これで日記の宿題は完璧! ママたちのお悩みQ&A【後編】

 

 

子どもの宿題として出される「日記」には明確な答えがないため、どうアドバイスしたらよいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。そこで、日記の宿題に対するママたちの悩みに対して、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に答えていただきます。今回は、後編です!

 

 

●お悩み4:「見聞きした事実は書けるのですが、自分の気持ちが加えられないようです。感情を盛り込んだ文章にする秘訣は何でしょうか?」

 

 

 

 

「事実と気持ちを文章内に同時に盛り込むことは、小1の子にとって大変難しいことです。まずは、日記の最後に自分の気持ちを書き足すことからはじめるといいでしょう。

 

自分の気持ちを振り返るには、漫画のセリフなどで用いられる『フキダシ』の利用をおすすめします。たとえばカレー作りのお手伝いを日記に書く場合、各場面にフキダシを書いて、その中にそのとき思ったことを書き込んでもらいます。

 

『はじめに、にんじんと玉ねぎを切りました』という部分には(形が揃わなくて難しかった)、『次に、鍋で具材を炒めました』では(だんだんいい匂いがしてきた)といったように、フキダシがあると気持ちを思い出しやすいと思います。

 

そして、それらのフキダシに書かれたことを日記の最後にまとめて書く。この手順で進めれば、順序立てて書かれた、そして気持ちも盛り込んだ日記が完成します。慣れてくれば、フキダシを使わなくても一人で書けるようになりますよ」(同)

 

 

●お悩み5:「文章を書くとき、正しく助詞が使えていないようです。正しい文章が書けるようになるための工夫はありますか?」

 

 

 

 

「一度書き上げたものを、子ども自身に読み返させると良いです。声に出して読むと、助詞が間違っている部分は『あれ?』と気づくと思います。

 

また、『お』と『を』、『え』と『へ』、『わ』と『は』なども、書き言葉で間違えやすいポイント。親が間違いに気づいたとき、その都度指摘して直させるのもひとつですが、すべて書き終わってから子どもに読み直してもらい、チェックさせることもおすすめです。

 

もし子どもが間違いに気づかなければ、『”わ”と”は”って面倒だよね、でも書くときのルールだから直そうか』というように声がけをしてもいいと思いますよ」(同)

 

 

●お悩み6:「いきなり用紙に文章を書いていくので、読み直した後に間違いに気づき、修正するのが大変です。下書きはしたほうがいいでしょうか?」

 

 

 

 

「まだ文章がうまく浮かばない子の場合は、日記を書く前に、書きたい出来事について親子で十分に会話することをおすすめします。そこで子どもが話した言葉を親がメモしておき、そのメモを見ながら子ども自身が日記を書き始めるとスムーズです。そういった意味では、下書きは大切ですね。

 

けれども、だんだんと下書きなしで書き進められるようになっていきます。後で間違いに気づいて修正した結果、行がずれてしまったり、ひとマス空いてしまったりということもあるでしょう。でも、少しくらいの間違いや修正は気にしなくていいですよ。日記の宿題は定期的に出るはずなので、次回気をつけるチャンスになります。

 

ただし、夏休みの宿題や作文として提出する場合などは、下書きをしてから清書をするように心がけましょう」(同)

 

以上、前編と後編の2回に分けて、代表的な日記の宿題に対する悩みをピックアップし、塩谷先生にお答えいただきました。いずれの悩みも、親が子どもに高度な文章を書くことを求めすぎていることが原因なのかもしれませんね。今回お伝えした解決策を取り入れながら、ぜひ子どもが楽しく日記に取り組めるような声がけを意識してみてください。

 

なお、日記の宿題の意味や子どもへのアドバイスのコツに関しては、こちらの記事も参考にしてくださいね。

 

◆関連記事

⇒ 苦手な子が多い「日記」の宿題。親はどう教えるのが正解?

 

(取材・執筆:水谷映美)

 

これで日記の宿題は完璧! ママたちのお悩みQ&A【前編】

 

 

子どもの宿題のなかで、大きな課題となるのが「日記」ではないでしょうか。苦手意識を持ってしまっている子も多く、親としてどうアドバイスしたらよいのか迷うものです。そこで前回は、小1における日記の宿題のねらいと、文章上達のステップをお伝えしました。今回は、日記の宿題に対するママたちの悩みに対して、引き続き、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に答えていただきます。

 

 

●お悩み1:「とにかく日記の宿題が苦痛そう。楽しく取り組むには、どんな声がけをしたらいいでしょうか?」

 

 

 

 

「第一に、親がいろいろと求めすぎないことが大切です。事実のみを書く練習をしている段階なのに、『そのときの気持ちは書かないの?』などと指摘してしまうと、子どもは書くことが嫌になってしまうかもしれません。

 

また、宿題の日記は自分が体験したことや感じたことを、人に伝えるために書くものですよね。楽しかったこと、ワクワクした出来事を『伝えたい』と思えないと、進んで取り組めません。

 

子どもが伝えることを楽しいと思うために、まずは、親が子どもの話を聞いてあげることからはじめましょう。そして、『話を聞いてママもうれしかった、楽しかったよ!』と言葉でしっかり伝えて。子どもが伝える楽しさを実感できるような声がけを意識してみてはいかがでしょうか」(塩谷先生)

 

 

●お悩み2:「事実を順序立てて書くことが難しいようです。書くときのコツはありますか?」

 

 

 

 

「物事を順を追って書くことは、1~2年生で習う大切なプロセスです。同時に、とても難しい課題でもあります。子どもがうまく書けずにいたら、『あのとき、最初に何をしたんだっけ?』と問いかけて話を引き出しましょう。子どもが思い出しながら答えたら、『そうだったね、次にどうしたんだった?』と続け、子どもに振り返りをさせます。

 

あとは、子どもが答えた通りに文章にしていけば、順序立てて書かれた日記になります。まずは子どもと話しながら出来事を思い出し、『それを日記に書いてみようか!』と促すと、無理なく書けると思いますよ」(同)

 

 

●お悩み3:「いつも同じパターンの文章しか書きません。どう教えていけばいいでしょうか?」

 

 

 

 

「同じパターンというのは、同じ内容ということでしょうか? であれば、当然です。毎日そうそうイベントがあるわけではないですものね。

 

ただ、まったく同じ出来事ではなく、ほんの少し違うことってありますよね。たとえば、同じ公園に行った話でも、『いつもは歩いて公園まで行くけれど、今日は初めて自転車に乗って行きました』とか。お手伝いの話なら、『いつもは一人でママのお手伝いをしています。でも今日は妹が一緒に手伝ってくれました』といった具合です。

 

每日そんなにバリエーション豊かな体験をするわけではありませんから、日記の内容が似たものになることは仕方のないこと。その中で、少しでも違った点を親が尋ねるなどして子どもに気づかせ、その点をピックアップして書けると良いと思います。

 

『はじめに○○をしました。次に○○を見ました』といったように、文章のパターン自体がいつも一緒だということなら、それでまったく構いません。日記は書き言葉の練習が目的ですし、むしろ、順序立てて書けているので立派です」(同)

 

前回お伝えしたように、文章を習得するにはプロセスがいくつもあります。ひとつずつステップアップしていく様子を長い目で見守っていくこと、そして子どもが楽しく日記に取り組めるように親がうまくサポートすることが大切なのですね。次回も、日記の宿題に対するママたちのお悩みを塩谷先生にズバッと解決していただきます!

 

(取材・執筆:水谷映美)

苦手な子が多い「日記」の宿題。親はどう教えるのが正解?

 

 

学校の宿題のひとつである「日記」。スラスラと一人で書き進める子もいれば、なかなか取り掛からないという子も多いのではないでしょうか。国語や算数の宿題のように答えがないため、親としてもどのようにアドバイスすればいいか迷うところです。そこで今回は、日記の宿題が出る意味や、子どもへのアドバイスのコツを、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきました。

 

 

●小1の日記の大きな目的は、「書き言葉」の習得!

 

 

 

 

1年生になると「日記」の宿題が始まります。はじめの頃は特に、親が近くで見守りながらアドバイスしたいものですが、正直どこまで求めていいかわからず、筆者自身も声がけが難しいなと感じています。小1の日記の宿題は、どのような目的があるのでしょうか?

 

「同じ1年生でも、実は時期によって日記の目的が違います。その段階以上のことを求めてしまうと、子どもは文章を書くことに苦手意識を持ってしまいかねません。そうならないためにも、まずは文章を習うステップについて知っておきましょう。

 

小1の日記の大きなねらいは、『書き言葉』の習得です。私たちは、見たり聞いたりしてインプットした情報を、話したり書いたりする方法でアウトプットします。ここでポイントとなるのは、『話し言葉』と『書き言葉』は違うということ。そして、『話し言葉』には、『日常的な話し言葉』と『公の場での話し言葉』の2種類があるということです。

 

家庭内や友達との会話と、みんなの前で発表するときの言葉は違いますよね。子どもが普段に耳にしているのは、いわゆる『日常的な話し言葉』です。それが、先生がオフィシャルな言葉で話しているのを聞き、『公の場での話し言葉』を少しずつ覚えていきます。

 

そのため日記も、『先生あのね、今日公園に行ったよ』というように、最初は話し言葉そのままで書いていたものが、だんだんと『今日ぼくは公園に行きました』という書き言葉へと変わっていくのです」(塩谷先生)

 

ちなみに、関西弁など方言を使うエリアに住んでいる子は、普段使っている方言を頭の中で標準語に変換し、公での話し言葉に変換し、書き言葉に直し…とさらに多くのステップを踏んでいるのだと塩谷先生。日記を書く(=書き言葉として文章に書く)ことは、想像以上に大変な作業だったのですね。

 

 

●ステップ1:日常会話をそのまま文字にする

 

 

先生あのね、今日公園に行ったよ。

 

 

「書き言葉の習得」という最終目的を踏まえたうえで、最初のステップを教えてください。

 

「まずは日常会話をそのまま文字にするのが第一段階。そこから徐々にステップアップしていきます。最初のプロセスをスムーズに進め、日記に意欲的に取り組ませるためには『今日こんなことがあったよ!』という子どもの話を、じっくり聞いてあげましょう。

 

このとき大切なのは、『話してくれてありがとう。すごく嬉しかったよ!』と伝えること。そして『ママが聞いてこんなに楽しかったんだから、先生もきっとその話を聞いたら楽しいと思うよ。でも、クラス全員の話を一度には聞けないから、日記に書いてみようか』と提案してみるといいですね。『伝える』喜びの実感が、日記を進んで書くことに繋がります。はじめは、話したまま、そのままを文章にすればOKです」(同)

 

 

●ステップ2:文末を変える

 

 

今日公園に行ったよ。⇒今日公園に行きました。

 

 

次のステップは、話し言葉から書き言葉へと変えていくこと。タイミングとしては、国語の授業で「作文」について習う時期。

 

「大きなポイントとしては、『~したよ』を『~しました』と文末表現を変える点です。今後少しずつ、接続詞の『なので』を『だから』に変えるなどの細かい部分を習っていきますが、この段階の日記では、あくまでも文末を変えるだけで十分です」(同)

 

 

●ステップ3:文章全体の構成を考える

 

 

はじめに つぎに そのあと 一番目に 二番目に 最後に

 

 

文末を書き言葉に変換できるようになったら、次は文章全体の構成へとステップアップ。1年生で文章の構成までとは、改めて驚きです。

 

「文章の構成は、学年が上がるにつれて内容が変わっていきます。1~2年生では『順序』をとにかく大切にします。教科書に出てくる説明文も順序がハッキリと書かれている文章ばかりですし、先生が生徒に行動を指示するときも、必ず順を追って説明します。

 

日記でも、『はじめに・つぎに・そのあと』や『一番目に・二番目に・最後に』といった言葉を盛り込みながら、体験したことを順序立てて書くことを練習するのです。

 

そして、誰かに伝えるとき、突然『最初に』と話し出しても困りますよね。だから、最初の一文にこれから書く話の説明を入れます。『昨日、お母さんとクッキーを作りました。最初に、小麦粉と砂糖とバターを混ぜて生地を作りました。次に…』という流れです。すると、順序に沿って書かれた日記が完成します」(同)

 

このほかにも、少しずつ自分の気持ちを加えたり、さらに3年生頃からは、順序通りに書くのではなく、全体と部分に注目した文章構成へとステップアップしていくのだそう。文末も、小学校の頃は『ですます調』ですが、中学生になると『である調』へと変化していくそうです。

 

文章を書けるようになるためには幾多のプロセスがあり、ひとつずつ階段を上がっていくのだということを保護者が知っておくと、日記を書きはじめた頃に『事実ばかりじゃなくて、自分の気持ちも交えて書きなさい』などという時期尚早な指摘をしないですみます。

 

高すぎる要求をしないことが、日記に対する苦手意識を避けるための一番の方法なのかもしれませんね。次回は、小1のママたちが抱える「日記の宿題」の具体的な悩みについて、引き続き塩谷先生に教えていただきます。

 

(取材・執筆・撮影:水谷映美)

ママの息抜きに、おすすめのアイテムやお菓子が知りたい!

 

 

1日のうち、わずかに訪れるママの「自分だけの時間」。前回の調査を見ると、録りためたテレビを観たり、趣味に没頭したり…と、皆さん思い思いに楽しんでいるよう。今回は、そんな「ひとり時間」の愛用アイテムやお気に入りのお菓子を大調査!「それいいね!」「マネしたい」と思わず頷いてしまうコメントが盛りだくさんです。

 

 

●子どもには見せられない姿…!? 好きなお菓子を好きなだけ!

 

「Q.ひとり時間のおともに愛用しているアイテムやお菓子を教えてください」と聞いたところ、具体的なお菓子の銘柄を教えてくれたママが半数以上! 自分用に、ちょっと高価なお菓子をコッソリ買い置きしている方も少なくないようです。

 

「ローソンのGODIVAコラボスイーツ! 手軽で美味しい!」

 

「東京ミルクチーズ工場のクッキー。おみやげでいただいてから病みつきになり、ときどきお取り寄せしています」

 

「リンツのチョコレート。高級チョコと美味しいコーヒーで至福の時♪」

 

「『五感』のクッキーが美味しいので自分へのご褒美に」

 

「ブルボンのお菓子たち、ちょっと高い紅茶。自分だけが好きなものを勝手に選んで食べたり飲んだりする」

 

「コストコで売っているおせんべい『ほろほろ焼き』。ビッグなのに個包装されているので食べきれないときでも保存できる」

 

「糖質オフのチョコを食べています! 血糖値が気になるけど食べたいので!!」

 

「ポテトチップス&コーラ。子どもの頃から大好きだけど、子どもと一緒だとほとんど取られてしまうので、ひとりの時に思う存分」

 

「ハーゲンダッツの期間限定モノをコンプリート! 大好きなハーゲンダッツはマルチパックで買うと気づけば子どもに食べられているので、コソコソ1個ずつ買っては食べてを繰り返し、なんと制覇です」

 

ひとり時間のおともには“ちょっといいもの”が定番のよう。また、高級ではないけれど子どもの前だと食べにくい「カラムーチョ」やカップ麺を楽しんでいるという声もありました。

 

 

●お茶やコーヒーも「自分だけのお気に入り」が欠かせない!

 

お菓子と同じく、ドリンクにもこだわっている方が多数。いつものお茶やコーヒーではない「特別な1杯」や、自分へのご褒美のビール…! ママたちがゆっくり楽しんでいる様子が目に浮かびます。

 

「TWGの紅茶」

 

「無印良品のノンカフェインハーブティー各種」

 

「ペットボトルコーヒー『UCC 職人の珈琲 ミルクに最適』を2:8の割合で牛乳と合わせてカフェオレを作ります。いろいろな銘柄を試しましたが、これが一番美味しかった!」

 

「ローソンのGODIVAコラボコーヒー! 至福の時間」

 

「美味しいコーヒー。スティックタイプの甘いものを数種類買い、気分によって選んでゆったりタイムを楽しんでいます」

 

「ネスカフェの『バリスタ』で入れるカフェラテ」

 

「ビール片手にテレビを見ます。のんびりできるひとときです」

 

「『リーデル』のハンドメイドグラス。子どもがいると割られそうで使えないので…」

 

最近は手軽に飲める美味しいコーヒーも増えましたよね! お茶やコーヒーは淹れている時間も含めてリラックスできそう。食器にもこだわれば、さらに特別感が出ますね!

 

 

●ヘッドホンやスニーカーにこだわるママも!

 

気分をあげるために音楽を聴くママは、ヘッドホンやスピーカーにこだわりが。外出派のママはスニーカー、ゴロゴロ派のママはソファやマッサージグッズに愛着があったりするようです。

 

「歩きやすいスニーカー(今はスケッチャーズ)」

 

「スマートフォンで音楽を聴きながらランニングをします。ランニングシューズは私の人生を豊かにするアイテムです」

 

「スマホ用スピーカー。ゆっくり音楽を聴きます」

 

「子どもを寝かしつけた後にテレビの音を聴くため『パイオニア』のヘッドホンを購入。最高級の音を楽しんでいます」

 

「マッサージチェア。気持ちがいいです」

 

「マッサージグッズとお酒」

 

「一人用のソファ&パソコン」

 

「フワフワの毛布にくるまってお昼寝」

 

素材や使い心地にこだわったアイテムは、そこにあるだけで気持ちを豊かにしてくれますよね。

 

 

●他にもいろいろ! ひとり時間のおともアイテム

 

さまざまな「ひとり時間のおとも」を見てきましたが、最後にちょっと変わったものをいくつかご紹介。移動の時間やスケジュール管理なども、工夫しだいで貴重なひとときになるようです。

 

「愛車です。乗ると格別の気分」

 

「車での移動時に携帯電話で聴ける音楽配信サービス『dヒッツ』を使っています。私の好きなサザンやドリカム、ソ・イングクなどの“マイヒッツ”を聴きまくり♪」

 

「手帳。予定だけじゃなく出来事や自分の気持ち、子どもの成長などをいろいろと書き込んでいます」

 

定番ものから変わり種まで、本当にさまざまな声がありました。「あ、それいいかも♪」と感じたものはどんどんマネして、お気に入りをちょっとずつ増やしながら、多忙なママライフをともに乗り切りましょう~!

 

(取材・執筆:ママノート編集部)

ママたちは「息抜き」に何してる? 読者の声を大調査!

 

 

育児に、家事に、仕事に…と忙しい毎日を乗り切るには、お母さんだって息抜きが必要! 子どもが寝静まった夜や、家族を送り出した後にできる「ひみつの息抜きタイム」。よそのママは、一体どんなふうに過ごしている…!? 100人を超える読者の方から寄せられた回答を、コッソリご紹介いたします!

 

 

●息抜きタイムのトップは「テレビ&DVD鑑賞」という結果に!

 

「Q.自分ひとりの時間が取れたら、何をしますか?」と聞いたところ、お気に入りのドラマやDVDを観ると答えた方が3割以上という結果に!

 

「父から譲り受けたフットマッサージャーをセットして、ドラマの録画を観る。至福の時間です」

 

「のんびりソファーで横になって、大好きな飲み物とお菓子をおともに、韓国ドラマを堪能する」

 

「ミュージカル映画のDVD『ビリー・エリオット』『グレイテスト・ショーマン』『ラ・ラ・ランド』など…。子どもと観ているといろいろ質問され、その解説に追われてじっくり観られないので、子どもが寝ている隙にワインを飲みながら、ゆったり鑑賞します」

 

「録画していたドラマや映画を観ます。大好きなシリアスものや大人向けの作品は、子どもと一緒には観れないので…」

 

「録りためた『相棒』を観る。もしくは、観返す」

 

「録画しっぱなしの『半沢直樹』をイッキ見する」

 

ほかにも、「YouTubeで好きなジャニーズアイドルの動画を見漁る」「録りためた朝ドラやバラエティ番組を観まくる」「おっさんずラブを全話イッキ見!」などなど…。みなさん、自分の好きなものを、自分のペースで思いっきり楽しんでいるようです♪

 

 

●美容院やカフェに外出して、息抜きするママも多数

 

テレビ&DVD鑑賞の次に多かったのが、マッサージや美容院、お気に入りのカフェに出かけてリラックスするという声。

 

「リラクゼーションのためにマッサージやヨガに行きます。とりあえず自宅外の場所に出ないと、完全にリラックスできない…!」

 

「ゆっくり時間をかけて食事に出かけたり、好きな映画を見に行く」

 

「銭湯でゆっくりお湯に浸かったら、その後、お酒を飲みながら好きなビデオを鑑賞!」

 

「美術館に行く。本を買ってカフェで読む。先日はエッシャー展に行って図録をゲットしました~!」

 

自宅でのんびりするのもいいですが、家にいるとつい、たまった家事をやってしまうという声も…。思い切って外に出て、リフレッシュするのもいいですね。

 

 

●楽器を弾く、手芸をするなど、趣味に没頭してリフレッシュ

 

ご自身の趣味に没頭することで、オン・オフを上手に切り替えているママも多数!

 

「思いっきり好きなオルガンを弾きまくる」

 

「完全に一人になれた時にはピアノを弾く」

 

「ビーズ手芸をする」

 

「花の植え替えで心を落ち着かせる」

 

「カラオケに行ってます! 一人カラオケなんて…と思っていましたが、同じような人は意外といて、開店前に並んでいる年輩の方も…! 学生のいない時間にスッキリして帰るって最高です」

 

たとえ短時間でも、趣味の時間は大切! 手を動かしたり思い切り声を出したりすることは、気分を切り替える効果も高そうです。

 

 

●子どもが一緒だとできない!? 読書や勉強などの自分磨き

 

自分のための読書や勉強は、子どもと一緒にいる間はなかなかじっくりできません。

 

「宮部みゆき、浅田次郎、高田郁の江戸時代もの。何回読んでも読み飽きることがありません」

 

「パックをしながらゆっくり読書」

 

「セルフネイルやまつげパーマ、筋トレなど、自宅でできる自分磨き」

 

「メイクやヘアアレンジの練習」

 

「15分~1時間なら読書やオンライン講座の受講、数時間ならセミナーやひとりランチ、1日以上ならひとり旅と決めています。『Schoo(スクー)』というオンライン受講アプリは、自宅で夜に受けられるので便利です」

 

ちなみに、「ひみつの息抜き時間」に合わせて、ちょっと高級なお菓子やお茶を用意するママも多いよう。子どもに「お菓子の食べ過ぎはダメ!」と言っている手前、ママ自身が楽しむときは、家族に隠れてコッソリ…が基本ですよね。うんうん、わかります!

 

 

●自分の時間なのに「つい家事をしてしまう…」という声も

 

他にも、ママたちは思い思いの過ごし方で、オフタイムを楽しんでいるよう。ただ、中には疲れをとるために「とにかく寝る!」という声や、「たまった家事をしてしまう」というコメントもありました。

 

「大好きなアイドルの曲を聴きながらゴロゴロ」

 

「特に何をするでもなく、家事をしていると時間が過ぎます…」

 

「読書、寝る、家計簿をまとめる。家計簿をつけるときは万年筆を使うのがこだわりです。丁寧に書ける気がするので」

 

「とにかく寝てます。昼でも寝れるアイマスクを愛用!」

 

「子どもたちがいるとできない押入れの掃除とカーペットの交換がしたい!」

 

たまった家事が片付くと、気持ちがスッキリするというのも一つの真理…。家族がいる時間帯はなかなか家事だけに集中できなかったりしますもんね。

 

総勢100名以上の読者の方にご協力いただいた今回のアンケート。中には、「子どもの写真をスクラップブッキング。小さくて可愛かった頃の写真を見ると、憎まれ口も吹っ飛んでいきます!」なんて素敵な回答もありました。

 

自分のためにせよ家族のためにせよ、思ったように使える時間が少しずつでもあると、毎日がんばれるんですよね。次回は、ママたちが「ひみつの息抜きタイム」に愛用しているアイテムやお菓子について、アンケート結果をご紹介。お楽しみに!

 

(取材・執筆:ママノート編集部)

入学前に! 子どもに教えたい交通ルール、効果的な声がけは?

 

 

もうすぐ小学校入学。これまでは「車が来るよ!」「この道は危ないよ!」と親が注意できましたが、子どもだけで登下校するようになる今後は、子ども自身が気をつけなくてはいけません。そこで今回は、入学前に改めて交通ルールを教えるときの効果的な方法を、大阪府警察本部 交通部 交通総務課の横田三佳さんに教えていただきました。

 

 

●小学生の事故は1~2年生がもっとも多い!

 

まずは、小学生に多い交通事故の傾向について教えていただけますか?

 

「大阪府では昨年、8歳がもっとも交通事故が多い年齢でした。一昨年は7歳という結果でしたので、小学校1~2年生ということですね。事故が多発する時間帯は、午後4~6時の間。下校時、そして帰宅後に遊びに出かけたり、習い事に行ったりする時間帯だと言えます。さらに、小学生の事故の約6割は自宅から500m以内の場所で起きており、事故の原因の3割以上が『飛び出し』というデータが出ています」(横田さん)

 

家の近くで事故に遭っているということですね! 毎日歩いている道路だからと、油断してしまうのでしょうか。

 

「そうですね。通り慣れた道だから…と左右を見ずに渡る、飛び出してしまうというケースが少なくありません。改めて、交通ルールをよく確認する必要があります」(同)

 

 

●交通ルールを見直す前に、子どもの特性を理解しよう

 

実は、交通ルールを再確認する前に、子どもの特性をよく理解しておくことが重要なのだと横田さん。

 

「何度注意しても道路に飛び出す、車が近づいていることに気づかない…といった事態は、実は子ども特有の性質が原因です。そのことを保護者の方が把握していると、より効果的な子どもへの声がけができると思います」(同)

 

横田さんに聞いた「子どもの特性」は、次の7点。

 

1.一つのものに注意が向くと、ほかのことが見えなくなる

ボールが転がっていったらそのボールだけ、道路の向こう側に友達がいたら友達の姿だけしか見えなくなり、車が近づいているといった周囲の状況に気づきにくくなります。

 

2.物事を単純にしか理解できない

「信号が青のときは渡っても良い」と教えられると、「信号が青になったら車が止まってくれる」などと思いこむ傾向があります。

 

3.「危ない」「気をつけなさい」などの抽象的な言葉は理解できない

車が近づいてきたときに「危ない!」と言っても、子どもはどうしていいかわかりません。咄嗟のことなら、なおさらです。「渡っちゃダメ!」「止まって!」など具体的な言葉で注意することが重要です。

 

4.大人が近くにいると、頼る気持ちが強くなる

何か危険を察知したとき、子どもは大人のそばに行きたがる性質があります。たとえば、大人と子どもが道路の反対側にいるときに急に車が来ると、子どもは慌てて大人がいる方に飛び出してくることがあり、余計に危険です。子どもと一緒に歩く場合は手をつなぐ、または同じ側を歩くようにしてください。

 

5.好奇心旺盛で、車と車の間や物陰などの狭い場所が好き

子どもは、ちょっとした物陰で遊びたがる傾向があります。駐車場や路上駐車している車の近くでは遊ばないよう、改めて教えることが大切です。

 

6.子どもの視野は狭い

子どもの視野は大人の視野に比べて狭く、個人差はありますが、一般的に水平方向の視野は大人で約150°・子どもは約90°、垂直方向の視野は大人が約120°・子どもは約70°と言われています。そのため、遠くから近づいてくる車に大人は気づけても、子どもには見えていない場合があります。

 

7.大人と子どもでは、ものの見え方が違う

視野の狭さに加えて、大人と子どもでは目線の高さが違います。よって、大人には見えている標識が子どもの目には入らない場合があります。

 

 

大人の目線

 

 

子どもの目線

 

子どもにとって危険な場所を確認するには、少し姿勢を低くするなど子どもの目線で歩いてみることが一番です。

 

 

●実際に、子どもの目線で近所をチェックしてみました

 

子どもの視野が狭いことを体感できる「チャイルドビジョン」というものがあります。

 

 

チャイルドビジョン

 

 

各都道府県の交通安全教室などで配布されているほか、無料でダウンロードできるサイトもあるようです。さっそく、実際に筆者がこのチャイルドビジョンをつけて、近所の道を歩いてみました。

 

 

見通しが良いと思っていた交差点も…

 

 

子どもの視野では、まったく見通しが良くありませんでした!

 

 

大人には確認できている車も…

 

 

子どもの視野ではこの通り!

 

 

これでは、車が来ないと思って飛び出してしまいかねません。左右の確認も、目線だけでなく、首をしっかり振って見なければいけないことが実感できました。

 

 

●春休み中に、子どもと一緒に通学路を歩いてみよう

 

これらの特性を理解したうえで、子どもと一緒に交通ルールを確認することが必要とのことですが、具体的なチェックポイントを教えてください。

 

「小学校に入学する前に、通学路や近所の公園、習い事への道のりなどを、子どもと一緒に歩きながら、子どもの目線で危ない場所がないか確認しましょう。一回ではなく、数回繰り返すとさらに良いと思います。少しかがんで道路を見渡したり、チャイルドビジョンを使用してみるなど、視野が狭いことを念頭にチェックするといいですね。

 

信号がある横断歩道で特に注意する点は、

・赤信号は絶対に渡ってはダメ

・黄色信号も渡ってはいけない(歩行者用信号の点滅も渡らない)

・青信号でも、青に変わってすぐは渡らず、安全を確かめてから渡る

 

ということです。そのほか、交差点のギリギリに立つと、大きな車が曲がるときに内輪差で接触することもあります。交差点は少し手前で止まる、道路は右側を歩く、歩道があれば歩道を歩く、道路は絶対に飛び出さないといったことも、しっかりと理由を説明しながら子どもに伝えることが大切です」(同)

 

また、一緒に確認する際は「子ども自身に安全確認をさせること」がとても重要なのだそうです。

 

「いつも保護者が『車は来ないね、渡っていいよ』と伝えていると、子どもは自分自身で安全かどうか判断することをためらってしまいます。自分の目で左右を確認して、車は来ない、安全だと判断する練習が大切です」(同)

 

そして最後に。子どもに交通ルールを守らせるには、何より保護者が普段から交通ルールを守ることが一番だと横田さん。

 

「たとえば、黄色信号は大人なら駆け足で渡ってしまいがちですよね。でも、子どもは親の背中を見て育ちます。保護者の方が誤った行動をしてしまうと、そのまま真似してしまい交通事故に遭うかもしれません。

 

警察ができることは限られていて、子どもの命を守るには保護者の方の力が必要不可欠です。大人も交通ルールを今一度確認して、守ること。そして『交通ルールを守ることは、自分の命を守ること』と教えるのと同時に、命の大切さについてもお子さんに伝えてほしいと思います」(同)

 

まずは子どもの特性を知り、その上で近所を実際に歩いて、どこが危険な場所なのか、その場所ではどうしたらいいのかを具体的に教えることが、悲しい事故を防ぐための第一歩なのですね。子ども自身が考えて行動できるようになるため、入学前にぜひ繰り返し通学路をチェックしてみてください!

 

(取材・執筆・撮影:水谷映美)

 

保護者自身の「学び」が、子の成長をブーストする!?

 

 

学び続ける意味を、行動遺伝学の観点から伝える当連載。第3回は、保護者自身が「好き」を見つけ、楽しく学び続けるための方法と、それによる子育てのメリットについて、行動遺伝学・進化教育学を専門とされる安藤寿康先生に引き続き伺います。

 

 

●現代の「孤独な子育て」では、保護者自身の学びの機会が取りづらい

 

ここまで、子育てと遺伝、そして学びの関係についてお話を伺ってきました(第1回第2回参照)。今回は「保護者自身の学び」がテーマですが、そもそも、そんな時間や、心の余裕がないという方も少なくないのではと思います…。

 

「確かに、核家族化が進み、単独で子育てする環境にある現代のママ・パパは、とても苦しいと思います。というのも、もともと人間は子どもを共同養育する生物。他の動物と比べて極端に『子ども期』と『老年期』が長いのも、老年期の人々、つまりおじいさん・おばあさん世代が子育ての肩代わりをして、その分、親が子どもの食べ物の分まで働いたり、次の子どもを作ったりするためという仮説が有力です。

 

それはさらに前の世代から次の世代への教育の機会にもなっていたはずで、日本でも、つい数十年前まではそういった養育スタイルが主流でした。忙しくなったら隣のおばあちゃんに子どもを預けて働く…というのは、人類が進化の大半でやってきたもの。それが難しい現代では、子育てを担う保護者への負担が増大し、その方自身の学びの機会が取りづらいというのは大いにあることだと思います」(安藤先生)

 

 

●子育てに奮闘する保護者自身が、積極的に「学ぶ」意味とは

 

保護者としては「自分よりも子どもに、少しでも良い教育を…」と思ってしまいます。それでも、保護者自身が学ぶ意味はあるのでしょうか?

 

「『良い教育を…』と気負いせずとも、人間は放っておいても『他人を教育してしまう』生物なんです。人間は他の動物と違って、生きるために必要な知識を、一人だけでも、また、他の個体がやっているのを見て真似するだけでも学ぶことはできません。すでに知識を持っている人たちから、何らかの形で教わらなければ身につけられない動物として、進化的に生まれついている。つまり、『人は教育によって生きる動物』なのです。

 

それにより人間は、放っておいても他人のことを考える、最も利他性の高い生物として進化しました。皆さんも、お子さんが何かできなくて困っていたら『ほら、これはこうするのよ』と自然に伝えていますよね? そのこと自体が立派な教育なのです。だからこそ、『いい教育を与える』と気負いせずに、まずは保護者自身が生きた知識を学び続けることが大切なのだと思います」(同)

 

 

●自分の「好き」を見つめ直すことが、楽しく・効率よく「学ぶ」コツ!

 

実際に学ぶにあたり、保護者の中には「今さら何を、どう学べばいいんだろう…」と悩んでしまう方も多いと思います。保護者が学び続けるための「コツ」があれば教えてください。

 

「よく言われることですが、ご自分の『好き』を深めていくことだと思います。自分が何を『好き』なのかわからない…という方は、小学校高学年くらいから今に至るまでを思い返し、こだわっていることがないか探してみてください。あなた自身が繰り返し、繰り返し戻っていく何かです。

 

例えば、裁縫が得意で好きだとします。その『好き』も、縫う・作りあげる行為が好きなのか、デザインするのが好きなのか、素材そのものが好きなのか、それぞれで違いますよね。今だとインターネットなどで作ったものを手軽に販売できますが、そうすると作ったものの見せ方、売り方、魅力的なキャッチコピーの付け方…など、作品一つからさまざまな事象が広がります。その際にあなたが工夫して使うものこそ、生きた知識ではないでしょうか。

 

第1回でお話したように、好き嫌いや趣味、パーソナリティほど遺伝の影響は大きいもの。その、一人一人異なった遺伝的スタイルを持って、私たちは他人が想像もつかないような独自性を発揮しています。

 

だからこそ、ご自身の気持ちが振れるものを『ただの趣味』と言って矮小化せずに、趣味というのは自分にとっての『のっぴきならない何かの窓口』だと考えてはいかがでしょうか? あなたにしか感じられない、あなただけのオリジナルだと思うと、なんだかワクワクしてきませんか?」(同)

 

保護者自身が「好き」を大切にしながら学ぶことで、子どもに教えられる「学び」の幅が増えるなんて、これはもうやらない手はありません。人生100年時代と言われる今だからこそ、親子ともに楽しみながら学ぶ姿勢を身につけたいですね。

 

(取材・執筆:代 麻理子)

 

「苦手」も遺伝する!? だとしたら、どう取り組むのが正解?

 

人は遺伝の影響を大きく受けるが、それでも学び続ける意味は大きいとのこと(第1回参照)。第2回では、なぜ学ぶのかについてもう少し掘り下げつつ、子どもが苦手に出会ったとき、保護者はどう捉えるべきかについて、引き続き、行動遺伝学・教育心理学を専門とされている安藤寿康先生に伺います。

 

 

●人の“行動”は、持っている“知識”に左右される

 

前回仰っていた「人は遺伝の影響を大きく受けるが、それでも学び続ける意味はある」ということについて、さらに詳しく聞かせて下さい。

 

「世の中の事がらは、すべて知識として捉え直すことができます。さらに、人がどういう行動がとれるかというのも、その人の持っている知識に基づいています。私たちの生きる世界は知識とその使い方によってできていますが、その知識は遺伝的に持って生まれるものではなく、学習しなければ学べないものです。

 

その学習のルートは小さな子どもの頃から始まっていますが、どういう知識を蓄えていて、どんな場面で使えるかということが、その人が『どういう人であるか』ということなのです」(安藤先生)

 

「知識」と聞くと学校で習うものやテスト対策などを想像してしまいますが、そういったものではないんですよね?

 

「『知識』というと本で読んで頭の中で持っているもの、『学習』というとお勉強と思われがちですが、その人の生きざまというか、その人“そのもの”が知識ではないかと私は考えています。それと学校の勉強はもちろん無関係ではありません。

 

ちなみに、私自身も学生時代は歴史が大の苦手で、なんでこんな生活に直結しないものを学ばなければならないのだろうと恨めしく思っていたのですが(笑)、年齢を重ねた今では歴史を学ぶ重要性も見出せるようになりました。なので、勉強が苦手な子どもの気持ちもわかるのですが、蓄えた知識が、後々になって意味を発揮することも多々あるんだよと伝えたいですね」(同)

 

 

●子どもが「苦手」に出会ったら、どう声がけする?

 

好き・嫌いや得意・苦手といった部分も遺伝の影響が大きいとのお話でした。わが家の娘も、漢字が苦手だから国語は嫌いと言っていますが、苦手単元に出会ってしまうと、もうこの教科はやりたくない、と拒否してしまう子も多いようです。保護者はどのように捉えたらいいのでしょうか?

 

「まずは、子どもの知識になるところを大切にしていくことが重要だと感じます。たとえ漢字のドリルは嫌いでも、自分の興味のあることが書かれている本やウェブサイトに読めない漢字が出てきたら、いやでも読もうとするでしょう。そこでその漢字の形と意味を考えたり、調べたり、人に聞いたりする。

 

そんなことをしても確かに国語の成績には直結しません。しかし、生きていく上での知識と考えると、教科としての評価が低かったとしても、その中から何か学べたと思えたら、それだけでも宝じゃないでしょうか?

 

学びの本質を考えると、そもそも教科という単位でくくれるものではないですし、逆に『ここは苦手だけどここは得意だ、授業の内容を越えてもっと深掘りしたい…!』となることだって多いに起こり得ます」(同)

 

苦手だからやりたくないと言う子どもには、なんと声がけするのが適切でしょうか?

 

「人は『あなたは勉強ができないね』や『あなたは〇〇が苦手だものね』のように言われると、『自分はやっても無駄なんだ…』と自ら学ぶ機会を放棄してしまいます。けれど、やってできないのとやらないでできないのでは全然違いますし、やらないでできないというのは、最も好ましくありません。

 

というのも、やってみたら何か感じるものや、得ることがあるかもしれないからです。やった上で個人差が出てくるのは仕方がないものとして、『やってみたら、あなたなりに学ぶ何かがきっとあるはずだよ』と声がけするのがいいのではないでしょうか」(同)

 

 

●「一芸に秀でていればOK?」それでも苦手に取り組む意味

 

最近は、「一つのことに秀でていたら、それで生きていける」という風潮もありますが、それでも、苦手なことを諦めないほうがいいのでしょうか?

 

「生きていけるという意味では、その考え方は間違ってはいないと思います。ただ、知識とはネットワークなので、ある部分がごっそりと抜けてしまうと、他のところが生きてこないという側面があります。たまたまある部分を学ぶ機会がなかったがために、その人の違ったある部分が生きてこないということも多いにあり得ます」(同)

 

脳の中での繋がりが、新たなものを生み出すということでしょうか?

 

「はい。知識そのものは脳のいろいろな場所に、いろいろな形で分散して格納されています。脳の重要な機能の一つに、それらを繋ぎ合わせるという働きがあります。新たに学習する知識と、既に持っている知識を繋げていくというのがすごく重要なんですね。

 

今ここで、持っている知識を使おうというときに、脳内で知識と知識がネットワークとして繋がっているのか、それとも、個々の部分しか出てこないのかでは、その後の展開が大きく違ってきます。

 

ある分野の知識を多く持っていることや、素早く知識を引き出せることもそれぞれ一つの能力ですが、脳内にストックされたさまざまな分野の知識を繋げて出せることも一つの能力です。いろんな知識を繋ぎ合わせて適切な場面で使えるというのは、その人の人生の深さになるのではないかと私は思います」(同)

 

たとえテストで良い点を取れなかったとしても、学びが何らかの形で蓄積されれば、それがいつしか別の知識と繋がって意味を持つかもしれない…。そう考えると、目先の点数や結果にとらわれにくくなりますね。くれぐれも子どもに「あなたはこれが苦手だから…」なんて言葉をかけないよう、心がけたいものです。

 

次回は、保護者自身が学び続けることの意味について、引き続き安藤先生に伺います。

 

(取材・執筆:代 麻理子)

 

勉強やスポーツの得意・不得意。どこまでが遺伝する?

 

 

「遺伝の影響」と聞くと何を想像するでしょうか? 勉強やスポーツの出来・不出来を遺伝の影響と考える方もいるかもしれませんが、はたして実際はどうなのでしょうか…? 行動遺伝学・教育心理学を専門とされている安藤寿康先生に伺う当連載。第1回はずばり「能力はどこまで遺伝の影響を受けるか」についてです。

 

 

●人の特徴の5割は遺伝! 努力次第なのは2割程度…?

 

先生が専門とされている「行動遺伝学」は、行動に及ぼす遺伝と環境の影響について研究する学問ですよね。特に安藤先生は、双子の研究を通じて、個人の性質のうち何が遺伝に起因し、何が後天的に身に付くものなのかを検証されています。これは、子を持つ親としては非常に気になる話ですが、勉強やスポーツの得意・不得意は、やはり遺伝によるところが大きいのでしょうか…?

 

「行動遺伝学が明らかにしているのは、能力やパーソナリティーなど、あらゆる側面に遺伝の影響は存在するということです。たとえば、『私は音楽を聴くのが好き』『読書、特に推理小説が好き』などは一見、遺伝に関係ないことのように思えますが、そういった部分にも遺伝の影響が表れます」(安藤先生)

 

好き・嫌いといった好みにも、遺伝の影響があるというのは驚きです…! だとすると、例えば「国語は得意だけど、算数は苦手…」というのも、遺伝子レベルでの好き・嫌いが影響しているということでしょうか。

 

「そうですね。例えば学校の授業一つとっても、面白いと感じるポイント・興味を持てるポイントは一人一人で全く違いますよね。それが時として結果につながることがあると思います。

 

考えてみてください。あらゆる生物が遺伝子の産物です。人間も生物ですので、人間だけ遺伝子の影響を受けないといったことはあり得ません。一人一人が感じること、考えること、なすこと、そのすべてに遺伝の影響は入り込んでいます。

 

具体的な話をすると、人は遺伝の影響を50%程度受けると考えられています。遺伝の影響を受けない残りの部分が50%ですね。その中で、30%は家庭環境などの養育環境で左右されると言われるので、80%が本人の力ではどうにもならない部分で決まってしまいます。先生の教え方や本人の努力などで変えられる部分は20%ほどなんです」(同)

 

 

●遺伝子の99.9%は他人と同じ! 差異があるのはたった0.1%

 

そう聞くと、何をやっても無駄なのかと思ってしまいそうですが…。

 

「そうですよね(笑)。そう思われる方は多いです。ではここで、遺伝子全体についてちょっと見てみましょう。例えば、私と、地球の裏側に住むブラジル人の女の子を比べた時、実は99.9%のゲノム(全染色体)配列は全く同じで、たった0.1%しか違いがありません。

 

人とチンパンジーを比べても、全染色体で見た違いは1.23%のみです。アメーバと比べれば我々人間とチンパンジーもほとんど同じ。生物学の中からみたら、そんな数値感覚なんです」(同)

 

自分と他人の遺伝子が、たった0.1%しか違わないとは衝撃です…。

 

「顔を作っている遺伝子の成り立ちも圧倒的な部分が人類共通で、目が二つ、鼻が一つに、口が一つ…。それでもニュアンスが違ってくるのは0.1%の違いが成しているものなんです。同じように人間の心についても、圧倒的多くの遺伝子が同じであるために、歴史や文化の違いを越えた共通する感覚が存在します。

 

例えば、どの民族でも赤ちゃんを見たら守らなければと本能的に思いますよね。そういった民族を超えて共通する感覚があるんです。人間の遺伝子は、圧倒的に同じ99.9%の『地』の中に、0.1%の個人差を作る『図』の部分が埋め込まれている、そういったバランスで出来ているのです」(同)

 

 

●遺伝影響が大きいとすると、何をしても意味がないの…?

 

そんなにも同じ人間ですが、一人一人はこんなにも違ってくるのですね。

 

難しい話のように思えてきましたが…。50%が遺伝的要因で、30%が養育環境で説明されるとすると、我々は「学ぶ」ということにどんな意味を求めたらいいのでしょうか?

 

「この遺伝影響の話をすると、よく『20%しか自分の力で変えられる余地がないならば、努力しても無駄なんじゃないか』と言われますが、私は、そんなことは全くありませんと断言します。

 

まず前提として、遺伝的素養がさまざまな場面に出るとしても、知識自体は学ばなければ身につけることはできません。何の学習もせず、本能で英語がペラペラ…ということはあり得ませんよね。また、社会から求められるものはそれぞれの時代や環境で違ってくるため、ある遺伝的素養がどこででも普遍的に優れている、と言い切れるものではない、これはわかりますよね。

 

その上で、学びの意味について考えてみましょう。例えば『言葉』だけを考えても、私たちの社会で使われている多様な言葉の、何を・どの程度まで理解しているかで、その人自身の生き方が変わってきます。世界の捉え方が変わってくるというのでしょうか。

 

法律にしたって、普段の生活では法律を知らずとも生活できると思うかもしれませんが、その読み解き方を知っていたら、お子さんが社会に出た時に不当な搾取をされずに済むかもしれません。『学び』や『学習』というのは、本来は生きるために必要な、一人一人にとって異なる知識を、適切な場面で使うために行うものではないかと思います」(同)

 

生きるために必要な知識を学習することが「学び」だと考えると、遺伝云々を抜きにして、保護者も学びに対して向き合い方を変えられるかもしれませんね。

 

次回はなぜ人は学び続けるべきなのか、苦手に出会ったらどうしたらいいのかを、引き続き安藤先生に伺います。

 

(取材・執筆:代 麻理子)

小2への進級【後編】生活・精神面での変化と親の関わり方

 

 

もうすぐやってくる2年生への進級を前に、親としてもいろいろと不安が募るもの。そこで前回は、1年生と2年生では学習面においてどんなことが変わるのか、春休み中に見直しておくべきこともあわせてご紹介しました。今回は、生活面や精神面での変化について、引き続き、愛知県春日井市立出川小学校の水谷校長先生、並びに低学年の学年主任の先生3名にお話を伺いました。

 

 

●上級生のサポートがなくなり、本格的に「独り立ち」する学年

 

何かと周囲のサポートが多かった1年生に比べて、2年生は自分で自分のことをやる機会が増えると聞きます。何か家で意識すべきことはありますか。

 

「1年生のときは上級生をペアでつける学校も多く、掃除の時間などの日常生活から校外学習といったイベント時まで、いろいろと面倒をみてもらえました。2年生になるとその心強いサポートがなくなり、いよいよ自分一人で何でもやらなくてはなりません。

 

そのため、学校生活で不安を抱える子もいるかもしれません。2年生になったからと、家庭でもいきなり手放すのではなく、最初はまだまだ一緒に確認して、少しずつ一人でできることを増やしていきましょう。なかなか一人でできないという子の場合は、家に帰ったら何をするか、順序を決めておくことをおすすめします。

 

たとえば、帰宅したら『1.給食袋を出す、2.連絡袋からお知らせのプリントを出す、3.宿題をやる』、学習の準備では『1.明日の時間割を確認する、2.持ち物を揃える、3.鉛筆を削る』といった具合です。紙に書いて貼っておくのもいいですね。順序を決めておけば、何をしたら良いのかが親子ともに確認できますし、子どもが自分自身で見通しを持って物事を進められるようになります」(出川小学校・先生方)

 

親はあくまでも様子を見守りながら、一人で準備ができたら思いきり褒めることも大切ですね。

 

 

●他人との関わりが見えてくるので、友達関係のトラブルも

 

1年生の頃は自分のことだけで精一杯だったのが、少しずつ他人との関わりが見えてくるようになる2年生。相手を傷つけるようなことを言ってしまうなど、友達とのトラブルも増えてくる時期だと言います。

 

「友達へ自分の気持ちをどう伝えるか、言い方・態度などを学ぶには、家庭でたくさん会話することが何より大切です。親やきょうだいに、自分の気持ちを言葉で伝えること。これを毎日心がけていると、自然に他人との関わり方が学べます。

 

もちろん、友達とぶつかって、喧嘩して、お互いに傷つけたり傷つけられたりするなかでこそ学べることもありますが、家庭内での会話やコミュニケーションこそ、友達関係を良好にする秘訣なのだと思います」(同)

 

さらに、「家庭内でも挨拶をすることがとても大切」とは、水谷校長先生からのアドバイス。なんでも、どれだけ1学期に挨拶を徹底していても、夏休みを経て2学期を迎えると、学校での挨拶が一気に減るのだそうです。

 

「家族だと、お互いの気持ちを言葉にしなくても、なんとなく相手の想いを想像することができますよね。特に親は、子どもの言わんとすることを態度や単語だけで察することができます。そのため、挨拶や会話が少なくなってしまうようです。

 

けれども、挨拶こそ家庭でできる集団生活の第一歩。『おはよう』『おやすみ』はもちろん、『ありがとう』『ごめんなさい』など、あえて言葉に出して伝えることを大切にしてほしいですね。その積み重ねが自分の意思を伝える練習になり、友達とのトラブル防止に繋がります」(同)

 

 

●簡単なお手伝い・昨年の振り返りをすることで自己肯定感アップ!

 

そのほかに、2年生に向けて、家庭でやっておくべきことはありますか。

 

「お手伝いを習慣づけるといいと思います。靴をそろえる、箸を並べるといった簡単なもので構いません。そうすると、親から子どもへお礼を言う機会が増えますので、子どもは『家族の一員として認められた!』と感じることができ、自己肯定感が高まるのではないでしょうか」(同)

 

なるほど! 夏休みなどにお手伝いの宿題が出ますが、普段から小さなお手伝いをお願いして、保護者がそれに対し、感謝の気持ちを伝えることが大切なのですね。

 

それから、小1の一年間で一通りの学校行事を経験した子どもたちに対して、2年生で同じイベントを終えた際に、去年と比べて親子で成長を振り返る時間も大切なのだそうです。

 

「たとえば運動会であれば、『去年はこんな競技に出たよね。今年はさらに、難しいダンスにも挑戦できたね』といったように、去年と今年を比べて、その成長を子どもと一緒に味わい、褒めて、頑張りを認めることです。

 

順位がどうだったとか、テストであれば100点が取れたかという観点ではなく、子ども自身が『努力できた! 頑張れた!』と感じられるような振り返りや声がけができると、子どもは心が満たされ、さらにやる気を持って物事に取り組めると思いますよ」(同)

 

いずれの場合も、大切なのは家庭での会話ということがわかりました。先生方によると、1年生の大きな目標は、小学校生活に慣れること。それが2年生になると、班で話し合いをしたり、発表会の内容を自分たちで計画したりと、主体的に活動することが目標になってくるそうです。子どもがより充実した学校生活が送れるように、ぜひ家庭でも、たくさんの会話や挨拶をするよう意識してみてはいかがでしょうか。

 

(取材・執筆:水谷映美)

 

小2への進級【前編】学習面の変化と、準備しておきたいこと

 

 

この間入学したと思ったら、早いもので間もなく2年生。「1年生と比べて、授業のスピードが上がるらしい」「九九が始まるみたいだけど、うちの子大丈夫かな?」などと不安なママもいるのではないでしょうか。そこで今回は、2年生ではどのようなことを学ぶのか、春休み中に準備しておくべきことなど、進級するにあたっての学習面でのポイントについて、愛知県春日井市立出川小学校の水谷校長先生、並びに低学年の学年主任の先生3名にお話を伺いました。

 

 

●国語:漢字の数が倍に! 書き順を改めて確認しよう

 

まずは国語の学習内容について、1年生と比較してどんな点が変わるのか教えてください。

 

「第一に、新しく習う漢字の量が一気に増えます。1年生では80字でしたが、2年生では160字と倍になります。当然、一日に覚える数が増える、つまり学習するスピードが上がるということなので、漢字に苦手意識があるお子さんの場合、最初は少し負担に感じるかもしれません」(出川小学校・先生方)

 

覚える数が倍になるとは、驚きです。春休み中に、1年生で習った漢字をしっかり復習しておきたいですね。

 

「特に、正しい書き順で書けているかをチェックしてあげてください。書き順が間違っていると、ここは2本線だったか3本線だったか…と、わからなくなることも。とめ・はね・はらいも重要で、これらがいい加減だと、『聞』と『開』、『線』と『緑』など今後似たような字が出てきたときに混乱してしまいます。

 

漢字のノートはひとマスが4つの部屋に点線で区切られていますよね。一画目はどの部屋から書くのか、部首はどの部屋に入っていればいいかという視点で確認していくと、バランスが取れた整った字が書けるようになりますし、2年生になって漢字の数や画数が増えても対応していけますよ」(同)

 

また、音読がとても重要で、そのためには家庭での会話がカギとなるのだそう。

 

「音読は1年生からありましたが、まだまだ『文字を追って読む』子が多かったと思います。それが2年生からの音読では、『言葉のまとまりとして読める』ことが重要になってきます。物語・説明文ともに文章量が増えるので、ただ音として読むだけではなく、言葉の意味や内容を理解しながら読むことが必要になってきますね。口をしっかり開けてハッキリと話せない子が多いので、滑舌良く、口を大きく開けて音読することも大切です。

 

とはいえ急には難しいので、まずは家での会話から意識してみてください。文章で会話することですね。子どもに何か質問したとき、単語で答えが返ってくるケースもあると思いますが、『どういうこと?』『もう少し詳しく教えて?』と文章で説明するように声がけすると、音読やみんなの前で発表する機会に活きてくると思います」(同)

 

 

●算数:「足し算・引き算の復習」と「時計を読む練習」がステップアップのカギ

 

続いて、算数の学習内容では、どのような点がポイントとなりますか?

 

「2年生の1学期は、計算に時間を使います。二桁の繰り上がりや繰り下がりのある計算を習った後、筆算へと進んでいきますので、1年生のときの足し算や引き算を復習しておくとスムーズですね。まだまだ指を使って計算する子もいますので、少しずつ頭の中で計算できるように練習しておきましょう。

 

また、合わせて10になる組み合わせ(補数)がスッと浮かぶようになると、今後の計算がスムーズです。お風呂の中などで、『7と足して10になるのは?』『3!』といったように、クイズ感覚で確認しておくことがおすすめです」(同)

 

さらに、時計が読めるように家でも意識することが重要とのこと。

 

「時計を見て時刻を答える問題も、さらに一歩進みます。最近はデジタル時計が主流なので、文字盤が読めない子が多いです。2年生で習う『30分後』『30分前』といった問題にサッと答えられるように、アナログの時計に慣れておくと良いと思います」(同)

 

「あと10分したらご飯にしようね。ということは、何時かな?」といったように、日常生活の中で時間や時刻を意識することがおすすめなのだそうです。これなら、無理なく家でも取り組めそうですね。

 

 

●家庭学習:連絡帳やノートの内容は定期的にチェックを

 

家庭学習についても気になることが多いのですが、宿題の量は1年生に比べて増えますか? また、1年の頃は親が横について宿題を見てあげてください、と言われていましたが、2年生ではどの程度見てあげれば良いでしょうか。

 

「たとえばプリントの量が1枚から3枚になるなど、極端に増えることはありません。ただし、漢字の画数が増えたり、計算の内容が難しくなってくるので、必然的に宿題にかかる時間は増えるかもしれませんね。

 

どの程度見守っていればよいかは、正直そのお子さんによって違います。ただ、2年生になったから急にチェックしなくてもいい、というわけではなく、あくまでも見守りながら、少しずつ子ども自身でできるようにしていってもらえればと思います。

 

特に、2年生になると親御さんの連絡帳のチェックが一気に減るので、お知らせのプリントだけでなく、明日の授業内容や持ち物をぜひ保護者の方も確認して把握してもらえるといいと思います。授業のノートも時折覗いてみてくださいね」(同)

 

実は筆者の息子は現在2年生ですが、最近では宿題も連絡帳もほとんどチェックしていないことを反省しました…。1年生から2年生になり、学習の量も内容もレベルアップしますが、1年生で習ったことを今一度見直し、家庭で子どもと密にコミュニケーションをとることが、スムーズに2年生へと移行する秘訣だということがわかりました。

 

次回は、小2に向けた生活面での心構えについて、引き続き出川小学校の先生方にお話を伺います。

 

(取材・執筆:水谷映美)

 

「心配性」なわが子に、保護者はどう声がけする?

 

 

小学校入学前から入学後に生じる育児の悩みについて、児童精神科医として臨床経験豊富な市田典子先生に伺う当連載。最終回となる今回は、心配性なお子さんへの声のかけ方、さらに、育児への不安を軽くするための「心得」についてお話しを伺いました。

 

 

●“心配性”な子どもは、経験値不足が遠因にある?

 

「先生や大人に怒られるのを極度に恐れて、『国語の教科書がないから学校に行かない』など、少しでも怒られる要素があると学校を休みたがります。親としては当然休ませたくないのですが、子どもの必死な表情を見ると、どう対応するのが正解なのかわからずに悩んでいます」(小一女児母)

 

わが家の長男も心配性です。心配や不安を感じるときの心の揺れ・動きとは、どういったものなのでしょうか?

 

「子どもは絶対的な経験値が大人よりも少ないため、『あの時あれが起きたから、次もそうなってしまうかもしれない』と、一度起きたことを次もまた起きると結びつけて考える傾向があります。『次はそんなこと起きないかもしれないよ』と声をかけてみても、本人にしたらわからないから不安になってしまうんですね。

 

そんな場合には、例えばお子さんに『連絡帳にママから先生へひとこと書いておくね』と声がけするだけでも違うかもしれません。それでも登校に困難を感じるようなら、そんな日は行けなくても仕方がない、くらいに考えていていいと思います。

 

不安を感じやすいお子さんは、真面目で完璧にやりたい思考が強いため、そこからさらに大人が追い詰め過ぎるとパンクしてしまいます。『今日はお休みしたけど、授業が終わった時間にママと一緒に教科書を取りに行ってみる?』など、お子さんが安心できる方法をいろいろ試してみるといいのではないでしょうか」(市田先生)

 

心配性の子も、成長するにつれて今よりもいろいろなことを経験していきます。そんな中で、「一つの結果に結びつけていた失敗の経験も、今回は大丈夫だったな、と本人自身が気づいていくんです」と市田先生。特に1年生は、学校生活に慣れることで心配性が改善されていく部分もあるかもしれませんね。

 

 

●心配性な子には、保護者が大らかに接することも大切

 

さらに、「臨床している中で、心配性のお子さんと几帳面な親御さんが組み合わさると、その心配性傾向は強まりやすいように感じます」と市田先生は続けます。

 

「よく、親御さんから『わが子に対して何をしてあげたらいいですか?』と聞かれるのですが、私は『何かをしてあげるのと同じくらい、余計なことをしないというのも大切です』とお話しします。というのも、さまざまな成長段階における経験や、人との出会い・マッチングにより、お子さん自身が、自分の力で変化する部分も大きいからです。

 

子育てには『親がこう働きかけたら、子はこう育つ』という明確な答えはありません。なので、親御さんが育児に対して自信がなくなったり、心配な気持ちが大きくなった時には、『お子さんの失敗に親が気構えて不安がるのではなく、失敗も経験のうちだ! くらいの気持ちで見守りましょう』とお伝えしています」(同)

 

親があまりあれこれと気負いし過ぎず、どっしりと構えることも大切なのですね。ちなみに、どっしりと構えるのは、簡単なようでとても難しいことだと思うのですが、口を出さないこととは違いますか?

 

「そうですね、そこは難しいところなのですが、適切に口は出してあげてほしいです。例えば、喜びや不安、怒りなど、お子さんが感情を爆発させているようなとき。『その気持ちはウキウキっていうよ』『心配になってドキドキしているんだね』『納得いかなかったんだね』など、それぞれの感情に共感して、言葉を乗せてあげてください。

 

感情をコントロールできるようになるには、まずその感情を自覚することから始まります。怒りや不安などのネガティブな感情も、否定するのではなく、まずは共感してあげることが、豊かな感情が育つ手助けになるのだと思います」(同)

 

学校ではフォローできない部分だからこそ、ご家庭でやってあげてほしいと先生は仰います。また、社会通念上の良い・悪いを教えることも大切ですが、「ママもそれは悲しいよ」「びっくりするよ」などのように、親自身の感情として見せるのも大切だそうです。

 

 

●保護者が子どもを心配し過ぎないための“心得”とは?

 

最後に、子どものことを心配しすぎないための「心得」のようなものはありますか?

 

「子どもというのは、生き物です。大人ももちろんそうなのですが、子どもはより本能的です。『生き物なので、親の思うようにはならない』と念頭に置いておくと良いのではないでしょうか。

 

けれど、だから何もしない、させないということではありません。お子さんがチャレンジし続けられるように『サポート』をする。また、お子さんが不安や怒りなどのSOSを出していたらキャッチして、まずは何が起きているのか情報収拾をする。それが親にできることだと私は考えています」(同)

 

育児とは正解がないものだからこそ、悩み・考える時もたくさんあります。しかし、そうした親の姿を見せることも、「困ってもいいんだ」という子どもの学びにつながるのだとか。困っても悩んでも、試行錯誤して前に進む。それは子どもだけでなく、私たち親自身にできることでもありますね。

 

長い育児期間の中で、親も子も困難に感じる局面はたびたびあります。そんなときも、「今はまだ出来なくてもいずれは成長していく」と前向きに捉えていけたらいいですね。

 

(取材・執筆:代 麻理子)

 

市販のドリルや塾は必要? 小学校の先生にアンケート!

 

 

「学年×10分(+10分)」が理想といわれる小学生の家庭学習の時間。1年生だと10~20分ということになりますが、正直、宿題をやっただけで終わってしまう長さですよね。一方、宿題の出来や授業参観を見て「市販のドリルをやらせたり、学習塾に通わせた方がいいのだろうか…」と悩んでる保護者も少なくないと思います。そこで、現役の小学校の先生に匿名アンケートを実施! 家庭学習と、生活面も含めた家庭での取り組みに期待することを聞きました。

 

 

●宿題以外の家庭学習、苦手な教科は「生活の中」で克服しよう

 

まずは学習面について。「Q.宿題以外の家庭学習について、家庭での関わり方に期待することは?」と質問してみました。

 

「1・2年生の保護者の方には、『生活の中で計算や漢字、言葉の学習を取り上げてほしい』とお願いしていました。計算だったら、おやつを食べるときに『1,2,3…』の1とび、『2,4,6…』の2とびなど、いろいろな方法で数える、100円の予算で駄菓子を選ばせる。漢字や言葉なら、本人が興味を持ったタイミングで教えてあげる、本を読んであげる…。机に向かうというより、そうしたちょっとしたやり取りに学習の要素を入れられると良いですね」(T先生)

 

「宿題がスラスラとできない場合、家庭学習で補ってあげないとお子さんがかわいそうですね。そのときは、先取り学習ではなく、つまずいていることの手前の課題をじっくり取り組んでいただくことを期待します。

 

算数の文章問題が苦手なお子さんは、実生活の場面を算数の世界に置き換えることが苦手です。お手伝いなどを通じて、例えば、ミニトマトを洗わせて『全部で何個ある?』と聞いたり、『唐揚げを4こずつ分けて』とお願いしたり。計算が苦手な子も、アメやカード類を分けたり、集めたりする経験をたくさんすると、霧が晴れたように計算が得意になったりします。低学年のうちは『学習』よりも『経験』の数を増やしてください!」(A先生)

 

 

●市販のドリルや学習塾は、低学年のうちは必要ない…?

 

「Q.宿題以外の家庭学習に期待することは?」に関連して気になるのが、市販のドリルや学習塾をやらせるべきかどうか。先生方はどう考えているのでしょうか…?

 

「基本的に各家庭の考え方にお任せしていますが、低学年なので塾などはあえてお勧めしていません。市販のドリルも、学校の進度通りに進めないと子どもが混乱することもあるので注意が必要です。学校の計算ドリル・漢字ドリルでつまずいたところを繰り返しやる。市販のドリルを使うにしても、直接書き込むのではなく、ノートに写して日付を振って、繰り返しやるのが効果的です」(K先生)

 

「学校の授業と宿題をきちんとやってくだされば、学習面は大丈夫です。それでもドリルや通信教育、塾などをやる場合は、完全にご家庭の方針としてお任せしています。ただし、塾の宿題があるからと言って、学校の宿題をやらないというのは困ります!」(T先生)

 

「計算や漢字は、市販のドリルを使うのもアリだと思います。学校によっては授業で使うドリルに直接書き込むので、反復学習ができないところもあります。そういうときは、予習ではなく、あくまで苦手な部分の復習として、市販のドリルを活用しましょう」(C先生)

 

「宿題以外の学習で『ぜひ!』というものはありません。強いてあげるなら、お子さんの興味があり、長期的に続けられるものなら取り組む価値はあるかなといったところでしょうか。ポイントは『無理なく続けられること』。おうちの人が『あなたは漢字が苦手だからやりなさい』とやらせるよりは、取り組んでみたいテーマをお子さんと話し合って決めて、それを無理なく続けるのが大事だと思います」(Y先生)

 

低学年のうちは、まずは授業と宿題を大切にするべきなのですね。「繰り返し解く」というのも大きなポイントのようです。

 

 

●生活面で一番期待するのは、「健康管理」と「食育」!

 

最後に、「Q.生活面も含めた家庭での取り組みに期待することは?」とお聞きしたところ、ほとんどの先生が「健康管理」と「食育」の分野を挙げていました。

 

「低学年に限らず、学校生活を通して『早寝・早起き・朝ごはん』と、姿勢の修正、お子さんの自立はご家庭でしっかりサポートしてあげてください! また、挨拶や言葉遣いなどの礼儀がきちんとしていたり、忘れ物が少ないおうちは、比較的お子さんの学力が高く、精神的にも落ち着いている子が多い気がします」(C先生)

 

「食事の好き嫌いはできるだけ減らしてほしいです。多少は仕方ないとしても、食べ物に好き嫌いが多い子は、友達との関わり方についても課題がある子が多いです。友達や学習も好き嫌いで選んでしまうのかもしれません」(T先生)

 

「三食しっかり食べること、自分の排せつのリズムを知ることなど、健康に関わることはご家庭で日々意識して取り組んでいただきたいと思います」(A先生)

 

次いで多かったのが、「家族で一緒に、いろいろな経験をしてほしい」という声。

 

「雨の日に傘を差して歩くのが、入学後初めてという子も多いです。傘を差して歩く、日の出を見る、自然に触れる…など、さまざまな経験をさせてあげられると良いですね」(A先生)

 

「生活経験は子どもの成長に大きく関わります。縄跳びやボール投げを家でたくさんしている子と、そうでない子は差が大きいです。外で一緒にたくさん遊んであげましょう! また、スマホやゲームは小さいうちから、しっかりルールを決めて守らせましょう」(T先生)

 

「季節の行事など、家族で一緒に楽しめることは学級通信でもお勧めしています。秋、虫の声に耳を澄ませてみる、大掃除を一緒にやる…。お手伝いも『親の負担軽減』ではなく、家族の一員としての自覚と、自信を持たせる目的でやらせてください」(K先生)

 

今回アンケートに答えてくださったのは、たくさんの子どもを見てきたベテランの先生ばかり。回答を見ると、「家庭学習に期待すること(=子どもに必要なこと)」は多くの先生で共通していることがわかりました。家庭でしかできない教育、家庭でやるべき教育については、無理のない範囲で取り入れていきたいですね。

 

(取材・執筆:ママノート編集部)

 

「宿題の取り組み方」について、小学校の先生にアンケート!

 

 

なかなかパパっと終わらないわが子の宿題。保護者がどの程度、口や手を出すべきか悩みどころですよね。そこで、小学校の先生方に匿名アンケートを実施! 保護者の理想的な宿題への関わり方について現場の先生が考えること、また「こんな関わり方が素敵だったな」「ちょっとNGだったな」という経験談をお聞きしました。

 

 

●答えが合っていることより、真剣に取り組む姿を褒めて!

 

「Q.宿題について、家庭での関わり方にどんなことを期待しますか?」と質問したところ、多くの先生方から「答えの正否チェックより、取り組む姿勢のチェックが大切!」との声が上がりました。

 

「1年生のうちは、家庭学習の習慣を付けることが宿題の一番の目的。保護者の方は、答えが合っているかどうかより、短時間で良いので、真剣に取り組んでいるかどうかを見てあげてほしいですね」(T先生)

 

「低学年に限定すると、大人の目が届く範囲での“学習の習慣化”を一番期待します。学校から帰ったらすぐにやる、夕ご飯の前にやるなど、ご家庭の状況に応じて【取り組む時間】と【場所】がルーティンとして決まっていることが望ましいです。

 

保護者が近くにいるリビングなどで、ときどきは隣に座って『丁寧に書けているか』『書き順や鉛筆の持ち方は正しいか』を褒めてあげると、お子さんのモチベーションも高まると思います」(A先生)

 

「とにかく丁寧にやるということを低学年でしっかりと身に付けておくと、高学年になった時も、きちんとやってくれる子が多いです。宿題をやったかどうかのチェックはもちろん、乱暴な文字になっていないかもチェックしていただければ」(T先生)

 

学校から帰って、気が緩んでしまう子どもの気持ちもわかりますが、そこは保護者がメリハリを付けた声がけで、短時間でギュッと終わらせるのがベターなようです。

 

 

●宿題を通して、わが子の「理解度」を知ってほしい

 

前出の「保護者の宿題の関わり方に期待すること」の質問に対し、次に多かったのが「学習の進度やわが子の理解度を把握してほしい」という意見。

 

「宿題をやったかどうかと合わせて、お子さんが内容を理解できているか、学習定着度にも注意を向けてほしいです」(C先生)

 

「お子さんが宿題を間違えてばかり…という時は、授業を聞けていない可能性があります。おうちの方が教えてあげるのも大事ですが、続くようなら担任の先生に授業中の様子を聞いてみるとか、『話を聞いて、何かやる』ということを日々の生活の中で意識させると良いでしょう」(A先生)

 

「わが子が、どこが苦手なのか、そしてどこが得意(好き)なのかも、宿題を通して知ってもらえたら。今、学校でどんなことを学習しているのかを保護者の方が知る、一つのきっかけにしてほしいですね」(Y先生)

 

低学年のうちは、まだまだ保護者のリアクションの影響が大きいもの。子どもの学習内容に興味を持つこと自体、「ママ・パパも気にしてくれてる…」と子どもが意識できて、意味のあることなのかもしれません。

 

 

●家庭での宿題への“素敵な関わり方/NGな関わり方”

 

さらに「このおうちの家庭教育は素晴らしかった」「こういうのはちょっと困った」というエピソードについて、先生方にお聞きしました。

 

【素敵な関わり方】

「漢字が苦手な子のお母さんが、宿題の漢字ノートの一番上に、お手本を書いていました。子どもがそのお手本を見て書けるように…という配慮が素敵だなと感じました」(Y先生)

 

「夏休みの宿題で、蝶の羽化の様子を写真に撮ってまとめてきた1年生がいました。おうちの方が寄り添って観察している姿が頭に浮かび、『感動を共有できているおうちはいいなぁ』としみじみ」(A先生)

 

「音読カードのサインに、いつもかわいいイラストを描いてあげているお母さんや、宿題ノートにたまにコメントを入れてくれているお母さん。やる気を出させる工夫があると素敵だなと思います」(T先生)

 

「出来栄えをみずにサインする方も多い中、やり直しさせた消しゴムの跡や、保護者が枠外にお手本を書いたものがあったりすると、見て頂いているなと感心します」(K先生)

 

【ちょっと困った関わり方】

「音読をないがしろにされる方がたまにいます。音読は低学年から続けることが大切で、少しでもやめてしまうと再開するのがかなり難しいもの。おうちの方も、チェックするのは大変だと思いますが、ご協力お願いします」(T先生)

 

「金曜日、宿題の持ち帰りを忘れた子の保護者から『月曜に先生に叱られるから学校に行きたくないと言っている。叱らないでやってほしい』と校長宛に電話がかかってきたことがあります。しかも高学年の子です…。低学年のうちから、お子さんの“自立”を意識していただけると良いと思います」(C先生)

 

「困るのは、夏休みの宿題でお子さんの作品に手を出しすぎてしまうことでしょうか。明らかに大人の作品とわかるものもありますので…」(A先生)

 

まだまだ1年生、「一人でキッチリ宿題をやる」というのは難しいもの。代わりに宿題をやってしまうのは論外ですが、お手本を書いてあげる、自由研究の観察やまとめにアドバイスしてあげるなど、子どもがスムーズに取り組むための手助けについては、先生方は好意的に受け取ってくれているようです。

 

 

●親だけが抱え込まないこと、親が辛くならないことが大事!

 

忙しい保護者の中には「できるだけ見てあげたいけれど、現実はそうはいかない…」という方もいるかもしれません。そんな方に向けて、ある先生からの心強いメッセージをご紹介します。

 

「こうした方が良いという理想はもちろん大切ですが、何者にも勝るのは保護者の笑顔!これに尽きると私は思っています。そのためには保護者だけが抱え込まず、ときには誰かに頼ったり、外注したっていいんです。

 

私自身も働く母で、祖父母も離れているので、基本は保育園や学童頼みで子育てをしてきました。私が子の宿題を見てあげたこともほぼ皆無です。

 

今では笑い話ですが、ある年の始業式、末っ子の担任から『息子さん、課題を何も持ってきていません…』と連絡を受けました。当時はとても忙しいポジションにいたので、息子の夏休みの宿題も一切見ていなかったのです…! 最終的に、課題は中学生の兄と高学年の姉が面倒を見てくれ、提出できたのですが、教員だってそんなものです。

 

今までたくさんの子どもたちを見てきましたが、自己肯定感や有用感が育まれている子とそうでない子は、中・高学年になるにつれ、びっくりするくらいの差が生まれてしまいます。コミュニケーション力も全然違います。

 

『自分は自分でいいんだ』という愛されている実感をしっかり育んでいただくこと、これが低学年の保護者に最も期待することです。甘やかしとは違います。越えるべき課題にはきちんと向き合わせつつも、できる・できないに関係なく『大好き! 愛してる!』ということはしっかり伝え、安心感を与えてあげてください」(A先生)

 

たくさんのご家庭を見てきた先生の一言には説得力がありますね…! 小学生になると、つい、他の子どもと比べたり、できていないことばかりに意識が向いてしまいますが、保護者にしかできない「どんな時でもあなたの味方だよ」と愛情を伝えることも、日々心掛けていきたいものです。

 

(取材・文:ママノート編集部)

 

家の中でできる、幼児期の「運動遊び」7選

 

 

「子どもは風の子」という言葉があるように、寒い季節でも外で元気に走り回っているお子さんは、体が丈夫で風邪もひきにくいイメージがありませんか? ところが、子どもが外で遊ぶ時間は昔よりも減っていると言われています。そこで、全国で幼児向けの体育教室を展開するカワイ体育教室・神奈川事務所の川和田龍介先生と佐藤勇太朗先生に、幼児期の「運動」や「遊び」の大切さについてお話を伺いました。

 

 

●神経系の発達は6歳頃までに成人の約90%に達する

 

カワイ体育教室で行っている運動や遊びを「運動あそび活動」と呼んでいるそうですが、幼児期の運動や遊びは、子どもが成長するうえでどのような良い効果があるのでしょうか?

 

「子どもの成長過程において、脳や神経の発達は4~5歳頃までに成人の約80%、6歳頃までには約90%にも達します。幼児期に運動や遊びを通して経験した感覚は、大人になってもなかなか消えることがありません。例えば、この頃に自転車に乗れるようになると、そのあと乗らない期間があったとしても、少しの練習ですぐに乗れるようになります」(川和田先生)

 

確かに、親御さんでも、小さい頃にスキーをやったことがあり、学生になって久しぶりに滑ってみたら「なんとなく体が覚えていて上手に滑れた」などという経験があったりしますよね。

 

「一人遊びだけでなく、親子や友達同士でコミュニケーションをとりながら体を動かすことも、社会性や協調性を身に付けるためにとても重要です。あいさつやルールを守ることの大切さを学んだり、まわりの状況を見ながら動く力もつくので、お子さんが社会に出てから、より良い人生を送るための基盤となる“非認知能力”も身に付きます」(川和田先生)

 

鬼ごっこやボール遊びでは「楽しい!」「悔しい!」といったさまざまな感情を共有できますよね。一人遊びとはまた違った、充実感や達成感を得ることができるようです。

 

「それから、外遊びをよくしているお子さんは、運動以外のことにも興味を持って積極的に取り組んでいると感じます。遊び道具になるものを探したり、自分たちで楽しい遊びを考えたり…。外遊びは体とともに頭も使うので、創造性がとても豊かになります。その意味では、砂遊びもおすすめですよ」(佐藤先生)

 

他にも、幼児期にさまざまな体の動きを覚えることで、「ケガや事故の防止につながる」「体を動かすことが習慣になり、体力がつく」など多くのメリットが。幼児期のいろいろな遊びの経験が、人としての幅を広げてくれそうです。

 

 

●スポーツを習わせていれば、それでOK…ではない!?

 

実際にわが子に運動遊びをさせるとき、親として心がけておくべきことはありますか?

 

「“運動神経は親の遺伝”という話もありますが、今までたくさんの子どもたちを見てきて、あまり関係ないように感じています。それよりも、お子さんが体を動かして遊ぶ機会を、親御さんがどれだけたくさん作ってあげているかが一番影響しているようです」(佐藤先生)

 

「運動をさせてあげなきゃ!」と気負いすぎず、買い物のついでの散歩などでも充分だそう。

 

「お子さんが成長するうえで、体を動かすことに加えて『親子のスキンシップ』がとても大切です。手をつないで散歩をしながら、段差があったらピョンと飛び越えさせてみたり、親御さんが日頃の生活の中でちょっと『遊び心』をプラスするだけでも良い刺激になりますよ」(川和田先生)

 

「スポーツ系の習い事をさせているからそれでOK!」ではなく、親子でスキンシップをとることが心と体の成長には欠かせないようです。

 

「お子さんが何かできたときにも、ギュッと抱きしめてあげたり、とにかく一緒に喜んであげることを忘れないでほしいと思います。私もそうですが、子どもの頃に親からほめられたことを、今でも覚えているという方は多いのではないでしょうか」(佐藤先生)

 

「例えば、家で遊んでいてでんぐり返しをしたら『上手だね!』と声をかけてあげる。『○○やるから見て!』と言われたら、いったん家事の手をとめて見守ってあげる。『うるさいからやってはダメ!』 『忙しいからあとにして!』などといった対応は、せっかくのお子さんのやる気を消してしまいます」(川和田先生)

 

運動能力や体力は習い事で身に付くかもしれませんが、心の成長まで視野に入れると、親子のスキンシップやコミュニケーションも必要不可欠なのですね。

 

 

●おうちでも手軽にできる「運動遊び」7選

 

親御さんの仕事が忙しかったりして、なかなか外遊びをさせてあげられないこともあると思います。そこで、家の中でも簡単にできる「運動遊び」を教えていただきました。

 

★広げた新聞紙に穴をあけ、新聞紙を丸めたボールをその穴に向かって投げる

 

★新聞紙の上に子どもを立たせ、ジャンケンで子どもが負けるたびに半分ずつ折り畳んでいく。だんだんスペースが狭くなっても、片足やつま先立ちでなんとか立てるように頑張ってみよう!

 

★広げたバスタオルの上に子どもを立たせ、合図と同時に引っ張る。タオルから落ちたり、転んだりしないように足を踏ん張ってみよう!

 

★タオルを床に置き、足の指だけでキュッと寄せて持ち上げてみる

 

★足の指でジャンケン

 

★ハイハイやおしりで移動する鬼ごっこ

 

★ビニール袋に空気を入れてポンポン投げ合う

 

「運動」と気負わず、ちょっとした空き時間で遊んで、飽きたらやめるくらいの感覚で良いとのこと。家庭にある新聞紙やタオル、ビニール袋などはさまざまな遊びに応用でき、無限大の楽しみ方ができそうです。

 

川和田先生と佐藤先生から教えていただいたことを日々の生活に取り入れ、お子さんの体と心の成長を楽しくサポートしてあげたいですね。

 

(取材・執筆:高野理恵)

 

「落ち着きがない」「片付けられない」は子どもの性格?

 

 

小学校入学前から入学後に生じる育児のお悩みについて、児童精神科医として臨床経験豊富な市田典子先生に伺う当連載。第4回では「落ち着きがなくて困っている」「整理整頓が苦手なわが子にどうしたらいい?」という読者の方からの相談に対して、保護者としてどのようなことができるのかを伺います。

 

 

●「落ち着きのなさ」は性格? 成長すれば改善する?

 

「入学してしばらく経ちますが、相変わらず落ち着きがなく、先生の話をきちんと聞けていないようです。家でも話を聞くように注意していますが、どうにも響いていない様子。どうしたらいいでしょうか?」(小1男児母)

 

この手のお悩みは、特に小学校への入学前後、心配する気持ちが大きくなりそうです。

 

「“落ち着きがない“というお悩みは、私が臨床している中でも多く寄せられます。落ち着きのなさにもさまざまなパターンや原因がありますが、もともとの傾向として落ち着きがない子の場合、成長とともに徐々に落ち着いていくケースも少なくありません。一方、外的な環境からの心理的負荷によって、一時的に落ち着きがなくなっている、という場合もあります。大人でも、緊張するとソワソワして貧乏ゆすりをする方がいますが、それと同じです」(市田先生)

 

後者の場合、原因がわからないまま「授業中はソワソワせず、きちんと座っていなさい!」と伝えたところで、なかなか改善は難しいと市田先生。では、どんな原因が考えられて、それぞれどう対処したら良いのでしょうか?

 

「場合によっては、小学校にサポートをお願いすることで改善するケースもあります。例えば、先生の話をタイミングよく理解しきれず、今何をすべきかがわからなくなって立ち歩くようなとき。補助の先生を配置して適宜声掛けをしてもらったり、事前に手順をまとめたプリントを渡しながら説明を聞いてもらうなどの工夫をすることで、改善できたりします。

 

また、放課後にその日の学校生活を振り返り、どうすれば良かったか少しおさらいをしてもらうだけでも、話に集中するきっかけが学べて、改善に向かったりします。他にも、字を読むのが苦手で集中が途切れたり、作業を続けられずに落ち着きがなくなってしまうといった場合には、教科書にルビをふるだけで改善されるケースもあります」(同)

 

補助の先生については、1年生の理解力のばらつきを考慮して、教科によっては教員2名で授業を行うような取り組みもすでになされているそうです。

 

 

●「立ち歩き」は子どもそれぞれで理由が違う

 

「立ち歩きは、子どもなりに対処しようとしたけれどうまくいかず、結果座っていられないということ」と市田先生。つまり、その子の理解の形式に合わせた工夫をすれば、改善に向かうものだと言います。

 

「理解するためのエネルギーを減らせば、その分集中を保つためのエネルギーが増やせ、結果的に座っていられる時間を延ばせますよね。そもそも45分間という授業時間は、1年生がずっと集中しているには長いもの。集中できなくなってわからなくなった時にどうすればいいのかを、あらかじめご家庭で教えておくことも大事です」(同)

 

学校にサポートをお願いする際の注意点も、教えていただきました。

 

「実は今の学校のシステムとして、専門家からお子さんに対しての見立てがないと、特別なサポートを受けられないという仕組みがあります。医学的な見立てや支援センターでの評価など『こういった特徴があります』というものがあって、はじめて、その子にとって適切なサポートを受けられるということ。そのため、病気かどうかではなく、お子さん自身のサポートになるからと考えて、気になる言動が続いたら気軽に専門家へ相談してみてもいいかもしれません」(同)

 

こういう時にこんな言動が出やすい、というのがわかっていたら、家庭でも学校でも対策がとりやすくなりますね。また、体幹が育っていないために体のバランスがうまく取れず、ちゃんと座れないというケースや、アレルギーによる身体的不調が落ち着きのなさとして表れるケースもあるとのことです。

 

心理・発達・行動というのはすべてつながっていて、分けて考えることができないものだそう。一つの側面だけで判断せずに、さまざまな面から何が起きているのかを把握していきたいものです。

 

 

●子どもの「片付けられない」は、大目に見るのがベスト!

 

「帰宅するとランドセルを放りっぱなしで、プリントも出さないし、遊んだおもちゃも片付けない。このまま大きくなったら本人が困るのでは…? と心配になります」(小一男児母)

 

わが家にもよく見られる光景です…。日々「片付けなさい!」「プリントは? 宿題は?」と声を荒げている気がします…。

 

「今の小学生はすごく忙しいと思います。1年生のうちから5時間授業があり、3時過ぎに帰宅・学童へ。日によってはそこからさらに習い事、といったスケジュールで、下手したら大人よりも忙しい日々を送っています。そのようなキャパオーバーな状態で、片付けまで手が回るわけがありません。『中にはできる子もいるんだな~』くらいに考えておくといいと思います」(同)

 

なんと! できて当たり前ではないのですね…。とはいえ、子どもの言動を見ていると、目の前のやるべきことを見なかったことにしているようで、心配になります…。

 

「子どもは見聞きする情報がいっぱいになると、情報の統制がとれなくなってしまいます。エネルギー量にも限界があるため、どこにエネルギーを使うかの配分を、子どもなりに考えるのです。目の前におもちゃがあったら、ランドセルを片付けるよりも遊びたい! と思うのは子どもの自然な欲求だと思います。処理すべき情報があり過ぎて統制しきれないと、全部なかったことにするのですが、それ自体はおかしなことではありません。

 

親が思い描いているような、“整理整頓がされていて、床や机の上に何もない状態”は、子どもにとっては高いハードル。そうはいっても、散らかった部屋はママにとってストレスの元だと思うので、子どもの片づけやすさを最優先に収納場所を再検討したり、物の絶対量をコントロールするのがオススメです。また、『床の上には置かない』など、大まかな枠組みでお互いの妥協点を探ってみるといいでしょう」(同)

 

子どもなりに忙しい毎日を精一杯過ごしていると考えると、親のストレスも減る気がしますね。

 

最終回となる次回は、心配性のお子さんに対して何ができるか、また、市田先生が考える“子育てにおいて親が心がけておくべきこと”について伺います。

 

(取材・執筆:代 麻理子)

 

子どもの歯列矯正を考えるべきタイミングとは?

 

 

幼稚園を卒園し、新たに小学生となる頃は、乳歯から永久歯に生え変わって行く時期でもあります。そこで気になってくるのが子どもの歯並び。気にはなるけれど、今の時期から歯列矯正を始めるべきかどうか、迷ってしまう人も多いのでは? そこで、日本小児歯科学会理事長の木本茂成先生に、子どもの歯列矯正を始めるべきタイミングについて聞きました。

 

 

●乳歯が生え揃ったら、まずは小児歯科へ

 

歯列矯正は何歳頃から始めるといいのでしょうか?

 

「実は、歯の大きさは歯茎の中にある段階でほぼ決まってしまっています。でも、永久歯が生える前に、歯並びに影響を与える筋肉をトレーニングする『口腔筋機能療法』を行えば、矯正装置の必要を少なくする方向にもっていくことも可能です。

 

ですから、乳歯の生えそろった3歳くらいから、遅くとも永久歯が生え始める前の6歳くらいまでには、子どもの歯列矯正に詳しい歯科医院を受診できるといいですね。早めに診断を受けて指導を守れば、永久歯の生え方をより適正なものにすることができます」(木本先生)

 

なんと! 理想的なタイミングは永久歯が生え始める前なのだそう。とはいえ、幼児のうちからまだ生えてもいない永久歯の心配をするのは、現実的にはなかなか難しいですよね?

 

「実際は、歯が生え替わる7~8歳で受診される方が多いですね。永久歯の前歯が上下4本ずつ生えた段階であれば、子どもの歯に詳しい歯科医師なら骨格の検査を行うことで、全部の歯が永久歯に生え変わった段階でどのような歯並びになるのか、ある程度の予測がつきます。

 

そういう意味では、7~8歳は決して早くはないものの、良いタイミングと言えます。軽度な異常であれば、前述の口腔筋機能療法により歯並びと噛み合わせを修正することも可能です。ただ、長期間放置された異常ほど、装置によって歯を動かす矯正が必要になることが多くなる、ということは覚えておいてください」(同)

 

ちなみに、早めに矯正をやっても、その後の成長で元に戻ってしまう可能性はないのでしょうか?

 

「矯正が完了した後も、歯や顎の使い方、関係する筋肉に左右されて、歯は多少動いてしまうものです。ただ、早めに始めたからといって不利になることはありません。適切な治療とアドバイスを受けている限り、完璧な状態から多少変わってしまうとしても、十分許容できる範囲に抑えることができるのです」(同)

 

もっとも例外として、顎の骨に異常がある場合などは、成人になり、骨格が決定するのを待ってから治療に入ることはあるそうです。もちろん、そうした判断は歯科医師でなければできないので、まずは相談してみることが大切なんですね。

 

 

●早め/遅めに矯正をするメリット・デメリット

 

歯並びは唇や頬、舌の筋肉の影響に大きく左右されるのだそう。矯正器具を取り付けるだけでなく、そうした筋肉の正しい発達を促すことも矯正治療のうちだということです。そのことを踏まえ、治療に早めにとりかかる場合、遅めにとりかかる場合のメリット・デメリットをまとめました。

 

【早め(3~6歳)にやるメリット・デメリット】

・メリット

早め(永久歯生え変わり前)に歯並びに影響を与える筋肉のトレーニングを行うことで、そもそも器具を使った歯列矯正の必要を無くす、あるいは、より簡単な歯列矯正で済むことが望める。遅く始めた場合に比較して歯が動きやすいので、矯正にかかる時間や、身体的・金銭的負担が少なくて済む。

 

・デメリット

永久歯に生え変わって以降の歯並びを予測することが、遅めにやる場合に比較すれば難しい。また、矯正器具をつけると、つけない場合に比べて虫歯になりやすいので、保護者による歯の管理がより必要になる。

 

【遅め(7歳以上)にやるメリット・デメリット】

・メリット

初めて永久歯に生え変わる7~8歳くらいなら、より確実な未来の歯並びを予測し、それを元に治療ができる。全て永久歯になればそこから大きく歯が動くことはないので、本当に矯正したいかどうか自分で判断できる。

 

・デメリット

早く始めた場合に比較して歯が動きにくいため、矯正にかかる時間が長くなり、身体的負担も大きくなる。また、病院にもよるが、かかる費用も高額になることがある。

 

 

●歯列矯正は早く始めるほど金銭的負担が少ない

 

歯科矯正はとにかくお金がかかると聞くのですが、具体的にどれくらいになるのでしょうか?

 

「歯科矯正治療は保険適用外の自由診療であり、料金体系や金額は医院によってさまざまです。一般に開業されている歯科医院では、乳歯だけの場合は3万円から20万円、永久歯が混ざっていると15万円から60万円、全て永久歯になってからだと50万円から130万円ほどが目安となりますが、かなりの幅があるのも事実です。また、通院ごとに別途調整料が必要となる医院もあるので、契約の際には全てを含めた最終的な金額がどうなるのか、よく確かめることが必要です。

 

ちなみに歯列矯正は保険適用外ですが、歯列の乱れを未然に防ぐための指導、トレーニングは2018年より保険で受けられるようになっています。永久歯が生える前の早めの受診は、こうした面でもメリットがあるのです」(同)

 

時間もお金もかかるのが歯列矯正。矯正への考え方や治療のプランは歯科医師によっても異なるため、はじめによく相談・検討し、納得いってから始めることが大事だといいます。子どもの歯列矯正を思い立ったら、まずは事前のリサーチから始めたいですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)

歯並びが悪くなるのはなぜ? きれいな歯並びのためにできること

 

 

幼稚園を卒園し、新たに小学生となる頃には、歯も同じく乳歯から永久歯へ生え変わりの時期を迎えます。これから一生使う永久歯、きれいに生え揃ってくれるかどうか心配ですよね。今回は日本小児歯科学会理事長の木本茂成先生に、歯並びが悪くなる原因と、歯並びのためにおうちでできることを聞きました。

 

 

●唇を噛むクセや猫背が、歯並びを悪くする一因に

 

歯並びが悪いと、どんな問題が起こるのでしょうか?

 

「歯並びが悪いと虫歯になりやすいだけでなく、噛む力の低下から消化不良や胃腸障害を招くことがあります。さらには顎の関節への影響から体全体の発育に悪影響を及ぼすこともあり、単なる見た目だけの問題にとどまりません。

 

歯並びが悪くなるかどうかは、顎の形や大きさといった骨格はもちろん、外側から歯を押さえる唇や頰の筋肉、そして内側から歯を押す舌の筋肉のバランスも大きく影響しています。例えば指しゃぶりや唇を噛むクセがあるだけでも、不正な噛み合わせや歯列の乱れを招くので、やめさせるようにしましょう」(木本先生)

 

また、姿勢の悪さも噛み合わせを悪くする原因のひとつなのだとか。

 

「例えば猫背の場合、下顎が後方に引っ張られて、上下の顎の位置関係がずれてきます。また、上顎を突き出すことになるため、顎や表情筋の発育を阻害し、出っ歯の原因にもなります。そして見落としがちなのが、睡眠時の姿勢です。うつ伏せ寝をすると上顎が圧迫される時間が長くなり、上顎の幅の成長が抑制されます。歯列を考えるのであれば、仰向け寝の方が良いと言えますね」(同)

 

骨格だけでなく、舌や唇の筋肉の使い方、そして姿勢なども歯並びに関係があるのですね。

 

 

●“口ぽかーん”は要注意。歯並びに影響する口呼吸

 

先生によれば、最近、特に問題になっているのが子どもに多い口呼吸。常に口が開いたままになっていることから起こる唇の筋力の低下によって、歯が前に出てきてしまう子どもが増えているそうです。

 

「口呼吸が常態化してしまう原因は3つあり、1つめはアレルギー性鼻炎等による鼻づまりで鼻呼吸ができない場合に起こる『鼻閉によるもの』。2つめは単なる習慣で口が開けっぱなしになっている『クセによるもの』。3つめは噛み合わせや歯並びがすでに悪い状況にあり、そもそも口を閉じることができない『歯性(噛み合わせ)』によるものです。

 

このどれが原因なのかは歯科医で診断することができます。クセや歯性が原因であれば歯科医が治療しますし、鼻閉であれば耳鼻科を紹介します。

 

なお、歯並びに影響する唇や頬、舌の筋肉の問題は『口腔機能発達不全症』と呼ばれ、そうした問題を改善するための診断や指導は2018年から保険が適用されるようになっています」(同)

 

歯並びを悪くさせないための予防なら保険が使えるのですね。子どもが口呼吸しているようであれば、一度歯科医の診察を受けてみるのが良さそうです。

 

 

●さまざまな噛みごたえの食品をバランスよく食べよう

 

歯並びをよくするためには硬いものを噛むと良いイメージがありますが、これは正しいのでしょうか?

 

「噛むことは大事ですが、それは硬いものに限りません。乳歯が生えそろってから歯の数が20本のまま変わらない3~6歳の間には、硬いものはもちろんのこと、軟らかいもの、粘着質のもの、繊維質のもの、噛みちぎらなければ口に入らないもの等、とにかくさまざまな性状の食品を食べることが大切です。さまざまなパターンのものを噛み切り、咀嚼し、飲み込む経験を繰り返すことで正しく噛むことを学習でき、ひいてはその後の良い歯並びをもたらします」(同)

 

ちなみに、よく耳にする「最近の子は噛むことが足りないので顎が小さくなり、歯並びが悪くなっている」というのは実は誤りで、最新の研究では、顎が小さくなっているのではなく、永久歯が大きくなっていることがわかっているのだとか。これは栄養状態の改善で大きくなってきた永久歯の変化に、顎の骨が追いついていないためだと考えられているそうです。

 

「また、丈夫な歯を作るにはバランスの良い食生活も大切です。牛乳、乳製品、魚介類、野菜など幅広い食品から、カルシウム、たんぱく質、リン、ビタミンA・C・Dなどの栄養素を摂りましょう。特に歯が生える前、顎の骨の中で形成される時期の栄養が、歯の質を左右します。最後に生えてくる永久歯(第二大臼歯)ができる中学生の頃まではとくに、歯に良い食生活を心がけてください」(同)

 

クセ、姿勢から呼吸法、食べ物の噛み方まで、歯並びを左右する要素はたくさん。これから永久歯が生えてくる子どもたちに、歯並びをよくする習慣を身につけてほしいですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)

入学前後で身につけたい、鉛筆の正しい持ち方って?

 

 

もうすぐ小学校入学! いよいよ授業が始まりますが、そうなると気になるのが、子どもの鉛筆の持ち方ではないでしょうか。「なんだか文字が書きにくそう」「字が薄くてヒョロヒョロなんだけど、持ち方に問題があるの?」と、すでに不安なママも多いのでは。今回は、子どもに鉛筆の正しい持ち方を教えるコツを、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきました。

 

 

●鉛筆の持ち方の基礎は「箸の持ち方」にアリ!

 

子どもの手元を見て、なんとなく鉛筆の持ち方が変だなと感じた場合、どのように正しい持ち方を教えたら良いのでしょうか。塩谷先生いわく、「鉛筆の持ち方をチェックする前に、まずはお箸の持ち方をチェックしましょう」とのこと。一体どういうことなのでしょう。

 

「実は、お箸を持った状態で手前の1本を抜くと、鉛筆の持ち方になります。

 

<鉛筆の持ち方3ステップ>

 

 

1.鉛筆2本を箸のように持つ

 

 

2.手前の鉛筆を抜く

 

 

3.指の位置を少し下にずらして調整する

 

つまり、箸が正しく使えていれば、自然に鉛筆も正しく持てるようになるのです。箸の持ち方が間違っている場合は、少しずつ修正していきましょう。

 

エジソンのお箸など、矯正箸を使って練習するのもいいですね。箸が苦手だからといってスプーンやフォークばかり使わせるのではなく、たとえば時間がない朝は矯正箸で、夕食は普通の箸を使って食べる練習を、などと少しずつ慣らしていきましょう。鉛筆の持ち方が気になるお子さんの場合は、まずお箸の持ち方を保護者の方が確認してあげてください」(塩谷先生)

 

 

●最初は薄い字でも問題なし! 筆圧をつけていくコツ

 

鉛筆の持ち方は正しいけれど、字がうまく書けないという子も多いと思います。何か具体的な声がけはありますか?

 

「箸は2本なので安定しますが、1本になると途端に不安定になります。そのため、鉛筆を持つ手にうまく力が入らず、筆圧が出ないのです。子どもが鉛筆で字を書きはじめたとき、『薄いな』と感じたとしても、それは当然のこと。最初は線を書くことから練習してもOKなので、まずは、薄くてもたくさん褒めてあげてください。だんだんと慣れていけば筆圧は強くなるので、焦らないことです。

 

『もっと濃く書きなさい』『字がヒョロヒョロだよ』などと言うのは逆効果。濃く書かないと…と思うがあまり、子どもは無理に力を入れようと鉛筆をぎゅっと握ったり、人差し指で無理やり押さえ込んだりと、間違った持ち方をするようになってしまいます。

 

<NG例>

 

 

力を入れようと鉛筆を抱え込んだ持ち方

 

2Bなどの濃い鉛筆を使う、持ちやすい三角形の鉛筆で練習する、芯を尖らせすぎないということも、自然に筆圧を強くしていくコツです」(同)

 

 

●力を抜き、手首を使えば、“とめ”や“はね”も上手に書ける

 

力が入りすぎると線がカクカクになってしまうので、滑らかな曲線が書けません。できるだけ力を入れずに書くことが大切なのですね。また、手首を支点として文字を書くこともポイントなのだそう。

 

「鉛筆を使いはじめた頃は特に、手首側をつかずに浮かせて文字を書く子が多いです。書道はそれで良いのですが、鉛筆の場合は不安定でうまく字が書けません。

 

 

 

 

コツは手首を机につけ、ここ(写真の赤丸の部分)を支点とした可動域の中で書くこと。しっかり安定するので、字が書きやすいと思います。もしも手首を浮かせて書いていたら、教えてあげてください。ただし、あまり注意しすぎたり、練習させすぎたりするのではなく、楽しく書くことを意識して声がけをしてくださいね」(同)

 

これらの点を意識しながら鉛筆を使っていると、とめ・はね・はらいも自然にできるようになるのだそうです。左利きの子の場合も同様にチェックしてみてくださいね。

 

 

●手先・全身を使った遊びは、運筆にも効果的!

 

また、普段の遊びも、文字をスムーズに書くことにつながるのだと塩谷先生。室内・室外でおすすめの遊びを教えてもらいました。

 

「子どもの指はとても小さくて、はじめはなかなか力が入りません。そのため、指先が器用に動かせると、鉛筆を持つときに活きてきます。5本の指を自由に動かして遊ぶ折り紙やあやとりはおすすめです。片手だけでなく、両手を動かすような遊びを意識するといいでしょう。

 

また、机の前で45分間座っていることが苦痛だと感じる子どもが多いようなのですが、長時間座っていられる筋力をつけ、鉛筆を持って文字を書く力をつけるためには、全身を使った遊びがおすすめです。たとえば、アスレチックやジャングルジム、うんていなど、手足、そして肩甲骨からしっかり動かす遊びを取り入れましょう。もともと外で遊ぶことが好きな子は問題ないですが、家の中でゲームをすることが多い子の場合は、少し意識するといいと思います。

 

それから、重い荷物を片方の手だけで持つことも、あまりおすすめできません。体の左右両方をバランスよく使うリュックがいいですね。日常生活の中の些細なことですが、結果的に鉛筆を持って長時間勉強できる体を作る基礎となります」(同)

 

鉛筆を正しく持てないと、字を書くことに疲れてしまい、結果、自分で持ちやすくアレンジして間違った持ち方をするように。早めに修正すれば必ず直るので、まずは箸の持ち方を見直し、子どもが楽しく字を書けるような工夫ができるといいですね。

 

(取材・執筆・撮影:水谷映美)

 

2018年 販売店・メーカー別 学習机最新事情【カリモク編】

(写真提供:カリモク)

 

さまざまな種類がある学習机ですが、各販売店やメーカーごとにどんな特徴や違いがあるのでしょうか? 主要な学習机の販売店・メーカーに直撃取材をして、教えてもらいました。第7回は、確かな品質とデザイン性の高さが人気の「カリモク」です。

 

 

●カリモク学習机のポイント

 

・素材

天然木。木材の乾燥、木取り加工まで国内生産にこだわり、自社工場で職人が心をこめて製作。

 

・販売時期

カタログ配布は8月頃、展示会はカリモク家具ショールームにて、通常6月に。受注は通年で行っています。

 

・特徴

☆すべて天然木を使い、国内生産という品質の高さ

☆バリエーション豊富で、リビングでも子ども部屋でも組み合わせ自由

 

 

●カリモクの人気商品紹介

 

【リビング学習用に! 人気No.1のシリーズ】

ボナシェルタ ピュアオーク色

(写真提供:カリモク)

 

発売開始から12年のロングセラーで、人気No.1シリーズ。奥行き45cmと60cmから選ぶことができるコンパクトで機能的なデスクは、カリモクのリビング家具と同じ樹種、塗装色でコーディネートできます。別売のワゴンやブックスタンドは、年齢や環境に合わせて組み合わせを変えても。写真はリビングに置いたイメージ。

 

・幅×奥行×高さ:100×45×72.3cm(サイズは置く場所に合わせて複数から選択可能)

・本体価格:57,600円(税抜・デスクのみ)

 

【人気シリーズの新色で大きくなってもおすすめ】

ボナシェルタ シアーホワイト色

(写真提供:カリモク)

 

大人になっても使えるシンプルでシックなイメージの新色。他の4色同様、耐久性に優れた堅牢なオーク材を使用しているため、永く使うことができます。写真はベッドルームの設置イメージ。

 

・幅×奥行×高さ:110×60×72.3cm(サイズは置く場所に合わせて複数から選択可能)

・本体価格:69,500円(税抜・デスクのみ)

 

【斜めラインの脚で座りやすい! 新発想の人気デスク】

ピュアナチュール

(写真提供:カリモク)

 

使い勝手を考えた新発想のデスク。デスクの脚の部分が斜めに通る“Kライン脚”は、イスを動かさなくても横から出入りができる、機能的な構造が人気。

 

・幅×奥行×高さ:110×65×72.3cm

・本体価格:デスク87,500円(税抜・デスクのみ)

 

 

●天然木の管理を徹底的に。温かみのある木目も人気

 

天然木の素材と国内生産にこだわり、高い品質を誇るカリモク。リビング向けの家具などが人気ですが、学習机もそのクオリティに注目が集まっています。

 

「木を知りつくしたカリモクだからこそ、木を活かした家具づくりを。年間を通して、国内の自社工場で職人たちが心を込めて作っています。天然木は、天然素材であるがゆえに、サイズが狂う、割れるといった性質もあり、その原因である水分管理を徹底的に行います。木材の乾燥にしっかりと時間をかけて、高度な温・湿度管理をしていますが、これは、リビング家具も、学習机もまったく同じです。

 

天然木は、自然ならでは温かみのある木目も特徴的。今年度は、いちばん人気の『ボナシェルタ』のシリーズで、シアーホワイト色が追加に。天然木の木目を活かした上品なホワイト色で、シックで優しい印象のお部屋づくりができます」(カリモク家具 担当者)

 

また、素材のよさはもちろん、バリエーションの豊富さ、充実した付属アイテムも人気の秘密。

 

「最近では、低学年のうちはリビング学習をする家庭が多いですが、デスク購入となると、子ども部屋用に買われる方もまだまだ多い印象です。または、初めのうちはリビングにデスクを置き、ひとりで学習する頃に、子ども部屋に移動することも。いずれの場合も、設置する環境や収納する物の量に合わせて、収納アイテムの組み合わせを変えたり、買い足したりしながら、最適な学習環境をご用意できるのが特徴です。

 

カリモクの学習机は10シリーズあり、各シリーズの棚、チェストなどが組み合わせられます。どの学年からでも使いやすい組み合わせが選べるので、購入年齢を選ばず、また、品質は保証できますので、中高生、大人になっても、末永く使っていただけます」(同)

 

素材のよさ、バリエーション、そしてデザイン性の高さ。本格派な学習机を希望する人に高い支持を集めているようです。

 

(取材・執筆:野々山幸)

 


特集「2019年度入学向け 販売店・メーカー別、学習机の最新事情」

一人磨きの仕上げに便利な「モンダミンKid’s」などを5名様に!

 

 

●年長になったら、むし歯の仕組みを子どもに教えよう!

 

そろそろ大人の言うことも理解できるようになる年長さん。おうちで歯磨きを嫌がるときは、ただ「歯磨きしなさい!」と声をかけるだけでなく、どうして歯磨きが大切なのか、むし歯ができる仕組みと合わせてきちんと教えてあげられるといいですね。

 

むし歯ができるのは、口の中にいる「むし歯菌」が原因。むし歯や歯周病の原因としてよく耳にする「プラーク(歯垢)」は、むし歯菌が集まったかたまりです。むし歯菌は口の中に食べカスや糖質が残っていると、それを栄養にして酸を出し、歯の表面の「エナメル質」を溶かしてしまうのです。

 

人間の体には、唾液によって歯を修復する「再石灰化(さいせっかいか)」という能力が生まれつき備わっています。ただし、原因となるプラークを取り除かないと、修復のスピードが追いつかずにむし歯になってしまいます。そこで大切なのが歯磨き(ブラッシング)です。歯磨きできちんとプラークを取り除くことにより、唾液が本来の力を発揮する環境が整い、健康な歯を保つことができるのです。

 

 

●一人磨きを嫌がるときは、はじめから親が磨いてあげよう

 

大切な歯磨きですが、小学校低学年くらいだとどうしても磨き残しがあるもの。一人磨きは歯磨きの習慣をつけるためと考えて、保護者がしっかり仕上げ磨きをしましょう。また、眠気や疲れで歯磨きをぐずるときは、思い切って最初から保護者が磨いてあげてもいいでしょう。

 

この時期の歯磨きのポイントは、上下の奥歯4本と上の前歯。歯と歯の隙間にも気をつけます。とくに大切なのが、乳歯の更に奥から生えてくる初めての永久歯「6歳臼歯」です。いつの間にか生えていることが多い歯ですが、食べ物を噛み砕く役割があり、永久歯の歯並びや噛み合わせも左右する大事な歯です。困ったことに生えるのがゆっくりで、乳歯よりも歯が低く磨きにくい時期が長いことや、溝が深くて食べカスが残りやすいこともあり、とってもむし歯になりやすいので注意が必要です。仕上げ磨きではこの歯が顔を出していないかも毎日チェックしましょう。

 

 

●歯磨きを嫌がるときは、洗口液もおすすめ!

 

忙しい朝や、おやつの後、保護者が十分に仕上げ磨きできない夜などは、手軽に使える洗口液を使う手も。「おくちクチュクチュ」でおなじみの「モンダミン」からは、「ぶどう味」と「いちご味」でピリピリしないノンアルコールタイプの『モンダミンKid’s』が発売されています。小学校中学年くらいからは、ちょっぴり大人味の『モンダミンJr.』もおすすめです。クチュクチュするだけでむし歯を予防でき、薄めずに使えて簡単なので、自分で行う毎日の習慣にもできそうですね。

 

・使用方法…日常の歯磨きに加え、適量約10mL(キャップ7分目の線)をお口に含んで、20~30秒程すすいでから吐き出してください。使用後、水ですすぐ必要はありません。

・お子様が自分でクチュクチュして吐き出せるようになったら(3歳頃から)使用できます。

 

 

●アンケートに答えて『モンダミンKid’s』をもらおう!

 

子どものお口のケアについて、ぜひご意見をお寄せください。

 

アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で5名様に、『モンダミンKid’sぶどう味』と、細菌・ウイルスを99.99%除去するアルコール除菌剤『らくハピ アルコール除菌EX』をセットにしてプレゼントいたします。

※全ての菌・ウイルスを除去するわけではありません。

 

 

応募は終了いたしました

 

 

応募締切:2019年4月5日(金) ※発送をもって発表に代えさせていただきます

 

***************

「モンダミンKid’s ぶどう味 250mL」

洗口液/医薬部外品

250mL、381円+税

★商品情報はこちら

 

「らくハピ アルコール除菌EX 420mL」

アルコール除菌剤

420mL、450円+税

★商品情報はこちら

 

 


 

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先輩ママに聞く! 「小1の壁」克服法<家事テクニック編>

 

 

小学校入学を控え、「小1の壁」に戦々恐々としているママも多いのでは。特に仕事と家事との両立が不安で、「より効率良く家事を進める方法が知りたい!」という方もいますよね。そこで今回は、2児の母でありながら救急救命災害レスキューナースとして活躍、さらには子育てに関する講座を全国で開催している育母塾・代表理事の辻直美さんに、どんな家事テクニックで「小1の壁」を乗り越えたのかをお聞きしました。

 

 

●料理はタイマーセットできる炊飯器をフル活用!

 

 

 

まずは、毎日避けられない「料理」に関して、工夫されたことはありますか?

 

「私の場合、炊飯器が大活躍でした! ご飯を炊くだけでなく、煮込み料理がものすごく得意って知っていますか? 材料を入れてスイッチオンしたら、コンロのようにつきっきりになる必要がないので、利用しない手はないです。わが家には2台の炊飯器があり、1台でご飯、もう1台で煮込み系料理や汁物を仕込んでおきます。そうすると、帰宅したときには温かいご飯と汁物が出来上がっている…! これだけで幸せですよね。サバの味噌煮なんかも失敗なく作れますよ」(辻さん)

 

最近、自動無水調理鍋などが人気ですが、お値段が張るのでわが家でも欲しいと思いつつ手が出せないでいます。炊飯器なら安いものが売っているので、すぐに実践できますね!

 

「新しく炊飯器を買わなくても、今あるもので十分工夫ができますよ。厚手の鍋に材料を入れてオーブンで加熱しても、味がしみたおいしい煮込み料理ができます。トースターパンという容器さえあれば、オーブントースターでもお米が炊けますしね。

 

ガスコンロが2口、グリル、炊飯器、オーブン、これらをフル稼働すれば、最大で5つの料理が同時進行できます。あとは、ひとつの料理を多めに作っておいて、翌日リメイクするのもおすすめ。おでんはカレーやお好み焼きの具、混ぜ寿司にも変身します。お料理サイトにいろいろなレシピが載っているので、楽しみながら挑戦できると思いますよ」(同)

 

 

●洗濯にまつわる家事は、動線を考えた配置で無駄を減らす

 

 

 

料理と同じく、毎日のことになる「洗濯」に関してはどうでしょうか。

 

「動線を考えた配置を工夫するといいですよ。洗濯機のまわりにハンガーや洗濯ばさみを置くのはもちろんですが、たとえばわが家では、洗面所に家族全員分の下着とバスタオルを置いています。乾燥機で乾かしたらそのまま収納できるので、二階に行ってタンスにしまって、お風呂に入るときまた出して…という無駄な動きを減らせます。

 

あとは、バスマット、トイレマット、キッチンマットといったマット類をすべて排除しました。マットって分厚い生地のものが多いので、乾かすのに時間がかかるじゃないですか。トイレ用とキッチン用は別で洗いたいと思ったら、洗うだけでも倍時間がかかります。収納場所も必要ですよね。思いきってなくしてみると、掃除もしやすくなったし、とにかくラクです。バスマットはバスタオルで代用できますし、お料理と同様、あるもので何か代用できないか探してみると、意外にいろいろな方法が見つかりますよ」(同)

 

 

●常識だと思っているのは自分だけ? ママ友と家事について話し合ってみよう!

 

 

 

また、家事の方法に行き詰まったら、誰かに聞いてみるのもおすすめだと辻さん。

 

「あまり他人と家事のやり方について話す機会って少ないと思いますが、一度ママ友に『洗濯ってどうしてる?』と聞いてみるのも良いと思います。朝洗って干すのが当たり前だと思っていたけど、友達は夜干しが当たり前だと言っていた。毎回シワを伸ばして干さなくてはいけないと思っていたけど、脱水時間を少しだけ短くして、そのまま干している人もいた…など、自分では普通と思っていた家事のやり方が、実はそうではなかったということに気づくチャンスかもしれません」(同)

 

確かに、ママ友と家事のやり方について改めて話すことって、今までなかったです。何か新しい発見がありそうですね。

 

「そして、新しく知ったことは、『その方法はちょっと…』と言わずにトライしてみること。最低でも3回はやってみる。そうすれば、自分に合うか合わないかがジャッジできます。なんでも否定せずに試してみることも、より効率の良い家事を見つける方法です」(同)

 

 

●サードプレイスを持つことで気持ちが切り替えられる

 

 

 

最後に、ママたちがマルチタスクで手一杯となり、ストレスを抱えてしまわないように、辻さんから何かメッセージはありますか?

 

「育児と仕事の間に、自分だけのサードプレイスを作ることをおすすめします。仕事の気持ちのまま子どもを迎えに行くと、イライラが子どもにぶつかってしまいがち。オンとオフを一瞬で切り替えるのは難しいけれど、いつものコンビニでお気に入りのミルクティーを飲む、チョコレートを一口かじる、少し散歩する、カフェで一息つく。なんでもいいので、自分の気持ちを切り替えられる場所や方法を持っておくと、心強いです。

 

あとは、寝る前の反省会もやめましょう! できなかった探しではなく、できた探しをすること。これが、前向きに楽しく仕事も家事も進めていく秘訣です。どうしてもご飯が作れなかったら外食してもいいし、お惣菜を買ってきてもいいし、一日や二日掃除や洗濯しなくたって死にはしない(笑)! 気持ちを切り替えたら、『ま、いっか!』と思うことも大事ですよ」(同)

 

目の前のやらなくてはいけないことで、つい、いっぱいいっぱいになりがちですが、あるものを活用して複数のタスクを進めること、常識だと思っていた家事の方法を手放すこと、そして気持ちをうまく切り替えること…。辻さんのメソッドを参考に「小1の壁」を克服して、ママも子どもも笑顔で過ごせるといいですね。

 

(取材・執筆:水谷 映美)

先輩ママに聞く!「小1の壁」克服法<心構え編>

 

 

だんだんと近づいてきた小学校入学。働くママにとっては、保育園に比べて学童のお迎え時間が早かったり、時短勤務が終了したりと、いろいろと不安が多いものです。そんな「小1の壁」を、先輩ママはどうやって乗り越えて来たのでしょうか。今回は、2児の母でありながら救命救急災害レスキューナースとして活躍、さらには子育てに関する講座を全国で開催している育母塾・代表理事の辻直美さんにお話を伺いました。

 

 

●ファミリーではなく「チーム」として家族で結束する!

 

 

 

辻さんは、女手一つで息子さん2人を育てているシングルマザー。育児に家事に仕事に、さらには介護までも一人で担っていた時期もあったそうです。毎日分刻みのスケジュールでお仕事をされていますが、一体どうやって複数のタスクをこなしてきたのでしょうか。

 

「わが家では、子どもが小さい頃から『ファミリー』ではなく『チーム辻』としてやってきました。子どもであっても一人の人間として扱い、それぞれに役割があるんだよ、それを果たすことでチームは成り立つよ、と伝えてきたんです。

 

仕事をしているとなおさら、ママ一人ですべての家事をやっていたら、忙しくてとても毎日が回りませんよね。そこでチームの絆が試されるわけです。子どもにお手伝いを『お願いする』のではなく、『役割を渡す』のですね。

 

たとえば、お風呂洗いをお願いするなら、『お風呂洗い大臣』と命名してみる。何か役割を渡されたら、『自分がやらなきゃ!』と小さな子どもでも頑張ります。もちろん、時にはサボったり忘れていたりするときもありますが、そんなときは『なんで洗ってないの!』と叱るのではなく、『お風呂洗い大臣が洗ってくれないと、お風呂に入れないんですけどー』なんて伝えてみるんです。靴をそろえる『玄関大臣』であれば、『大臣、玄関がすごいことになってるんですが…』とかね。わが家では、そうやって今ある状況を面白がりながら、子どもに役割を気づかせてきました」(辻さん)

 

その方法だと、本当に楽しいですね! ママのストレスもずいぶん減りそうです。

 

「あまりにできない日が続いた場合は、ママが代わりにやってしまうのではなく、理由を子どもに聞いてみます。『大臣、どうして最近靴がたくさん出ているのですか?』と聞くと、『ママの靴が多すぎて下駄箱に入らないんだよ』なんて教えてくれます。そうなると、こちら側も改善しなくちゃいけないですよね。そうやって相手に寄り添いながら、一緒にチームとして家事を進めていくと、ママの負担も少なくなると思います。

 

それから、一度相手に任せたことは遮らない、口を出さない、手も出さない。もちろん、やり方を一緒になって教えるのは大切ですが、せっかく手伝ったことを注意したり、やり直されたりしたら、やっぱり気分が良くないですよね? 任せたら、信じて待つ。見守る。ここを意識すると、お互い気持ちよく協力し合えると思います」(同)

 

 

●育児は遠距離恋愛中の男女と一緒

 

 

 

幼稚園や保育園から小学校という新しいステージに進むことで、子どもの心も不安定になりがちだと思います。心のケアについて、何かアドバイスはありますか。

 

「育児は遠距離恋愛中のカップルだと常々思うんですよ。子どもは、いつも相手(ママ)のことを考えているヒロインで、ママは赴任先の仕事に追われる彼氏(笑)。ママにとっては、毎日新しい仕事であっという間ですが、子どもにとってはママと離れている授業時間や学童の時間を、ものすごく長いと感じるでしょう。今まで以上に、ママの愛情をしっかりと感じたいんですよね。だからこそ、家に帰って子どもに会った瞬間の第一声にとても意味があると思うのです。

 

わが家では、『学校楽しかった?』『給食おいしかった?』というイエス・ノーで答えるだけの質問ではなく、『今日は(仲の良い)○○くんと遊んだの?』『図工の時間あったよね。今日は絵を描いた?』というように、その子ならではの質問で会話を広げるようにしていました。そうすると、『ママは仕事で忙しいけど、ちゃんと自分のことを見てくれている!』と愛情に確信が持て、気持ちが落ち着くんです」(同)

 

会話をするときも、ただ言葉をかけるだけでなく、目線を子どもと同じ高さまで下げる、体ごと子どもに向ける、触れる。そういったコミュニケーションを普段から意識していると、子どもの些細な変化にも気づきやすくなると辻さんは言います。ちょっとした工夫が大切なのですね。

 

一言で「小1の壁」と言っても、その悩みは人それぞれ。でも、辻さんのアドバイスにあったように「なんでも面白がる」、「相手のことを知ろうとする、真正面から向き合う」、そして「チームとして家族で団結する」ことで、その壁は低くなるのではないでしょうか。次回は、具体的に家事を効率よくまわすテクニックについて、引き続き辻さんに伺います。

 

(取材・執筆:水谷 映美)

 

2020年改訂、英語やプログラミングより重視されることとは?

 

 

2020年度に小学校での全面実施となる「学習指導要領」。パパ・ママ世代の教育から具体的にどこが変わり、保護者はどのように対応したらよいのでしょうか? 注目されている道徳・英語・プログラミングはもちろん、今回の改訂で重点が置かれているポイントについて、前編に引き続き、学研教育総合研究所の大塚恵理子さんにお話を伺います。

 

 

●約10年に1度行われる「学習指導要領」の大きな改訂

 

今回の改訂は、2020年4月から“小学校での全面実施”とのこと。告示されたのは2017年の3月ですが、告示と実施は何が違うのでしょうか?

 

「学習指導要領は、現場の混乱を避けるために完全実施の前に告示し、小学校では2年間の移行期間を設けています(「移行措置」という)。移行期間中、移行措置の特例が定められている一部教科については、各学校の判断で新しい内容の一部を早めに取り入れることもあります。また、改訂はそれまで積み重ねてきたものをベースに整理・追加していくため、施行日からいきなり、前日までとまったく違う授業になるわけではありません」(大塚さん)

 

実施後も細かな検証は続き、部分的な改正は常時行われるそうですが、大きな改訂が実施されるのは約10年ごと。これまでは、どのように変化してきたのでしょうか?

 

「授業時間が大きく減った1980年、小学1・2年生で社会と理科に代わって「生活科」が導入された1992年、完全週5日制となった2002年などがトピックスとして挙げられます。約10年というスパンなので、保護者の方が小学生の頃とは大きく異なる部分もあると思いますが、授業時間数や教わる内容だけでなく、『今の学校教育が何を目的にしているのか』の大本を把握できると、保護者の方も学校との意思疎通がしやすくなるのではないでしょうか」(同)

 

 

●あらゆる教科で重視される“アクティブ・ラーニング”

 

今回の改訂でもっとも重点が置かれているポイントは何ですか?

 

「前回(2011年)の改訂から引き続き目標とされるのが、つめこみでもゆとりでもない『生きる力』の育成です。今回の改訂ではその方向性を保ちつつ、より主体的・対話的な深い学び(アクティブ・ラーニング)を充実させた内容となります。つまり、知識を単にインプット・アウトプットするのではなく、各教科特有の『ものの見方・考え方』を働かせ自己や他者と対話することで、質の高い学びを得ることが求められているのです。

 

したがって、これからは『自分の頭で考える・伝える』ことがさらに問われるようになるでしょう。『学ぶ内容』というよりも『学び方』が大きく変わることに注目してください」(同)

 

さらに、新学習指導要領ではこれからの時代に必要となる資質・能力の“3つの柱”として、下記を挙げているとのこと。

 

1.“知識・技能”(何を知っているか・何ができるか)

2.“思考力・判断力・表現力等”(身につけた知識や技能をどう使うのか考える力)

3.“学びに向かう力・人間性等”(学ぶ意欲)

 

「現行版でも明記されている1、2に、新たに3を加え、『生きる力』を支える柱として身につけさせることが今回の改革の目標です。学習指導要領もこれに添って改訂され、授業時間数もさらに増えます。また、後述する『社会に開かれた教育課程』を目指している点も重要なポイントです」(同)

 

 

●道徳、英語、プログラミング。話題の3つのトピックスには、それぞれ誤解も!?

 

今回の教育改革では「道徳・英語・プログラミング」の3つがまず頭に浮かびますが、これらは誤解されていることも多いのだとか。3つの科目について、それぞれ正しい情報を教えていただきました。

 

・道徳

小学校では2018年4月からスタートしていて、今回の改訂で正式に「特別の教科」となる。「教科」であるため、教科書が使われるようになり、通知票での評価の対象に。ただし、数字で評価できるような科目ではないため、記述式のコメントになる予定。入試などで必要な成績としては反映されないため、「“特別の”教科」と呼ばれる。

 

・英語

3年生から歌やゲームなどで親しむ「外国語活動」として導入され、5・6年生になると「外国語科」という正式な「教科」になる。「話す(会話・プレゼンテーション)・聴く・読む・書く」の4技能5領域が評価される。

 

・プログラミング

「プログラミング」という「教科」が新設されるのではなく、他の教科に組み込んで行うべきものとして、取り入れ方は各学校に委ねられている。プログラマーの養成(プログラミング言語の習得)が目的ではなく、“プログラミング的思考=物事を論理的に考える力”を身につけることを目指す。

 

「3つとも、ただ知識や技術を身につけるだけでなく、学んだ結果どうなるのか、どう生かすのかがポイントになります。子どもに対する通知票などでの評価も、その点に重点が置かれたものになるようです」(同)

 

 

●日本だけじゃない! 世界中で変わりつつある「学び」のとらえ方

 

学びの方法まで大きく変わる、今回の教育改革。教える側にも大きな変化や負担がありそうですが、そうまでしてやらなければならない局面ということですよね。

 

「人口減少やグローバル化、AIの発展といった社会の変化への対応は、日本だけでなく世界中で共通の課題となっています。今回の改革は、このままでは国際社会での日本の競争力が低下するという懸念から、より深く主体的な学び方ができる人材を育てようという狙いで実施されるものです。でも、これも日本に限った話ではなく、オーストラリアやフィンランドなどでは、同様の危機感を持った教育改革がすでに行われています」(同)

 

大塚さんいわく「幼稚園から大学までが同じ方向を向いて同時に改革されるという点で、日本においては“明治以来の大改革”とも言われています」とのこと。そんななか、保護者ができることを改めて教えてください。

 

「身近な環境を切り口に社会と出会い、子どもたちの世界が広がることを目指すのが、改革の肝である『社会に開かれた教育課程』です。学校の中だけを学びの場として完結させず、授業の一環として地域の人に話を聞いたり、保護者にも学校の取り組みを伝えたりすることで、学校・地域・家庭が連携してよりよい学びとしていこう、という志が込められています。まずは保護者の方がこの全体像を把握しておくこと自体に、大きな意味があるのではないでしょうか」(同)

 

ついつい新設の教科や授業時間数の増加など、細かいことに目が行きがちですが、まずは前提となる社会情勢や改訂の目的を知ることが大切なのですね。学校との連携もますます密になるということで、保護者の方も関わり方を見つめ直す必要がありそうです。

 

(取材・執筆:高柳涼子)

 

子育てに役立つ!?「学習指導要領」を覗いてみよう

 

 

2020年度から新しい「学習指導要領」が小学校で全面実施になります。かつてない大きな教育改革として注目が集まる一方で、いまいちポイントが掴めず、戸惑っている保護者の方も多いのではないでしょうか? そこで、保護者が知っておくべき「学習指導要領」の基礎知識について、学研教育総合研究所の大塚恵理子さんにお話を伺いました。

 

 

●そもそも、「学習指導要領」ってどんなもの? 親が把握しておく必要はある?

 

学習指導要領というと「一年生ではこの漢字を教えましょう」のように、先生に向けて教育水準を示すものというイメージがあります。そもそもの目的は何なのでしょうか。

 

「おっしゃる通り、学習指導要領とは『この学年でこれは必ず教えましょう』という学校教育の目標や最低限の教育内容を示すもので、教えるべき教科はもちろん、『どの内容をいつ教えるべきか』まで詳細に定めてあります。

 

教育の目的や理念を示した『教育基本法』と、義務教育の期間など学校教育制度の基本方針を定めた『学校教育法』を前提として、時代や社会情勢に合わせてだいたい10年に一度、大きな改訂を行っているのが『学習指導要領』です。各学校の時間割は学習指導要領を基準に決められますし、学習指導要領が変われば、教科書もそれに合わせて変わるのです。

 

『私立には適用されない』と勘違いされることもありますが、学習指導要領は私立も含めた全国すべての小・中・高校・特別支援学校が対象です。ただし、『どのような方法で教えるか』や『プラスαをどの程度付け加えるか』はそれぞれの学校に委ねられるため、私立校はその部分で差を付けて、特色として打ち出していたりします」(大塚さん)

 

先生方に対し「教えるべき内容」を定めているものだとすると、保護者にとっては直接関係ないような気もします。知っておく必要はあるのでしょうか?

 

「確かに、学習指導要領を一番使っているのは、現場の先生方でしょう。また、教科書も学習指導要領に添って作られるので、保護者がわが子の学習内容を知るには、“まずは教科書を見る”というのが近道です。ただし、『子どもたちが大人になる頃、どんな能力が必要とされるのか』、『そのために日本の教育は何を目指すのか』といった大局を知るためには、学習指導要領を把握しておくことに、大きな意味があると思います」(同)

 

 

●子どもの将来を見据え、1,000人以上の大人が関わって作る「学習指導要領」

 

小学校学習指導要領(平成29年告示)の総則編、国語編、体育編

 

実際の学習指導要領を用意していただきましたが、小・中・高校の教科ごとに、数百ページにもわたり細かく書いてあるのですね! 例えば体育なら、それぞれの運動遊びでの体の動かし方まで詳しく書いてありますが、記載内容については誰がどのように決めているのでしょうか?

 

「最終的にまとめ上げるのは文部科学省ですが、施行の4~5年前から、外部のさまざまな有識者を集めて意見を募り、時間をかけて作成します。核となるのが『中央教育審議会(中教審)』という有識者会議で、メンバーは大学教授や自治体の首長、経団連の代表、PTA連合会会長、教育委員会、NPO法人のトップなどさまざまです。

 

中教審は分野やテーマごとに『分科会』や『部会』といった下部組織を有していて、例えば、『初等中等教育分科会』の中に『教育課程部会』があり、さらに『国語ワーキンググループ』があるといった具合です。ワーキンググループまで広げると、関わっている人は1,000人を超えるのではないでしょうか。

 

進め方としては、文部科学大臣が『このようなトピックで話し合ってください』というリクエスト(諮問)を出し、中教審や各分科会が『話し合いの結果、このようになりました』と報告(答申)する。今回のような大きな改訂の場合、4~5年をかけて、答申をまとめるまでに百回以上会議を開催する場合もあります」(同)

 

それぞれの組織を構成するメンバーや、答申の内容はすべて文科省のホームページで公開されているとのこと。また、メールや郵送、FAXなどで一般からの意見公募(パブリックコメント)も行っており、パブリックコメントには私たち一般の保護者ももちろん参加できます。これらを勘案して作成されたものが、文部科学大臣から発表(告示)された時点で確定となるそうです。

 

 

●学習指導要領、保護者が具体的に活用するには?

 

「学習指導要領を保護者が把握しておくことは意味がある」とのことでしたが、実際にはどの程度、理解すれば良いのでしょうか? 具体的な方法も教えてください。

 

「すべてを細かく読み込む必要はなく、改訂の背景や、国が目指す教育の方向性を知ることが大切です。学習指導要領は文科省のサイトにPDFで掲載されていますが、それぞれの冒頭にある『前文』や『総則』に目を通せば、保護者としては必要十分ではないでしょうか。科目ごとの目的がわかり、子どもや学校との関わり方が変わってくると思います。2020年以降の新学習指導要領については、保護者・一般向けのパンフレットも用意されているので、こちらを利用するのでも十分です」(同)

 

参照:『ポイントがわかるリーフレット』(文科省webサイトより)

 

これには、どんなことが書いてあるのでしょうか?

 

「まさに、これからの学校教育(=学習指導要領)が何を目指すかが書いてあります。社会の変化のスピードがどんどん速くなっている今、就学前後の子ども達が社会に出るころにどのような時代を迎えているか、想像がつかない方がほとんどですよね。

 

現行学習指導要領の主題は『生きる力』ですが、新しい学習指導要領では『生きる力 ~学びのその先へ~』とさらに発展します。子どもたちが大人になる頃にはどんな社会になっていて、そのような社会を生き抜くために、何を学ぶ必要があるのかを知ることは、保護者にとっても子育てを考えるうえでのヒントになると思います」(同)

 

ちなみに、新しい学習指導要領では、“学校・保護者・地域”の三者連携にも重きが置かれているとのこと。保護者が教育の方向性を知ることは、ますます重要になってきそうです。後編では2020年度の改訂について、引き続き詳しくお話を伺います。

 

(取材・執筆:高柳涼子)

 

友達の家に遊びに行く子どもに、教えておきたいマナーとは?

 

 

放課後や休日に子どもだけで友達の家へ遊びに出かけるようになると、わが子がよそのお宅で失礼のない振舞いができているのか、気になりませんか? 小学1年生でも基本的なマナーは身につけておきたいところですよね。そこで、一般社団法人ジュニアマナーズ協会理事長でマナー講師の田中ゆり子さんに、1年生に教えておきたい「友達の家にあがる時のマナー」を聞きました。

 

 

●あいさつ、靴揃え、後片付けの3つは最低限の訪問マナー

 

子どもが友達の家に遊びに行く時に教えておくべきマナーには、どんなものがありますか?

 

「小学生に必要なマナーはそんなに難しいものではありません。『相手が嬉しいと思うことをしてあげて、嫌だと思うことはしない』というのがマナーの基本です。お宅訪問のマナーにもいろいろありますが、小学1年生であれば『あいさつをする』『靴を揃える』『後片付けをする』の3つは最低限、身につけておきましょう。

 

ひとつひとつは当たり前のようですが、子どもは遊びに夢中になると、自分の振る舞いが他人から見られていることを忘れてしまい、マナーもおざなりになりがちです。常識として身につくように、普段から“繰り返し”丁寧に教えてあげることが大切です。お互いに気持ち良く過ごして『また遊びに来てほしいな』と思ってもらえるような関係を築けるといいですね」(田中さん)

 

子どもの頃、マナーについてきちんと教えてもらった経験がないと、大人になってから自分の振る舞いに自信を持てなくなることもあるのだそう。お子さんの自信を育てるためにも、小学生のうちからしっかり教えてあげたいですね。

 

 

●よそのお宅に行く時に気をつけたいマナー10選

 

上記の3つを含め、友達の家に遊びに行く時に具体的に気をつけるべきことを、田中先生に教えてもらいました。

 

・相手の家に行く前には約束をする

今どきの子どもたちは習い事などで忙しいもの。約束をしないでいきなり尋ねると相手を困らせてしまうことも。子ども同士でも事前にきちんと約束をして、相手の親からも許可をいただいてから行くようにしましょう。

 

・インターホンを連続で鳴らさない

子どもは何度もしつこくインターホンを押してしまうことがあります。あまり連続で鳴らすと、相手を焦らせてしまい印象が良くありません。一度鳴らしてしばらく待って出ない時だけ、もう一度鳴らすようにしましょう。

 

・汚い靴下や素足はNG

黒く汚れた靴下や、素足のままで家に上がるのはNG。雨の日は足を拭くためのタオルや、予備の靴下を持っていくと好印象です。

 

・ジャンパーやコートは玄関の外で脱ぐ

外のホコリや花粉を家の中に持ち込まないように、ジャンパーやコートは玄関の外で脱ぐよう教えましょう。表面を軽く払ってから、内側を表にして裏返せたら完璧!「ここに置いていいですか?」と聞いてから玄関の端に置かせてもらいましょう。

 

・元気にあいさつをする

家に上がる前には「こんにちは」「おじゃまします」と必ずあいさつをするよう教えましょう。家の中で他の家族と顔を合わせたときも、その都度きちんとあいさつをします。帰る時の「おじゃましました」も忘れずに。

 

・玄関では靴を揃える

靴はきちんと揃えておきましょう。より礼儀正しくやるなら、①正面を向いて靴を脱ぎ、家にあがる ②相手にお尻を向けないように横向きで座り、靴を端に寄せてからつま先が外側を向くように並べる のやり方が正解。一度外に出てまた室内に戻った時などは、つい脱ぎ散らかしてしまいがちなので気をつけて。

 

・帰りの時間を告げる

相手のお家の人に「○時に帰ります」と家を出る時間を伝えます。遊びに夢中になると帰りの時間を忘れてしまうこともあるので、「時間になったら教えてもらえますか?」とお願いすると◎。片付けの時間も考慮して帰宅の10分前には声をかけてもらうといいでしょう。

 

・勝手に使わない、勝手に開けない

おもちゃなどを使いたい時は「これ使ってもいい?」と必ず友達に聞くように教えましょう。冷蔵庫や戸棚、案内された以外の部屋を勝手に開けるのもいけません。大人からしたら当然のことですが、意外とやってしまう子どもは多いです。

 

・おやつは品良く食べる

おやつをいただいたら「ありがとうございます」とおうちの人にお礼を言いましょう。おやつを食べながら部屋をウロウロするのはNG。食べてもいい場所で座っていただきます。おやつや飲み物をいただいたあとは、ゴミはゴミ箱へ、お皿やコップは台所まで下げるお手伝いをしましょう。汚れた指先で家のものを触らないように、食べたあとは手を洗います。

 

・後片付けをする

遊んだあとは、元の状態に戻るようにきちんと後片付けをします。帰る時間の10分前くらいには後片付けをはじめましょう。

 

 

●家庭の中でもマナーを意識することが大切

 

子どもにマナーを身につけさせるために、普段からできることはありますか?

 

「よそのお宅で気をつけるべきマナーは、家庭の中で気をつけたいマナーでもあります。普段からやっていないことを出先だけでやろうとしても難しいので、家庭でも繰り返し丁寧に教えてあげてください。マナーを教える時には、『なぜ家の外でコートを脱ぐのか、それは家の中にホコリや花粉を入れないため』といったように、なぜそれをする必要があるのか、理由を説明してあげると子どもも納得しやすいです。

 

マナーが悪いと叱るのではなく、『こういうことをされると人はとても嬉しい気分になるね』、『こんなやり方はすごくカッコいいね!』と、子どものやる気を引き出す言葉で根気よく伝えていきましょう」(同)

 

小学生になると、自由な行動も「子どもだから許される」とはいかなくなってきます。どこに行っても自信を持って振る舞えるように、今のうちからきちんとマナーを教えておきたいですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)

 

入学前に鍛えたい! 親子でできる体幹トレーニング【後編】

 

 

多くの小学校の先生が重要視している「体幹」の筋力。イスにまっすぐ座り続けたり、起立の姿勢を保つために欠かせない力が、外遊び不足などの影響で落ちてきているそうです。そこで、ちょっとした時間に親子でできる「体幹トレーニング」の方法を、小中学生向けのボディコンディショニングサポートを行っているさくら整骨院・はりきゅう院/荻窪の木村竜也さん、木村一貴さんに取材。前編に引き続き、2つのメソッドをご紹介します。

 

 

●“風船ふくらまし” ―朝は脳の活性化、夜は寝る前のリラックスにも―

 

前編では、体幹を鍛えるための基本メソッド“プランク”と、筋力バランスをチェックするための“アーム&レッグレイズ”を教えて頂きました。今回、新たに紹介する“風船ふくらまし”ですが、風船をふくらますことで、どんな筋肉が鍛えられるのでしょうか?

 

「100円ショップやおもちゃ屋さんで売っているゴム風船をふくらますだけの、見た目にも楽しいこのトレーニング。姿勢保持に資する“横隔膜”の筋肉を鍛え、さらに“腹式呼吸”のやり方を身に着けることができます。

 

腹式呼吸とは、横隔膜を下げ、肺を下方向に広げることで、深く息を吸い込むことができる呼吸法です。一方、肺を前後に広げる“胸式呼吸”は、肋骨が肺の広がりを妨げるので、そこまで多くの空気を吸い込めません。深く息を吸い込めるということは、それだけ脳へ運ばれる酸素の量が増えるということ。腹式呼吸のクセがつくのは学童期のお子さんにとっては大きなメリットになるのではないでしょうか」(木村竜也さん)

 

【風船ふくらましのやり方】

 

1.仰向けに寝そべって、軽くヒザを曲げ、腰の力を抜く。

2.ゴム風船をくわえ、口をすぼめてゆっくり息を吐き、風船をふくらませる。息を吸うときは鼻から。「3吸う、6吐く」または「4吸う、8吐く」のリズムで3~4回繰り返し、風船をふくらませる。

 

「このトレーニングは、細~く、長~く息を吐くのがポイント。ストローを使っても良いのですが、風船だと息の流れが目に見えるのでオススメです。朝に行えば、脳が活性化されて頭がスッキリしますし、逆に、夜寝る前に行っても◎。長く息を吐くと副交感神経が優位になり、睡眠が深くなるので、成長期のお子さんにはもってこいのトレーニングです」(同)

 

 

●“足でキャッチボール” ―親子でやり取りを楽しもう!―

 

最後に、ちょっぴり難易度が上がりますが、親子で楽しめる体幹トレーニングを教えていただきました。

 

「ゴムまりやバレーボールなどを使い、足と足とでキャッチボールをします。猫背が気になるお子さんの場合、肋骨が下方向に下がってしまっていることがあるのですが、このトレーニングでおへその上下の腹筋を鍛え、それを防ぐことができます。大人でもちょっときついトレーニングですが、楽しみながらチャレンジしてみてください!」(同)

 

【足キャッチボールのやり方】

 

1.二人が足と足とをくっつけた状態で、仰向けに寝そべる。

2.一人が両足の内側でボールを挟んだら、相手が取りやすい位置まで脚を下げる。

 

 

3.もう一人が両足を使って、そのボールを受け取ったら、一度自分の頭上近くまでボールを持ち上げ、再度両脚を下げて、相手がボールを取りやすい高さに位置する。

4.このキャッチボールを5~10往復行う。二人とも頭をあげて、常にボールを見ながら行うこと。

 

「ボールを見るために頭を上げることで、おへそから上の筋肉が鍛えられ、さらに脚の上げ下げ運動により、おへそより下の筋肉が鍛えられます。脚を無理に下げすぎると、特に大人は腰を痛めてしまうこともあるので、腰が反らないよう注意して、ボールを渡す高さを調整しながら行いましょう」(同)

 

今回教えていただいた4つのトレーニングは、どれも家の中で、数分そこらあればできるものばかり。起床後や寝る前などのちょっとした時間を利用して、親子で楽しく習慣化できるといいですね!

 

 

(取材・執筆:ママノート編集部) 

入学前に鍛えたい! 親子でできる体幹トレーニング【前編】

 

 

入学前準備についてお話しを聞く中、多くの小学校の先生が口にされていたのが「体幹」の重要性。というのも、今どきの子どもは外遊び不足で体幹が弱く、イスにまっすぐ座っていることや、起立の姿勢を続けることを苦手とする子が多いのだそうです。そこで今回は、ちょっとした時間に親子でできる「体幹トレーニング」方法を取材。小中学生向けのボディコンディショニングサポートを行っているさくら整骨院・はりきゅう院/荻窪の木村竜也さん、木村一貴さんに伺いました。

 

 

●姿勢の良さを身に着けるには8~13歳がベストタイミング!

 

小中学生向けの「学生コンディショニングサポート」コースを実施しているさくら整骨院さん。かつては子どもの患者さんというと、スポーツ中の怪我などをきっかけに来院する方がほとんどだったのが、最近では姿勢改善や運動不足の解消を目的に通う小中学生も増えているのだとか。

 

「これまでは、怪我が治った後のメンテナンスや、野球やサッカーといったスポーツでのパフォーマンス向上のために来院するお子さんがほとんどでした。それが、その一環として行っていた正しい姿勢の取り方や、体幹を鍛えるトレーニングが口コミで広がり、最近は姿勢改善そのものや、お子さんの運動不足解消を目的に来院する方も多くなっています。

 

姿勢については、幅広い年代の方が悩みを抱えていますが、実は正しい姿勢を身に着けるのは小学生の時期がベストタイミング。というのも、運動神経が発達するこの時期に修得したことは成長した後も衰えにくく、体が覚えているからです。正しい姿勢が身に付いたら、きっと一生ものの財産になりますよ!」(木村竜也さん)

 

木村さんいわく、良い姿勢を身に着けるには、体幹を支える筋肉を鍛えるのと同時に、左右・前後の筋力バランスを整え、骨格が歪まないようにするのが大事だそう。ではさっそく、具体的なトレーニング方法について、同院の木村一貴さんにモデルになって教えていただきます。

 

 

●“プランク” ―まずは10秒キープから。徐々に秒数を伸ばしてチャレンジ!―

 

プランクで鍛えられる腹横筋は天然のコルセットとも呼ばれる筋肉。「背骨の周りを覆う腹横筋が鍛えられると、コルセットをしているように、背筋を伸ばすのがラクになります」と木村さん。

 

「“30日間プランクチャレンジ”などがSNSで流行っていますが、パパ・ママのシェイプアップだけでなく、子どもの体幹トレーニングにもプランクはぴったり。目標があると子どもも取り組みやすいので、『最初は10秒ね。4日めからは15秒、最終的に1分キープを目指そう!』と徐々にレベルを上げてチャレンジしましょう!」(同)

 

【プランクのやり方】

 

1.ヒジを90°に曲げて腕を床につき、つま先を立てて、かかとから頭頂までが一直線になるよう腰を上げる。この体勢を目標秒数(10秒~1分)キープする。

 

【NG例】

 

おしりが上がらないよう注意! 逆に、腰が反っておなかと床が近づくのもNG。背中と床が平行になるように注意しましょう。

 

「上半身・下半身にバランスよく力が入るのがポイント。足元が滑るとバランスが崩れ、重心が下半身に寄ってしまうので、靴下を脱いで滑りにくい場所でやりましょう。親子で競い合っても良いですね」(同)

 

 

●“アーム&レッグレイズ” ―左右の筋肉バランスをチェック―

 

足と手の連動性を作る“アーム&レッグレイズ”は、体幹がしっかり使えているか、左右の筋肉のバランスは適切かをチェックすることもできるトレーニング。

 

「足と手、上半身と下半身をバランスよく使うためのトレーニングです。同時に、ふだんどこの筋肉を使って重心を取っているか、筋肉のバランスもチェックすることができます。正しい姿勢を念頭に置いて、保護者の方が適宜、手足の位置を調整してあげてください」(同)

 

【アーム&レッグレイズのやり方】

 

1.太ももと腕が床に垂直になるよう、四つん這いになる。

2.右手と左足を地面と平行になるように持ち上げ、この体勢を10秒間キープする。アゴが上がらないように、手から首、足の先まで骨を一直線にするイメージで。

3.1の姿勢に戻り、逆(左手と右足)を同様に持ち上げ、10秒間キープする。

4.2~3がラクにできている場合、足を5~10センチ上に上げてやってみよう。

 

【NG例】

 

バランスが崩れないように注意!

 

「例えば、2(右手と左足が上がった状態)で足元がフラフラしていて、3(左手と右足が上がった状態)はしっかり安定しているといった場合、その子はふだん、左足で重心を取っていることがわかります。自分ではどこが悪いか気づけないので、写真や動画を撮って、『ここが下がっているね』と一緒にチェックしながら進めましょう」(同)

 

まずは、体ひとつで手軽にできる2つのメソッドを教えて頂きました。後編では、風船やボールを使ったトレーニングを、引き続きさくら整骨院・はりきゅう院/荻窪の木村さんに教えていただきます。

 

(取材・執筆:ママノート編集部)

 

先輩ママに聞きました! 小学生の「習い事あるある」

 

 

「子どもが小学校に上がったら習い事を始めよう」と考えている親御さんも多いのではないでしょうか。そこで、実際に習わせてみて分かった「習い事あるある」を先輩ママにリサーチ! 思わず「あるある!」と共感してしまうエピソードから、これからの教室選びに役立つ情報まで、現場の生の声をお伝えします。

 

 

●「スポーツ系」の習い事は、種目によって親の負担もまちまち

 

サッカーや野球は、日々の練習や遠征時の送迎が大変という話はよく聞きますよね。しかし、他のスポーツ系の習い事でも、お母さんたちはさまざまな形で奮闘・工夫しているようです。

 

<サッカー・野球>

「送迎は各家庭が順番にやるので、言うほどの負担はないです。ただ、役員になってしまうと練習や試合のお手伝いに付きっ切りで、土日がほぼつぶれるので本当に大変!」(Hさん)

 

「スポーツ用品はどうしてもお友達とかぶりやすく、間違えやすい! 自分のものだと分かりやすいようにできるだけ派手な色や違うデザインのものを選ぶように工夫しています」(Mさん)

 

「普通の洗剤で落ちない泥汚れは、専用洗剤が必須! 結構値が張るので、わが家はサッカー教室のお母さんたちとネットでまとめ買いしてシェア。送料無料だし、お店で買うより安いですよ」(Yさん)

 

<バレエ・体操教室>

「娘がバレエをやっているので毎週おだんごヘアを作っています。おかげでものすごく腕が上がり、ポニーテールも上手になりました」(Yさん)

 

「バレエの発表会では『なんでうちの子が主役じゃないのよ!』といちいち気にする親もいて、配役によっては親同士が気まずくなることも…。うちは脇役だったけど、本人が楽しんで精一杯やっているので、それが一番!」(Kさん)

 

「わが家は体操教室に通わせていますが、大人数でやる習い事は、終了後に子ども同士でのお菓子交換がお約束。毎週ファミリーパックのお菓子を用意していきます」(Rさん)

 

<スイミング・その他>

「スイミングは級によって先生が変わるため、苦手な先生が担当する級だとやる気が格段に落ちます。結果、なかなか級が上がらず、先生とも離れられないという悪循環に…」(Kさん)

 

「小学生は成長期真っただ中! うちの娘もテニスを始めてから急に身長が伸びたので、フォームの感覚がズレて苦労していました。フィギアスケートなどでも、よくあることだそうですね」(Sさん)

 

苦労がある一方で、スイミングを始めてから風邪をひきにくくなった、サッカーのおかげでリレーの選手に選ばれた、低学年まで3年間通ったバレエで一生ものの姿勢の良さが身に付いた…といったうれしい声も。保護者の負担はあるものの、その分だけ精神面・体力面で子どもが成長するというのは、全種目共通の「あるある」のようです。

 

 

●「学習・芸術系」の習い事は、保護者にとっての“新発見”も

 

そろばんや学習塾などは、お子さんが小学校に上がるタイミングで検討するご家庭も少なくないよう。また、実際に習わせてみると、保護者にとってもいろいろな“新発見”があるようです。

 

<そろばん・塾>

「国語や算数などの塾は宿題のプリントが毎回出るので、無理して週2コースなどにしてしまうとこなしていくのが大変! はじめは週1から様子を見るのがオススメです」(Aさん)

 

「息子が通う算数教室は計算メインで、図形などはまったくやらず、ちょっと期待外れ…。計算はびっくりするほどできるようになったので良かったものの、教室によって力を入れている部分が違うので、下調べは重要ですね」(Mさん)

 

「そろばんを始めてからとても見やすい数字を書くようになりました。“1”と“7”、“0”と“6”など書き分けにくい数字もハッキリ。4桁の数字には必ずコンマをつけるようになり、経理の人、顔負けです」(Rさん)

 

「今どきは、ボタンひとつでご破算(ゼロに戻せる)できるワンタッチそろばんがあるんです! ほとんどの子が両親か兄弟のおさがりを使っている中、持っている子はちょっとしたスターに☆」(Tさん)

 

<ピアノ・英語>

「ピアノはグループレッスンだとレッスン料が割安ですが、周りの子と比較して焦ってしまう子には不向きかも。個人レッスンだと自分のペースで頑張れるし、好きな曲を弾かせてもらえることもありますよ」(Mさん)

 

「ピアノは発表会があるので、人前で何かを披露するという経験ができて、子どもの大きな自信につながるメリットも」(Tさん)

 

「息子の場合、英語のグループレッスンは緊張して何も発言できなかったのが、個人レッスンに変えたら楽しんで行けるようになりました。子どもの性格で向き・不向きがありますね」(Rさん)

 

「英語はどのくらい身についているのか、親の方で分かりにくいという面もあります。スペルはまだまだですが、週1で45分間、英語のシャワーを浴びているので、聴く力は身についているかな…!?」(Uさん)

 

ピアノや英語は、お子さんの性格に合わせてグループレッスンか個人レッスンかを選ぶのがポイントのようですね。

 

 

●やらせてみて初めて分かる、多くの習い事に共通の「あるある」

 

他にも、スケジュールや費用の面で「やらせてみてから気づいた~!」という「あるある」も少なくないようです。

 

<スケジュール・送迎>

「月曜日は祝日が多いので、月曜日に習い事を入れてしまうとちょくちょく振替をしなければならず大変! 振替が面倒なら、年間の祝日をチェックしてから曜日を決めるべき!?」(Iさん)

 

「うちの子の体操教室は欠席日から2か月先までは振替ができるシステム。入会するときは『余裕があっていいな~』と思ったけど、他の曜日も何かと予定が入っているので、意外とスムーズに消化できない!」(Tさん)

 

「車で送迎することが多いわが家は、無料の駐車場があるかどうかも習い事選びの重要なポイント。都心の友人は、送迎のための自転車駐輪場が3台しか置けず、いつも取り合いだと嘆いていましたが、特に小さい弟・妹がいたりすると大変ですよね」(Sさん)

 

<レッスン料>

「大手が全国展開でやっている教室よりも、個人でやっているところのほうが月謝も教材も安い印象です。ただ、ちゃんとしたカリキュラムがあるかは先生次第になるので、どちらが合っているかは家庭ごとの考え方や子どものタイプによるかも」(Rさん)

 

「地域のケアプラザや地区センターでもダンスや書道、体操教室などをやっているので、本格的に始める前に、費用の安いこちらで様子を見るのも手。ただ、定員が少ないので予約が困難な面も…」(Tさん)

 

習い事は、実際に始めてみないと分からないこともたくさん。自治体が運営する教室や体験レッスンで、わが子に何が合っているか様子を見たり、まわりのお母さんから情報をキャッチしたりして、親子ともども楽しくスタートしたいですね!

 

(取材・執筆:高野理恵)

 

2018年 販売店・メーカー別 学習机最新事情【イオン編】

(写真提供:イオン)

 

さまざまな種類がある学習机ですが、各販売店やメーカーごとにどんな特徴や違いがあるのでしょうか? 主要な学習机の販売店・メーカーに直撃取材をして、教えてもらいました。第6回は、流通大手ならではの豊富なバリエーションが魅力の「イオン」です。

 

 

●イオン学習机のポイント

 

・素材

天然木などの安心素材の他、シリーズによりさまざまな素材を使用。

 

・販売時期

2019年新入学のラインナップは、カタログ配布が2018年7月上旬から。販売は7月から2019年の4月まで。

 

・特徴

☆年齢や環境に応じて、デスクと収納家具を自由に組み合わせられるシリーズが人気

☆親子のコミュニケーションが取りやすい作りのデスクも

 

 

●イオンの人気商品紹介

 

【リビング学習に最適なデスク】

リビング学習シリーズ トップバリュ コンパクトデスク シンプルデザイン

(写真提供:イオン)

 

リビングに置きやすい、省スペースサイズのシンプルな組み立て式デスク。デスク全面の角を丸くした安心設計。同じリビング学習シリーズの収納ラック、書棚と自由に組み合わせができるので、家庭ごとの環境やスペースに合わせることができます。

 

・幅×奥行×高さ:約90×約50×約73cm

・通常販売価格:12,800円(税抜)

 

【置き場所によってカスタマイズしやすいデスク】

トップバリュ コンパクトフリースタイルデスク

(写真提供:イオン)

 

成長や生活シーンの変化に合わせてカスタマイズできる学習机。天板を組み替えて横にプラス20cm伸ばすことができるので、子どもの学習をサポートしやすくなります。上棚とサイドチェストを自由に動かし、カスタマイズも。

 

・幅×奥行×高さ:約100〜120×約55×約73cm

・通常販売価格:39,800円(税抜)

 

【目にやさしいライト付きのデスク】

トップバリュ フリースタイル学習デスク

(写真提供:イオン)

 

環境やスペースに合わせて、5つのスタイルにアレンジができます。目に優しい省エネタイプのLEDライトつきなのも◎。

 

・幅×奥行×高さ:約100×約54×約73.8cm

・通常販売価格:49,800円(税抜)

 

【職人が仕上げるナチュラル素材のデスク】

トップバリュセレクト ナチュラルウッドデスク 3点セット

(写真提供:イオン)

 

木取りから加工、塗装、組み立てまで、すべてが国内生産。熟練の職人たちが真心を込めて丁寧に仕上げた逸品。学習机としてだけでなく、大人になっても末永く使用できます。

 

・幅×奥行×高さ:100×55×73cm

・通常販売価格:69,800円(税抜)

 

 

●省スペースで収納も充実! 大好評のリビング学習シリーズ

 

バリエーション豊富なイオンの学習机の中でも、特に注目を集めているのが、コンパクトなデスクと収納が組み合わせられる「リビング学習シリーズ」です。

 

「居住スペースの縮小にともない、学習机もコンパクト化、シンプル化しています。特に低学年のうちはリビングで学習するという家庭も増えているので、部屋の広さに合わせて、デスクと収納を自由に組み合わせできる『リビング学習シリーズ』を新たに発売しました。同シリーズの商品はすべて高さを揃えているので、どの商品を組み合わせても違和感のない設計です。

 

シリーズ商品の収納ラックは、キャスターがついていて動かしやすく、上棚にランドセルを置けたり、大容量の引き出しがついていたりと収納力も抜群。省スペースながらも、散らかりがちな小さな学用品を無理なく収納できます」(イオンリテール株式会社キッズ商品部 関貢さん)

 

また、イオンの学習机には、親子での使用を考えた工夫も。

 

「天板を伸ばすことで、横並びではなく、親が子どもの顔が見えるL字型の位置に座ることができる『コンパクトフリースタイルデスク』も人気。特に低学年のお子さんの宿題を見る際に、学習をしっかりサポートすることができます。天板を戻せばコンパクトなサイズのデスクになるので、高学年、大人になっても長く使い続けることができます」(同)

 

便利なのはもちろん、親子のコミュニケーションや将来まで見越したイオンの学習机。工夫が満載ながら、リーズナブルで手頃な価格という点も人気の秘密のようです。

 

(取材・執筆:野々山幸)

 

 


特集「2019年度入学向け 販売店・メーカー別、学習机の最新事情」