小栗ショウコ
認定NPO法人「あっとほーむ」代表。一般企業に勤務後、16年前に、働く女性のために保育園へのお迎え付き夜間保育&学童保育所「あっとほーむ」を創設。女性が結婚・出産しても働き続けるためには何が必要かを考えた支援を行う。2014年からは、「あっとほーむ」周辺や東京都内を中心に、仕事と子育てを両立させたいお父さん・お母さんのために、「ほんとうは楽しい仕事!子育てサロン」も開催している。
共著に「だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイドブック」(ディスカバー・トゥエンティワン)。
認定NPO法人あっとほーむ
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学校・まなび
年長 2016年4月4日の記事
☆入学後の子どもの変化を見逃さないで[2016/4/4]
<どう乗り越える?「小1の壁」1>できれば入学後1カ月くらいは仕事をセーブして
子どもの小学校入学と同時に、子どもを預かってもらう環境や会社の育休制度の対象から外れることによって、多くの共働き家庭がぶつかる「小1の壁」……この壁を乗り越えるために、今からできることはあるのか、認定NPO法人「あっとほーむ」代表の小栗ショウコさんにうかがいました。
●入学後の子どもの変化を想定し、選択肢を準備する
子どもの入学はうれしいけれど、働くお母さんの場合、お子さんの毎日の放課後をどこでどう過ごさせたらいいか、不安や心配も少なくありません。
小栗 「『小1の壁』というと、子どもを預かってもらえる時間が短くなるとか、会社の育休制度がなくなるということばかりに意識がいきがちですが、私はもっと、入学後の子どもの変化に目を向けてほしいなと思うんです」
というと、例えばどういうことでしょう?
小栗 「例えば保育園時代はとてもしっかりしていて、誰にでも優しくてみんなに頼られていた子が、1年生になったら周囲の環境についていけなくなってしまったり、反対に、頼りないと思っていた子が、意外に学校にすんなりなじめて、自信をつけていくということもあります。いずれにせよ、よくわかっていたはずの子どもの性格がわからなくなるのが、この小1の時期なのです。
また、この時期は子どもも疲れているので、何かというとすぐにキレたり、かんしゃくを起こしたりすることも多くなります。親はそれに気づかず『なんでできないの!』とか『ちゃんとやらなきゃダメでしょう』などと叱ってしまうため、親子げんかも多くなるようですね。
もちろん、どう変化するかは子どもによって違いますし、入学してみないことにはわかりません。だから、いろいろなパターンを想定し、こうなったらこうしてみようという選択肢をいくつか用意しておくといいでしょう。もし想定外の状態になったとしても、あらかじめ子どもに大きな変化があるということがわかってさえいれば、『こうきたか』と、比較的余裕をもって受け止めることができます。
また、仕事の仕方や学童保育所選びも、子どもの変化をふまえた上で準備しておけば、『壁』は越えやすくなるのではないでしょうか」
●できれば、入学後1ヶ月くらいは仕事を抑えるのがベスト
具体的にはどのようにすればいいのですか?
小栗 「もしできるなら、最低でも4月の1〜2週間、さらに可能であれば1ヶ月間くらいは、夫婦それぞれで仕事を調整したり、有給を使って午前中だけの勤務にするなどして、なるべく子どもが帰ってくる時間には家にいてあげるようにできると理想的です。
子どもは保育園に通っているときは、送り迎えも車や自転車、徒歩でもわりあい短い距離で、毎日を園庭と近くの公園くらいの範囲で過ごしていた子がほとんどです。
それが、入学したとたんに重いランドセルを背負って、通学路を歩き、広い学校の中で、6年生までのたくさんの子どもがいるところで頑張らなければなりません。帰ってきたら夕方4時くらいには疲れて眠くなってしまうんです。ですから、その時間にふっと気を抜けるような環境を与えてほしいんですね」
入学してからしばらくは、子どもに対する配慮がいかに重要かということですね。
とはいえ、入学後も仕事をセーブするのは、職場に対して気が引けるものですし、セーブしたくてもできない人のほうが多いでしょう。その場合はどうしたらいか?を次回、小栗さんにうかがっていきます。
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