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小学1年生 2019年2月28日の記事

市販のドリルや塾は必要? 小学校の先生にアンケート!

子どもの家庭学習、宿題だけでいい? 予習・復習の必要は?

 

 

「学年×10分(+10分)」が理想といわれる小学生の家庭学習の時間。1年生だと10~20分ということになりますが、正直、宿題をやっただけで終わってしまう長さですよね。一方、宿題の出来や授業参観を見て「市販のドリルをやらせたり、学習塾に通わせた方がいいのだろうか…」と悩んでる保護者も少なくないと思います。そこで、現役の小学校の先生に匿名アンケートを実施! 家庭学習と、生活面も含めた家庭での取り組みに期待することを聞きました。

 

 

●宿題以外の家庭学習、苦手な教科は「生活の中」で克服しよう

 

まずは学習面について。「Q.宿題以外の家庭学習について、家庭での関わり方に期待することは?」と質問してみました。

 

「1・2年生の保護者の方には、『生活の中で計算や漢字、言葉の学習を取り上げてほしい』とお願いしていました。計算だったら、おやつを食べるときに『1,2,3…』の1とび、『2,4,6…』の2とびなど、いろいろな方法で数える、100円の予算で駄菓子を選ばせる。漢字や言葉なら、本人が興味を持ったタイミングで教えてあげる、本を読んであげる…。机に向かうというより、そうしたちょっとしたやり取りに学習の要素を入れられると良いですね」(T先生)

 

「宿題がスラスラとできない場合、家庭学習で補ってあげないとお子さんがかわいそうですね。そのときは、先取り学習ではなく、つまずいていることの手前の課題をじっくり取り組んでいただくことを期待します。

 

算数の文章問題が苦手なお子さんは、実生活の場面を算数の世界に置き換えることが苦手です。お手伝いなどを通じて、例えば、ミニトマトを洗わせて『全部で何個ある?』と聞いたり、『唐揚げを4こずつ分けて』とお願いしたり。計算が苦手な子も、アメやカード類を分けたり、集めたりする経験をたくさんすると、霧が晴れたように計算が得意になったりします。低学年のうちは『学習』よりも『経験』の数を増やしてください!」(A先生)

 

 

●市販のドリルや学習塾は、低学年のうちは必要ない…?

 

「Q.宿題以外の家庭学習に期待することは?」に関連して気になるのが、市販のドリルや学習塾をやらせるべきかどうか。先生方はどう考えているのでしょうか…?

 

「基本的に各家庭の考え方にお任せしていますが、低学年なので塾などはあえてお勧めしていません。市販のドリルも、学校の進度通りに進めないと子どもが混乱することもあるので注意が必要です。学校の計算ドリル・漢字ドリルでつまずいたところを繰り返しやる。市販のドリルを使うにしても、直接書き込むのではなく、ノートに写して日付を振って、繰り返しやるのが効果的です」(K先生)

 

「学校の授業と宿題をきちんとやってくだされば、学習面は大丈夫です。それでもドリルや通信教育、塾などをやる場合は、完全にご家庭の方針としてお任せしています。ただし、塾の宿題があるからと言って、学校の宿題をやらないというのは困ります!」(T先生)

 

「計算や漢字は、市販のドリルを使うのもアリだと思います。学校によっては授業で使うドリルに直接書き込むので、反復学習ができないところもあります。そういうときは、予習ではなく、あくまで苦手な部分の復習として、市販のドリルを活用しましょう」(C先生)

 

「宿題以外の学習で『ぜひ!』というものはありません。強いてあげるなら、お子さんの興味があり、長期的に続けられるものなら取り組む価値はあるかなといったところでしょうか。ポイントは『無理なく続けられること』。おうちの人が『あなたは漢字が苦手だからやりなさい』とやらせるよりは、取り組んでみたいテーマをお子さんと話し合って決めて、それを無理なく続けるのが大事だと思います」(Y先生)

 

低学年のうちは、まずは授業と宿題を大切にするべきなのですね。「繰り返し解く」というのも大きなポイントのようです。

 

 

●生活面で一番期待するのは、「健康管理」と「食育」!

 

最後に、「Q.生活面も含めた家庭での取り組みに期待することは?」とお聞きしたところ、ほとんどの先生が「健康管理」と「食育」の分野を挙げていました。

 

「低学年に限らず、学校生活を通して『早寝・早起き・朝ごはん』と、姿勢の修正、お子さんの自立はご家庭でしっかりサポートしてあげてください! また、挨拶や言葉遣いなどの礼儀がきちんとしていたり、忘れ物が少ないおうちは、比較的お子さんの学力が高く、精神的にも落ち着いている子が多い気がします」(C先生)

 

「食事の好き嫌いはできるだけ減らしてほしいです。多少は仕方ないとしても、食べ物に好き嫌いが多い子は、友達との関わり方についても課題がある子が多いです。友達や学習も好き嫌いで選んでしまうのかもしれません」(T先生)

 

「三食しっかり食べること、自分の排せつのリズムを知ることなど、健康に関わることはご家庭で日々意識して取り組んでいただきたいと思います」(A先生)

 

次いで多かったのが、「家族で一緒に、いろいろな経験をしてほしい」という声。

 

「雨の日に傘を差して歩くのが、入学後初めてという子も多いです。傘を差して歩く、日の出を見る、自然に触れる…など、さまざまな経験をさせてあげられると良いですね」(A先生)

 

「生活経験は子どもの成長に大きく関わります。縄跳びやボール投げを家でたくさんしている子と、そうでない子は差が大きいです。外で一緒にたくさん遊んであげましょう! また、スマホやゲームは小さいうちから、しっかりルールを決めて守らせましょう」(T先生)

 

「季節の行事など、家族で一緒に楽しめることは学級通信でもお勧めしています。秋、虫の声に耳を澄ませてみる、大掃除を一緒にやる…。お手伝いも『親の負担軽減』ではなく、家族の一員としての自覚と、自信を持たせる目的でやらせてください」(K先生)

 

今回アンケートに答えてくださったのは、たくさんの子どもを見てきたベテランの先生ばかり。回答を見ると、「家庭学習に期待すること(=子どもに必要なこと)」は多くの先生で共通していることがわかりました。家庭でしかできない教育、家庭でやるべき教育については、無理のない範囲で取り入れていきたいですね。

 

(取材・執筆:ママノート編集部)

 
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