。
小学校入学をきっかけに、始めるご家庭も多いでしょう。
 
おこづかいはお金の増減がわかりやすい、現金であげるのがポイントです。
金額は、統計的には小学校低学年で、ひと月500円程度が平均。
(金融広報中央委員会 2011年調べより)
 
でも、金額はケースバイケースです。
 
たとえば、保育園の帰りに平日に毎日100円をあげて、ママといっしょにお菓子を買いに行くという年長さんのご家庭がありました。
お金の計算の勉強も兼ねて、自分が食べるお菓子を買うようにしているのだそうです。
 
おこづかいは月にすると、トータル2,000円(週5日500円×4週)ほどになりますが、そういう目的があるなら、妥当な金額といえますよね。
 
そのように、ご家庭ごとに目的に合わせて決めるのがベストです」
 
あげ方は、どうすればいいですか?
 
八木 「代表的なのは、
 
定額制…1日~1か月単位で決まった額をあげる
報酬制…お手伝いや成績UPなどの報酬として与える
 
の2種類で、どちらもメリット・デメリットがあります。
 
定額制は、貯金などの計画が立てやすいのがいいところ。
 
ただ、何もしなくてもお金がもらえてしまうので、なんらかのお手伝いをすることなどを、定額制の条件にするとよいでしょう。
 
報酬制は努力によってお金を得るという、実社会と同じ経験ができるのがメリットですね。
 
でも、お手伝いや勉強は本来、家族や自分のために無報酬でやるのが当たり前だということを、子どもが忘れてしまいかねません。
 
そうではないことを伝えるのはもちろん、報酬の対象になるもの・ならないものに分けたりして、工夫しましょう。
 
子どもの性格によってどちらかを選ぶか、ミックスしてもいいですね
 
 
●おこづかいは3つの目的に分ける
 
おこづかい帳は、つけさせるべきなのでしょうか。
 
八木 「計画的に使う力を養うために、つけるのはおすすめです。
でも、きちんとつけて、しかも続けるというのは難しいもの。
 
もっと簡単にするなら、おこづかいをあらかじめ下の3つの目的別に分け、それぞれの予算内で使うよう、子どもにアドバイスするといいでしょう。
 
1: 自分で使うお金(自分が欲しいものに使う)
 
2: 人のために使うお金(プレゼントや募金に使う)
 
3: いざというときのお金(貯金して、いつか高額のものに使う)
(例:1か月500円なら→ 1 に300円、2 と 3 に100円ずつ)
 
お金やプレゼントをもらいなれている子どもの中には、2 の『人のためにお金を使う』というのが、ピンとこない子もいるかもしれません。
 
ぜひクリスマスなどのイベントを利用して、自分がもらうだけでなく、人にあげる喜びも教えてあげてください。
 
それが将来、自分のためだけではなく、社会のためにもお金を有効に使える力につながりますよ」
 
 
子どもにとって、さまざまな学びにつながるおこづかい。
わが子の性格に合わせて、上手に、あげていきたいと思います。
 
八木さん、ありがとうございました。

 


前回までの記事はこちら

お金の価値観が変わってきている!

子どもにお金の価値を伝える方法とは?

 

関連記事はこちら

子どもにお金の大切さを伝えるにはどうすればいい?

子どものおこづかいの額はどう決めればいい?

[入学準備]小学校の入学時・入学後にかかる費用はどれくらい?

 

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

☆子どもにお金の価値を伝える方法とは?

878_img_01

 

 

前回はお金の大切さがわからない子どもが増えている現状を、子どものマネー教育に取り組むキッズ・マネー・ステーション主宰の八木陽子さんにお話しいただきました。
 
八木さんは子どもがお金の仕組みや価値を学ぶ第一歩として、「親が自分のお金の使い方を教えることが大切」といいます。
それについて、くわしくうかがいました。
 
 
●子どもに買う・買わない理由を説明する
 
お金の使い方について、いつ、どのように教えればいいのでしょう。
 
八木 「子どもに何かを『買って』とねだられることは、どのご家庭でもよくあることですよね。
 
その際、買えないときには、ただ『ダメ!』と言ったり、おざなりに買ってあげたりして、終わらせていませんか?
 
そこで買う・買わないの理由を、子どもにきちんと話していけばいいのです。
 
自販機のジュースを買わない理由は、『水筒を持参しているから』とか、お菓子を買わない理由は、『家に、健康を考えたお菓子があるから』とか、簡単な説明でかまいません。
 
それによって、お金は限られている中で、買う・買わないを取捨選択していくものだということを、子どもは理解していくのです」
 
家庭によって、取捨選択の基準には差がありますが…。
 
八木 「はい。『ゲームは目が疲れるから買わないけど本は買う』など、親の価値観によって異なると思います。
 
でも、その価値観を伝えるというのが、大切なことなんです。
それがお金は優先順位をつけ、考えながら使うものだという学びになるからです。
 
マネー・センスがあるというのは、お金の使い方にメリハリがつけられるということ。
 
なんにでもつかいすぎたら破綻してしまいますし、つかわなさすぎでは生活の満足度が低くなります。
 
子どものうちから価値観による買い方を知ることで、メリハリのつけ方がわかっていくのです」
 
 
●生活の中で根気よくメリハリを教える
 
お金のことは日常生活の中で、子どもにまめに伝えることが大切ですね。
 
八木 「本当に、積み重ねだと思います。
買わない理由を説明しても子どもはまったく納得してくれない、ということの連続だと思いますが(笑)、根気強く教えていくことは、決してムダにはなりません。
 
また、ふだんから特別な日とそうでない日があるということを、子どもに自覚させるようにするといいですね。
 
たとえば、おじいちゃん・おばあちゃんの家に行った日は何かを買ってもらえたり、寝る時間が遅くなるのが許されたりというご家庭も多いでしょう。
それは、特別な日だからです。
 
いつも思い通りになるわけではないことを知るのは、マネー・センスを身につけるうえでも有益なことです」
 
生活にメリハリをつけることが、メリハリあるお金の使い方にもつながっていくのですね!
 
次回は小学校入学時から始めることも多い、おこづかいのあげ方についてお聞きします。
 


前後の記事はこちら

お金の価値観が変わってきている!

マネー・センスがある子の育て方

 

関連記事はこちら

子どもにお金の大切さを伝えるにはどうすればいい?

子どものおこづかいの額はどう決めればいい?

[入学準備]小学校の入学時・入学後にかかる費用はどれくらい?

 

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第16回

876_img_01

 

 

●完全バラバラ九九に即答できることが大事
 
一口に九九と言ってもいろいろな段階があり、主なものは次の4つです。
 
 
上がり九九
下がり九九
段ごとのバラバラ九九
完全バラバラ九九
 
二・一・二(にいちがに)、二・ニ・四(ににんがし)から始まって、九・九・八一まで、上がりながら順番に唱えていくのが上がり九九です。
 
その反対に、九・九・八一、九・八・七二から始まって、二・二・四、二・一・二まで下がりながら唱えるのが下がり九九です。
 
「8×6=  8×3=  8×5=  8×8=  」などのように、ある段の九九がバラバラに出てくる問題に答えるのが段ごとのバラバラ九九です。
 
「5×6=  9×8=  3×4=  7×5=  」などのように、すべての九九がバラバラに出てくる問題に答えるのが完全バラバラ九九です。
 
最後の完全バラバラ九九の問題に、瞬時に答えられるようにしておくことが大事です。
これができてはじめて、九九の完全マスターといえるのです。
 
「7×5は、え~と」などといちいち考えているようだと、「285×675」「839÷36」などの複雑な筆算や分数の計算などで苦労することになります。
 
 
●九九カード、六十四ます計算、64問プリント
 
 
段ごとのバラバラ九九や完全バラバラ九九の練習では、九九カードが効果的です。
順番に並んでいた九九カードを、バラバラにするだけですから、すぐに練習できます。
 
完全バラバラ九九では、百ます計算の応用である六十四ます計算も効果的です。
縦軸と横軸に2から9までの数字を順不同で書き、交差する場所に九九の答えを書きます。
 
これは、マスの枠をたくさんコピーしておけば、何度でも問題を作り直して練習できるという長所があります。
 
ただし、縦の軸と横の軸の交差する場所に九九の答えを書くという作業自体が苦手な子もいますので、気をつけてください。
 
そういう子にも取り組みやすいのが、「完全バラバラ九九64問プリント」です。
これは、二・二・四から九・九・八一までの、全部で64問がバラバラに出てくるプリントです。
(一の段と「二・一・二」や「三・一・三」など「一」がつく九九は外してあります)
 
 
●新記録が楽しみになる
 
このプリントをたくさんコピーしておいて毎日練習します。
こういう練習をするときは必ずタイムをはかります。
 
毎日練習していると、確実にタイムが速くなって、新記録の更新ができます。
子どもはこれがとてもうれしいので張り切ってやってくれます。
また、これは親にとってもうれしいことですし、ほめる材料としてもうってつけです。
 
ただし、いくらはやくなっても間違えがあっては意味がありませんので、満点の時だけ新記録を認めるというようにします。
 
親子で競争するのもいいですね。
 
 
●バラバラ九九即答ゲーム、九九なぞなぞ
 
あと2つ、ゲーム的にできるものを紹介します。
 
1つめは、3人以上で行う「バラバラ九九即答ゲーム」です。
 
例えば、お母さんが「さぶろく!」と問題を出して、お父さんと子どもが「18」と答えます。
 
もちろん、はやく答えた方が勝ちです。
 
2つめは、九九なぞなぞです。
 
例えば、「春美さんはごっくごっくとを水を飲みました。何ミリリットル飲んだでしょうか?」「う~んと、『ごっく』だから45で、それが2回だから90ミリリットル」「正解」というようにやります。
 
どちらのゲームも、問題を出す人は九九カードなどを繰りながらやるといいでしょう。
そして、なんといっても一番大事なポイントは、親子で楽しみながらやることです。

 

人気料理ブロガー a-koさんのきのこレシピ 2

4004_img_01

 

きのこの見た目や独特の風味が苦手… というお子さんには、味にクセが少ないエリンギを使うのがおすすめです。 
 
今回は、『愛されごはん@やさしいキッチン』の a-koさんに、『野菜とエリンギのかき揚げ風』のレシピをご紹介いただきます。 
 
 
野菜とエリンギのかき揚げ風 
 
材料】(4人分) 
 
エリンギ…50g 
にんじん…50g 
じゃがいも(メークインなど)…1/3個(正味50g) 
片栗粉…大さじ1 
塩…ひとつまみ(※親指、人差し指、中指の3本の指先でつまむ) 
ごま油…小さじ2 
 
〈添え物〉 
トマト、レタス…各適量 
 
 
作り方】 
 
1. エリンギは石づきを落とし、にんじん、じゃがいもは皮をむき、すべてマッチ棒ぐらいの太さに切る。 
 
2. ボウルに (1)、塩、片栗粉を入れて手でもみ合わせる。さらに、ごま油を加え、手で軽くもんで全体になじませる(じゃがいものでんぷんが食材同士をつなげる役割をするので、水にさらさずに使用してください)。 
 
3. 大きめのフライパン(またはホットプレート)を熱し、(2) を4等分して薄く広げる。弱火で焼き(ときどきフライ返しで軽く押さえる)、表面がカリッとしたら裏返して色よく焼く。 
 
4. 器に盛り、トマトとレタスを添える。好みで塩少量(分量外)をふる。 
 
 
《おすすめPOINT》 
 
a-ko 「エリンギは、カサが開いていない(内側に軽く巻き込んでいる)、軸が太くて白いものがおすすめです。 
 
今回ご紹介したレシピは、揚げ油を使わずに、フライパンやホットプレートで焼く “かき揚げ風” のおかずです。 
 
カリッとした食感で、ごま油の風味が食欲をそそります。細切りにしているので、きのこの食感や香りが苦手なお子さんも、食べやすいですよ! 
 
わが家の子どもたちにも大好評で、きのこ類が苦手な主人も『おいしい!』と言って食べてくれるメニューです。ぜひ、作ってみてくださいね」
 
 

☆お金の価値観が変わってきている!

877_img_01

 

 

クリスマスやお正月、また入学祝いなど、子どもがお金やプレゼントに触れる機会が多い季節がやってきます。
 
小学生になるとおこづかいをもらったり、友だちとお菓子を買いに行ったりと、子ども自身がお金を使う機会が増えてきます。
 
わが子にお金の上手な使い方を身につけさせるには、どうすればいいのでしょうか。
 
子どものマネー教育に取り組むキッズ・マネー・ステーション主宰の八木陽子さんに、お話をうかがいました。
 

 

●今は「お金の正体」が見えない時代
 
わが家の年長児も、「ピッで買えばいいじゃん」「ネットで買うと早いよ」なんて言い出すなど、子どものお金のとらえ方が変わってきているのでは、と思うのですが?
 
八木 「そうですね。いちばん影響が大きいのは、電子マネーが普及したこと。
それによってお金の正体が、とても見えづらくなっています。
 
電車の利用時に使う PASMO や Suica、ICOCA などのIC乗車券をはじめ、自販機で飲み物を買うとき、スーパーで買い物をするときと、生活のあらゆるシーンで電子マネーが登場します。
 
電子マネーだと、『ためれば増え、つかえば減る』というお金の基本的な仕組みが、目に見えません。
従って、その価値も感じにくくなりがちです。
 
大人たちは、現金しかなかった時代を経験しています。
子どもの頃から現金を目で見ながら、『10円がたまって100円になった』『100円をためたら1000円になった』といった経験をくり返していますから、お金の価値や仕組みがよくわかっています。
 
だから電子マネーになっても、ある程度、お金の感覚は残っていると思います。
 
しかし、今の子どもはそういう経験がないので、電子マネーの感覚がそのまま、お金というものの感覚になっているケースが多く見られます。

つまり、お金が有限であることと、その大切さがわからないのです」

 

 
●お金を大切にしない子は物を大切にしない
 
お金の大切さがわからないと、買ってもらったものの大切さも、わからないのではないでしょうか。
 
八木 「そのとおりです。多くの小学校で子どもが落とし物を取りに来ないことが、問題になっていると聞きます。
なくしたら、なくしっぱなしで平気。
 
すぐ代わりのものを買い与えてしまう親もよくないのですが、そもそも買ってもらったものに対する、愛着がないのですね。
 
それは、お金を使って買うことの重みをわかっていないからだと思います。
お金を大切にしない子は、物を大切にすることもできません。
 
子どもが自分でお金を使い始める前から、親がお金についてきちんと話したり、物を大切にする姿を見せたり、自分の物には名前を書く習慣をつけさせることが大切ですね」
 
お金は生活のために、なくてはならないもの。
将来のためにも今からきちんと、その役割や大切さを伝えていこうと思います。
 
次回はその第一歩となる、「親のお金の使い方を子どもに教える方法」についてお話をうかがいます。

 


続きの記事はこちら

子どもにお金の価値を伝える方法とは?

マネー・センスがある子の育て方

 

関連記事はこちら

子どもにお金の大切さを伝えるにはどうすればいい?

子どものおこづかいの額はどう決めればいい?

[入学準備]小学校の入学時・入学後にかかる費用はどれくらい?

 

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

☆上の子ばかり叱ってしまう

873_img_01

 

前回までは、甘えん坊の下の子に対する接し方などのポイントを、カウンセラー&コーチ三浦久美子先生に伺ってきました。 
 
今回からは上の子の育て方について、引き続き三浦先生にアドバイスをいただきます。 
 
 
●「お兄(姉)ちゃんだから」「そんなんじゃ○○できない」は禁句 
 
なんでも甘くなりがちな下の子に比べて、上の子にはかなり口うるさく接してしまうという親は多いですね。 
 
三浦 「当然ですが上の子は親にとって初めての子ですから、上の子が経験することは、親にとっても何もかも初体験。親として気合が入りまくってしまうんですよね。 
 
その分、期待や要求も高くなりがちで、叱ったり指示したりすることも多くなります。 
それだけ上の子は親から注目されているということでもあるのですが、言葉のかけ方などに注意をしないと、不満がたまったり、必要以上に大人の目を意識する子になってしまいかねません。 
 
日頃、下にあてはまるような言葉がけや接し方をしてしまっているという場合は、少し意識して変えていきましょう」 
 
 
お兄(姉)ちゃんだから~など、上下関係を入れて評価してしまう 
 
例えば、『お姉ちゃんなんだから、弟に優しくしなさい』などと、下の子と結びつけてしかられると、下の子のせいで自分は割に合わないことを強いられている、という思いが強くなります。 
 
この場合は、『小さい子には優しくするのよ』と、きょうだい関係に限定しない言い方に変えるといいでしょう。 
 
ほめる場合も同様です。『さすがお兄ちゃん』ではなく、『さすが6歳ね』と、その子自身の成長や発達という範囲で評価するようにしましょう。 
 
 
『そんなんじゃ○○できないわよ』と言ってしまう 
 
例えば、「洋服がたためなかったら、小学校に行けないわよ」などという、『できない、やらない』と『よくない結果』がついてくる言い方は、なんでも真っ正面に受け止める上の子にとって、未来が真っ暗になってしまう暗示のようなもの。 
 
これを、『服をたためたら、もう小学校は安心ね』などと、『できる、やる』と『よい結果が生まれる』という言い方に変えてみましょう。子どもの気持ちもまったく違ってきます。 
 
 
大人扱いする 
 
上の子はどうしても、大人扱いされる傾向があるため、『子ども』として扱われる期間が短くなってしまいます。そのため『なんでこれくらいできないの』と、叱られる場面も多くなります。 
 
また、親の中では上の子は、なぜか親と同じラインに並んでいて、同志のようにいっしょに下の子を育てる存在とみなされがちです。 
 
上の子を頼りにする気持ちはわかりますが、まだまだ子どもですから、それはちょっと親の “求めすぎ” ともいえます。意識的に『子ども』として扱うように心がけましょう」 
 
「お姉ちゃんなのに」などという言い方は、ふだんから何気なく言ってしまっていたので反省しました。 
 
三浦先生、ありがとうございました。 
 
次回は上の子らしさを引き出す接し方のポイントを伺います。
 
 

☆上の子らしさを伸ばすには?

874_img_01

 

前回は、上の子への言葉がけや接し方を三浦先生に教えていただきました。
 
親からは大人扱いされることの多いという上の子。
のびのびと育てるには、どんな点に注意したらいいでしょう?
 
 
●子ども自身が話すのを待つ
 
上の子が、のびのびとその子らしさを引き出すには、具体的にどうすればいいのですか?
 
三浦 「上の子に対しては、いつも親の側から、『今日は幼稚園で何をしたの?』 『早くお風呂に入りなさい』などと、質問や指示の言葉を投げかけていることが多いのではないかと思います。
 
これは親の、上の子に対する期待や要求が高いがゆえなのですが、親のほうから一方的に子どもに言葉を投げかけているだけの会話では、子どもは親の言うことに答えるだけで、自己主張したり、自分らしさを出すことはできません。
 
そこで、あえて親の側からの話しかけるのをやめてみてはどうでしょう。
 
一時的に会話はなくなるかもしれませんが、それも最初のうちだけで、しだいに子どものほうから、自分の話したいことを話すようになってきます。それを続けていけば、徐々に自分らしさが出せるようになってくるでしょう」
 
 
●子ども自身が考えられるように導く方法も
 
でも、まったくしゃべらないというのも難しいのでは…。それに、家庭の中がちょっと不自然な雰囲気になるような気がします。
 
三浦 「その場合は、『おやつ食べる?』とか、質問や指示ではない言葉を掛けましょう。
『今日、こんなことがあったんだよ』と、親が自分の話をしてもいいですね。
 
または、子ども自身に考えさせるような言葉がけをするのも一つの方法です。
 
例えば、『お風呂に入りなさい!』と指示する代わりに、事前に、『お風呂は何時にする?』と子どもとの間で決めておいて、時間が来たら、『○時だよ、何の時間だっけ?』と声がけします。
 
『お風呂』と答えられたら、『正解、さすが!』とほめてあげましょう。
 
これだけで、会話の流れが楽しいものに変わってきますよね。
 
上の子は親の指示が強い分、行動が受け身になってしまう子も多いのですが、このようにほめポイントをちりばめながら声かけをしていくことで、自分から考え、能動的に動けるようになってきます。
小学校に入ってからも役立つ力を養うことができますよ!」
 
言葉がけひとつで、子どものやる気まで引き出せるんですね。
ぜひ皆さんも試してみてください。
 
三浦先生ありがとうございました!

 

☆甘えんぼうの下の子の入学対策

872_img_01

 

今回は、甘えん坊の下の子に対して、入学までにフォローしておきたいことを、引き続き三浦先生に伺います。 
 
 
● “できてること” をほめて、“できること” を増やす 
 
入学にあたって、甘えん坊の下の子にしておいたほうがいいことはありますか? 
 
三浦 「一人でできることを増やして、“自分にもできるんだ” という自信をつけさせていきたいですね。そのためには、“今できてること” をどんどんほめていくのが有効です。 
 
例えば、『歯を磨くの、上手になったね』 『そんなに早くボタン留められるの。さすが~』などと、とにかくほめてほめまくる(笑)。 
上の子といっしょになって、ほめてもいいですね。 
 
その上で、できないことに関しては、『髪の毛結ぶのはまだこれからだね。これはママがやってあげるね』と言ってみる。すると、『それもできるよ!』と自分からやろうとしてきたりします。 
 
また、『できない、やって』と言ってくる子には、すぐに手伝ってしまうのではなく、まずは、『どこまでならできる? 見ててあげるからやってみよう』と、声をかけてみましょう。 
ちょっとでもできたら、『すごいね~、ここまでできるんだ』とほめてください。 
 
子どもはほめて貰ったり、自分ができる存在だと思われていると感じると、自己肯定感が上がり、さまざまなことに挑戦したくなります。 
 
これを続けていれば、一人でできることが確実に増えていって、甘えん坊さんでも自信をもって入学できるようになりますよ!」 
 
なるほど、なんだか親のほうもやる気がわいてきました! 
 
 
●叱るときはきちんと叱る! 
 
三浦 「ほめるのと同様に、もう一つ注意したいのは、下の子に対して危険なこと、悪いことなど、叱るべきときはきちんと叱るように意識する、ということです。 
 
というのも、親は下の子には意外に「ダメ」と言わない傾向があるからです。上の子に対しては、ついくどくど言ってしまうのとは対照的に、親自身も気がついていないことが多いようです。 
 
これは親の怒りをうまくかいくぐる下の子の要領のよさや、上の子が防波堤になるという面もあると思いますが、下の子が甘えん坊とか、わがままな面が目立つと言われる要因にもなっています。 
ダメなものはダメとはっきり言うことを意識しましょう」 
 
下の子には甘くなりがちなのは気づいていたのですが、やはり意識してしつけなくてはいけないこともあるんですね。 
 
三浦先生ありがとうございました。 
 
次回からは、上の子の育て方について伺います。
 
 

☆甘えんぼうの下の子、入学後が心配!

4111_img_01

 

「きょうだいは平等に育てたい」と考えていても、実際には、接し方が大きく違ってしまいがち。それが上の子・下の子の育ちにどれくらい影響があるのか、気になります。 
 
今回は、上の子・下の子の育て方のポイントについて、カウンセラー&コーチ三浦久美子先生に伺います。 
 
 
●子どもは親を見て「甘えん坊」になる?! 
 
まず1回目は、下の子の育て方についてお聞きします。 
 
どちらかといえば、上の子にくらべて余裕をもって育てられた反面、甘えん坊でわがままな面が気になるという声も。とくに年長になると、もっとしっかりしてほしいというお母さんも多いようです。 
 
三浦 「年長さんくらいの年齢で、『うちの子、甘えん坊で困っているんです』という場合には、実は子どもよりも、親自身がその原因を作っていることが多いんですよ。 
 
その代表的な原因は下の2つです。 
 
1. 「自分がいなければ、この子は何もできない」と、何事にも先回りして手を出してしまう 
 
2. 子どもが泣いて我を通そうとすると、つい聞いてしまう 
 
下の子に甘えんぼうが多いと感じるのは、このパターンが当てはまる傾向が強いからではないかと思います。 
 
例えば 1 の場合、下の子という存在は、親にとってはいつまでも『小さな子ども』です。上の子には早く成長してほしいと思うけれど、下の子が親離れすることは、親にとってとても寂しい。だから無意識のうちに世話を焼いてしまうんです。 
 
2 のパターンも、下の子は自分を素直に出す分、泣き叫んで強く主張することも多いので、親もわがままと思いつつ、『しかたない』と、つい言うことを聞いてしまいます。 
 
子どもは親をよく見ています。主張すれば親はなんでもやってくれると思うから、甘え続けたり、泣いてでも自分の要求を通そうとするようになるんです」 
 
心当たりがあって、ちょっとドキッとしました。無意識のうちになんでもやっていないか、気をつけないといけないですね。 
 
 
●年長でも、甘えてきたら思い切り甘えさせて 
 
三浦 「ただし、なんでも子どもの言いなりになることと、だっこを求めたり、悔しいことや不安なことがあったときに、親にしがみついて泣くのを受け入れることは別問題です。 
 
子どもが甘えたら親がそれに応えるという関係性は、子どもが自分の存在確認をでき、安心して外の世界に飛び込んでいくための安全基地になる大切なもの。 
 
入学前は、どんな子でも多少不安になりますから、『だっこ』って甘えてきたら、『もう小学生になるのに』なんて言わずに、「いいよー!」って、ぎゅーっと抱きしめて思いっきり甘えさせましょう!」 
 
いつでも甘えられるという安心感も大事なんですね。 
 
三浦先生ありがとうございました。 
 
次回は入学を前に、甘えん坊の下の子にどのようなフォローをしていけばよいのかを伺いたいと思います。
 
 

☆食物アレルギーは、どんな症状が現れるの?

4079_img_01

 

こんにちは。『ママノート』編集部です。 
 
みなさんは “食物アレルギー” について、どのように思っていますか? 
 
「食べられないものがあるなんて、かわいそう」 
 
もしかして、そんなふうに思っていないでしょうか。 
 
食物アレルギーを持つ子どもは増加傾向にあり、決して特別なことではありません。 
 
だからこそ、大人が正しい知識を身につけ、食物アレルギーの子どもを支える必要があります。 
 
きちんと理解しないまま、周囲の大人から「かわいそうね」というマイナスの言葉を言われたら、食物アレルギーの子も、そのママも辛い思いをするかもしれませんね。 
 
食物アレルギーのお子さんを持つママも、そうでないママにも食物アレルギーについて正しい情報を知ってもらうため、昭和大学医学部小児科学講座 講師今井孝成先生にお話を伺いました。 
 
 
●食物アレルギーは免疫機能を介して起こる 
 
今井 「私たちの体には、体内に侵入した異物を排除しようとする免疫機能が備わっています。 
 
食物アレルギーでは、特定の食物を食べると、主にたんぱく質を異物(アレルゲン)として体が認識し、排除しようとします。それによって、さまざまな症状が現れるのです。 
 
免疫機能を介さない食中毒、細菌やウイルスなどによる急性胃腸炎、食物不耐症(例:牛乳を飲むとおなかがゴロゴロして下痢をする)などは、食物アレルギーではありません。決して自己判断しないようにしてくださいね」 
 
 
●全身に症状が現れることもある 
 
今井 「食物アレルギーの症状(下記参照)の現れ方は人によって異なりますが、最も多いのが、皮膚・粘膜症状です。 
また、消化器・呼吸器に現れたり、全身に出現したりすることもあります。 
 
とくに注意しなければいけないのが、複数の臓器に症状が現れる『アナフィラキシー』という状態です。呼吸器症状が出現すると『アナフィラキシーショック』へと進行するリスクが高まり、命を脅かす可能性もあります」 
 
 
食物アレルギーのおもな症状】 
 
 
《皮膚粘膜症状》 
 
皮膚症状:かゆみ、じんましん、むくみ、赤み、湿しん 
眼症状:白目の充血、ゼリー状の水ぶくれ、かゆみ、涙、まぶたのむくみ 
口腔咽喉頭症状:口の中・くちびる・舌の違和感・腫れ、喉のつまり・かゆみ・イガイガ感、息苦しい、しわがれ声 
 
 
《消化器症状》 
 
腹痛、気持ちが悪くなる、嘔吐、下痢、血便 
 
 
《呼吸器症状》 
 
上気道症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり 
下気道症状:息がしにくい、せき、呼吸時に『ゼーゼー』『ヒューヒュー』と音がする 
 
 
《全身性症状》 
 
アナフィラキシー:皮膚・呼吸器・消化器などのいくつかの症状が重なる 
アナフィラキシーショック:脈が速い、ぐったり・意識がない、血圧低下 
 
 
●何がアレルゲン(アレルギーの原因食物)になりやすいの? 
 
今井 「アレルゲンになりやすい原因食物は以下の通りです。特定の食物に含まれる “たんぱく質” が主な原因だということがわかっています。 
 
食物のたんぱく質は、加工や調理(加熱・加圧・酸処理など)によって、構造が変わる(変性)ことがあります。ですので、例えば生や半熟状態の卵にアレルギー反応が出るけれど、しっかり加熱したゆで卵にはアレルギー反応が出ないという人もいます」 
 
 
アレルギーの原因になるおもな食品】 
 
卵、乳、小麦、甲殻類(えび、かに)、そば、落花生(ピーナッツ)、果物類(キウイやバナナ、りんごなど)、大豆、魚類、木の実類(アーモンド、クルミ、カシューナッツなど)、など 
 
 
次回は、食物アレルギーの診察を受けるときのポイントについてお話を伺います。

 


こちらもあわせてどうぞ
いつ学校に伝える? 子どもの食物アレルギー

食物アレルギーは、どんな症状が現れるの?

 

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

☆食物アレルギーの診察を受けるときのポイント

4091_img_01

 

食物アレルギーは、専門の医師による正確な診断が最も大切です。 
 
受診の際、どんなことに気をつければいいのか、昭和大学医学部小児科学講座 講師今井孝成先生にアドバイスいただきました。 
 
 
●「疑わしい食物はすべて食べない」と自己判断しないで! 
 
今井 「食物アレルギーのお子さんの負担を少なくするためには、食物アレルギーに精通した医師から正しい診断を受け、必要最小限の食物除去をしてください(アレルゲンとなる食品だけを除いた食事をする)。これは基本的であり、とても重要なことです。 
 
それは、お子さんに食物アレルギーの症状が現れることを過剰に心配し、アレルゲンではない食べられるものまで除去した食事を続けているケースが多くみられるからです。 
 
必要以上の食物除去を行うことは、栄養に偏りが出てお子さんの成長に悪影響を及ぼす可能性があります。 
また、お子さんが食に対して興味を失い、恐怖心を感じてしまいかねません。 
 
以前、牛乳の食物アレルギーを持つ6歳のお子さんに、経口免疫療法(※1)という治療のために牛乳を飲ませようとしたところ、牛乳を目の前に置いて見るだけで気分が悪くなってしまったことがありました。これは特別なケースではなく、よくあることなんです。 
 
だから、お子さんに恐怖心を与えずに必要最低限の除去をし、おいしく食べて豊かな食生活を楽しんでほしいのです。 
それは、何がアレルゲンなのかを知る “正確な診断” にかかっています」
 
 
※1 食物アレルギー専門の医師の管理もと、アレルゲン食物を段階的に摂取し、最終的に耐性獲得をめざす治療法。 
 
 
●血液検査は、あくまでも指標にすぎない 
 
今井 「食物アレルギーの診察は、血液や皮膚の検査を行うことがありますが、それだけで正確な診断をすることはできません。 
※血液のIgE抗体検査が陽性でも、実際はその食品を食べられる子どもが多くみられます。 
 
実際に起きた症状を問診で確認し、食物負荷試験(アレルギー専門の医師のもと、原因とみられる食物を食べてみて、症状が出るかを確かめる)などの検査結果を組み合わせ、総合的に診断します。 
 
お子さんに食物アレルギーが疑われる症状が出て、医師の診察を受けるときは、食事内容やアレルギー症状などを詳しく伝えてください。 
 
実際に起きた症状を正確に伝えるために、下記の項目のメモをとって持って行ってくださいね」 
 
 
診察を受ける前に準備するメモ項目】 
 
いつ、どこで?(例:1週間前の夕食のとき、自宅の食卓で) 
 
食べたものは? 食物名・料理名・加熱具合など(例:鶏卵・半熟の卵焼き) 
 
どれぐらい? 量を具体的に(例:鶏卵1個分) 
 
いつ(何分後)、どのような状況のときに、どんな症状が、どれぐらい続いた?(例:1時間後、運動中に背中・腕にじんましんが出た) 
 
 
●乳幼児早期からの食物アレルギーは治ることが多い 
 
今井 「人によって異なりますが、乳幼児早期に発症する食物アレルギーは、9割近くが就学前には耐性化する(アレルギー反応が出なくなり、食べられるようになる)ことが知られています。 
 
それなのに耐性化したことに気づかないまま、本来食べられるものを除いた食事を続けてしまっているケースもみられます。 
 
1~2年症状が出ていない場合は、耐性化している可能性があるため、主治医に相談してください」 
 
 
次回は、給食を安心して食べるためにできることをアドバイスいただきます。
 

 


前回の記事はこちら

食物アレルギーは、どんな症状が現れるの?

 
こちらもあわせてどうぞ

 

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

☆給食を安心して食べるためにできることは?

4102_img_01

 

食物アレルギーを持つお子さんのママは、小学校の給食できちんと対応してもらえるか心配されている方が多いのではないでしょうか。 
 
小学校入学までに何をすればいいのか、昭和大学医学部小児科学講座 講師今井孝成先生にお話を伺いました。 
 
 
●口頭で伝えるだけではダメ! 主治医の診断書を学校に提出する 
 
今井 「小学校側に、専門の医師による食物アレルギーの診断結果を正確に伝える必要があります。食物アレルギーの対応には細心の注意を払う必要があり、口頭の申告だけでは、誤食につながりかねません。 
 
文部科学省は、平成20年に『学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)』(以下指導表)を作成しました。医師にこの指導表を記入してもらったうえで、学校に提出してください。 
 
指導表をもとに学校と話し合い、給食での対応や万が一症状出たときの対応を確認します。そうすることで、担任教諭だけではなく学校全体で取り組み、食物アレルギーの対応に責任を持つことができるのです。 
 
乳児期に発症した食物アレルギーは、アレルゲンとなる食物が増えたり、また成長にともなって耐性がつく(アレルギー反応が出なくなる)など、状況が変わることがよくあります。基本的には1年ごとに(また、新たな食物アレルギー反応が現れたらすぐに)提出してください」 
 
 
●給食の対応では、安全のために “完全除去” する 
 
今井 「食物アレルギーは、食物の加熱状況や量によっては食べられることがあります。 
 
しかし、料理などの対応が複雑になってしまうと、コンタミネーション(※1)につながる可能性があり、アナフィラキシー(※2)のリスクを高めてしまいます。 
 
ですので、学校給食の対応の基本は “完全除去か解除(※3)” のどちらかをはっきり分け、安全を優先させるほうが望ましいとされています。 
 
※1 他の調理器具を使うなど、何らかの原因でアレルゲン食物が混ざること 
※2 アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症状が同時に出現した状態のこと 
※3 アレルゲン(原因食物)を食べてもアレルギー反応が現れなくなり、専門医の正確な診断を受けたうえで、除去していた食物を食べること
 
 
 
さらに、医師から内服薬(抗ヒスタミン薬)やアナフィラキシーショックに対してのアドレナリン自己注射薬を処方されている場合は、薬の種類や服用・使用のタイミングをお子さんや学校側に伝えてください。 
 
万が一症状が出たときのことを考えて、保管方法や症状が出たときの緊急時対応を相談しておきましょう」 
 
 
●子ども自身も「食べられない」と断る力をつける 
 
今井 「小学校に入学し、親の目の届かない集団生活に入っていくときは、食物アレルギーのお子さん自身が、アレルゲン食物が入っていないかを確認し、断る力を身につける必要があります。 
 
家庭で、『いやな症状が出てしまうから、食べないようにしようね』『何が入っているかわからないものは、食べないようにしようね』と伝えてください。 
 
このとき、決して必要以上に脅すような言い方はしないでくださいね。お子さんが食に対して恐怖感を持ってしまうかもしれません。 
 
お子さんにも、食物アレルギーになるしくみを理解させ、“食べられるもの” に注目しながら豊かな食生活が送れるように支えてあげてください」 
 
 
今井先生、ありがとうございました。 
 
必要以上に恐怖感を持ちすぎず、何よりも「子どものためになっているか」を考えて、食物アレルギーと付き合っていきたいですね。
 

 


こちらもあわせてどうぞ

食物アレルギーの診察を受けるときのポイント

食物アレルギーは、どんな症状が現れるの?

 

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

☆5,6歳の英語教育におすすめの教材

4068_img_01

 

「まだ英語教室に通わせるのも早そうだし…」というご家庭におすすめの英語教材について、織井弥生さんにお聞きします。 
 
 
●子ども向けの海外アニメなら、耳から自然に英語が入ってきます 
 
年長さんや小学1年生向けに、おすすめの英語教材はありますか? 
 
織井 「海外のアニメや映画がおすすめです。 
大人でも、映画で英語を学ぶという方法がありますが、これは、子どもにもよい方法です。 
 
子どもだと、字幕のスピードについていけず、読むことができないので、耳から入ってくる言葉と画面からの情報だけで、筋を追っていくことになります。 
 
けれども、子どもたちは、英語が分からなくても、子ども向けのアニメや映画であれば、ちゃんと内容を理解できるようです。 
 
そして、海外の子どものアニメや映画を楽しく見ているうちに、英語が自然と耳から入ってきます。 
 
その耳から入ってくる英語のリズムに慣れることが、実は英語力をつけるのに大切なのです。 
 
例えば外国の人に道を聞かれたときに、ベラベラベラと英語で話されると、聞き取ることができません。 
 
これは、英語のリズムに慣れていないことが原因でもあります。 
 
英語のリズムに慣れていると、それが聞き取れるようになるのです。 
 
アメリカの小学1年生が見ている番組なら日本の小学1年生もわかります。 
 
ディズニー・チャンネルでやっているような、ドラマ、アニメ、映画は、ほぼ理解できると思います。 
 
『リロ&ステッチ』『トイストーリー』などは、アメリカの子も日本の子も大好きですよね」 
 
 
今すぐにではなくても、余裕があれば将来留学もさせてあげられたらと思いますが。 
 
織井 「そうですね。本格的な留学となると、日本は4月が進級月のため海外のプログラムと合わないこともあるのですが、夏休みを利用しての海外のキャンプ(教室)に参加するのも楽しいですよね。 
 
キャンプでは、外国の同年齢の子と工作をしたり、遊んだりします。 
とてもよい経験になると思いますよ。 
 
低学年のうちは難しいと思いますが、高学年以上であれば、ホームステイや短期で語学学校に通うという方法もあります。 
 
海外にいけば、周りはみんな英語を話しますし、テレビ番組も英語ですし、日本にいるのとは英語を浴びる量が全然違います。 
当然英語力もグンとつきますよね。 
 
勉強だけが英語教育ではありません。 
楽しみながら外国を感じる体験をすることも、英語教育だと思います」 
 
 
4回に渡ってお話を聞いてきました。 
 
英語教育をいつから始めるか、何をするか、織井さんのお話を参考に考えてみたいと思います。 
ありがとうございました。
 
 

☆大人は、いくら習ってもなぜ英語が話せない?

4045_img_01

 

私たち親の世代では、中学、高校、大学と何年も英語を学んだはずなのにそれでも話すことができないという人が多くいます。 
 
そのような悔しい思いから、せめて我が子は英語でつまずかないでほしいと望んでしまう、というところもあるかと思いますが、大人が英語を話せないのはなぜなのでしょうか? 
 
織井弥生さんに、引き続きお話をうかがいます。 
 
 
●大人の英語教育は、試験に焦点が合っていたのが問題 
 
学校で英語を習ってきたのに、多くの大人が英語を話せない原因はなんだとお考えですか? 
 
織井 「やはり、コミュニケーションのための英語教育ではなく、大学受験など、試験のための英語教育であったことが問題でしょう。 
 
そのため、英語を話す機会でも、『文法的に合っていないと』という思いがあって、言葉が出てこないのだと思います。 
 
本当は、英語はただの言葉なのだから、通じればそれでよいわけです。 
 
『正しくなければ』という意識がなくなれば、もっと自由にコミュニケーションができるはずです。 
 
アメリカには、いろいろな国から人が来ていましたが、中国人もメキシコ人も、いい加減な英語で堂々と話していました。 
 
いい加減な英語でも相手に通じればいいのです。 
黙っていては、相手に何も通じません。 
 
大人も、間違いを恐れず、話すことに慣れていくことです。 
 
『正しくなくても通じれば楽しい』ということがわかれば、もっと英語を話したい、勉強したいと大人も思うのではないでしょうか」 
 
 
そうですね。子どもと一緒に勉強して、今から英語力を身につけても遅くないですよね。 
 
織井 「私は、大人が英語教育の課題に気づいている今の日本の機運はよいと思います。 
 
私たち親の世代が、もっと使える英語を身につけるべきだったと知っていて、それを求めて子どもに英語を習わせたいと思うことは悪いことではありません。 
 
子どもたちに、英語に苦手意識を持たせないように、将来、世界中の人と対等に渡り合えるように願って家庭教育に英語を取り入れる。 
それは決して無駄なことだと思いません」 
 
 
大人たちの失敗も、子どもたちに生きているんですね。 
 
織井さんありがとうございました。

☆英語力をつけるため、5,6歳の今、できること

4037_img_01

 

前回は、幼児期の英語教育について、「お遊戯中心の英語教室で、英語に親しむのもよい」というお話をお聞きしました。 
 
5,6歳(年長~小学1年生)くらいの子どもであれば、どのような英語教育が適しているのか、引き続き、織井弥生さんにうかがっていきます。 
 
 
●小1であれば、“グレード1” レベルの単語は理解できる 
 
英語に親しむ1歩として、お遊戯中心の英語教室に通わせるのもよいというお話でしたが、もう少し成長して、5,6歳くらいになったら教育法を変えるべきでしょうか? 
 
織井 「そうですね。小学1年生くらいになったらもう少し進んだ教育もできると思います。 
 
基礎的な語彙力をつける 
コミュニケーション力をつける 
 
ということを意識してみてはいかがでしょうか。 
 
英語を使う力をつけるには、まずはある程度の語彙力が必要です。 
 
日本の小学1年生であれば、“グレード1” (アメリカの小学1年生)レベルの単語は理解できると思いますので、ドリルなどのペーパーを使って単語力をつけていけるとよいでしょう。 
 
日本人は、案外基礎的な単語を積み上げるように覚えていくのが得意です。 
 
子ども向けの英語ドリルなどは、楽しみながら単語を獲得していけるように工夫されていますし、アメリカやイギリスのドリルもおすすめです。 
 
Amazonなどで、 
 
Language Arts Grade 1』 
Vocabulary Grade 1』 
 
などと入れていただくと、海外の教材も購入可能です」 
 
 
●英語を使ったやり取りで、コミュニケーション力をUPさせましょう 
 
コミュニケーション力をつけるには、どのような方法がおすすめですか? 
 
織井 「コミュニケーション力をつけるには、やはり実際に英語を聞いて、英語を話すことが重要です。 
 
子ども向けの英会話教室などで、ネイティブの先生と会話をして、英語を使ってみましょう。 
 
2つ目の言語を獲得するときによく言われていることなのですが、『言葉はまぜて話してはいけない』そうです。 
 
例えば、国際結婚をしたご家庭で、子どもをバイリンガルにしたいと考えたとき、ママは日本語で、パパは英語というように役割分担を決めて、ミックスしないようにすると、きちんと言語が分類されて身につくのです。 
 
この考えでいくと、ネイティブの先生が相手であれば、一歩教室に入ったら英語しか使えないため、切り替えることができてよいと思います」 
 
 
ありがとうございました。 
 
多くの大人が、学校で英語を学んできたのに話せないという失敗をしています。 
子どもたちに同じ失敗をさせないために、その理由を次回織井さんにうかがっていきたいと思います。
 

☆英語教育は、早ければ早いほどいい?

4027_img_01

 

小学校で「外国語活動」が導入され、日本の国際化がますます進むなか、「将来、英語が得意な子にしたい」「我が子には英語が話せるようになってほしい」と望む親御さんは多いようです。 
 
そこで、子供連れでアメリカに12年在住し、駐在家庭のアメリカ生活適応を助けてきた織井弥生さんに、“将来英語力をつけるために、今、できること” をテーマにお話をうかがいます。 
 
 
●英語は始める時期よりも、その後の “フォロー” が大切 
 
日本にいながらにして英語を身につけるためには、どのようなことをしたらよいのでしょうか? 
 
織井 「まずは、英語のリズムに慣れること。そして、基本的な語彙力をつけること。それらを身につけたら、コミュニケーション力をつけることです」 
 
 
早期の英語教育に関しては、「英語教育は、早ければ早いほど耳から入りやすい」という意見と、「あまり早くから始めると、日本語と英語がゴチャゴチャになってしまう」という意見がありますが、織井さんは、英語教育を始めるのにベストな時期について、どのように考えますか? 
 
織井 「まず、日本語と英語、両方をいっぺんに学んだからといって、混乱してしまうということはないと思います。 
 
我が家の子どもたちは、アメリカで育ちましたが、家では日本語、外に出たら英語という生活で、場に応じてきちんと切りかえていました。 
 
子どもの能力は、親が考えるより優れていて、子どもなりに “英語” “日本語” と、きちんと分類して処理することができるようです。 
 
英語教育を始める時期ですが、親が『やってあげたい』と思ったら始めればよいと思います。 
 
年齢に応じて、いろいろな英語教育の方法があります。 
例えば、幼児期であれば、お遊戯中心の英語教室で、英語に親しむことから始めることができます。 
 
そうした教室で、アメリカの保育園でやっているように、英語の歌を歌ったり、ゲームをしたりすることで、英語に対しての心理的バリアを減らすのはよいことだと思います。 
 
ただ、幼児のうちから英語教室に通わせたからといって、英語力がつくとはかぎりません。 
 
お遊戯を入り口として、その後どのようにフォローするかによって、英語が身につくかどうかは違ってきます。 
 
英語を操るには、語彙力も必要ですし、コミュニケーション力も必要です。 
 
英語に親しんだ後で、そうした力をどのようにつけていくかが、子どもの英語教育のポイントだと思います」 
 
 
織井さん、ありがとうございました。 
 
次回は、語彙力やコミュニケーション力をつける方法についてうかがっていきます。
 
 

思い込みで「いじめがある」と言うお母さんに対して

1254_img_01

 

「自分の子どもの話だけを鵜呑みにして、『いじめがある』と学校に訴えたお母さんがいます。その場合、学校はどう対応するのでしょうか?」
 
親は学校生活を見ることができないので、子どもの話からうかがうしかありません。
 
もし、子どもに「いじめられた」と言われたらきっと居ても立ってもいられないと思います。
 
しかし、子どもの話だけを鵜呑みにして何もなかったら?
それでも、本当にいじめだったら困りますし…。
 
このご質問の中の「鵜呑みにした」とされるお母さんのことが、人ごととは思えません。
 
佐藤正寿先生、先生だったらどう対応しますか?
 
 
佐藤 「私がその子の担任だったら、事実確認をして多少違う部分があっても、まずはその親御さんの言い分を受け入れます。
 
というのも、『いじめを受けた』と感じた子がいるのは現実ですから。
 
親御さんの言い分に誇張と思われるところがあっても、じっくりとお話を聞きます。
そして、一番のポイントである『親の願い』を具体的に聞きます。
 
このような場合には、『自分の子どもがみんなと一緒に仲良く遊んでほしい』ということが願いとなるでしょう。
 
その願いは担任である私の願いとも一致します。
その願いに沿った指導方針を決めお母さんに伝えます。
 
たとえば次のようなことです。
 
●その子たちの交友関係を今まで以上に観察する
 
●『学級全員で遊ぶ日』『友だちの良さを発見する会』等を設定し、子どもたち同士の交わりを深めるようにする
 
●困ったときにはすぐに担任に連絡するように話す
 
むろん、それらの活動に取り組むだけではなく、その様子については連絡帳や学級通信などで親御さんに連絡をするようにします。
 
子ども自身からも、『このごろどう?』と様子を聞いて、心配な点があれば相談にのるようにします。
私たち教師は、いじめの訴えがあった場合、このようにして丁寧に対応をします。
 
テレビ等で、学校の対応のまずさなどが目につきますが、それらの例はごく一部です。
 
ですから、新入学のお子さんをお持ちの親御さんは、『いじめられているようだ』と感じたら、まずは担任に相談してください。
 
遠慮する必要はありません。真剣に対応してくれるはずです」
 
 
佐藤先生、ありがとうございました。
 
「先生が何とかしてよ!」ではいけませんが、一緒に協力して解決したいと言う親をうるさがる先生はいないと思います。
 
「先生は忙しいから手を煩わせてはいけない」「まずは、自分で事実確認できてから」と、つい遠慮してしまいそうですが、もしものときは、先生に相談するのが一番の近道だと覚えておきましょう。

 

親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第15回

4022_img_01

 

●お母さんの一計 
 
みなさんは、親子日記というものをご存知ですか? 
これは親子が文通するように書く日記のことです。 
 
ある女の子は、幼稚園のときにお父さんと親子日記を始めました。 
仕事の関係でお父さんの帰りが遅くなり、父娘の触れ合いが少なくなったので、お母さんが一計を案じたのです。 
 
「お父さんにお手紙を書こう」という感じで始まり、毎日、お母さんに字を教わりながら書きました。 
 
例えば、「きょう、○○をしてあそんだよ。」と書くと、娘が寝た後でお父さんが帰ってきて、「○○はたのしいね。おとうさんも、こどものころよくあそんだよ。」とお返事を書きます。 
 
お返事を楽しみに少しずつ書いているうちに、ひらがなが全て書けるようになり、かたかなも書けるようになり、漢字も少しずつ書けるようになりました。 
 
そして、だんだん長く詳しい文章が書けるようになりました。 
 
 
●親子日記で書く力が上がる 
 
小学校に入学して私が担任したのですが、彼女の書く力は抜群でした。 
日記、作文、感想文など、なんでもぐんぐん書けました。 
 
お話作文という名前でスピーチもやっていましたが、これにおいてもすばらしい表現力を発揮して、みんなを楽しませてくれました。 
 
彼女は、それほどの力をつけるために、ものすごくがんばったわけでも、また苦しい目にあったわけでもありません。 
 
ただ、お父さんのお返事がうれしくて毎日楽しみながら書いていただけです。 
しかも、お父さんとの心の絆を深めながら。 
 
 
●楽しみながらが大原則 
 
ということで、私はみなさんにも親子日記をお勧めしたいと思います。 
親子の絆を深めながら、毎日楽しみながら書いてほしいと思います。 
高学年になってからより低・中学年の方が始めやすいはずです。 
 
さて、親子日記にはいくつか注意点があります。 
これは楽しみながらやることが大原則です。 
つまり、楽勉です。 
 
ですから、これを叱る材料にしないでください。 
叱られながらイヤイヤやったのでは、かえって書くことが嫌いになるだけです。 
親子の絆を深めるどころか、その逆になります。 
叱る材料になるくらいなら、やらない方がマシです。 
 
 
●共感を大切に 
 
親子日記に乗ってこない子ももちろんいます。 
書くことに苦痛を感じる子もいますので、その場合は無理をせず、あっさりやめてください。 
 
苦手なことをつついているより、もっと他の面で、本人に向いている面で伸ばしてあげたほうがいい結果が出ます。 
 
親子日記をやり始めたとしても、書く気がないときはひと言でもいいにしましょう。 
 
彼女の場合も、「つかれた」のひと言で終わりということも度々あったそうです。 
 
日記の相手はお父さんでなくてもかまいません。 
 
お返事は共感的に書くようにしましょう。 
小言やお説教はNGです。 
 
いい表現や上手な字はほめてあげてください。 
 
とにかく、楽しみながらやることが大事です。