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生活・しつけ
2013年12月2日の記事
親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第17回
第17回 親の手作り問題で算数が好きになる
●文章問題を作るコツ
私が教師として最後に受け持ったのが2年生でしたが、そのときの教え子にYさんという女の子がいました。
その子は、毎日欠かさず自主勉強をやってきました。
特によくやってきたのが算数の文章問題でした。
なぜ、それほどがんばれたかというと、毎日お母さんが手作りの文章問題を作ってくれたからです。
例えば、次のような問題です。
Yさんは、焼津のイオンで257円のお菓子を1つ買い、138円のノートを2冊買いました。
最初に950円持っていました。
残りはいくらですか?
Yさんは、200ミリリットルのジュースを2本のヤクルトのボトルに入れて弟のS君にあげました。
すると、S君はすぐ飲んでしまいました。
そのヤクルトのボトルは65ミリリットルと80ミリリットルでした。
残りのジュースは何ミリリットルですか?
●身近な人が登場するので解いてみたくなる
このように、文章問題にはYさん自身や、家族、友達などがよく出てきます。
そして、実際の生活であったこと、あるいはありそうな場面がよく題材になっています。
こういった工夫のおかげで、Yさんは毎日楽しく文章問題に取り組めたのです。
子どもは、自分や家族や友達が出てくるだけで楽しくなり、やってみたいという気になります。
また、登場人物も場面も身近なので、文章問題の内容をイメージしやすくなります。
それによって、式も作りやすくなるのです。
さらに、親の手作り問題には、できあいの問題にはないよさがあります。
それは、子どもの理解度や必要性に応じて問題が作れるということです。
例えば、足し算と引き算が組み合わさった問題が苦手なら、それに応じた問題を出すことができます。
つまり、究極的な個別指導ということになります。
●子どもも問題を作りたくなる
親が問題を作ってくれていると、子どもは「自分でも問題が作れそうだ。作ってみたい」と思うようになります。
Yさんも、自分で問題を作って、お父さんや弟に解かせて楽しんでいました。
私も問題を出されたことがあります。
そして、子どもにとって、人に問題を解かせて丸つけするのも楽しいことなのです。
●心地よい経験が算数好きにつながる
子どもが一生懸命問題を取り組んでいる姿を見て、「算数が好きだね」とか「文章問題が得意だね」とほめてあげましょう。
これが子どもの自信になります。
それに、何と言っても自分のために問題を作ってくれるのですから、子どもは親の愛情を実感できます。
親の愛情を感じながら算数の勉強をすることで、これがひとくくりの心地よい経験になります。
すると、「算数って楽しい。算数が好き」と思えるようになります。
(当然ながら、算数について叱られることが多いと「算数ってつまらない。算数は嫌い」になります)