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生活・しつけ
小学1年生 2013年11月22日の記事
数百万円の契約金額も!? 悪徳商法に気をつけて!
《消費者トラブル 1 》 “劇場型” と呼ばれる、複数の業者がからんでいるように演出した悪質な手口もあります。
こんにちは。『ママノート』編集部です。
突然ですが、「無料」「○%OFF」「お得」「儲かる」… そのような言葉を見たり聞いたりすると、つい引き寄せられてしまうことはありませんか?
しかし、甘い文句につられて安易に個人情報を提供したり、契約したりすることは、悪徳商法の被害につながるケースがあります。
今回は、東京都消費生活総合センター 相談課長 阿部耕治さんに、悪徳商法の高額な被害の事例についてお話を伺いました。
●60歳以上の “親世代” が狙われやすい!?
どんな世代の方からの消費者トラブルの相談が多いのでしょうか?
阿部 「平成24年度に東京都内の消費生活センターへ寄せられた消費生活相談の件数は、118,208件でした。このうち、契約当事者の年代別割合をみると、20歳代9.9%、30歳代15.4%、40歳代16.7%、50歳代11.9%となっています。
全体としては、60歳以上の世代が28.4%と3割近くを占めていますね。
また、80歳以上の相談件数は前年度よりも増加していて、60歳以上の相談の平均契約金額でも229万円と、相談全体の平均契約金額163万円と比較して高額になっているんです」
●高額な商品に関する相談もある
なぜ、数百万円もの契約金額のトラブルが多いのでしょうか?
阿部 「ファンド型投資商品(海外不動産投資、CO2排出権取引など)、預貯金・証券(公社債、未公開株、預貯金など)といった、平均契約金額が高額なものに関する相談が多いからです。
また、これらの商品に関する全相談件数は、8割以上を60歳以上の高齢者が占めています」
●“劇場型” の悪徳商法の手口にも注意!
どのような手口で、契約にいたってしまったのでしょうか?
阿部 「まずは、東京都消費生活総合センターに寄せられた、ファンド型投資商品の契約に関するトラブルの相談事例をご紹介します。
――ある日、70代女性の自宅にA社からカンボジアの高齢者向けの不動産所有権投資の書類が郵送で送られてきた。
数日後、B社から電話があり、『そちらに封筒が届いていますか?』と聞かれた。そして、『2倍の金額で買い取るので代わりに購入して欲しい』と勧誘された。
手元に現金があったので、5口申し込むことに(150万円)。そして、販売代理店C社に代金を普通為替で支払った。
その後、買取業者のB社の電話番号が変更されたり、通話の途中で切れたりするので不審に思い、詐欺ではないかと心配になった。
このように、事前に封筒が送られてきたうえで、別の事業者から、『高く買い取るので、代わりに購入して欲しい』と電話があるケースが多くみられます。
さらに “劇場型” といって、物語のように仕組まれている悪徳商法もあります。いきなりセールスしても警戒されるので、下準備をしてから勧誘するのです。
例えば、事前にある事業者から『未公開株を持っていませんか? 持っていたら高く買いますよ』と電話が入り、『持っていません』と断ります。
しかし、時間をおいて別の事業者から今度は、『未公開株を買いませんか?』とセールスの電話が入り、契約に至ってしまったケースもあります」
●親切心につけこんでくることもある
手口が巧妙ですね…。直接、自宅へセールスに来るケースもあるのですか? 悪徳業者というと、見るからにあやしい雰囲気がありそうなものですが。
阿部 「いいえ、むしろ “好青年風” を装ってセールスに来ることが多いんですよ。
例えば、ご主人が亡くなられたご高齢の女性に対して、『若い頃、○○さん(ご主人の名前)にお世話になりました。今は、○○○(仕事内容)をしています』などと言って、『ああ、主人が世話をしていた子なのね』と思い込ませます。
そして、長い時間をかけて話を聞いてあげて、打ち解けたところで商品を勧誘し、『断ったら悪いんじゃないか』と思わせるぐらい仲良くなってしまうんですね」
●二次被害にも要注意!
人を信じる気持ちを利用してくることもあるのですね…。一度ひっかかってしまうと、ターゲットになりやすいのでしょうか?
阿部 「はい。中には二次被害にあうケースもみられます。
金融商品に関するトラブルの二次被害に関する事例をご紹介します。
――80代の男性は、D社に『代理で買い取る』と言われて外貨通貨両替を申し込んだ。しかし、D社と連絡が取れなくなってしまった。
その後、あるNPO法人から、『D社が警察に捕まり、被害が回復されることとなった』と電話があった。そして、保証金を振り込むように言われたため、指定の口座に振り込んだ。NPO法人から、『心配なことがあれば連絡するように』と紹介された弁護士事務所に電話をしたところ、NPO法人とは関係が無いと言われた。
このように、悪質な業者は、“お金が戻ってくるかもしれない” という気持ちにつけ込んでくる場合もあるのです。
また、バブル期に『原野商法』という、ほとんど価値のない土地を、『将来リゾート地になるから』、『新幹線が通るから値上がりする』などと言って売りつける悪徳商法が盛んに行われていたことがありました。
最近では、この被害にあった人の “できれば売却したい” という気持ちにつけ込んだ二次被害が増えています。
ある事例では、『○○(場所名)に土地を持っていますよね。土地を売りませんか? 整地の費用に30~40万円かかります』などと電話がかかってきて、売却をにおわせる虚偽の説明をしているケースもあります」
騙されないように気を引き締めるのはもちろん、親にも注意するように伝えたいですね。
今回は、高額な契約商品に関するトラブル事例を紹介しましたが、注意が必要な消費者トラブルはまだまだあります。
次回に続きます!
※紹介した事例は、『平成24年度消費生活相談概要 主な相談事例』(生活文化局)を参考にしています。
取材先
東京都内在住・在勤・在学の人を対象に、消費者が商品を購入したり、サービスを利用したりした際の販売方法・契約・品質・価格などのトラブルに関して、トラブル解決のための助言、あっせん、情報提供を行う。その他、消費者教育の推進なども行っている。
※消費生活相談は、お住まいの都道府県、区市町村の消費生活相談窓口をご利用ください。
全国の消費生活相談窓口一覧(国民生活センターHP)