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生活・しつけ
2013年11月4日の記事
親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第15回
第15回 親子日記、いつ始めるか? 今でしょ!
●お母さんの一計
みなさんは、親子日記というものをご存知ですか?
これは親子が文通するように書く日記のことです。
ある女の子は、幼稚園のときにお父さんと親子日記を始めました。
仕事の関係でお父さんの帰りが遅くなり、父娘の触れ合いが少なくなったので、お母さんが一計を案じたのです。
「お父さんにお手紙を書こう」という感じで始まり、毎日、お母さんに字を教わりながら書きました。
例えば、「きょう、○○をしてあそんだよ。」と書くと、娘が寝た後でお父さんが帰ってきて、「○○はたのしいね。おとうさんも、こどものころよくあそんだよ。」とお返事を書きます。
お返事を楽しみに少しずつ書いているうちに、ひらがなが全て書けるようになり、かたかなも書けるようになり、漢字も少しずつ書けるようになりました。
そして、だんだん長く詳しい文章が書けるようになりました。
●親子日記で書く力が上がる
小学校に入学して私が担任したのですが、彼女の書く力は抜群でした。
日記、作文、感想文など、なんでもぐんぐん書けました。
お話作文という名前でスピーチもやっていましたが、これにおいてもすばらしい表現力を発揮して、みんなを楽しませてくれました。
彼女は、それほどの力をつけるために、ものすごくがんばったわけでも、また苦しい目にあったわけでもありません。
ただ、お父さんのお返事がうれしくて毎日楽しみながら書いていただけです。
しかも、お父さんとの心の絆を深めながら。
●楽しみながらが大原則
ということで、私はみなさんにも親子日記をお勧めしたいと思います。
親子の絆を深めながら、毎日楽しみながら書いてほしいと思います。
高学年になってからより低・中学年の方が始めやすいはずです。
さて、親子日記にはいくつか注意点があります。
これは楽しみながらやることが大原則です。
つまり、楽勉です。
ですから、これを叱る材料にしないでください。
叱られながらイヤイヤやったのでは、かえって書くことが嫌いになるだけです。
親子の絆を深めるどころか、その逆になります。
叱る材料になるくらいなら、やらない方がマシです。
●共感を大切に
親子日記に乗ってこない子ももちろんいます。
書くことに苦痛を感じる子もいますので、その場合は無理をせず、あっさりやめてください。
苦手なことをつついているより、もっと他の面で、本人に向いている面で伸ばしてあげたほうがいい結果が出ます。
親子日記をやり始めたとしても、書く気がないときはひと言でもいいにしましょう。
彼女の場合も、「つかれた」のひと言で終わりということも度々あったそうです。
日記の相手はお父さんでなくてもかまいません。
お返事は共感的に書くようにしましょう。
小言やお説教はNGです。
いい表現や上手な字はほめてあげてください。
とにかく、楽しみながらやることが大事です。