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生活・しつけ
年長 2013年11月9日の記事
☆食物アレルギーの診察を受けるときのポイント
《食物アレルギーの基本 2 》 食べたもの、実際に起きた症状などのメモを診察のときに持っていきましょう。
食物アレルギーは、専門の医師による正確な診断が最も大切です。
受診の際、どんなことに気をつければいいのか、昭和大学医学部小児科学講座 講師・今井孝成先生にアドバイスいただきました。
●「疑わしい食物はすべて食べない」と自己判断しないで!
今井 「食物アレルギーのお子さんの負担を少なくするためには、食物アレルギーに精通した医師から正しい診断を受け、必要最小限の食物除去をしてください(アレルゲンとなる食品だけを除いた食事をする)。これは基本的であり、とても重要なことです。
それは、お子さんに食物アレルギーの症状が現れることを過剰に心配し、アレルゲンではない食べられるものまで除去した食事を続けているケースが多くみられるからです。
必要以上の食物除去を行うことは、栄養に偏りが出てお子さんの成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、お子さんが食に対して興味を失い、恐怖心を感じてしまいかねません。
以前、牛乳の食物アレルギーを持つ6歳のお子さんに、経口免疫療法(※1)という治療のために牛乳を飲ませようとしたところ、牛乳を目の前に置いて見るだけで気分が悪くなってしまったことがありました。これは特別なケースではなく、よくあることなんです。
だから、お子さんに恐怖心を与えずに必要最低限の除去をし、おいしく食べて豊かな食生活を楽しんでほしいのです。
それは、何がアレルゲンなのかを知る “正確な診断” にかかっています」
※1 食物アレルギー専門の医師の管理もと、アレルゲン食物を段階的に摂取し、最終的に耐性獲得をめざす治療法。
●血液検査は、あくまでも指標にすぎない
今井 「食物アレルギーの診察は、血液や皮膚の検査を行うことがありますが、それだけで正確な診断をすることはできません。
※血液のIgE抗体検査が陽性でも、実際はその食品を食べられる子どもが多くみられます。
実際に起きた症状を問診で確認し、食物負荷試験(アレルギー専門の医師のもと、原因とみられる食物を食べてみて、症状が出るかを確かめる)などの検査結果を組み合わせ、総合的に診断します。
お子さんに食物アレルギーが疑われる症状が出て、医師の診察を受けるときは、食事内容やアレルギー症状などを詳しく伝えてください。
実際に起きた症状を正確に伝えるために、下記の項目のメモをとって持って行ってくださいね」
【診察を受ける前に準備するメモ項目】
■いつ、どこで?(例:1週間前の夕食のとき、自宅の食卓で)
■食べたものは? 食物名・料理名・加熱具合など(例:鶏卵・半熟の卵焼き)
■どれぐらい? 量を具体的に(例:鶏卵1個分)
■いつ(何分後)、どのような状況のときに、どんな症状が、どれぐらい続いた?(例:1時間後、運動中に背中・腕にじんましんが出た)
●乳幼児早期からの食物アレルギーは治ることが多い
今井 「人によって異なりますが、乳幼児早期に発症する食物アレルギーは、9割近くが就学前には耐性化する(アレルギー反応が出なくなり、食べられるようになる)ことが知られています。
それなのに耐性化したことに気づかないまま、本来食べられるものを除いた食事を続けてしまっているケースもみられます。
1~2年症状が出ていない場合は、耐性化している可能性があるため、主治医に相談してください」
次回は、給食を安心して食べるためにできることをアドバイスいただきます。
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