大阪府民が安心して暮らせる「安全なまち大阪」を確立するための警察活動に、組織を挙げて取り組んでいます。
※2019年6月28日(金)・29日(土)は「G20大阪サミット」がインテックス大阪で開催されます。27日(木)~30日(日)の計4日間は、大阪市内・高速道路・空港周辺は、長時間、大規模な交通規制を予定しています。マイカーを自粛し、電車を利用、業務用車両の運行調整にご理解とご協力をお願いします。
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生活・しつけ
年長 2019年3月11日の記事
もうすぐ小学校入学。これまでは「車が来るよ!」「この道は危ないよ!」と親が注意できましたが、子どもだけで登下校するようになる今後は、子ども自身が気をつけなくてはいけません。そこで今回は、入学前に改めて交通ルールを教えるときの効果的な方法を、大阪府警察本部 交通部 交通総務課の横田三佳さんに教えていただきました。
まずは、小学生に多い交通事故の傾向について教えていただけますか?
「大阪府では昨年、8歳がもっとも交通事故が多い年齢でした。一昨年は7歳という結果でしたので、小学校1~2年生ということですね。事故が多発する時間帯は、午後4~6時の間。下校時、そして帰宅後に遊びに出かけたり、習い事に行ったりする時間帯だと言えます。さらに、小学生の事故の約6割は自宅から500m以内の場所で起きており、事故の原因の3割以上が『飛び出し』というデータが出ています」(横田さん)
家の近くで事故に遭っているということですね! 毎日歩いている道路だからと、油断してしまうのでしょうか。
「そうですね。通り慣れた道だから…と左右を見ずに渡る、飛び出してしまうというケースが少なくありません。改めて、交通ルールをよく確認する必要があります」(同)
実は、交通ルールを再確認する前に、子どもの特性をよく理解しておくことが重要なのだと横田さん。
「何度注意しても道路に飛び出す、車が近づいていることに気づかない…といった事態は、実は子ども特有の性質が原因です。そのことを保護者の方が把握していると、より効果的な子どもへの声がけができると思います」(同)
横田さんに聞いた「子どもの特性」は、次の7点。
1.一つのものに注意が向くと、ほかのことが見えなくなる
ボールが転がっていったらそのボールだけ、道路の向こう側に友達がいたら友達の姿だけしか見えなくなり、車が近づいているといった周囲の状況に気づきにくくなります。
2.物事を単純にしか理解できない
「信号が青のときは渡っても良い」と教えられると、「信号が青になったら車が止まってくれる」などと思いこむ傾向があります。
3.「危ない」「気をつけなさい」などの抽象的な言葉は理解できない
車が近づいてきたときに「危ない!」と言っても、子どもはどうしていいかわかりません。咄嗟のことなら、なおさらです。「渡っちゃダメ!」「止まって!」など具体的な言葉で注意することが重要です。
4.大人が近くにいると、頼る気持ちが強くなる
何か危険を察知したとき、子どもは大人のそばに行きたがる性質があります。たとえば、大人と子どもが道路の反対側にいるときに急に車が来ると、子どもは慌てて大人がいる方に飛び出してくることがあり、余計に危険です。子どもと一緒に歩く場合は手をつなぐ、または同じ側を歩くようにしてください。
5.好奇心旺盛で、車と車の間や物陰などの狭い場所が好き
子どもは、ちょっとした物陰で遊びたがる傾向があります。駐車場や路上駐車している車の近くでは遊ばないよう、改めて教えることが大切です。
6.子どもの視野は狭い
子どもの視野は大人の視野に比べて狭く、個人差はありますが、一般的に水平方向の視野は大人で約150°・子どもは約90°、垂直方向の視野は大人が約120°・子どもは約70°と言われています。そのため、遠くから近づいてくる車に大人は気づけても、子どもには見えていない場合があります。
7.大人と子どもでは、ものの見え方が違う
視野の狭さに加えて、大人と子どもでは目線の高さが違います。よって、大人には見えている標識が子どもの目には入らない場合があります。
大人の目線
子どもの目線
子どもにとって危険な場所を確認するには、少し姿勢を低くするなど子どもの目線で歩いてみることが一番です。
子どもの視野が狭いことを体感できる「チャイルドビジョン」というものがあります。
チャイルドビジョン
各都道府県の交通安全教室などで配布されているほか、無料でダウンロードできるサイトもあるようです。さっそく、実際に筆者がこのチャイルドビジョンをつけて、近所の道を歩いてみました。
見通しが良いと思っていた交差点も…
子どもの視野では、まったく見通しが良くありませんでした!
大人には確認できている車も…
子どもの視野ではこの通り!
これでは、車が来ないと思って飛び出してしまいかねません。左右の確認も、目線だけでなく、首をしっかり振って見なければいけないことが実感できました。
これらの特性を理解したうえで、子どもと一緒に交通ルールを確認することが必要とのことですが、具体的なチェックポイントを教えてください。
「小学校に入学する前に、通学路や近所の公園、習い事への道のりなどを、子どもと一緒に歩きながら、子どもの目線で危ない場所がないか確認しましょう。一回ではなく、数回繰り返すとさらに良いと思います。少しかがんで道路を見渡したり、チャイルドビジョンを使用してみるなど、視野が狭いことを念頭にチェックするといいですね。
信号がある横断歩道で特に注意する点は、
・赤信号は絶対に渡ってはダメ
・黄色信号も渡ってはいけない(歩行者用信号の点滅も渡らない)
・青信号でも、青に変わってすぐは渡らず、安全を確かめてから渡る
ということです。そのほか、交差点のギリギリに立つと、大きな車が曲がるときに内輪差で接触することもあります。交差点は少し手前で止まる、道路は右側を歩く、歩道があれば歩道を歩く、道路は絶対に飛び出さないといったことも、しっかりと理由を説明しながら子どもに伝えることが大切です」(同)
また、一緒に確認する際は「子ども自身に安全確認をさせること」がとても重要なのだそうです。
「いつも保護者が『車は来ないね、渡っていいよ』と伝えていると、子どもは自分自身で安全かどうか判断することをためらってしまいます。自分の目で左右を確認して、車は来ない、安全だと判断する練習が大切です」(同)
そして最後に。子どもに交通ルールを守らせるには、何より保護者が普段から交通ルールを守ることが一番だと横田さん。
「たとえば、黄色信号は大人なら駆け足で渡ってしまいがちですよね。でも、子どもは親の背中を見て育ちます。保護者の方が誤った行動をしてしまうと、そのまま真似してしまい交通事故に遭うかもしれません。
警察ができることは限られていて、子どもの命を守るには保護者の方の力が必要不可欠です。大人も交通ルールを今一度確認して、守ること。そして『交通ルールを守ることは、自分の命を守ること』と教えるのと同時に、命の大切さについてもお子さんに伝えてほしいと思います」(同)
まずは子どもの特性を知り、その上で近所を実際に歩いて、どこが危険な場所なのか、その場所ではどうしたらいいのかを具体的に教えることが、悲しい事故を防ぐための第一歩なのですね。子ども自身が考えて行動できるようになるため、入学前にぜひ繰り返し通学路をチェックしてみてください!
(取材・執筆・撮影:水谷映美)
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※2019年6月28日(金)・29日(土)は「G20大阪サミット」がインテックス大阪で開催されます。27日(木)~30日(日)の計4日間は、大阪市内・高速道路・空港周辺は、長時間、大規模な交通規制を予定しています。マイカーを自粛し、電車を利用、業務用車両の運行調整にご理解とご協力をお願いします。
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