全国に展開する体育・スポーツ教室。子どもたちの心とからだの調和をはかり、豊かな人生を歩む基礎づくりをサポートしている。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
週末・その他
年長 2019年2月26日の記事
「子どもは風の子」という言葉があるように、寒い季節でも外で元気に走り回っているお子さんは、体が丈夫で風邪もひきにくいイメージがありませんか? ところが、子どもが外で遊ぶ時間は昔よりも減っていると言われています。そこで、全国で幼児向けの体育教室を展開するカワイ体育教室・神奈川事務所の川和田龍介先生と佐藤勇太朗先生に、幼児期の「運動」や「遊び」の大切さについてお話を伺いました。
カワイ体育教室で行っている運動や遊びを「運動あそび活動」と呼んでいるそうですが、幼児期の運動や遊びは、子どもが成長するうえでどのような良い効果があるのでしょうか?
「子どもの成長過程において、脳や神経の発達は4~5歳頃までに成人の約80%、6歳頃までには約90%にも達します。幼児期に運動や遊びを通して経験した感覚は、大人になってもなかなか消えることがありません。例えば、この頃に自転車に乗れるようになると、そのあと乗らない期間があったとしても、少しの練習ですぐに乗れるようになります」(川和田先生)
確かに、親御さんでも、小さい頃にスキーをやったことがあり、学生になって久しぶりに滑ってみたら「なんとなく体が覚えていて上手に滑れた」などという経験があったりしますよね。
「一人遊びだけでなく、親子や友達同士でコミュニケーションをとりながら体を動かすことも、社会性や協調性を身に付けるためにとても重要です。あいさつやルールを守ることの大切さを学んだり、まわりの状況を見ながら動く力もつくので、お子さんが社会に出てから、より良い人生を送るための基盤となる“非認知能力”も身に付きます」(川和田先生)
鬼ごっこやボール遊びでは「楽しい!」「悔しい!」といったさまざまな感情を共有できますよね。一人遊びとはまた違った、充実感や達成感を得ることができるようです。
「それから、外遊びをよくしているお子さんは、運動以外のことにも興味を持って積極的に取り組んでいると感じます。遊び道具になるものを探したり、自分たちで楽しい遊びを考えたり…。外遊びは体とともに頭も使うので、創造性がとても豊かになります。その意味では、砂遊びもおすすめですよ」(佐藤先生)
他にも、幼児期にさまざまな体の動きを覚えることで、「ケガや事故の防止につながる」「体を動かすことが習慣になり、体力がつく」など多くのメリットが。幼児期のいろいろな遊びの経験が、人としての幅を広げてくれそうです。
実際にわが子に運動遊びをさせるとき、親として心がけておくべきことはありますか?
「“運動神経は親の遺伝”という話もありますが、今までたくさんの子どもたちを見てきて、あまり関係ないように感じています。それよりも、お子さんが体を動かして遊ぶ機会を、親御さんがどれだけたくさん作ってあげているかが一番影響しているようです」(佐藤先生)
「運動をさせてあげなきゃ!」と気負いすぎず、買い物のついでの散歩などでも充分だそう。
「お子さんが成長するうえで、体を動かすことに加えて『親子のスキンシップ』がとても大切です。手をつないで散歩をしながら、段差があったらピョンと飛び越えさせてみたり、親御さんが日頃の生活の中でちょっと『遊び心』をプラスするだけでも良い刺激になりますよ」(川和田先生)
「スポーツ系の習い事をさせているからそれでOK!」ではなく、親子でスキンシップをとることが心と体の成長には欠かせないようです。
「お子さんが何かできたときにも、ギュッと抱きしめてあげたり、とにかく一緒に喜んであげることを忘れないでほしいと思います。私もそうですが、子どもの頃に親からほめられたことを、今でも覚えているという方は多いのではないでしょうか」(佐藤先生)
「例えば、家で遊んでいてでんぐり返しをしたら『上手だね!』と声をかけてあげる。『○○やるから見て!』と言われたら、いったん家事の手をとめて見守ってあげる。『うるさいからやってはダメ!』 『忙しいからあとにして!』などといった対応は、せっかくのお子さんのやる気を消してしまいます」(川和田先生)
運動能力や体力は習い事で身に付くかもしれませんが、心の成長まで視野に入れると、親子のスキンシップやコミュニケーションも必要不可欠なのですね。
親御さんの仕事が忙しかったりして、なかなか外遊びをさせてあげられないこともあると思います。そこで、家の中でも簡単にできる「運動遊び」を教えていただきました。
★広げた新聞紙に穴をあけ、新聞紙を丸めたボールをその穴に向かって投げる
★新聞紙の上に子どもを立たせ、ジャンケンで子どもが負けるたびに半分ずつ折り畳んでいく。だんだんスペースが狭くなっても、片足やつま先立ちでなんとか立てるように頑張ってみよう!
★広げたバスタオルの上に子どもを立たせ、合図と同時に引っ張る。タオルから落ちたり、転んだりしないように足を踏ん張ってみよう!
★タオルを床に置き、足の指だけでキュッと寄せて持ち上げてみる
★足の指でジャンケン
★ハイハイやおしりで移動する鬼ごっこ
★ビニール袋に空気を入れてポンポン投げ合う
「運動」と気負わず、ちょっとした空き時間で遊んで、飽きたらやめるくらいの感覚で良いとのこと。家庭にある新聞紙やタオル、ビニール袋などはさまざまな遊びに応用でき、無限大の楽しみ方ができそうです。
川和田先生と佐藤先生から教えていただいたことを日々の生活に取り入れ、お子さんの体と心の成長を楽しくサポートしてあげたいですね。
(取材・執筆:高野理恵)
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。