現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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学校・まなび
小学1年生 2019年3月15日の記事
子どもの宿題のなかで、大きな課題となるのが「日記」ではないでしょうか。苦手意識を持ってしまっている子も多く、親としてどうアドバイスしたらよいのか迷うものです。そこで前回は、小1における日記の宿題のねらいと、文章上達のステップをお伝えしました。今回は、日記の宿題に対するママたちの悩みに対して、引き続き、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に答えていただきます。
「第一に、親がいろいろと求めすぎないことが大切です。事実のみを書く練習をしている段階なのに、『そのときの気持ちは書かないの?』などと指摘してしまうと、子どもは書くことが嫌になってしまうかもしれません。
また、宿題の日記は自分が体験したことや感じたことを、人に伝えるために書くものですよね。楽しかったこと、ワクワクした出来事を『伝えたい』と思えないと、進んで取り組めません。
子どもが伝えることを楽しいと思うために、まずは、親が子どもの話を聞いてあげることからはじめましょう。そして、『話を聞いてママもうれしかった、楽しかったよ!』と言葉でしっかり伝えて。子どもが伝える楽しさを実感できるような声がけを意識してみてはいかがでしょうか」(塩谷先生)
「物事を順を追って書くことは、1~2年生で習う大切なプロセスです。同時に、とても難しい課題でもあります。子どもがうまく書けずにいたら、『あのとき、最初に何をしたんだっけ?』と問いかけて話を引き出しましょう。子どもが思い出しながら答えたら、『そうだったね、次にどうしたんだった?』と続け、子どもに振り返りをさせます。
あとは、子どもが答えた通りに文章にしていけば、順序立てて書かれた日記になります。まずは子どもと話しながら出来事を思い出し、『それを日記に書いてみようか!』と促すと、無理なく書けると思いますよ」(同)
「同じパターンというのは、同じ内容ということでしょうか? であれば、当然です。毎日そうそうイベントがあるわけではないですものね。
ただ、まったく同じ出来事ではなく、ほんの少し違うことってありますよね。たとえば、同じ公園に行った話でも、『いつもは歩いて公園まで行くけれど、今日は初めて自転車に乗って行きました』とか。お手伝いの話なら、『いつもは一人でママのお手伝いをしています。でも今日は妹が一緒に手伝ってくれました』といった具合です。
每日そんなにバリエーション豊かな体験をするわけではありませんから、日記の内容が似たものになることは仕方のないこと。その中で、少しでも違った点を親が尋ねるなどして子どもに気づかせ、その点をピックアップして書けると良いと思います。
『はじめに○○をしました。次に○○を見ました』といったように、文章のパターン自体がいつも一緒だということなら、それでまったく構いません。日記は書き言葉の練習が目的ですし、むしろ、順序立てて書けているので立派です」(同)
前回お伝えしたように、文章を習得するにはプロセスがいくつもあります。ひとつずつステップアップしていく様子を長い目で見守っていくこと、そして子どもが楽しく日記に取り組めるように親がうまくサポートすることが大切なのですね。次回も、日記の宿題に対するママたちのお悩みを塩谷先生にズバッと解決していただきます!
(取材・執筆:水谷映美)
現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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