一般社団法人育母塾 代表理事。命を守る・育むプロフェッショナル。大阪府在住。正看護師。救急救命ナースとして吹田市民病院・聖路加国際病院に勤務した後、現在は国際救命救急災害レスキューナースとしても活動中(国境なき医師団・JMTDR在籍)。救急についての講演・執筆や、育児の在り方、ママと子どもの姿勢についての講演会や講座を全国で開催している。
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生活・しつけ
年長 2019年2月15日の記事
小学校入学を控え、「小1の壁」に戦々恐々としているママも多いのでは。特に仕事と家事との両立が不安で、「より効率良く家事を進める方法が知りたい!」という方もいますよね。そこで今回は、2児の母でありながら救急救命災害レスキューナースとして活躍、さらには子育てに関する講座を全国で開催している育母塾・代表理事の辻直美さんに、どんな家事テクニックで「小1の壁」を乗り越えたのかをお聞きしました。
まずは、毎日避けられない「料理」に関して、工夫されたことはありますか?
「私の場合、炊飯器が大活躍でした! ご飯を炊くだけでなく、煮込み料理がものすごく得意って知っていますか? 材料を入れてスイッチオンしたら、コンロのようにつきっきりになる必要がないので、利用しない手はないです。わが家には2台の炊飯器があり、1台でご飯、もう1台で煮込み系料理や汁物を仕込んでおきます。そうすると、帰宅したときには温かいご飯と汁物が出来上がっている…! これだけで幸せですよね。サバの味噌煮なんかも失敗なく作れますよ」(辻さん)
最近、自動無水調理鍋などが人気ですが、お値段が張るのでわが家でも欲しいと思いつつ手が出せないでいます。炊飯器なら安いものが売っているので、すぐに実践できますね!
「新しく炊飯器を買わなくても、今あるもので十分工夫ができますよ。厚手の鍋に材料を入れてオーブンで加熱しても、味がしみたおいしい煮込み料理ができます。トースターパンという容器さえあれば、オーブントースターでもお米が炊けますしね。
ガスコンロが2口、グリル、炊飯器、オーブン、これらをフル稼働すれば、最大で5つの料理が同時進行できます。あとは、ひとつの料理を多めに作っておいて、翌日リメイクするのもおすすめ。おでんはカレーやお好み焼きの具、混ぜ寿司にも変身します。お料理サイトにいろいろなレシピが載っているので、楽しみながら挑戦できると思いますよ」(同)
料理と同じく、毎日のことになる「洗濯」に関してはどうでしょうか。
「動線を考えた配置を工夫するといいですよ。洗濯機のまわりにハンガーや洗濯ばさみを置くのはもちろんですが、たとえばわが家では、洗面所に家族全員分の下着とバスタオルを置いています。乾燥機で乾かしたらそのまま収納できるので、二階に行ってタンスにしまって、お風呂に入るときまた出して…という無駄な動きを減らせます。
あとは、バスマット、トイレマット、キッチンマットといったマット類をすべて排除しました。マットって分厚い生地のものが多いので、乾かすのに時間がかかるじゃないですか。トイレ用とキッチン用は別で洗いたいと思ったら、洗うだけでも倍時間がかかります。収納場所も必要ですよね。思いきってなくしてみると、掃除もしやすくなったし、とにかくラクです。バスマットはバスタオルで代用できますし、お料理と同様、あるもので何か代用できないか探してみると、意外にいろいろな方法が見つかりますよ」(同)
また、家事の方法に行き詰まったら、誰かに聞いてみるのもおすすめだと辻さん。
「あまり他人と家事のやり方について話す機会って少ないと思いますが、一度ママ友に『洗濯ってどうしてる?』と聞いてみるのも良いと思います。朝洗って干すのが当たり前だと思っていたけど、友達は夜干しが当たり前だと言っていた。毎回シワを伸ばして干さなくてはいけないと思っていたけど、脱水時間を少しだけ短くして、そのまま干している人もいた…など、自分では普通と思っていた家事のやり方が、実はそうではなかったということに気づくチャンスかもしれません」(同)
確かに、ママ友と家事のやり方について改めて話すことって、今までなかったです。何か新しい発見がありそうですね。
「そして、新しく知ったことは、『その方法はちょっと…』と言わずにトライしてみること。最低でも3回はやってみる。そうすれば、自分に合うか合わないかがジャッジできます。なんでも否定せずに試してみることも、より効率の良い家事を見つける方法です」(同)
最後に、ママたちがマルチタスクで手一杯となり、ストレスを抱えてしまわないように、辻さんから何かメッセージはありますか?
「育児と仕事の間に、自分だけのサードプレイスを作ることをおすすめします。仕事の気持ちのまま子どもを迎えに行くと、イライラが子どもにぶつかってしまいがち。オンとオフを一瞬で切り替えるのは難しいけれど、いつものコンビニでお気に入りのミルクティーを飲む、チョコレートを一口かじる、少し散歩する、カフェで一息つく。なんでもいいので、自分の気持ちを切り替えられる場所や方法を持っておくと、心強いです。
あとは、寝る前の反省会もやめましょう! できなかった探しではなく、できた探しをすること。これが、前向きに楽しく仕事も家事も進めていく秘訣です。どうしてもご飯が作れなかったら外食してもいいし、お惣菜を買ってきてもいいし、一日や二日掃除や洗濯しなくたって死にはしない(笑)! 気持ちを切り替えたら、『ま、いっか!』と思うことも大事ですよ」(同)
目の前のやらなくてはいけないことで、つい、いっぱいいっぱいになりがちですが、あるものを活用して複数のタスクを進めること、常識だと思っていた家事の方法を手放すこと、そして気持ちをうまく切り替えること…。辻さんのメソッドを参考に「小1の壁」を克服して、ママも子どもも笑顔で過ごせるといいですね。
(取材・執筆:水谷 映美)
一般社団法人育母塾 代表理事。命を守る・育むプロフェッショナル。大阪府在住。正看護師。救急救命ナースとして吹田市民病院・聖路加国際病院に勤務した後、現在は国際救命救急災害レスキューナースとしても活動中(国境なき医師団・JMTDR在籍)。救急についての講演・執筆や、育児の在り方、ママと子どもの姿勢についての講演会や講座を全国で開催している。
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