ズーラシアンブラス2018年カレンダーを3名様に

指揮者のオカピを中心に、トランペットのインドライオン、トロンボーンのスマトラトラ、ホルンのマレーバクなど、希少動物たちが結成した金管五重奏「ズーラシアンブラス」。2000年のデビュー以来、全国で公演を行い、子どもにも大人にも大人気!

 

ズーラシアンブラスと、弦楽器を奏でるうさぎの4姉妹「弦うさぎ」や四つ子のきつねによるサックス四重奏団「サキソフォックス」などの仲間たちの写真が、月ごとに楽しめるこちらのカレンダーを3名様にプレゼントいたします。

 

 

 

応募は締め切りました

 

 

応募締切)2017年12月15日(金) ※発送をもって発表に代えさせていただきます

 

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ズーラシアンブラス2018年カレンダー

壁掛けタイプ 見開きB3サイズ(364×515mm)

1600円+税(スーパーキッズ)

 

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学校でトイレに行けない子は、実は少数です

 

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。今回は、何かと問題視されることも多い学校のトイレについて、現場で感じていることをお話ししたいと思います。

 

「2人に1人は学校ではうんちをしない」のは本当?

 

よく小学校でトイレに行かない子が多いという話を耳にします。小学生の2人に1人は学校ではうんちをしないという調査結果もあるそうです。それが原因で便秘の子も多いという推測もあり、親御さんの中にも気にされて方もいらっしゃるかもしれません。

ただ私自身は、こうした学校のトイレ問題に関する言説については、必ずしもそうとはいえない部分が多いと考えています。

 

日々、子どもたちと接していると、上記のような悩みをもっている子はいるかもしれませんが、それによって問題が起きる、ということはあまり多くない印象です。

 

1つのテーマについて、改めて子どもにアンケートをとると、そのことを日常で考えているよりも意識させられるために、現状とは違う結果があぶり出されることも多いものです。トイレについても、そのような傾向が出てくるという側面もあるのではないかと考えています。

 

体調が日々違うように、便通があるかないかで、その日の気分もずいぶん違います。むしろ実際に便秘になったりするのは、高学年になって宿泊行事に行った際に、自分のペースで過ごせなくなることで起こりやすいように思います。

 

また、低学年で便秘の子というのは、それ以前の乳幼児の頃から「出にくい」傾向があるとも言えます。

「学校のトイレ」というのは、どの人にもいろいろな思い出があり、大人たちも自分の思い出をもとにして推測しやすい傾向があるのかもしれませんね。

 

トイレをネタにしたからかいは重点的に指導

 

たしかに「学校のトイレは嫌だな~」という子はいます。入学式の日に、入場前のお世話をしていて、子どもたちをトイレにつれていくと、和式トイレを見て「このお便所だとできな~い」と言う子もいました。でも、本当に尿意・便意をもよおしたら、それを抑えることは難しいのではないでしょうか。ここを使うしかないとわかったら、どんなに古いトイレでも、子どもはすんなり適応するもので、いつまでたっても「トイレに行けない」という子はほとんど見られません。

最近では、校舎の改装の際も、まずトイレから行われており、暗くて古いイメージのトイレは過去のものになりつつあると言っていいでしょう。

 

授業中だと、先生に「トイレ」と言いにくいこともあると思いますが、1年生の担任は、特に入学当初は何度も「我慢しないで先生に言うんですよ」と言っており、お漏らししてしまうのも、トイレに行きたいと言えなかったときより、何かに夢中になっていて…ということのほうが多いように思います。

 

また、学校で、トイレのことで友だちをからかうという子がいないわけではありませんが、どの学校でも、これについては必ず重点的に指導していますので、あまり心配する必要はないと思います。

 

朝は余裕を持って起きることも大事

 

そうは言っても、トイレにもいろいろあり、家庭で用を足した瞬間に水が流れるタイプの便器を使っている子などは、学校で、レバーを使って流すことを知らず、そのまま出てきてしまうこともあります。

さすがに2学期のこの時期になると、そういう子は少なくなるでしょうが、もしこれから入学を予定しているご家庭の場合は、入学までに、外出した折などにさまざまなトイレを経験しておくのも大事だと思います。

 

そもそも、朝ご飯をきちんと食べ、トイレに行く時間の余裕があれば、学校でうんちをしなくてもすむとも言えます。

そこで思い出されるのが、給食を食べると、必ず「トイレに行っていいですか」という子がいることです。この子らの話をよく聞くと、朝ごはんを食べてきていない子も見られました。

 

給食の後は、片付けをして昼休み(または清掃)に入るので、みんなとペースが合わなくなり、ゆっくりトイレに行きにくいと感じてしまうかもしれません。できれば、朝ごはんを食べて、ゆっくりトイレに座る生活サイクルを作れるようになるといいですね。

 

食生活については、家庭の範囲のことであり、学校は手が及ばないところです。朝ごはんを食べることや、便通に適した食事のありかたなどについて、一度ぜひ考えていただけたらと思います。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 

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リビング学習の収納法【後編】収納場所作りのポイントは?

 

前編では、リビングで勉強するために必要なものの量や収納スペースの広さなどについて、お片づけカウンセラーの橋口真樹子さんにアドバイスをいただきました。今回はさらに、収納場所の位置や作り方についてうかがいます。

 

収納場所を作るときのポイント

 

リビング学習に必要な学用品の収納場所は、どこに、どのように作ればいいでしょう? 橋口さんに3つのポイントを挙げていただきました。

 

1:家のもの(生活用品)と子どものもの(学校用品)は分けて収納

 

収納場所があいまいだと筆記用具など、家の生活用品と学校用品で重複するようなものなどが混ざってしまい、子どもが混乱して準備しにくくなってしまうことも。

 

2:学校用品の収納場所は、勉強する場所周辺に作り、1カ所にまとめる

 

子どもが宿題などをする場所近くに学校用品を収納する場所をまとめ、あちこち歩き回らなくても、必要なものがそろい、その場で出し入れできるようにします。

 

3:収納場所の近くにはランドセルが広げられるスペースを

 

収納場所の近くには、ランドセルのふたを開けっ放しにして出し入れできるスペースを確保しましょう。作業がやりづらいと、出し入れがいい加減で雑になり、広げっぱなしに。片付けもしなくなってしまいます。

 

「ランドセルを広げる場所は、テーブルの上にすればいいのではという声もありますが、1年生でそこまでランドセルを持ち上げるのはしんどいですよね。それなら広げても必ずしまうという条件つきで床に広げるという方法もあります」(橋口さん)

 

ただ、それぞれの家庭や子どもによって、出し入れしやすい場所、中身を入れ替えやすい場所はまちまち。わが子にとって使いやすいのはどこかを考えて決めてあげればよいとのこと。

 

「ちなみに、わが家の場合は、ここにランドセルを置いていいよという場所に大きめのかごを置き、その場所でランドセルを開けて準備するようにしていました。上履きと体操服の袋もカゴの中に入れるようにして、定位置をまとめていましたね」(同)

 

それまでのリビングのおもちゃ置き場を整理して、学用品置き場を作るという方法もおすすめだそう。もともとが子どもの居場所なので、自然にそこに足が向くように動線ができているからだとか。

 

「その場合、おもちゃと学用品が混ざらないように注意してください。入学すれば、リビングで遊んでいる時間も少なくなるので、子どもに『卒業するおもちゃを探してみよう』などと声をかけておもちゃの数を絞り、学用品の置き場所をつくるといいですよ」(同)

 

毎日準備するものリストを作る

 

さらに、もうひとつ橋口さんが実際にやっていたことで、子どもが自分で準備しやすい工夫があります。

 

「小学校の場合、学校に必ず持って行く『毎日セット』というのがあるんです。学校によっても違いますが、連絡帳や筆箱、自由帳やハンカチ・ティッシュなどです。これらのアイテムのリストを作って時間割の横に置いておくと、子ども自身がそれを見て準備することができます。文字でリスト化しなくても、全部のアイテムをまとめて写真を撮っておくだけでもOK(下記の写真参照)。これを1度作っておけば、親がいちいち確認しなくても大丈夫です」(同)

 

橋口さんのお子さんの「毎日セット」は、連絡帳、筆箱、自由帳、ハンカチ・ティッシュ、給食セットの6点。リストを作ったり、写真を撮って透明なクリアケースに入れておくと、子どもが自分で揃えられるように

橋口さんのお子さんの「毎日セット」は、連絡帳、筆箱、自由帳、ハンカチ・ティッシュ、給食セットの6点。

 リストを作ったり、写真を撮って透明なクリアケースに入れておくと、子どもが自分で揃えられるように    

 

毎日毎日、「○○入れた?」などと子どもに確認し続けていると、親も疲れてしまいます。かといって面倒だからと言わなくなると、子どももしだいにやらなくなるという悪循環に。

 

「収納の工夫だけでなく、スムーズに準備や片づけができる環境が整っていれば、もし忘れていたり、うまくできなかったときでも、怒らずに『何か忘れてませんか〜』などと声かけをするだけでOKです。できるだけ楽しく続けられるよう、いろいろな方法を考えてあげてください」(同)

 

(取材・執筆:坂本洋子)


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リビング学習の収納法【前編】学校の道具は棚3段で収納

 

 

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リビング学習の収納法【前編】学校の道具は棚3段で収納

 

そろそろ入学を見据えて、勉強ができる環境づくりを考えたいですね。低学年のうちは、「リビング学習」にするというご家庭も多いでしょうが、学用品と家のものでリビングがゴチャゴチャになりそうなのが心配。そこで狭いリビングでも散らかりにくい収納法を、お片づけカウンセラーの橋口真樹子さんにうかがいました。

 

ランドセルとその「中身」が置けるスペースを用意

 

「わが家でもそうでしたが、子ども部屋や机を用意しても、勉強する場所はリビングというお宅は多いですね」という橋口さん。

 

家族が集まるリビングは、家の中で一番明るくて、1年中温度も適温に保たれている、いわば特等席。最近では「リビング学習」という言葉も定着し、低学年のうちは勉強机を置かないという家庭も多いと聞きます。

 

その場合、どれくらいのスペースをリビングに用意すればいいのでしょう? 

 

「ランドセルとランドセルの中身、つまりノート、教科書などが置けるスペースを用意するといいでしょう」(橋口さん)

 

低学年のうちは、毎日の学校の準備もリビングでできるように、給食セットとハンカチ、ティッシュ、さらにスペースが許せば、文房具の予備や上履き袋、体操服なども置いておくとよいとのことです。

 

収納はカラーボックスの棚2〜3段分あればOK

 

では、それらを収納するために、スペースはどれくらい必要になるのでしょうか。

橋口さんによると、最大でもA4が縦に入る高さの、カラーボックスのような棚3段分程度が用意できればいいそうです。

 

「コンパクトに詰めれば棚2段分でも大丈夫です。やや極端な例かもしれませんが、わが家の息子の小学生時代は、高学年になっても、学用品などはリビングのキャビネットの棚1段分で済んでいました」(同)

 

特に1年生のうちは、国語や算数の教科書などは、ほとんど毎日ランドセルに入れっぱなしなので、全科目を入れる場所を用意する必要はないのだとか。

 

「子どもが使いやすい」収納の作り方

 

毎日スムーズに準備ができるようにするには、子どもでも使いやすい収納にすることが大切。橋口さんに、そのためのポイントを3つ挙げていただきました。

 

1:中身が見えるようにする

 

部屋をすっきり見せようと、収納ボックスなどにしまいこむ「隠す収納」はNG。子どもには、何がどこに入っているかわかりません。まずは子ども自身がわかることが大切です。

 

2:出し入れがワンアクションでできるようにする

 

棚の扉を開けて、そこからファイルボックスを出し、ファイルを取って……などと、手間が増えるとそれだけで面倒に。必要なものはすぐに取り出せるようにしましょう。

 

3:紙類は棚に立て、小物類は引き出し収納に

 

ノートや教科書などは立てて収納し、ハンカチや給食セットなどは引き出し収納が取り出しやすいでしょう。棚と引き出しの両方を用意するのが難しければ、オープン棚1段分にファイルボックスと四角いカゴなどを用意し、紙類はファイルボックスに、ハンカチ類はカゴに収納するという方法もあります。

 

ファイルボックスは教科書とノートを分けるよりも、見た目が凸凹しても教科ごとに分類しておいたほうが、子どもにはわかりやすいのだそう。

また、学校からくるプリントは親に向けたものがほとんどですが、宿題やテストなどの学習プリントは子どものスペースに収納します。

 

「わが家の場合、見返した学習プリントを後で再び探すことはなかったので、分類せずに全部同じファイルボックスにまとめて入れておき、一定期間が過ぎたら古いものから捨ててるルールにしていました」(同)

 

収納場所をつくるときは前もって必要な量を考えて

 

ちなみに、ハンカチや給食セットは、たくさん収納していても、子どもは、実際には取り出しやすい手前の3〜4枚程度しか使っていないものなのだそう。

 

「ですから収納スペースが少ないというお宅は、いっそのこと枚数を3枚程度に絞るのもひとつの方法です。残りは処分するか、足りなくなったときのために別の場所で保管しておくといいでしょう」(同)

 

「学校のお道具を置くと、たくさんものが増えそうで、どうしよう」と思っていた方も、量を最小限にすれば、それほど多くのスペースは必要ないと感じるのではないでしょうか。

 

「漠然と不安を感じて、収納場所を作らないまま新学期がスタートすると、結局、ものがたまってイライラすることになります。前もってどれくらいの量とスペースが必要なのかを考えておくことがポイントです」(同)

 

後編では、収納の場所や収納方法について、引き続き橋口さんにうかがいます。

 

(取材・執筆:坂本洋子)


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先輩ママに聞く、「小1の壁」ってどんなもの?[Vol.3]後編

子どもが保育園から小学校に上がる際に直面するという「小1の壁」。保育園に比べて学童へのお迎え時間が早くなったり、時短勤務制度が打ち切られてしまったり、学校行事やPTA活動に参加する機会が増えたりと、多くの悩みが出てくるタイミング。そこで、この連載では先輩ママたちに、「小1の壁」をどう乗り越えたかをインタビュー。働くママにも専業ママにも役立つアイデアやアドバイス満載です!

 

 

<今回お話を聞いたのは…>

株式会社リクルートスタッフィング

エンゲージメント推進部 アビリティスタッフィンググループ

マネジャー 染野弓美子さん

長女(16歳)・長男&次男(12歳)・次女(4歳)

 

4人の子どもを育てつつリクルートスタッフィングで活躍する染野弓美子さん。前編では、仕事内容や小1の壁を感じたエピソードをお聞きしました。後編では転機となった出来事や地域活動、責任ある立場との両立についてお聞きします。

 

長女の異変に気づけなかったことが転機に

 

小1の壁と親子で闘っていた染野さんに訪れた転機。それは、入学して数カ月が経った頃に、長女がマイコプラズマ肺炎にかかったことだったそう。

 

「近くのクリニックでは風邪という診断だったので油断していたんですよね。熱が下がっては登校し、学校で熱が上がる。これを何度かくり返しまして。数日後に連れて行った大きな病院で『お母さん、これ肺炎ですよ』と言われたときはショックでした。適切な薬ですぐによくなったのですが、もっと早く気づいてあげていれば、と娘に申し訳なくて。『無理させちゃったんだな』と反省しました」

 

このことが、走り続ける日々の中で少し立ち止まり、子どもとの接し方を考えるきっかけになったそうです。

 

「双子の弟が生まれて以来、『お母さんを独占したい』という気持ちが高まっていたのは感じていたものの、仕事も双子の育児も忙しくて応えられていませんでした。そこで、小学校の平日休みに合わせて有休を取って一緒に外出するなど、二人きりの時間をたくさん取りました。行き先は動物園など、長女の希望に合わせて。そうしている間に本人の成長や学校の友だちとの仲が深まったこともあって、精神面でも少しずつ落ち着いてきました」

 

長女の小1の壁を経験した5年後に、双子である長男と次男が入学。その時も壁は感じたのでしょうか。

 

「経験から予測できることも多く、壁はほとんど感じませんでした。本人たちも姉にいろいろ聞いて、心の準備をしていたようです。また、保育園の仲良し7〜8人が同じ学童に通っていたことも心強かったです。感覚的には保育園から続く『放課後のホーム』。全員揃って3年間の学童生活をめいっぱい満喫しました。いたずらやケガ、ケンカなど、男の子ならではのトラブルもありましたが、今もいい関係が続いています」

 

一方、勉強に関しては、長女の時とは違った大変さがあったとか。

 

「低学年の頃にしっかりと勉強する習慣を身につける大切さを実感していたので、しっかり関わるように意識はしました。しかし、双子の音読を聞いたり、九九を暗唱させるなどは、なかなか大変ではありましたが……(笑)。その一方で、長男次男は、早い時期にカギを持ちたいと言い出したので、予想外の早さで退社後の学童へのお迎えはなくなりました。こうして正反対の2つのケースを経験したので、4人目はうまくやれる気がします!」

 

子どもによって、大変だと感じるポイントや、自立への道のりはそれぞれで全く違うものなのですね。

 

「小1の壁」の先の新しい世界。親子で成長の機会に

 

PTA活動についても心配なママは多いようですが、どう対応したのでしょうか。

 

「PTAではなく学年委員だったのですが、小学校の役員の集まりって、当時は平日の昼間が多かったんですよね。そのため、役員や委員を引き受けても、平日の日中は参加できないことが多いことは、最初に伝えました。その代わりに、学校の新聞をつくる係やバザーの看板づくりなど、自宅でできる作業を多めに引き受けるなど、できる限り休日や夜にできることを担当させてもらい、ほかのママとも関係性を作っていくようにしました」

 

仕事が忙しいからと言って自分の要望ばかりを通そうとせずに、誠意を持ってできることに協力する姿勢。染野さんの高いコミュニケーション力があってこそのことかもしれませんが、ぜひ見習っていきたいものです。

 

 

「小学校で、子ども同士も親同士も、多様な価値観の人たちと一緒にやっていくのは、大変といえば大変ですが、この多様性こそが公立小学校のよさ。さまざまな年代が集まる町会も含めて本当の意味での社会であり、新しい出会いにつながることもあります。親子とも幅広い考え方に触れ、集団の中で生活していくということを身につける機会ととらえています」

 

時間が限られてしまうからこそ、仕事の内容は濃く

 

現在は18:40退社が基本の染野さんですが、子育てする中で働き方や仕事に対する考え方はどのように変化していったのでしょうか。

 

「目標があれば夜遅くまででもがんばるタイプでしたが、そういう働き方は今はできません。時間の区切りで帰らざるを得ないので、それが原因で迷惑をかけるのは避けたい。仕事の密度を高めるようにしています」

 

今はマネジャーとして人を育てるのも仕事の一つ。適切な指示を出す「上手な頼り方」を心がけています。

 

「たとえばチームのメンバーに何かをお願いする場合には『手が空いているときにお願い』ではなく『○日間でやってね』『○日に声をかけるので途中経過を教えて』という頼み方で、Todoや優先順位を具体的に共有します。また、メールは基本的にすぐ返信。『対応できる/できない』の判断はもちろん『わからない』『もっと情報がほしい』などの返答も早く。来たボールはすぐに投げ返して相手が行動できるようにしています」

 

また、スケジュールには余裕を持たせるようになったそうです。

 

「1〜2割くらいの空白を意識して設けています。そうすると、たとえばミーティングでもしっかり準備の時間が取れるので、質が高まって結果的に効率がアップします。多くの人が関わる仕事ほど効果的です。思考も整理したほうが効率がいいので、移動時間を利用して家族や仕事のスケジュールを忘れないように整理したり、考えをまとめたりしています」

 

「私が正解かは分かりませんが」と前置きしつつ、豊富な経験や考え方を披露してくださった染野さん。忙しい毎日を感じさせない柔らかな笑顔が印象的でした。

 

(取材・執筆:高柳涼子)


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先輩ママに聞く、「小1の壁」ってどんなもの?[Vol.3]前編

子どもが保育園から小学校に上がる際に直面するという「小1の壁」。保育園に比べて学童へのお迎え時間が早くなったり、時短勤務制度が打ち切られてしまったり、学校行事やPTA活動に参加する機会が増えたりと、多くの悩みが出てくるタイミング。そこで、この連載では先輩ママたちに、「小1の壁」をどう乗り越えたかをインタビュー。働くママにも専業ママにも役立つアイデアやアドバイス満載です!

 

 

<今回お話を聞いたのは…>

株式会社リクルートスタッフィング

エンゲージメント推進部 アビリティスタッフィンググループ

マネジャー 染野弓美子さん

長女(16歳)・長男&次男(12歳)・次女(4歳)

 

ママ歴16年! 18:40には退社するマネジャー

 

今回お話を聞いたのは、人材派遣会社「リクルートスタッフィング」に勤務する染野弓美子さん。入社2年目の終わりに産まれた高校生の長女を筆頭に、4人を育てるワーキングマザーです。ママになって初めて職場復帰したのは15年ほど前。今でこそ多くのワーキングマザーが活躍している企業ですが、当時はまだ今ほどは環境が整っていなかったそうです。

 

「入社4年目の4月1日に復職したのですが、まさにその日に時短制度がスタート。利用者第2号でした。最初は『時短の人に責任ある仕事を任せて大丈夫なの?』と不安視する声もあったそう。制度を活用し、たくさんの人に支えていただいてがんばることができましたが、私の実績がその後につながったことも知って、とてもうれしかったですね」

 

現在のお仕事は障がい者の就業支援。マネジャーとして12人のチームをまとめています。

 

「精神疾患で障がい者手帳を持つ方をメインに障がいを開示して働きたい人と、障がい者枠での採用を考える企業の橋渡しをしています。登録しているスタッフや企業とのやりとりはもちろん、多くの方に登録してもらうためのウェブサイトづくりなど、精神保健福祉士という専門家も含めた多彩なチーム構成でさまざまな業務を行っています。異動で未知の分野に配属されて4年目。医学的見知や経験がないことなどから最初は戸惑いもありましたが、働きたい人と企業をつなぐという意味では、健常者の就業支援と変わりません。私たちも企業側も健常者のケースに比べて一人ひとりとじっくり向き合うため、自分が関わる価値を感じることができます」

 

染野さんの一日は6時に起きて長女と自分のお弁当を作るところからスタート。8時までの間に長女・長男・次男が各自登校します。その後、次女と30分ほどふたりで過ごしてから、保育園に送って9:30に出社。18:40までには必ず退社して保育園にお迎えに行き、週に1度くらいは一緒に買い物をしながら帰宅するそうです。

 

「上の3人は習い事や塾があったりして、みんなで夕食を食べられないことも多くなってきました。また、勉強などそれぞれがやるべきこともあるので、無理せず各自のペースを大切にして生活するようにしています」

 

何もかも想像以上!バタバタで過ごした最初の1年

 

今では長女が高校2年生となり、ママ歴も長い染野さんですが、初めて経験した小1の1年間は、てんてこ舞いだったそうです。

 

「子どもが学童に入る場合、入学式よりも前に学童が始まるわけですが、まずそこで壁に当たりました。1〜3年生まで一緒に過ごすので、おとなしいタイプだった長女は3年生の迫力に圧倒されまして。さらに、同じ保育園から通う子も少なかったので、なじむのに時間がかかりました」

 

 

ママのほうも、最初は人間関係に戸惑ったといいます。

 

「入学した時点で同じ幼稚園出身者のコミュニティがすでに出来上がっていて、園の規模も保育園よりも大きいので、そこ所属するママたちの人数も多い。さらに、幼稚園ママは保育園ママより親密度も高いので、最初の半年くらいは周りのママたちとどう関わればよいのか迷った時期でした」

 

とはいえ、地域活動や学校行事を通じて、少しずつ関係性を築いていくことができたそうです。また、出勤前後の時間の使い方もかなり変わったそう。

 

「なんといっても大変だったのが学童に入ってすぐに始まったお弁当! 学童は保育園より遠かったので、早めに家を出る必要がある上に『出勤前にお弁当を作る』という仕事が加わり、慣れるまでに時間がかかりました。しかも、4月は年度初めで仕事も忙しい時期でしたし、1年生は入学後も4月半ばくらいまでなかなか給食が始まらないんですよね。

 

また、学童は保育園より閉まる時間が早く、長男・次男の保育園とダブルのお迎えだったので、1日15分程度ですが、退社も早める必要が出てきて、そういったちょっとした変化の積み重ねがじわじわときて堪えましたね。長女の入学をきっかけに、仕事の生産性について本気で考えるようになったと思います」

 

日々の学校生活では、事前に聞いてはいたものの、保育園のような手厚さが無いことに、改めて戸惑ったとか。

 

「平日の日中に組み込まれる用事が多いのには驚きました。また、行事や持ちものなど、学校からの連絡は基本的にプリントのみ。子どもの出し忘れや紛失、自分が予定に組み込むのを忘れるなどで『え!今日だった?』ということもありました。これは想像以上でしたね。学童への伝言を学校に頼めないなど、小学校ならではのルールを理解できておらず、要領をつかむまでに時間がかかりました」

 

「事前になんとなくは理解しつつも、具体的な準備ができないまま小1に突入してしまいました」と染野さん。そんなバタバタの小1生活に、あるとき事件が起きました。後編では転機となった出来事や地域活動などについてお聞きします。

 

(取材・執筆:高柳涼子)


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子どもがインフルエンザかも? 重症化させないための注意点

 

すっかり寒さも増してきて、インフルエンザや様々な感染症が流行するシーズンになりました。インフルエンザ予防の基本はワクチン接種ですが、予防接種を受けても感染することがあります。それはなぜなのか? また、子どもがインフルエンザに感染したかも…という場合に親が気をつけることとは?厚生労働省・健康局・予防接種室の担当技官の方に聞きました。

 

予防接種を受けても感染することがあるのはなぜ?

 

毎年のインフルエンザのワクチンの型は、WHOが発表する翌年の予想を受けて、国立感染症研究所が最終的にワクチン株を決定しているそう。今年は、4種類のワクチン株が含まれているそうですが、それでも感染してしまうことがあるのはなぜでしょうか?

 

「インフルエンザのワクチンは感染そのものを防ぐはたらきは弱いのですが、インフルエンザの症状を軽減し重症化を防ぐことができます。一方、インフルエンザウイルスは、同じ型の中にも構造が異なる様々な種類が存在する上、常に変化しているため、効果が減ることもあるのです」

 

ただし、ウイルスに感染しても発症しない、あるいは軽い症状で済んだという場合、その子ども自身の体力やすでに持っている免疫などにもよるとか。予防接種を受けると同時に、規則正しい生活で体力をつけておくことも大切なんですね。

 

自宅で看病する時に気をつけることは?

 

では、「インフルエンザかな?」と思ったときに気をつけるべきことを教えてください。

 

「まずは栄養を補給し、十分な休息がとれるようにすることです。単に熱がでたというだけで真夜中に病院へ行く必要があるかどうかは、その人の持病なども含めて個別に判断する必要があるでしょう。インフルエンザは熱がでてしばらくはウイルスが増えておらず、検査キットでインフルエンザの反応が出ないため、最初はインフルエンザと診断することが難しい場合があります。ただ、水分を受けつけなかったり、ぐったりするような様子が見られれば、迷わず早めに受診してください」

 

自宅で子どもを看病している間、気をつけるべきことはありますか?

 

「市販の解熱剤やかぜ薬には、NSAID系統(非ステロイド性抗炎症薬)のものがあり、インフルエンザの場合に使用してしまうと重症化する可能性が指摘されています。慌てて市販の解熱剤を飲ませたりせずに、きちんと医療機関を受診してインフルエンザに使用できる薬を処方してもらいましょう。また、家族内感染しないように、看病する側も手洗いなどの予防は怠らないことも大切です」

 

看病をしなければならない大人が感染してしまったら、それこそ大変です。自分自身の健康管理も重要なんですね。

 

飛沫感染を防ぐ「咳エチケット」、手洗い・うがいの徹底も

 

最後にインフルエンザ予防に大切なことを教えてください。

 

「インフルエンザに限らず、多くの感染症は咳、くしゃみからの飛沫感染なので、周りの人へうつさないためにも、咳などの症状がある場合はマスクを着用しましょう。また、外から帰ってきたら、うがい・手洗いをすることも大切です。インフルエンザに関しては、喉の粘膜に付着してからウイルスが細胞に侵入するまでかなり早いため、うがいによって予防できるかどうか明らかではありませんが、風邪などの感染症は予防できます。うがいと手洗いをセットで習慣づけることをおすすめしています」

 

ちなみに、予防の意味でも普段からマスクはしたほうがいいのでしょうか?

 

「マスクの主な目的は、他人に感染を広げないことです。咳やくしゃみの飛沫は大きいので、マスクでキャッチすることができますが、空中に舞っている極小さなウイルスをマスクで防ぐのは難しいのです。ただ、マスクには喉を潤してくれる効果もあるので、乾燥が気になる方はいいと思います」

 

大人の場合、インフルエンザに感染してもほとんど症状が出ないケースも多いのだそう。感染に気付かないまま他人にうつしてしまうことも考えられるので、気になる人は流行シーズン中マスクを着用しておくとよさそうです。

 

日ごろから、手洗い・うがい・咳エチケットの徹底を心がけ、親子で感染症予防の意識を高めていきたいですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)


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「自分の気持ちを言葉で表現する力をつけさせたい」という思いが空回り

 

親力診断テストの問題を2つ出します。

それぞれ、3つの選択肢のうち、実際の自分の行動に近いのはどれか考えてください。

ついでに、理想的なのはどれかについても考えてください。

 

問題1

 

年長さんの子どもが外から帰宅して「あ~、喉が渇いた」と言ったとします。

あなたはどうしますか?

 

A、子どもが「○○が飲みたい」と言わなくても飲み物を用意してあげる

 

B、子どもが「○○が飲みたい」としっかり言えたら、その飲み物を用意してあげる

 

C、自立させるために、「自分のことは自分でしようね」と言う

 

問題2

 

小1の子どもが勉強中に「暑い、暑い」と言ったとします。

あなたはどうしますか?

 

A、子どもが「○○して」と言わなくても、扇風機をつけたり冷房の設定温度を下げたりする

 

B、子どもが「○○して」としっかり言えたら、それに応える

 

C、自立させるために、「人に頼らないで自分でしようね」と言う

 

 

私の診断ですとAは○、Bは△、Cは×です。

読者の中には、「理想はBだと思うけど実際の自分はAだな」と考えた人もいると思います。

 

ご安心ください。

それは人間としてまともな人である証拠です。

相手の気持ちをよく思いやれる愛情深い人である証拠です。

 

大人同士だったら、それはただの気が利かない人

 

「理想はBだ」と考えている人もいると思いますが、実はBはあまりよい対応ではありません。

 

考えてもみてください。

大人同士の間でこれをやったらどうなるでしょう?

 

職場、友だち同士、あるいは夫婦の間でこういう行動をしていたら、間違いなく気が利かない人と思われてしまいます。

 

大人の間でやってはいけないことは、親子の間でもやってはいけないのです。

 

「自分の気持ちを言葉で表現する力をつけさせたい」という思いが空回り

 

なぜ、私がこういう話をするかというと、子育て中の親の中にはBやCを優先している人がけっこういるからです。

 

Bを優先している人は、よく子どもに次のように言います。

 

「『喉が渇いた』だけじゃわからないでしょ。ちゃんと『○○が欲しい』って言いなさい」

「『暑い、暑い』だけじゃわからないでしょ。どうして欲しいかちゃんと言葉で言いなさい」

 

「自分の気持ちを言葉で表現する力をつけさせたい」という思いから、そういうことを言うのでしょう。

 

でも、私はあまりやりすぎない方がいいと思います。

なぜなら、こういうやり方で表現力を伸ばすことはできないからです。

それに、こういうことを言われた方は不愉快に感じるからです。

 

積もり積もれば、愛情不足感が出てきて、「自分はあまり大切にされていない。わたしのことなんかどうでもいいんだ」という気持ちになってしまいます。

 

Cは論外ですね。

大人同士の間でこれをやったら、ただの冷たい人ということになってしまいます。

 

大人同士でやってはいけないことは、親子の間でもやってはいけない

 

大人同士の間では、BやCではいけないことは明らかなのに、親子の間だとやってしまう人が多いです。

 

それはなぜかというと、「教育のため。しつけのため」という気持ちがあるからです。

でも、それによって人間同士として基本的に大切なことが後回しになってしまうと、子どもは愛情不足を感じるようになってしまいます。

 

小学校低学年くらいまでの時期は、まずは親の愛情を十分に感じさせることの方が大切です。自分の気持ちを的確に表現する力は、もう少し大きくなってから少しずつ身についていけば大丈夫です。

 

大人同士でやってはいけないことは、親子の間でもやってはいけないのです。

そして、大人同士でよいことは親子の間でもよいのです。

 

親がAのような行動をしていれば、それが子どものモデルになります。

親を真似することで、子どもも相手の気持ちをよく思いやって行動できる人になれるのです。

 


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 

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伝統芸能の世界を親子で楽しめる、狂言や落語の絵本

 

日本の伝統芸能と言ってもいろいろありますが、小学1年生に親しめるものと言えば…、狂言や落語がもとになっている絵本はいかがでしょうか。ハラハラ・ドキドキしたり、オチで笑ったり。庶民に親しまれてきた伝統芸能の世界を、絵本をとおして知ることができます。読みやすい2冊をご紹介します。

 

まるで、とんち話? 狂言えほん『ぶす』

 

 

『ぶす』(もとしたいづみ文、ささめやゆき絵)は、ある屋敷に住む主人と、2人の家来のお話です。ある日、主人が、家来の「たろう」と「じろう」をよびつけて言いました。「このつぼに『ぶす』というたいへんなどくがはいっている。つぼのほうからふくかぜにあたるだけでもしぬというおおどくだ。わしはこれからでかけるが、くれぐれもちかづかないように。いいな?」

 

主人が出かけたあと、留守番をしていた2人は、ぶすのほうから吹いてくる風にあわてますが、はて、主人は平気で手に持っていたではないかと気づきます。それもそのはず、つぼの中身は、当時手に入りにくかった黒砂糖! けちな主人は家来にそれを悟られまいと、「おおどくだ」などと嘘をついたのです。

 

つぼの中をのぞき、食べてみて「しぬほどうまい!」と知った2人は、ついつぼが空っぽになるまで食べてしまいます。さあ、帰ってきた主人にたろうとじろうがどう言い訳したかというと…? 面白いですよ。続きは絵本を読んでのお楽しみです!

 

「ぶす」とは「附子」、つまりトリカブトの猛毒のこと。欲張った主人が嘘をついたばかりに、かえって家来に全部食べられてしまうという、こっけいですが含蓄に富むお話です。「ぶす」は狂言の人気演目。一休さんのとんち話になったり、学校教科書に採用されたりしているおなじみの演目です。「たろう」「じろう」は実際の狂言では「太郎冠者(たろうかじゃ)」「次郎冠者(じろうかじゃ)」と呼ばれます。

 

狂言は室町時代に成立したと言われる、古典芸能のひとつ。難しそうに見えますが、意外とお話はかんたんで面白いのです。特に本書はわかりやすく描かれているのでおすすめ。狂言の面白さを絵本で味わってくださいね。

 

地獄・極楽を語る大型落語『じごくのそうべえ』

 

 

『じごくのそうべえ』(田島征彦作)は、上方落語の「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」を題材にした落語絵本です。「とざい とうざい。かるわざしの そうべえ。
いっせいいちだいの かるわざでござあい。」扇を手にもった軽業師そうべえが「そうれ。ぺペン ペンペン ペーン」と綱渡りを披露していたそのとき、「おっとっとっとっと。あーーーーっ。」落ちて死んでしまったからさあたいへん。


 

そうべえが気づくと、そこは、どうやら地獄へつづく道。ちょうど車が走ってきて乗せてもらいますが…。「うまいこというて、車にのせてもろたんはええけど、あれが、ゆうめいな火の車やったんやな。じごくへのちょうとっきゅうやったんや。ああ、こわあ。」そうべえはこの調子で衣をはぎとられ、さんずの川をわたり、えんま大王に地獄行きを命じられます。しかし、途中で出会った山伏ふっかい、歯ぬき師しかい、医者ちくあんといっしょに地獄を大暴れ。熱湯釜ゆでも針山も、4人の特技をいかせばへっちゃらです。

 

面白いのは、人呑鬼(じんどんき。人を食べてしまう鬼)の腹のなかで4人がいっせいにいたずらをする場面! 子どもも大人も大笑いです。人間国宝の桂米朝をして、「スケールの大きさといい、奇想天外な発想といい、まずあまり類のない大型落語」と言わしめる「地獄八景亡者戯」。その大作が絵本で楽しめるのですから、一読の価値あり。第1回絵本にっぽん賞を受賞したロングセラーです。

 

2冊とも難しくなく、一気に読めます。言葉のリズムやストーリー展開など、庶民が親しんできた日本文化の魅力に気づくことができますよ。狂言や落語の絵本は、他にもたくさん出版されているので、探して手にとってみてくださいね。

 


★連載「親子で読みたい!子どもの成長を応援する絵本」

 

 

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2017年インフルエンザの傾向は? ワクチン不足って本当?

 

毎年冬季に流行するインフルエンザ。今年はワクチンが不足しているなんてニュースも耳にします。また9月の時点で学級閉鎖が出た学校があるという話も。そこで今回は、厚生労働省・健康局・予防接種室の担当技官の方に今年のインフルエンザの傾向について聞きました。

 

ここ数年はA型の中の2つのタイプが交互に流行る

 

今シーズンのインフルエンザの流行傾向について教えてください。

 

「今シーズンは出始めが早く、9月の時点で学級閉鎖が出た小学校もあります。だからと言って、そこから大流行が始まったわけではありません。おそらく流行の広がりは例年通り11月くらいから徐々にというふうに考えられます。インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型の3種類があり、毎年流行の中心となるのはA型とB型です。症状が重く、大流行するのがA型の特徴で、2012年以降はA型のH1N1と H3N2が毎年交互に流行っています。その傾向から推測すると、今シーズンはH1N1が流行るのではと言われていますがまだ分かりません。」

 

インフルエンザには色々な型があるのですね。では、予防接種のワクチンには何型が含まれているのですか?

 

「今シーズンのインフルエンザワクチンの中には、A型のH1N1、H3N2と、B型の山形系統、ビクトリア系統の4種類に対応できるワクチン株が入っています。毎年、世界保健機関(WHO)が次のシーズンに流行る型を推定し、それを受けて、日本では国立感染症研究所が様々なデータを元に最終的にワクチン株を決定しています」

 

インフルエンザウイルスは毎年流行する型も違い、同じ型の中にも構造が異なるタイプが存在しているそう。だからこそ、毎年予防接種が必要なのですね。

 

今シーズンはワクチンが供給不足?

 

今シーズンはインフルエンザワクチンが供給不足という報道が出ていますが、なぜでしょうか?

 

「今年度は、ワクチンに使うウイルス株を製造途中で選び直したため、昨年度に比べ1ヶ月ほど製造開始が遅れてしまい、現在の時点では供給量が若干少なくなっています。ワクチンの製造工程では、鶏の有精卵にウイルスを注入して株を増やしていくのですが、最初に製造を始めたウイルス株は、製造途中でその増殖効率が悪いことがわかったため、昨年度と同じウイルス株に変更した経緯があります」

 

今現在、医療機関で予防接種の予約ができなかったとしても、徐々に製造を増やしているので、少し待てば接種できるようになるとのこと。13歳以上は通常1回の接種で効果を得ることができるため、「原則1回の接種」を徹底すれば、昨年度と同程度の人数分は確保できる見込みだそうです。

 

13歳未満は2回の接種が必要。流行前に接種を終えて

 

一方、13歳未満の子どもの場合は、インフルエンザの予防接種を2回接種することが推奨されています。

 

「子どもは大人と比べてもともと持っている免疫が少ないため、1回の接種では充分な効果が得られないのです。1回目の接種のあとは、2~4週間あけて2回目を接種します。そのため、今後のワクチンの供給量にもよりますが、11月のうちに1回目の接種を終わらせ、12月中には2回目を受け終わるといいですね」

 

まだ、ワクチンの供給量が増えてきていないこともあり、なかなか小児科で予約ができないという声も聞きますが、本格的な流行は年明けなので、焦らずに可能な限り早めに受けられると良いそうです。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)


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先生の目から見た「男の子」と「女の子」

 

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。

今回は、「男の子」と「女の子」の違いについて取り上げたいと思います。「男の子は○○」「女の子は○○」と、ことさらに決めつけることは避けるべきですが、親御さんたちの中にも、子育てをしていて男の子と女の子の「違い」を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

自分に興味のあることに気を取られる男の子

 

脳の生物学や、生理学・心理行動学などでも「性差」という言葉は専門用語としても出てくると思いますが、学術的なことはともかく、現場の1人の教員としての「印象」で言えば「性差」はあると感じます。

では、どういうところに差があるのか、低学年に限った場合でお話していきますが、まず前提としてお伝えしておきたいのは、低学年では特に、女子のほうが男子よりも2~3歳上に感じることが多いということです。

 

男女の大きな違いの1つとして挙げられるのは、周りの状況を理解できているか、と言う点です。

授業中、女子の多くは「今は先生の話を聞くべきだ」という表情をして話を聞いていますが、男の子の中には「自分の興味のあること(=友だちのこと・筆箱の模様・窓の外の風景など)」に気を取られている子がけっこういます。話を聞くべき時間だとわかっていても、それを上回る興味関心に心を奪われるのです。よく「空気を読む」という言い方をしますが、低学年の男子で空気を読める子は稀です。

 

しかし、逆に言えば、新しいものや珍しいものにすぐに関心をもつ、というのは子どもの特性であり、それが子どもらしさとも言えます。「興味をもったものに積極的に挑戦する」「果敢に接触しようとする」「興味を持ったものを徹底的に追求する」というのは、女子には無い男子の優れた点と言えるでしょう。しかし、それは同時に「興味があるものにしか反応をしない」「怖い物知らず」「飽きっぽい」ということにもなります。そう言った子どもならではの特性が現れやすいために、男子は女子に比べて子どもっぽいと言われるのだと思います。

 

器用さや言語力は、女の子が優位

 

「器用さ」「適応力」という点でも、女子に軍配が上がります。文字を書いたり、絵を描いたり、ほうきを使ってそうじしたり、ひもを結んだりと、学校でのさまざまな場面で、女子のほうが「うわて」です。生活力がある、ということも言えるでしょう。そのほかに体育での「跳び箱」などは男子のほうが怖がらないので、できる子が多いのですが、なわとびについては、特に低学年では女の子のほうが早くできるようになる傾向があるようです。

 

言語感覚・語彙力でも全体的に女子が優位です。大人の言葉をよく聞いているらしく、まるでお母さんのような言い方で男の子を言い負かしている子がいます。

1年生の作文では、よく「先生、あのね…」という書き出しで、一文のものから始めますが、すらすら書けなくて困っていることが多いのは男子です。けれども、そんな子がやっと書いたその一文が、なんとも言えない味を出していて、作文の優劣を飛び越えた「よさ」があるものです。

 

「記憶力」「優しさ」に見える男女の違い

 

それから、記憶力。これは「記憶」のシステムが「状況を理解する力」や「語彙力」と関係があるためか、まんべんなく覚えているのは女の子で、自分の興味のあることをよく覚えているのが男の子という印象があります。

たとえば、卒業を控えた6年生に、1年生からの6年間で印象に残っている出来事(担任名・遠足の場所・運動会の演目・学芸会の題名や役名など)を、作文にする機会があったのですが、おもしろかったのは、男子のある割合の子どもたちが、1~2年の頃の記憶がない、ということを書いていたことです。「男子はきっと、その日その日を一所懸命生きていたのだねえ」という笑い話にして教室で話しました。まだ、自我のようなものが発達していなかったためでしょう。

 

性質の違いで言うと、「優しさ」もそのひとつ。女の子の優しさは、どちらかというと母性的な優しさで、「あらあら~」と言いながらお世話する優しさです。「自分なら相手にこうしてほしい」と思うことをほかの人にしている感じです。

しかし男の子は、考えて行動する優しさではなく、その場でとっさに出てしまうような優しさです。見返りを求めないというか、自分が優しいことをしたとも思っていない感じです。よくお母さんは、息子に甘くなるということが言われますが、「女子」であるお母さんは、自分の感覚にはない「優しさ」を息子から受けると、たまらない気持ちになるのでしょう。

 

男女の違いを活かすのが学校の役割

 

ただし、学習面・生活面でのいわゆる「トップクラス」でいうと、男子・女子の割合の差はないと思いますが、おもしろいことに、本当にできる子!というのは、男子のほうが目立つように感じます。女子は自分の能力を謙遜しがちなので、前に出てこないことがあるからです。

とはいえ、低学年ではおしなべて女子のほうが男子よりもしっかりしているものですが、それは学校だけでなく、ご家庭でも同じなのではないでしょうか。

人間は男女に関係なく、本来苦手なことと得意なことがそれぞれにあり、成長とともに苦手が解消されたり、得意な部分が伸びて、苦手な部分が見えにくくなってくるものですが、男子は、女子と比べて成長がややゆっくりな分、その苦手なことが学校の活動の中で目につきやすいのではないかと考えています。低学年の今は女子に分がありますが、男子も次第に心と体の成長が追いついてきて、勉強でもスポーツでも自分の得意な分野で活躍するようになっていきます。

 

いずれにしても、学校は「多様性」があってこそのもの。こうした「違い」や「差」を「こういうものだ」と決めつけたり、押し付けたりすることなく、そのよさを伸ばし、活かして成り立たせていかなくてはならないと思っています。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 

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子どものプログラミング的思考力。どうやったら身につくの?

 

2020年より、小学校でもプログラミングが授業に導入されます。その目的は、プログラミングコードを書けるようになることではなく、プログラミング的思考を身につけることなのだとか。学校の授業以外でも、プログラミング的思考力を伸ばせたらいいですよね。常葉大学教育学部初等教育課程 専任講師の佐藤和紀さんにお伺いしました。

 

生活の場面をプログラミング的思考で考える

 

まず、改めてプログラミングとは何か、またプログラミング的思考とは、どのようなものなのかを教えてください。

 

「プログラミングは機械などが動くルールや仕組みを制御するもので、『順序』『分岐』『繰り返し』の3要素で成り立っています。『プログラミング的思考力』とは、ものごとを見たときに『こういう順序で、こういう分岐の条件で成り立っている』など、分解して考えられる力だといえるでしょう。また、コンピュータで動いているものが、どのようにプログラムされているかを予想できる力も含まれます」(佐藤さん)

 

佐藤さんいわく、これらを生活の場面にちりばめることが大切なのだそう。日常的にプログラミング思考で考えるには、親の声かけが手助けになるそうです。

 

「子どもに『よく考えなさい』と言う親御さんがいると思うのですが、それだけでは子どもに伝わりにくいでしょう。『順番に考えてみよう』や『分類して』『比較して』など、『○○して考えよう』と促すことが大切です。例えば、自宅での時間管理について『順番に考えてみよう』『やることを分類して考えてみよう』『平日と休日を比較して考えてみよう』といった具合に、思考する方向性を示してあげるのです。そのように考える経験を積めば、声かけがなくても自分で考える力が身につきます。だから、大人の『問い』が大切ということになりますね」(佐藤さん)

 

根拠や理由を考えて情報を選別する力

 

順番に考えたり、分類、比較という手段で考えたりすることによって、子どもにどんなよいことがあるのでしょうか?

 

「単純に言うと思考する力が身についていくと考えられます。ものごとを論理立てて考えられるので、思いつきやひらめきだけを頼りにしません。根拠や理由を重視できるので、ものごとに惑わされない力や、自分の考えを客観的な根拠を示しながら説明する力がつくでしょう」(佐藤さん)

 

「思考力」とよく耳にしますが、当然ながらただ単に考えればいいというものではありません。思考する方法を身につければ、考えることにより正しいことや大切なことに近づくことができるはずです。

 

また、情報リテラシーを高める意味でも、思考力は頼りになるのだそう。

 

「情報がこれだけ溢れている中で、見聞きした情報を比較したり、分類したり、根拠やプロセスを考えられるという力は、ものごとを正しく見極めるために重要になるはずです」(佐藤さん)

 

思考ツールを有効に使ってみよう

 

親からの声がけ以外にも、思考力を身につけるための具体的な方法はあるのでしょうか? 

 

「『思考ツール』を使うとよいかもしれません。例えば、思考ツールのひとつに円を重ねて共通点や相違点を表現する『ベン図』があります。ベン図を使うことで、比較して考える力が身につきます。ほかにも、関連づけて考えるイメージマップ、ものごとを分類したり整理するマトリックス(表)など。インターネットで検索すると出てきますし、書籍も出ているので、それらを参考にするといいでしょう」(佐藤さん)

 

ベン図を使って説明したり、子どもに考えさせるのは家庭でもできそうですね。可視化することで理解が深まり、そのうち頭の中でも同様のことができるようになるそうです。

 

「プログラミング的思考というとコンピューターをイメージして気後れしてしまう方が多いようですが、考え方はこれまで教育でやってきたことと大きくは変わりません」(佐藤さん)

 

思考ツールの一部は、教科書にも登場するのだそう。ただし、家庭でも親が積極的に使っていれば、子どもにはより思考力が身についていくのでしょう。

 

(取材・文:栃尾江美)


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ICTなら簡単! 小1からできるプレゼンスキルアップ大作戦

 

小学校に入ると、クラスで発表をするのは日常茶飯事。学校生活でプレゼンスキルは必須とも言えます。スマホやタブレットを使えば、子どもでもスライドを使ったプレゼンが簡単にでき、培ったスキルはさまざまな場所で役に立つはず。そこで、その効果と具体的なやりかたを、常葉大学教育学部初等教育課程 専任講師の佐藤和紀さんに教えていただきました。

 

これからはプレゼンスキルがあったほうがいい?

 

「プレゼンテーション」と言うと、ビジネスの現場をイメージしてしまい、なかなか子どもと結びつかないかもしれません。ところが、プレゼンスキルは小さなころから培っておいた方がいいスキルなのだそう。

 

「プレゼンはスライドなどでものごとを示して、表現し、説明していくものです。『順序だてて説明する力』つまり『説明能力』は、子どもたちが成長していく過程で、また、将来どんな仕事に就いたとしても、必ず必要になってきます」(佐藤さん)

 

また、何かのテーマについて調べて発表する時に付きものなのはスライドですが、親世代が子どもの頃は画用紙や模造紙にまとめましたよね。でも、紙で作るとなるとそれだけで時間がかかってしまいます。目的が、苦労して資料を作ることではなく、「示して説明する能力を身につける」ことであれば、ICTを活用するのが得策なのです。

 

人に伝わるように写真を撮ることもひとつの学び

 

では、小学校1年生の場合、どんなことから始めたらいいでしょうか。

 

「まず、写真を撮ることから始めてみてはどうでしょうか。伝わるように伝える発表をするためには、資料作りの際に写真や図版が必要になります。写真をどう撮れば人に伝わりやすいのか考えながら撮るのも、ひとつの学びです」(佐藤さん)

 

例えば、休日に散歩へ行き、自分が気になった風景を撮って写真日記を作るなど、写真を使って自分の気づきを表現するなど、身近なところから取り組んでいくと良さそうですね。人に見せることを意識して写真を撮ることで、物の見方も変わってくるかもしれません。

 

また、1年生にはまだ早いかもしれませんが、もしこれから先、写真を使ってプレゼン資料を作っていくうちに、写真から情報を読み取る力、写真から説明できるポイントを抽出する想像力、どういう順番で説明するとよりわかりやすいかという構成力なども身についていくそうです。

 

ビジネスの現場でも、説明能力は欠かせません。相手に伝わるように資料を作り、説明することは、子どものうちから少しずつ培った方がいいのでしょう。

 

機能を絞ったプレゼンテーション用アプリが適切

 

佐藤先生がクラスで子どもたちに発表してもらう時には、「QBプレゼン」という文字入力を必要としないiPad用アプリを使っていたそうです。まだキータイプができない1年生でも使いこなせます。

 

「iPadなので、操作が簡単です。写真を簡単に配置して簡単にサイズを調整できます。さらに、手書きで文字を入力でき、色なども直感的に変更できます。実は、プレゼンビギナーの大人にも有効。文字を手書きするので、それほど小さい字が書けません。大人はむやみに文字を詰め込んでしまう傾向がありますが、それを避けることができます。写真を中心にして最低限の文字を入れる、という仕様が効果的というわけです」(佐藤さん)

 

これを使えば、学校でのプレゼンテーションはもちろん、家庭でも遊びの中で取り入れられそうですね。生き物を飼っているならその観察や、写真を使った旅行の振り返りなど。子どもと一緒に楽しみながらできるのが、スマホやタブレットを使ったICTのいいところかもしれません。

 

スマホやAndroidタブレットなら、大人が使うプレゼン用アプリ「PowerPoint」も使えます。子ども用アプリに比べて機能が多いものの、写真の挿入と手書き文字の書き方さえわかれば大丈夫。最初は教えながら一緒に取り組んであげるとよいでしょう。そのうち、親に対して「欲しい物の購入」や「お小遣いアップ」を説得するために、プレゼンテーションを使うようになるかもしれませんね。

 

(取材・文:栃尾江美)


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小1からできるタブレット&スマホのクリエイティブな使い方とは?

 

私たちの日常に欠かせなくなったスマホやタブレット。子どもが目にすることも多いだけに、ついつい要求に応じて使わせてしまう人も多いのでは? しかし、ただ与えるだけでなく、上手に使わせることで子どもの創造性を高められるとしたら嬉しいですよね。実は、子どもがクリエイティブな用途に使うにはコツがありました。常葉大学教育学部初等教育課程 専任講師の佐藤和紀さんに教えてもらいます。

 

「消費的」「創造的」な2パターンの使い方があった

 

教育のICT化により1人1台のタブレット。勉強はどう変わる?」の記事でも紹介したように、スマホやタブレットを子どもに渡しただけでは、YouTubeに見入ってしまったり、ゲームをプレイし続けたりして、親が眉をひそめるような使い方しかしてくれません。

 

「スマホやタブレットを使う際には、ゲームや動画などの『消費的』な行動と、自分から情報を得て構築していく『創造的』な行動の2パターンがあります。ゲームなどの中にも、例えば、ブロック状のパーツを重ねて建造物などを作れるマインクラフトのように、ゴールが決まっていない『オープンエンド』というタイプもあり、単にクリアするゲームよりは創造性が高いといえるでしょう」(佐藤さん)

 

消費的な活動よりは、創意工夫の余地がある「創造的な活動」に使ってもらいたいもの。そのためには、どうしたらいいのでしょうか?

 

「使い方を子ども自身に考えさせるようなソフトやアプリを選ぶことが大切です。ただ受動的にゲームをするだけのアプリを選んだら、それ以上創造的になりようがないからです」(佐藤さん)

 

最初は大人が「型」を教えてあげる必要がある

 

では、創造的に使うには、具体的にどんな方法があるのでしょうか?

 

「例えば、小学校1年生でも動画を撮影して、アプリで編集するようなことはできます。しかし、アプリを指定するだけでは、小1の子はひとりでそこまでできない可能性もあるので、まずは親御さんが使い方を覚えて一緒にやってみましょう」(佐藤さん)

 

一度やり方を覚えて、もし楽しければ子どもは続けてくれそうですね。また、情報リテラシーを教えてあげるよいきっかけにもなるそう。

 

「一緒に写真や動画を撮影する行動を通して、肖像権や著作権なども教えてあげられるとベターです」(佐藤さん)

 

「楽しい」だけでなく目的意識が大切

 

また、ただ楽しいから使わせるのではなく、目的を持たせると、継続的に、ステップアップしながらスマホやタブレットを活用できるようになるそう。

 

「例えば、写真を使って年賀状などを作るのはよいかもしれません。写真だけでなく、親戚に送るお年賀ムービーなどもよいのではないでしょうか」(佐藤さん)

 

どんな写真や動画を撮るのがいいか考えて、一緒に撮影し、編集する。「年賀状」や「お年賀ムービー」という目的があると、創造性が前に進みやすいのでしょう。

 

手順は、まずは親が一度作ってみてやり方を確認してから。その後子どもに教えてあげれば、2回目からは自分で作り出すはず。その後、自分の誕生会の招待状や、母の日のカードなど、身近なものを自分で作れるようになれば理想的だそうです。紙で作るとなると大変ですが、タブレットやスマホでの作り方を知っていれば、可能性が広がりますね。

 

小学校1年生では写真や動画くらいかもしれませんが、学年が上がるにつれて文字を使ったり、プログラミングなどもできるようになったりするかもしれません。「スマホ=ゲーム」と捉えている子どもと、「スマホ=何かを作れる道具だ」と思える子どもでは、将来の可能性に大きな違いがありそうです。どうせ使わせることになるのなら、創造性を高める方向へ、親が導いてあげたいものですね。

 

(取材・文:栃尾江美)


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YouTubeなど動画の見過ぎが心配! どう付き合えばいい?

 

テレビの見過ぎは昔から親の悩みの種でしたが、近頃登場したのはYouTubeなどの動画共有サイト。5〜6歳にもなれば、自分でタブレットなどを操作できる子も多く、ひとつの動画が見終わっても、関連動画が出てきて見続けることができ、親にとっては頭の痛い問題になっているのではないでしょうか? スマートフォンやタブレットで気軽に視聴できるだけに、付き合い方の指針が必要。テレビやYouTubeによる悪影響や、ルール化について、常葉大学教育学部初等教育課程 専任講師の佐藤和紀さんにお伺いしました。

 

触れているもので言語能力が培われる

 

テレビやYouTubeを子どもにまったく見せない家庭は少ないでしょう。どうしても夢中になってしまうコンテンツだけに、どのような影響があるか心配です。

 

「映像が子どもに与える影響はさまざまな研究がなされてきましたが、YouTubeなど新しいメディアについては、それほど研究結果が揃っていないのが現状です。ただ、小学校教員をしていた私の経験からすると、『言語能力』への影響があるのではないかと考えています」(佐藤さん)

 

子どもが、何度も目にするテレビCMの真似をするのは、どの家庭でも経験があるはず。悪い言葉遣いや、間違った言葉遣いを日々耳にしていると、確かに悪影響がありそうです。

 

「絵本が子どもにいいとされるのは、言葉がしっかり選ばれているからです。適切な日本語としてきちんと校正されています。だからといって『テレビやYouTubeだから悪い言葉が使われている』というわけではなく、選んでいるコンテンツが問題。校正の有無以外にも、同じような映像を見続けると悪い言葉が身についたり、ボキャブラリーが増えなかったりすることもあります。また、テレビならある程度決まった時間で終わりますが、YouTubeはいつまでも見続けられてしまうという問題もありますね」(佐藤さん)

 

YouTubeを見続けることで、親との会話も減ることになったら……。そこでも言葉を覚える機会が減ってしまうかもしれません。

 

「楽しい」以外の副次的な効果がないと親は心配?

 

また、テレビやYouTubeには、外遊びなど他の遊びと大きく違う点があるそう。

 

「保護者の立場や教育の観点から、子どもの『楽しい』を考えたとき、副次的な効果を意識します。例えば、公園で遊ぶと『楽しい』ほかに体力が付いたり、自然に触れたり、友だち同士のコミュニケーションが生まれたりと、さまざまな効果があるわけです。ところが、テレビやYouTubeは、どんなコンテンツを選ぶかにもよりますが、娯楽として楽しいだけで、副次的な効果が少ないと考えられます。そのため、親は納得しにくく、心配になるわけです」(佐藤さん)

 

テレビの場合は、教育的な内容の番組ももちろんたくさんあります。ところがYouTubeの場合、一般の人が自由にアップした動画が多いため、特に副次的な効果が期待できないコンテンツが目立ちます。

 

そこで佐藤さんが勧めるのは、目的を持った視聴。「何かを知りたい」「何かを調べたい」という目的があった上でコンテンツを選んだ方がいいそうです。

 

コンテンツは親がきちんと選ぶか制限を。難しければ履歴をチェック

 

子どもが悪質なコンテンツに触れてしまうのも心配です。視聴制限なども有効なのでしょうか?

 

「タブレットやスマートフォンの場合には、基本的にアカウントを分けられません。親と同じ端末を使う場合、その都度制限するのは現実的ではないでしょう。古いスマートフォンを渡すなど端末を変えられるなら、制限モードを設定しておいたほうがいいですね。可能であれば、パソコンで子ども用のアカウントを作り、機能を制限しておくか、子供専用として使用させるとよいと思います」(佐藤さん)

 

親と共用のタブレットやスマートフォンを使う場合には、手がないのでしょうか。

 

「本来は、近くで見ながら都度チェックするのが理想的です。ただ、どうしてもできない場合がありますよね。それなら、視聴履歴を確認しましょう」(佐藤さん)

 

ちゃんと履歴を確認すれば、悪質なコンテンツにも早めに気がつくことができそうですね。

 

もちろん、ルール作りも大切。「ゲームって与えてもいいの? 親が知っておきたいルール作りのコツ」で紹介したように、子どもと一緒に考えておくとよいでしょう。

 

(取材・文:栃尾江美)


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冬に流行! ノロ、ロタウイルスの家庭での対策は?

 

インフルエンザや風邪のほかに、冬に流行するのが「ノロウイルス」「ロタウイルス」の感染症。突然、子どもが嘔吐しはじめ、家族も感染して慌てた…というケースも聞きます。ノロウイルス、ロタウイルス対策ために、家庭ではどんなことに気をつければいいの? 東京衛生病院 小児科の保田典子先生にお話をうかがいました。

 

ノロウイルス、ロタウイルスはどこに多くいる?

 

まず、ノロウイルス、ロタウイルスの感染症には、どのような特徴があるのでしょうか?

 

「ノロウイルス、ロタウイルスに感染すると、ウイルス性の急性胃腸炎を引き起こし、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が出ます。ロタウイルス感染症は子ども(0~6歳ごろ)に多く、1日に20回以上の嘔吐や下痢を繰り返すなど、ノロよりも重症になりやすい傾向があります。ノロウイルス感染症は、症状が軽い場合もあり、感染した人が外に出歩いて、広がるケースが見られます」(保田先生)

 

どんなところに、ノロやロタウイルスが多くいるのでしょうか?

 

「感染した人の嘔吐物や便にウイルスが大量にいます。そのため、トイレの便座やふた、ドアノブなど、人がよく触るところにウイルスがいるかもしれません。手洗いが不十分だと、手についたウイルスが食事をしたときなどに口から体内に入ってしまいます。そのため、トイレ後、食事の前は、特にていねいに手洗いをすることが大切です。水で流すだけではなく、石鹸液を使い、爪と指のすき間など細かなところまで洗って、清潔なタオルで水気をふきましょう」(同)

 

ノロとロタウイルスの対策の基本は、手洗い。学校でトイレに行った後、給食の前は、特にしっかり手洗いするように、子どもに伝えておきたいですね。また、おうちで手洗いを習慣化するだけではなく、外出時にもトイレ後や外食前は、親子で手洗いをするようにしましょう。

 

ノロウイルスは食品から感染することも

 

ノロウイルスは、食品から感染することもあると聞きます。家庭で調理をするときは、何に気をつければいいでしょうか?

 

「ノロウイルスに汚染された食品、例えばカキなどの二枚貝を、生、または加熱が不十分なまま食べて感染してしまうケースが多く見られます。調理するときは、魚介類や肉を中心部までしっかり加熱してください。また、調理器具にウイルスがつくことがあるため、魚介や肉、野菜を切る包丁やまな板を分け、家庭用の塩素系漂白剤で漂白したり、熱湯消毒したりするといいでしょう」(同)

 

外食やバーベキューなどで加熱が不十分なケースも考えられるので、しっかり加熱されているか注意する必要があるといいます。

 

周りでノロ、ロタが流行ったら要注意!?

 

子どもがノロやロタウイルスにかかっていて、突然嘔吐して慌てた、ということを聞いたことがあります。早く察知することは、できないのでしょうか?

 

「ノロウイルスは1~2日、ロタウイルスは2~4日の潜伏期間(感染から発症までの期間)がありますが、突然、症状が出るので察知することはできないんです。ただ、子どもやママ友との会話を通して、ノロやロタウイルスの感染症にかかった人が身近にいるとわかったら『わが家も、かかるかもしれない』と思って、対策を立てることはできます」(同)

 

例えば……

・就寝時、子どもが嘔吐や下痢をしてもすぐ処理できるように、寝室に次の物を置いておく。

エプロン、大きなビニール袋(ゴミ袋)、使い捨ての手袋、マスク、シューズカバー

 

・ウイルスを消毒できる、次亜塩素酸ナトリウムを含む「家庭用塩素系漂白剤」を準備しておく。

 

ノロやロタに感染したときの汚物の処理方法

 

「もしもノロウイルス、ロタウイルスにかかって就寝中などに嘔吐や下痢をした場合、嘔吐物や便からウイルスが飛散して、ほかの家族が吸い込み、感染が広がることがあります。家庭で、次のように処理しましょう」(同)

 

・処理する人以外は、別の部屋へ移動して近づかないようにします。

・窓を開けて充分に換気をします。

・処理する人は、エプロン、使い捨ての手袋、マスク、シューズカバーをつけます(汚物を取るときだけではなく、洗濯するときも着用)。

 

《汚物の処理方法》

【1】家庭用の塩素系漂白剤を水で薄め、消毒液を作る

 

市販の約5%濃度の塩素系漂白剤(※)を使う場合…

 

【A】濃い消毒液(濃度1000ppm)→水1ℓに原液20mlを混ぜる。

嘔吐物、便がついた場所(床など)に使用。

 

【B】薄い消毒液(濃度200ppm)→水5ℓに原液20mlを混ぜる。

嘔吐物や便がついた衣類、シーツなど(布類)の消毒、感染した人が使った洗面所、トイレ、食器、ドアノブ、手すりなどの消毒に使用。

 

※漂白作用があります。使用上の注意を読んで使用しましょう。

 

【3】汚物がついた床や壁を消毒して掃除する

汚物がついている床や壁は、ペーパータオルでおおい、【A】の濃い消毒液を静かにそそぎます。ペーパータオルで外から内に向けて寄せて取り除き、ビニール袋に入れます。

汚物を除いた後、【B】の薄い消毒液を使ってペーパータオルで拭きます。その後、水拭きをします。

使用したペーパータオルはビニール袋に入れ、密封して廃棄しましょう。

 

【3】衣類、シーツなど布類を消毒する

汚物がついた布類は、ほかの場所に付着しないようにビニール袋に入れ、洗濯を行う場所へ持っていきます。

【B】の薄い消毒液に布類を1時間ほど浸し、その後、しっかりすすぎ、高温の乾燥機で殺菌します。

※消毒液がない場合、洗濯洗剤を入れた水で静かにもみ洗いし、85℃以上の湯で1分以上浸してから洗濯をします。

 

布団をすぐ洗濯できない場合、汚物のついた部分をしっかり乾燥させ、スチームアイロンを当てる、または布団乾燥機で乾燥させます。

 

【4】洗濯した場所などを掃除する

洗濯した場所、感染した人がうがいをした洗面所、トイレ、ドアノブなどは、【B】の薄い消毒液、ペーパータオルでふいて消毒。その後、水拭きをします。

 

処理後、ペーパータオル、着用した手袋、マスク、シューズカバーなどは2重にしたビニール袋に入れて密封し、廃棄します。

 

このように、流れを覚えておけば、いざというときすばやく処理できます。

 

ノロウイルス、ロタウイルスは過去にかかったことがある人でも、感染することがあるそう。その場合は、症状が軽症になりやすいといいますが、油断せずに家庭で対策を立てておきたいですね。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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子どもが発熱! 家庭でのケア3つのポイント

 

風邪が流行る季節です。朝は元気だったのに、小学校から帰ってきたら熱があったり、または、学校で急に発熱して早退してきたりすることがありますよね。そんな時、家庭でどんなケアをすればいいのでしょうか? 東京衛生病院 小児科の保田典子先生にお話をうかがいました。

 

ポイント1:十分な水分補給で脱水を防ごう

 

子どもが発熱した場合、家庭でのケアで大事なことはどんなことでしょうか?

 

「まず、しっかり水分補給をすることが大切です。熱が出ると、体から汗や尿で出ていく水分の量が増えます。水分をこまめにとることで、老廃物の排泄を促し、熱を逃すこともできます。水かお茶、脱水を防ぐためにスポーツ飲料、ドラックストアなどでも売っている経口補水液を飲んでもいいでしょう。スポーツ飲料は、少し薄めて飲むのがおすすめです」(保田先生)

 

ポイント2:消化のいいスープなどで消化器官を休ませて

 

発熱すると食欲がないことも多いですが、食事のメニューで注意したほうがいいことはありますか?  

 

「揚げ物などの脂っこい料理、根菜など繊維質が多く消化の悪い食べ物、辛い食べ物を避けてください。具材を柔らかく煮た消化のいい温かいみそ汁、スープなどで栄養と水分を補給しましょう。ママとしては、子どもにたくさん食べて体力をつけて欲しいと思うかもしれませんが、食欲が落ちるのは、体が消化器官を休ませて、回復させようとしているからです。だから、無理に食べさせようとしなくても大丈夫ですよ。いつもより早めに就寝して睡眠を充分にとり、体を回復させましょう」(同)

 

ポイント3:解熱剤を飲ませるタイミングは?

 

もう1つ迷うのが、どんなタイミングで解熱剤を飲ませたらいいか。熱が何度以上になったらなど、目安はあるのでしょうか?

 

「熱が上っているとき、体はウイルスと闘っています。37℃台で、いつも通り遊んでいて、眠れるようなら解熱剤は使わなくてもいでしょう。38~39℃台の高熱で、子どもがぐったりしてつらそうなとき、眠れないようなら解熱剤を飲ませるとラクになり、睡眠をとりやすくなります」(同)

 

翌朝、熱が下がったら学校に行っていい?

 

子どもの場合、夜、熱が出たけれど翌朝になったら下がってしまった…ということもあります。そんな時、学校に行かせていいのでしょうか?

 

「小学生の場合は、熱が下がって食欲があり、体調がよいなら体が回復してきているので、学校に行かせてもいいでしょう。未就学児の場合は、前日の夜に熱が出て、翌朝下がっても休ませてください。小さい子ほど体力がないので、病気の後の休養が大切になります」(同)

 

ただし、学校に行かせるかどうかは体温だけで判断できないといいます。

 

「子どもの体調を見て、熱がなくても次のような症状があったら休ませてあげたほうがいでしょう。

 

・朝、いつも元気に起きてくるのに、起きてこられない

・食事が全く食べられない

・嘔吐をしている

・朝、下痢で3回以上トイレに行く

 

子どもによって、風邪を引きずってしまう子、シャキンとよくなる子、タイプはざまざまです。微熱でも、体力が弱っていて疲れている状態のときに学校に行かせてしまうと、さらに具体が悪くなることがあります。体力があるタイプの子は、微熱があっても学校に行って回復してしまうこともあります。学校に行かせるかどうかは、お子さんの様子を見て判断してください」(同)

 

これからインフルエンザが流行する時期。「発熱して、これまでの風邪のパターンと比べて重いようであれば受診し、インフルエンザの可能性がないか診断してもらうことが大切」と、保田先生。子どもの顔色、食欲など、いつもと何が違うのかを見て体調の変化のサインをキャッチし、ケアしてあげたいですね。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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子どもが風邪を引きやすくなるのはどんな時?

 

学校生活に習い事に……大人が思っている以上に忙しい毎日を送っている子どもたち。風邪をひきやすくなるタイミングに、日頃の“疲れ”が関わっていることがあるといいます。

風邪を予防する体づくりについて、3人のお子さんのママでもある小児科医、東京衛生病院小児科 保田典子先生にお話をうかがいました。

 

風邪のウイルスに負けない体をつくるには

 

子どもは、どんなタイミングに風邪をひきやすくなるのでしょうか?

 

「冬は風邪が流行しますが、新学期がはじまってから疲れが出てくる5~6月、10~11月も風邪をひく子が多く見られますね。先日は、運動会の練習の疲れが溜まって、風邪をひいてしまった子が受診されました。身体的な疲労だけではなく、精神的なストレスでも免疫力が低下しやすくなります。学校生活でずっと気を張っていて、夏休み、冬休みなど長期の休みに入ると気が抜けて風邪をひくタイプの子もいますね」(保田先生)

 

運動会の練習などは、身体的な疲労とともに、緊張感も伴います。そういう時には風邪を引きやすそうですね。運動会が終わって緊張感から解放され、風邪を引く子もいそうですね。

 

「日頃からお子さんの様子を見て、『疲れているな』『ちょっと元気がないな』と感じたら、しっかり休養させてあげることが大切です。手洗い、うがいは、ウイルスを体に入れないための基本ですが、さらに大切なのは、ウイルスが体内に入ってきても、やっつけて風邪を発症させない“体力”をつけることなのです」(同)

 

毎日ぐっすり寝て、体の抵抗力をアップ!

 

では、子どもの体力をつけるために、家庭では何から気をつければいいのでしょうか?

 

「わが家で特に気をつけていることは、子どもたちに睡眠をしっかりとってもらうことです。ベッドに21時に入り、寝かしつけています。睡眠を十分とることによって、1日の活動の疲れを取り、体力を回復させることができるからです。毎日、ぐっすり寝ることで体調を万全にして、風邪をひきくにい体をつくれます」(同)

 

何時間ぐらい寝ればいいのか、気になります。子どもの睡眠時間が足りているかどうかは、何で判断できますか?

 

「人によって適切な睡眠時間は違うので、お子さんの1週間の体調の変化を見てください。例えば、平日が慌ただしく、月曜日は元気だけれど、木曜日、金曜日…と週末に向けて疲れが出てくるようなら、睡眠時間が足りないかもしれません。また、土日が習い事などで忙しく、週明けに疲れが出るタイプの子もいます」

 

「いつも学校から帰ってきて元気に遊んでいるのに、ゴロゴロ寝ている。おやつや夕食のときに食欲がないなど、“いつもと違う”ことが疲れのサイン」と、保田先生。

 

「お子さんの様子を見て、『疲れているな』と感じたら、早めに就寝するように促して、体調を整えられるといいですね。平日の疲れが溜まっているのなら、おうちでゆっくり過ごす週末があってもいいと思います」(同)

 

良質な睡眠をとるためにできること

 

体力の回復のために、しっかり寝ることがとても大切なのですね。子どもの寝つきがよくなるように、どんな工夫をすればいいでしょうか?

 

「就寝時刻の1時間前までには入浴を済ませ、体温を上げておくと、就寝時刻に向けて体温が下がっていき、眠気がきます。また、湯船に浸かって体を温めることで血流がよくなり、代謝が上がって老廃物の排泄を促せます」(同)

 

また、部屋の明るさもスムーズな眠りには重要なのだとか。

 

「照明の明るさを調節できれば、夕食後から暗めにするといいですね。睡眠を促すメラトニンというホルモンが出て、スムーズに眠りに入れます。就寝の直前は、テレビや動画を見る、ゲームをするなどの興奮する遊びは避けたほうがいいでしょう」(同)

 

 

「睡眠を充分にとって休養し、朝食をしっかり食べ、生活リズムにメリハリをつけることが、風邪をひきにくい体をつくる基本」と、保田先生。子どもが疲れを溜めないように日頃から子どもの様子をよく見て、もし疲れているなと感じたらしっかり休ませて、風邪に負けない体づくりをしていきたいですね。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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ランドセルの素材「クラリーノ」って一体どんなもの?

 

ランドセルを選ぶ際に目にするのが「クラリーノ」という素材。ランドセルを通して、初めて知ったという人も多いのではないでしょうか。そこで、改めてどんな素材なのか、使用する際の注意点などを、「クラリーノ」を製造する株式会社クラレの原寛斉さんに伺いました。

 

ナイロンとポリウレタンで構成されていて強度があり、しなやかに

 

天然皮革のような見た目と風合いを持ち、一般的な合成皮革(以下「合皮」)とは異なる性質を持つという「クラリーノ」。一体、どのような素材を言うのでしょうか?

 

「『クラリーノ』は、株式会社クラレが製造する人工皮革の登録商標です。人工皮革というのは、化学の力で天然皮革の構造と独特の性能を再現したもの。

 

合皮のひとつと間違われることも多いのですが、一般的な合皮とは根本的に構造が異なります。一般的な合皮は、織物の表面にポリウレタンをコートして、見た目を天然皮革のようにしたもの。人工皮革である『クラリーノ』は、繊維が綿のように複雑にからまりあった不織布にポリウレタンを含浸させたものをベースにして、その表面にポリウレタンをコートしています。表面の見た目に加え、しなやかな動きも天然皮革に近づけようとしたものです。織物をベースにして作られている一般的な合皮よりも引裂きなどに対して強度があり、不織布をベースとしているので動きが滑らかでしなやか。より天然皮革に近い素材になります」(原さん)

 

その歴史は長く、1964年に「クラリーノ」が誕生し、なんと1967年から50年以上もランドセルの素材として使われているそう! 

 

「『クラリーノ』は、最初は紳士靴の素材に採用されました。天然皮革が使われている全ての製品に、人工皮革を提供していきたい、という思いがあり、ランドセルにも着眼することに。今では多くのランドセルに採用され、ランドセルの定番素材として親しまれるようになりました」(原さん)

 

「クラリーノ」素材のランドセルは全体の約70%!『軽くて丈夫』が最大の特長

 

「クラリーノ」がランドセルの素材として、ここまで長く使われる理由とは何でしょうか?

 

「『クラリーノ』は不織布からできているので、動きが柔軟です。『かぶせ』と呼ばれるランドセルのふたの部分のカーブは、織物ベースの合皮では再現が難しい。動きが滑らかでしなやかな『クラリーノ』ならではのメリットだと思っています。

 

また、ポリウレタンとナイロンからできていますので、水にも強くて、軽さもあります。『軽くて丈夫』という特長が、お子様が毎日背負うランドセルに、マッチしています。ランドセルの仕様にもよりますが、『クラリーノ』素材のランドセルの重さは、1kg前後になると思います。当然のことながら、軽さを追求すると丈夫さが不足するという側面がありますので、そのバランスは常に重視して開発を続けています」(原さん)

 

現在、「クラリーノ」素材のランドセルは、全体の約70%! 年々改良が行われ、どんどん進化もしているそうです。

 

「『クラリーノ』の中でも、ランドセル専用の素材を開発していますので、ランドセルメーカーさんから要望があれば、常に改善策を検討しています。

また、ランドセルとして6年間耐久できるようにするための、専用の検査も行なっています。劣化試験、屈曲試験など、社内で厳しく定めた基準がありますので、その耐久性には自信を持っています」(原さん)

 

水に濡れてもさっと乾拭きをすればOK

 

水に強いという「クラリーノ」のランドセル。雨に濡れた場合のお手入れ方法は?

 

「基本的に、水に濡れたり、汚れたりした場合も、軽く乾拭きをすればOK。ただお子様によって使い方はさまざまだと思いますので、泥汚れや油汚れが気になるようでしたら、コップ1杯のお水に数滴の中性洗剤を溶かしたもので汚れを拭き取り、硬く絞った布で水拭きして乾拭きしてください。」(原さん)

 

その一方で、雨カバーや市町村から配られる交通安全カバーなどの使用には、注意が必要だそうです。

 

「カバーを長時間つけっぱなしにしていると、ランドセルに貼り付いて外す時に表面がはげたり、傷がついたりすることがあります。そのため、毎日は難しいかもしれませんが、できるだけ帰宅したら外すようにして頂きたいと思います。

『クラリーノ』の表面は耐水性のポリウレタンなので、水が染み込むことはありません。もちろん、例えばプールに落としたというような特殊なケースは別ですが、普通の雨に濡れるぐらいであればまったく問題なく、きれいに使って頂けます」(原さん)

 

聞けば聞くほど、ランドセルの素材にぴったりの「クラリーノ」。ランドセル選びの際に、素材の特徴も参考にすると、より選択肢が広がるかもしれませんね。

 

(取材・執筆:野々山幸)


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子どもがインフルエンザに感染! 受診のタイミングは?

 

 

インフルエンザの流行状況が気になり始めるシーズン。どんなに気をつけていても、集団生活では感染する可能性はあります。インフルエンザにかかると出席停止になりますが、発熱後すぐに受診してもインフルエンザと診断されない場合も。そこで「子どもがインフルエンザにかかったかも…」という場合の対処法と、出席停止中の家庭での過ごし方を新宿区立花園小学校の養護教諭・玉置玲奈先生に聞きました。

 

インフルエンザの疑いで学校をお休み。病院へはいつ行く?

 

インフルエンザが流行っている時期に体調が悪くなった場合、学校を休ませるかどうかはどう判断すればいいでしょうか?

 

「インフルエンザの初期症状は、熱、鼻水、頭痛といった普通の風邪と似たものです。クラスでインフルエンザが流行している時には、朝起きて風邪っぽい症状がみられたら、まだ熱がそれほど上がっていなくても念のため自宅で様子をみたほうがいいと思います」

 

インフルエンザは急激に熱が上がることもあるので、できればそばで経過を見てあげたいところですよね。では、学校を休んだ場合、病院を受診するタイミングは?

 

「心配がある時点ですぐに病院へ連れていってあげてください。ただ、インフルエンザは、発熱などの症状が出てからある程度時間が経過して体内でウィルスが増えないと、検査で陽性反応が出ません。症状が出てから12時間が目安と言われています。そのため、学校を早退してすぐに病院に行っても、インフルエンザかどうか判断がつかなかったという話もよく聞きます。それでも、高熱で不安な時間を過ごす前に、病院で今後の対処法を相談しておいたほうが安心ですよね」

 

この時期は、インフルエンザに混ざって溶連菌感染症など他の感染症が出ることも多いのだそう。そういう意味でも、一度病院に行って診断してもらうのが一番ですね。

 

インフルエンザで熱が下がったらどうやって過ごす?

 

病院でインフルエンザと診断されても、抗インフルエンザ薬を飲ませると、わりとすぐに熱が下がることも。しかし、出席停止期間中は登校することはできません。そんな時、家ではどうやって過ごさせればいいでしょうか?

 

「熱が下がってしまえば、子どもは動きたがりますから一日中寝ているのは難しいかもしれませんね。そんな時は、自宅でテレビを見たり本を読んだり、リラックスして過ごす分にはかまいません」

 

ただ熱が下がったように見えても完全に回復したわけではないと玉置先生。

 

「数年前まではインフルエンザを発症した子どもの出席停止期間は『解熱後2日を経過するまで』と定められていたのですが、今は『に変わっています。それは、薬の効果ですぐに熱が引くようになったものの、体内に残っているウイルスはまだ感染力を持っているから。また、一度下がったとしても再度熱が上がることがあるからです。ですから、熱が下がったからといって、出席停止期間中に外出するのは禁物ですし、できるだけ家族同士の接触、特に子ども同士の接触は避け、きょうだいを同じ空間で過ごさせないようにしたほうがいいでしょう」

 

また、学校をお休みしている期間中も規則正しい生活と、きちんとした睡眠、栄養をとることは心がけ、解熱しても、処方された薬をきちんと最後まで飲みきることも大切だそうです。

 

家族間感染を防ぐには?

 

子どもがインフルエンザになった時、家族間で感染が広がらないように気をつけるべきことはありますか?

 

「インフルエンザは基本的に飛沫感染なので、家でもお互いにマスクをしたり、こまめに手洗いをすることである程度は予防できると思います。

よく学校では、インフルエンザが流行り出したら、給食をグループごとに食べるのをやめ、正面向きのままで食べさせることがあります。これは、食事中の会話を減らし、飛沫感染の機会を少なくするためです。家でも食事を別々にとる、別の部屋で寝る、というのもすぐにできる対策のひとつだと思います」

 

小学生になって迎える初めての冬。インフルエンザのシーズンも元気に乗り切りたいですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)


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自立心が芽生える年長さんにぴったりな『パンダコパンダ』

 

 

元気な女の子とパンダ親子の生活を描くほのぼのコメディ

 

底抜けに明るくてしっかり者の小学生ミミ子と、ミミ子の家にやってきたパンダ親子の生活を描いた、楽しさいっぱいのアニメーションです。後にスタジオジブリで『となりのトトロ』や『崖の上のポニョ』を後に生み出すことになる高畑勲と宮崎駿コンビによる1972年の作品です。DVDには『パンダコパンダ』と『パンダコパンダ雨ふりサーカス』の2本の作品が収録されています。

 

パンダが突然家にやってきたら? 考えるだけで楽しい 

 

『パンダコパンダ』は、ミミ子とパンダの出会いの物語。両親がおらず、おばあさんとふたりが暮らしのミミ子は、掃除洗濯お料理となんでもできちゃうしっかり者。そんなミミ子が、おばあさんが法事で遠くに出かけている間、何日もひとりで留守番をすることに。町の人たちの心配をよそに“ひとり暮らし”をきちんとこなすミミ子の家に、ぬいぐるみのように可愛い子パンダの「パンちゃん」と、お父さんの「パパンダ」が現れ、パパンダがミミ子のお父さんになってくれると言うではありませんか。大喜びでパンダ親子と暮らし始めたミミ子の家に、動物園の園長がパンダ親子を探しにやってきます。そして子パンダのパンちゃんが行方不明になってしまい……。

 

おそうじ、洗濯、料理……子どもにお手伝いを頼んじゃおう

 

『長靴下のピッピ』のようにピン、とはねた三つ編みがトレードマークの元気でたくましいミミ子。子パンダ、パンちゃんのお母さん替わりとして、張り切って家事をこなし、かいがいしくパンちゃんのお世話をします。そんなミミ子を見ていると、おままごとでママ役をやりたがったり、自分より小さい子のお世話をしたがる、ちょっとお姉さんお兄さんになった年長さんの姿に重なります。「ママになるってなんて忙しくてステキなんでしょう!」というミミ子のセリフも利用して、ミミ子と一緒にやってみよう、なんて声をかけつつじゃんじゃんお手伝いを頼んでもいいですね。成長してお手伝いがめんどくさい、なんて子どもが言い出す前にぜひ!(笑)

 

トトロやポニョにつながる楽しいシーンがいっぱい

 

『パンダコパンダ雨降りサーカス』は、パンダ親子とミミ子が住む家に、サーカスのトラの子が迷い込んだことから巻き起こる騒動を描いています。水の上や中を自在に移動したり、水の中からサーカス電車が飛び出してくるシーンは『となりのトトロ』のネコバスや『崖の上のポニョ』のワンシーンを彷彿とさせます。パパンダの大きなぬいぐるみのような風貌、大きな口をガーッと開けた姿はトトロそのもの! それぞれの作品を見比べて親子であれこれ話すのも楽しいです。

 

パンダブームとこの映画でさらに親子の会話が増える

 

この映画は、パンダ初来日で空前のパンダブームに沸いた1972年(昭和47年)に公開されました。2017年11月現在、久しぶりに生まれたパンダのおかげでパンダブームが再燃中。そんな中でパンダの話題を親子でワイワイと語り合うにもぴったりの映画です。「♪パンダ、パパンダ、コパンダ♪」という親しみやすいメロディの主題歌も印象的。現在中3と小5の娘が小4、年長さんの年に初めて見せたときにも気が付くと口ずさんでいました。お話も娘たちのハートをがっちりつかんだようで、夢中になって見ていたことを思い出します。『トトロ』や『ポニョ』など、子どもたちが大好きなジブリ作品のルーツとも言えるこの作品、まだ見たことがないというママはぜひこの機会に!

 

 

 

<データ>

1972年/34分/日本/監督:高畑勲 脚本:宮崎駿 声:杉山佳寿子 熊倉一雄 太田淑子 


連載「親子の会話がはずむ、年長児とママのための映画ガイド」

 

 

 

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「ぼうっとしている」とき子どもの脳ですばらしいことが起こっている

 

ぼんやりした状態に大きな意味がある

 

「いつまでもぼうっとしていないで、やることやりなさい」

「ぼんやりしてないで、勉強しなさい」

「ぼうっとしてないで、遊ぶなら遊ぶ。寝るなら寝る。どっちかにしなさい」

 

みなさんは、子どもにこういう言葉をかけることがあると思います。

たしかに、「ぼうっとしている」「ぼんやりしている」状態は、時間のムダのように思えます。

 

ところが、最近の脳科学では、こういうぼんやりした状態に実は大きな意味があるということが言われています。

 

ぼんやり状態は、自己認識、見当識、記憶、ひらめきに関わっている

 

脳の血流を調べると、ぼんやりしているとき、つまり脳が安静状態に入っていると血流が増えて、活発に活動する領域がいくつかあるということがわかっています。

 

このようにぼんやりしているときに活発になる神経回路を、「デフォルト・モード・ネットワーク」(DMN)といいます。

 

そして、この神経回路は、どうやら自己認識、見当識、記憶、ひらめきなどに関わっているらしいということです。

 

この対極にあるのが、問題解決に向けて意図的に考えたりやるべき課題に集中してこなしたりするときに活発になるのが「中央実行系ネットワーク」(CEN)です。

 

ぼうっとしているときにひらめきがやってくる

 

これで思い出すのがアルキメデスの話です。

ある時アルキメデスは難しい問題について考えていて、いくら考えても解決方法がわからずに困っていました。

 

ところが、風呂に入ってぼんやりリラックスしていたときに、思いがけずその解決方法をひらめいたのです。

 

喜びのあまり、風呂から飛び出して、「ユーレカ(わかった)、ユーレカ」と叫びながら裸で町中を走り回ったというのは有名な話です。

 

過去の偉人や天才の伝記には、同じような話がけっこうあります。

また、私たちの日頃の生活でも、リビングでぼうっとしているときいいアイデアを思いつくとか、電車の揺れに身を任せているときパッとひらめいたりすることはよくあります。

 

つまり、中央実行系ネットワークでできないことが、デフォルト・モード・ネットワークでできるようになる、ということがよくあるのです。

 

ぼんやり状態はいいことだらけ

 

この他にもぼんやりすることで脳を休ませることができ、たまったストレスを解放したり、疲れた心を癒したりする効果もあります。

これによって、またがんばるエネルギーがわいてくるのです。

 

また、ぼんやりすることが記憶力の向上につながるという説も有力です。

 

いいことだらけですね!

 

最近では「呆活(ぼうかつ)」という言葉もあるくらいです。

つまり、生活の中にぼうっとする時間を積極的に位置づけて、ストレス解消や心の安定を図る活動という意味です。

 

これは、意識的に涙を流すことでストレスを解消する「涙活」を考案した寺井広樹さんが唱えているものです。

 

叱ることで台無しになる

 

ということで、子どもがぼうっとしているとき、その子は呆活をしているのです。

脳の中ですばらしいことが起こっているのだと理解してあげてください。

 

ですから、いきなり「いつまでもぼうっとしていないで、やることやりなさい」などと叱るのはやめたほうがいいですね。

 

せっかく脳のストレスを解放して心の安定を得ていたというのに、すべて台無しにしてしまうことになるからです。


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 

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習いごとを選ぶなら、学校とのバランスも考えて

 

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。

学校が終わった後、習いごとをしているお子さんも多いことでしょう。今回は、担任の立場から見た習いごとについてお話ししたいと思います。

 

低学年の習いごとは水泳やピアノが人気

 

子どもたちがどんな習いごとを、どれだけしているかは、家庭によっても、また地域や学校によっても傾向が違います。複数の習いごとをしている子もいれば、まったくしていない子もいます。

 

低学年で多いのは、水泳やピアノ。ほかにサッカー、体操、バレエ、英語、ダンス、書道、珠算などが挙げられます。英語やダンスは、以前はそれほど多くなかったのですが、学習指導要領に取り入れられてから増えたように思います。 

 

3年生の後半になると、学習塾に通う子も増えてきます。そして学習塾に軸足が来るようになると、ほかの習いごとはやめてしまう傾向があるようです。

 

習いごとが負担になっていることも…

 

習いごとは、家庭の判断で行うものなので、学校や担任があれこれ言うことはありません。

 

習いごとをがんばっていて自信をつけている子も多いですし、習いごとを将来の夢に結びつけている子もいます。また、学校以外の友だちができ、世間が広がっている子もいます。そういった意味では、習いごとをすることは、子どもにとってプラスであることが多いと言ってもいいかもしれません。でも、多少気になることもあります。

 

一つは、放課後の過ごし方についてです。特に忙しい親御さんが、子どもを一人にさせないために習いごとを入れていることも多いですが、その場合、子どもが一人で帰宅して準備をし、また家の鍵をかけて習いごとに出かけることになります。それが週に何回もあると、低学年のうちはなかなか大変だなと感じます。しっかりした子もいますが、まだ言われたとおりにできない子には負担も大きいのではないでしょうか。

 

また、遊ぶのが大好きなのに習いごとがあってできないという子は、遊びの約束をしている子を横目に見て、うらやましそうな顔をしていることがあります。

 

子どもが本当に行きたがっているかを見極めて

 

もうひとつ、この習いごとは誰が選んでいるのか、誰の意思で始めたのかということです。というのも、放課後になると元気がなかったり、「習いごとに行きたくないな~」と友だちに言っている子がいたりするのです。そんなとき、さりげなく親御さんにお話をすると、「あの子が自分からやりたいと言ったんです」とか、「やめてもいいよ、と言っても『やめない』と言うんです」と、よく言われます。

 

たしかに子ども自身がやりたくて始めたという場合もあるでしょう。でも、子どもは地域にどんな習いごとがあるか知りませんから、親御さんに「やってみたら」と言われて始めたものも多いのではないかと思います。子どもは親が大好きですし、親がどんな希望をもっているかわかっています。ですから、親を喜ばせようと、意を汲んで言うこともあるのです。

 

もちろん学校の勉強も、もともとは「強制的」なものですから、子どもにとって苦痛という意味では同じ部分もあるかもしれません。ただ、習いごとはオプションであり、種類も多彩で、子どもによって向き不向きの差が大きく、その子の発達段階の時期に合っているかどうかということが、あまり配慮されていないこともあります。

 

とはいえ、ころころと習いごとを変えるのもよいとは言えないでしょう。子どもとよく話し合って、あまり気乗りしない場合は、このレベルまでできたら卒業するなど、目標や期限を決めるのもよいかもしれません。そのあたりの「見極め」が大事かな、と思います。

 

学校と習いごとのよい相互作用が生まれるように

 

習いごとは家庭の判断で決めるものと書きましたが、担任としては、特に低学年のうちは、学校とのバランスも考え、習いごとが子どもの負担になっていないかどうかを見ていただければと思います。それには、子どもが「習いごと」を楽しみにしているかどうかを目安にするとよいでしょう。もちろん、いつもいつも楽しいときばかりではないと思いますが、学校生活に支障がなく、1週間のサイクルの中で、学校と習いごとのリズムができているのが理想です。

 

低学年ではあまりありませんが、上の学年になると、土日にめいっぱい活動や試合をして疲れていて、週明けの月曜日は眠そうだったり、イライラして友だちや先生に八つ当たりして発散したりする子がいます。こうなると、習いごとの本来の意義が失われて本末転倒なのではないでしょうか。

 

学校の学習にはしっかりと取り組む。そして習いごとで培われたことが、学校でも発揮できる、というバランスがよいと思います。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 

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寒い冬にぴったりのトマト缶&トマトソースのセットを5名様に

熱々のスープやコトコト煮込んだ煮込み料理が恋しくなるこの季節。トマトを使ったあったか料理はいかがですか。トマトの燃えるような赤は見た目も華やかで、ハロウィンやクリスマスのイベント料理にもぴったり!

 

カゴメの「濃厚あらごしトマト」と「基本のトマトソース」は、どちらもササッと煮込むだけでおいしいトマト料理が作れる人気商品。今回はこの2つをセットにして5名様にプレゼント致します。

 

【濃厚あらごしトマト】…厳選された南欧産トマトだけを使った、濃厚な甘さとコクが特長のトマト缶。酸味が少なく甘味が強いトマトを贅沢に使用し、濃さと糖度は従来のトマト缶の約2倍に(※ カゴメホールトマト缶・ダイストマト缶との比較)。素材の旨味が生きているので、簡単な味付けだけで、本格的なパスタや煮込み料理に仕上がります。

 

【基本のトマトソース】…「時短できる」「失敗知らず!」「レパートリーが広がる」と幅広いユーザーの支持を集める、カゴメの定番人気商品。2016年のリニューアルでトマトを10%増量し、炒めた玉ねぎ、ニンニクとじっくり煮込むことでよりまろやかでコク深い味わいに。パスタやスープにはもちろん、カレーやハンバーグにアレンジしても◎。

 

 

 

 

応募は締め切りました

 

 

応募締切)20171110日( ※発送をもって発表に代えさせていただきます

 

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カゴメ 濃厚あらごしトマト 295g、220円+税(編集部調べ)

カゴメ 基本のトマトソース 295g、180円+税(編集部調べ)

(カゴメ)

 

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インフルエンザの予防対策、小学校ではどうしてるの?

 

1年生にとって小学校で過ごす初めての冬。大勢の子どもたちが一箇所に集まる小学校では、どんな感染症予防対策が行われているのか気になりますよね。そこで、新宿区立花園小学校の養護教諭・玉置玲奈先生に小学校でのインフルエンザ予防への取り組みついて教えてもらいました。

 

手洗い・うがい・換気を徹底。保健だよりも大切な情報源

 

インフルエンザなど感染症の流行を防ぐために、小学校ではどんな対策を行っているのでしょうか?

 

「先生方には定期的に教室の窓を開けて空気の入れ替えをするようにお願いしています。教室に加湿器が設置されている学校では、湿度を上げてウイルスが蔓延しにくい環境づくりをすることも大切ですね。

 

そして子ども達には手洗いうがいをこまめにするよう指導しています。とくに手洗いは、インフルエンザに限らず感染症予防の基本なので、季節を問わずいつでもやる習慣をつけてほしいです。タイミングとしては、登校後、体育の後、トイレの後、給食前、中休み昼休み後、帰宅後は最低限してほしいですね」

 

休み時間に外に出なくても、お友達と触れ合っている以上、手洗いはこまめにしてほしいと玉置先生。1日の学校生活の中でも手洗いタイミングは結構あるのですね。

 

「そして、子どもの健康にまつわる情報源として発行しているのが、保健室からの『保健だより』です。どの学校でも月1回程度配られているのではないでしょうか。学校でのインフルエンザの流行状況など、役立つ情報が書かれていることも多いので必ずチェックしてほしいですね」

 

玉置先生は、自治体が出す感染症の報告を参考にしながら、保護者にもわかりやすいおたより作りを心がけているそう。子どもが学校から持ち帰ってきたプリントには必ず目を通しておきたいですね。

 

1年生でも理解できる?楽しく学ぶ保健指導

 

きちんとウイルスを落とす手洗い方法を1年生に教えるとき、どんな工夫をしているのでしょうか?

「童謡のメロディーに手洗いのやり方を替え歌で乗せて、歌いながら洗う方法があります。替え歌の歌詞を水道の上に貼っておくだけでも、意識しながら手洗いしてくれますよ。手洗いの曲はたくさんのパターンが出ているので、色々と検索してみてください」

 

ほかにも小学校の保健指導では、健康にまつわる様々な話をしているのだそう。まだ難しい話が理解できない1年生には、ストーリー仕立てでわかりやすく解説することも。

 

「例えば、夜遅くまでゲームをするような良くない生活をしてる男の子の話を作ったりします。夜更かしした翌日すごく気持ち悪くて『じゃあ何が良くなかったのかな?』と問いかけると、『早く寝ればよかったー!』とか、1年生でもいい回答がたくさん出てくるんですよ。小学校の保健指導は、実践しようという態度や意欲を育てることが目的なので、低学年にもわかりやすく伝える工夫をしています」

 

替え歌やお話を使って、1年生でも楽しく健康管理を学べるように指導されているのですね。

 

感染症の流行を未然に防ぐ。家でできることは?

 

インフルエンザを流行らせないために、学校から家庭にお願いしたいことはありますか?

 

「手洗いは学校の指導だけで習慣付くことはないので、ご家庭でも実践するよう声かけをしていただきたいですね。あと、ハンカチ、ティッシュは毎日必ず清潔なものを持たせてほしいです。そしてゴホゴホ咳をしているのにマスクを付けてこない子もよく見かけますので、朝送り出す前に子どもの様子をチェックして、必要であればマスクを付けてきてほしいと思います」

 

ちなみに、使い捨てのマスクはどれくらいの頻度で変えたらいいのでしょうか?

 

「基本は1日交換でいいと思いますが、ツバや鼻水でぐじゅぐじゅになってしまうようであれば、数時間でも変えることをおすすめします。学校にも予備のマスクを何枚か持ってきておくと安心ですね。ウイルスの温床になりやすい内側はできるだけ手で触らないようにしてマスクの付け外しをするよう、教えてあげてください」

 

手洗い習慣や咳エチケットを教えるのは、すぐにでも家庭で実践できそうですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)


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小1で初めての学級閉鎖、お休み中はどう過ごす?

子どもがインフルエンザに感染! 受診のタイミングは?

 

 

 

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小1で初めての学級閉鎖、お休み中はどう過ごす?

学級閉鎖

 

インフルエンザの流行状況が気になり始めるシーズンです。インフルエンザが蔓延したら、学級閉鎖になることも。ところで学級閉鎖って、誰がどう判断して決めているのでしょうか。また、もし学級閉鎖になったら、家でどう過ごさせればいい? そこで、新宿区立花園小学校の養護教諭・玉置玲奈先生に学級閉鎖の決定方法や過ごし方について聞きました。

 

学級閉鎖は誰が決める?閉鎖になる基準はあるの?

 

1年生にとっては、小学校で過ごす初めての冬。クラスでインフルエンザが流行したらいつ学級閉鎖になってしまうのか、ドキドキものですよね。でも、そもそも学級閉鎖って誰がどうやって決定しているのでしょうか?

 

「法律上では学校の設置者である自治体が学級閉鎖を決定することになっています。実際には、学校長と学校医が相談して判断し、自治体に報告・許可を得るという流れができています」

 

お休みの子が何人に達したら学級閉鎖にするといった基準はあるのですか?

 

「実は、学級閉鎖の基準に明確な決まりはないんですよ。自治体によっては『お休みの子が2割に達したら学級閉鎖を検討してください』といった通達が出る場合もありますが、ひと学年十数人しかいないような少人数の学校で2割というと、数人休んだだけであっという間に達してしまいますよね。ですので学級閉鎖は各学校が状況を見てその都度判断することになっています」

 

学級閉鎖の判断は各学校に任されていて、学校医との相談のうえで決まっていたのですね。

 

学級閉鎖の期間は曜日によっても変わる

 

では、お休みの子が増えてきた段階で、学校ではどんな対応をしているのですか?

 

「私がよくやる手段としては、感染が全体に広がりそうな様子がみえたら、まずはクラス全員の検温をし、熱が高かった子については、子供の状態を見て早退の連絡をし、インフルエンザの疑いがないか受診するよう勧めています。そのうえで、学校医に流行状況などから学級閉鎖の必要性を判断してもらいます」

 

授業時数を確保するためにも、学級閉鎖の決定は慎重に行うと玉置先生。あまり簡単に決めてしまうと、1シーズンに2度も学級閉鎖するという事態にもなりかねないのだとか。

 

「新たな感染を拡げないために、最低3日は閉鎖期間を取りたいんです。火曜日に閉鎖が決まれば、水木金+土日で5日間お休みすることになりますし、木曜日に決まれば、金だけ学級閉鎖にして、土日も外出しないようにという形でお願いすることもあります」

 

実施期間についても学級の状況を踏まえたうえで、その都度、校医との相談になるそうです。

 

元気な子も要注意!学級閉鎖中はできるだけ外出を避けて

 

元気な子は学級閉鎖中をどう過ごせばいいでしょうか?外出するのはやっぱりダメですか?

 

「一見元気そうに見える子も、本当に元気なのかな?と疑ってかかることが大切です。予防接種を受けていたり本人の抵抗力が高かったりすると、症状が出ていないだけでウイルスを持っていることもあるんです。自覚症状のないまま他の人に感染を広めてしまう危険もあるので、外出はできるだけ避けてほしいですね。できれば学童も学級閉鎖中にはお休みしてほしいです」

 

学級閉鎖になった時、学童によっては朝から子どもを預かってくれる場合もあるそうですが、感染を広げないために、学童もお休みするように指導される場合もあるそうです。では、学級閉鎖中にインフルエンザから回復したら、学校には連絡したほうがいいですか?

 

「学校によりけりだとは思いますが、連絡があると全体の流行状況が把握できるので助かります。学級閉鎖中には担任が状況を伺う電話をかけることもあるので、その際に伝えていただくのでもかまいません。その逆で、学級閉鎖中にインフルエンザを発症した場合も連絡があったほうが嬉しいですね」

 

学級閉鎖中に新たに発症した子がたくさんいたら、閉鎖の期間を伸ばすこともあるのでしょうか?

 

「学級閉鎖の期間を伸ばすことは基本的にありません。学級閉鎖中に発症した子は期間があけても出席停止期間であれば学校には来られないので、閉鎖明けから新たな感染が広がることはあまりありません。私の経験上では、学級閉鎖後には感染の波がすっと引いていくことが多いです」

 

学級閉鎖で感染の機会を減らすことには、それ以上感染を広げないためにも大きな意味があるのですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)


 

 

 

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男女別:友達同士のトラブル例と親のサポート法

男女別トラブル解決法

 

子ども同士のトラブルにはさまざまなケースがありますが、特に低学年の時期の男の子に多いケース、女の子に多いケース、それぞれ特徴があるのだそうです。そこで、男女別で多いトラブルの実例と親のサポート法について、元小学校の教員であり、大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきました。

 

【女の子の場合】物を介在としたトラブルが多発!

 

まずは女の子の場合ですが、「女の子は『物』に関するトラブルが多い傾向にあります」と塩谷先生。

 

「たとえば女の子同士でお互いの家に遊びに行くとき、お気に入りの折り紙や便箋、鉛筆、ビーズなどを箱ごと持って行き、お友達に見せるという行為をよく見かけます。かわいい物が大好きなので、自慢したくなるのですね。その中で、『1つ交換しよう!』という交換会が自然に生じることが多いです。

 

たかが折り紙1枚、ビーズ1個と思いがちですが、それが毎回となったらどうでしょう? もしかしたら、本当は交換するのが嫌だけれど、半ば強制的に交換させられていることもあるかもしれません。また、折り紙1枚でも、普通の折り紙と少し特殊な柄が入っている折り紙とでは、値段が違います。物のやり取りに関しては、親御さんも敏感でいることが大切です」(塩谷先生)

 

親のいないところで交換している場合が多いと思いますが、どのようにチェックしていればいいでしょうか。

 

「子どもの持ち物に対して、常に目を配っておくことです。『これ、◯◯ちゃんと交換したの!』と親に教えてくれる子もいれば、こっそりしまっておく子もいます。自分が買い与えた物ではない物、目新しい物をみつけたら、必ず子どもに確認しましょう。そして、できれば相手の親に電話などで連絡をして、『今日こんないい折り紙を持っていたのですが…ありがとうございます』と伝えておくといいですね。親として、物の交換を把握していますというサインにもなります」(同)

 

そのほか、旅行のお土産がトラブルのきっかけになることもあるのだとか。

 

「旅行などでお土産を買っていった場合も、よくトラブルになります。『私はもらった』『私はもらってない』という揉め事の原因となるので、学校の中や大勢いる中で受け渡しをすることは避けましょう」(同)

 

【男の子の場合】パンチ、キック…ふざけ合う中からトラブルに発展

 

男の子に多いトラブルとしては、「悪意はなくてうっかり当たってしまったパンチやキックからトラブルに発展することが多いですね」と塩谷先生。

 

「パンチといっても、真正面から相手を殴ることはほとんどありません。ふざけて戦いごっこをしていた中で、うっかり相手に当たってしまうことがほとんどです。たとえば、サッカーをしていて、ボールを蹴ろうとしたら誤って相手の足を蹴ってしまうこともありますよね。わざとではなくても、相手にとっては蹴られたことになってしまいます。そんなことから揉め事が生じるケースがあります」(同)

 

手を出した、出されたことでトラブルになったとき、どのように対応したらよいでしょうか。

 

「『そんなことしちゃダメ!』とすぐに言わないことです。そして、子どもの話を聞いてあげることですね。子どもが故意にしたことなのか、うっかり当たってしまっただけなのかは、よく話を聞いてみないとわかりません。

 

『相手を叩いてはいけません』とは言うけれど、どの程度の力からがダメなのか、ふざけあって軽く叩いた場合はいいのか、時と場合によって違いますよね。世の中のルールやマナーなど理屈で教えてもわからないことを、子どもは遊びを通して学んでいきます。どんなときにどんな行動をするのが良いのか悪いのか、直面した場面ごとに、状況を聞いて説明することが大切です」(同)

 

女の子のように物を介在とするトラブルと違って、目に見えない分難しさも感じます。

 

「小1くらいの男の子の場合は、些細なことや不可抗力が原因のトラブルが多く、もっと荒々しい暴力トラブルは小3以降でしょう。見えない部分で起きていることだからこそ、子どもなりに解決策を学んでいかねばなりません。でも、どうしたらいいかわからないので、普段と違った様子が見られたり、『ただいま』のトーンが下がったりする。そんな小さなサインを見逃さず、ゆっくり話を聞いて、仲直りができるようなアドバイスをしてあげてくださいね」(同)

 

子ども同士で起こるトラブルは、最終的には本人同士で解決していくことが大切なのだと塩谷先生。子どもが普段どんな遊びをしているかを知っておき、何でも相談しやすい環境を家庭内で作っておくことが、親ができる一番のサポート法かもしれませんね。

 

(取材・執筆:水谷映美)


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子どもの友達トラブルをこじらせない3つの回避法

 

 

 

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子どもの友達トラブルをこじらせない3つの回避法

小1友達トラブル②

 

子ども同士のトラブルは、人付き合いを学ぶための大切な経験だということが前回のお話でわかりました。

今回は、友達とのちょっとしたトラブルを大きなトラブルに発展させないための、家庭でできる回避法について、引き続き元小学校の教員であり、大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきます。

 

トラブルが深刻化しないような根底を家庭内で作っておこう

 

小さなトラブルから予期せぬ大きなトラブルに発展してしまうこともあるかと思います。何か家庭でできる回避法などはありますか?

 

「直接トラブルを回避しようと考えるのではなく、大きなトラブルに発展しないような根底を家庭内で作っておくといいと思います。そのための方法が3つあります」(塩谷先生)

 

1.子どものサインに気づき、応じる親のサインを決めておく

 

「学校で何か嫌なことがあったとき、子どもは何かしらのサインを発します。『ただいま』の言い方が普段と違う、帰宅後いつもと違った過ごし方をしている、食欲がないなど、『あれ? いつもと違うな』と気づくはずです。小1くらいの年齢であれば、嫌な気持ちを心の中にとどめておけるほど、まだ大きくはありません。そのサインに気づいたら、サインを『キャッチしたよ』という親の行動を決めておきましょう。これがひとつめの回避法です。

 

たとえば、『ただいま』の言い方がいつもと違ったな、何かあったんだなと感じたら、『おかえり』と玄関まで出て迎える、スキンシップを多めにとるなど。そして、サインに気づいたら、いつも同じ行動をするのです。子どもは、自分の発したサインが親に届いたことがわかると安心しますし、行動がパターン化されていると今後もサインを出しやすくなります」(同)

 

ただし、サインをキャッチしても、『なにかあったの?』とすぐには聞かないことが大切だと塩谷先生。少し時間をおいて、子どもと二人だけで話す機会を作るのがよいそうです。

 

「『ママと一緒にお風呂に入ろうか』『ちょっとお料理を手伝って』などと声をかけ、きょうだいもいない二人だけで話せる時間を作ると、子どもはゆっくり話をしてくれますよ」(同)

 

2.子どもへの質問の仕方に気をつける

 

二つ目は、子どもに話を聞くときの質問の仕方にコツがあるそうです。「なんで?」「どうして?」と詰問調に聞くことはNGとのこと。

 

「いざ、子どもと二人の時間ができても、質問の仕方次第では子どもの本心が聞けないことがあります。まだ語彙数も少ないので、思っていることをうまく口にできない子がほとんど。また、結論しか言えない子も多いものです。けれど、プロセスを聞かなくては、トラブルの全容は見えてきませんよね。時間を追って聞いていくのが一番です。

 

『嫌な思いはいつから続いてる?』『今日の朝? 昨日のこと?』『学校で? それとも帰り道?』などというように、時間と場所、そして誰との出来事かを具体的に質問していきましょう。『はい』か『いいえ』で答えられるような質問がポイントです。ある程度聞いていくと、◯◯が原因かな?と思い当たることが出てくるはずです」(同)

 

3.読み聞かせで仲直り法を学ぶ

 

「最後の予防法は、読み聞かせです。絵本を読むことで、子どもはさまざまな擬似体験ができます。友達同士のトラブルを題材にした絵本がたくさんありますので、そんな本をチョイスして読み聞かせすることで、ストレートに教えなくても、絵本を通じて友達との接し方を学べることがあります」(同)

 

具体的には、どのような絵本がありますか? おすすめの作品があれば教えてください。

 

「仲良しの友達と大喧嘩した男の子が主人公の話『けんかのきもち』(柴田愛子・作/伊藤秀男・絵/ポプラ社・刊)や、隣の席の子とケンカをしたから学校へ行きたくない女の子の話『となりのせきのますだくん』(武田美穂・作絵/ポプラ社・刊)など、図書館に行くとたくさんの絵本がありますよ。公共図書館にあるレファレンスというコーナーに行けば、いろいろと教えてもらえます」(同)

 

できれば避けたい友達とのトラブル。でも、家庭内でしっかりと受け止める根底ができていれば、どんなトラブルが起こっても恐れず乗り越えていけそうです。ちなみに、同じくらいの年齢の子と一緒に遊ぶ機会が多いほど、その輪の中で自然と小さなトラブルを経験し、学習していくことができます。親戚やいとこ、同じ習い事をしている子など、学校の外でも同年代の子どもと遊ぶ機会を積極的に作っておくといいそうですよ。友達とたくさんぶつかって仲直りして、共に成長していけるといいですね。

 

(取材・執筆:水谷映美)


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小1の友達トラブル、よくある4つの原因と対処法

小1友達トラブル①

 

小学生になると、保育園や幼稚園と違い、休み時間や放課後など子どもたちだけで過ごす時間が増えてきます。先生や親の目が行き届かない分、ケンカなどのトラブルも増えてくるもの。そこで、友達同士で起こるトラブルの主な原因と親ができるサポート法について、元小学校の教員であり、大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきました。

 

友達同士のトラブルは、「遊び」を通して起こる大切な経験

 

親としては、子どもが友だちとケンカしたり何かトラブルを起こしたりして帰ってくると、心配になってしまいます。けれど「小1くらいの子どもの場合、トラブルをたくさん経験しておくことが大切です」と塩谷先生。

 

「まず、友達とのトラブルが起こりやすいシーンを考えてみましょう。学校でいえば休み時間や登下校の間、帰宅後であれば、子ども同士で公園などに遊びに行った先で起こります。つまり、先生や親など大人の目が届かないときに生じることがほとんどなのです。大人から管理されていないフリーな時間に、友達との『遊び』を通じてトラブルが起こる。裏を返せば、友達と接したり遊んだりしないと、トラブルは起こらないということです。子どもが誰かとトラブルを起こしたといって、あまり気に病む必要はありません。むしろ、何のトラブルも起こらない子の方が少し心配です」(塩谷先生)

 

友達とのトラブルがあることは悪いことではなく、成長していく上で必要な経験なのですね。

 

「子どもは、小さなトラブルを通して、友達との仲直りの方法を覚えていきます。ケンカした後、どうしたらまた一緒に遊べるか、子ども自身が経験して学んでいくのです。また、『この領域まで入り込んではいけない』といった、自分と他人との人付き合いの距離感を学んでいく良い機会でもあります。小さなトラブルを経験していないと、後々になっていきなり大きなトラブルを生じさせることにもなりかねません」(同)

 

友達とのトラブルの主な原因は4つ

 

トラブルにはさまざまな要素がありますが、塩谷先生いわく、大きくわけて次の4つの原因にわけられるのだそう。

 

①物

貸した物を返してくれない、他人の物を欲しがる、自分の持ち物を自慢する、など

 

「物が原因で起こるトラブルはとても多いです。たとえば、折り紙で遊ぶときなど、子どもは箱ごと友達の家に持っていくことがあるため、友達同士で『1枚交換しよう』と交換会になるケースは珍しくありませんよね。自分の消しゴムを使わず、いつも私の物を使われて困る、という話もよく聞きます。はじめは些細なことでも、それが常習化したり大きな揉め事に発展したりすることがあるため、少し注意が必要です」(同)

 

②言葉

傷つくことを言われた、など

 

「相手を傷つける言葉には、『バカ』などストレートな悪口、性格的なことに対する悪口、身体的外見に対する悪口の3種類があります。単にふざけて言ってしまう場合もあれば、何か嫌なことをされて悪口を言う場合などさまざまですが、自分が放った言葉で相手がどう傷つくか、子どもにはまだわかりません。『相手の気持ちになって考えてごらん』は、低学年には難しいことなのです。また、アニメやテレビ番組などの影響も大きいです」(同)

 

③順番・役割

いつも自分が最後になる、◯◯ごっこをするといつも同じ役しかやらせてもらえない、遊具などで遊ぶときに順番を守らない、など

 

「子どもたちは『ごっこ遊び』をよくするので、みんながやりたい人気の役を誰がやるかでトラブルになることはよくあります。また、鬼ごっこでいつも鬼をさせられるなど、嫌な役ばかり押しつけられるケースも多いです」(同)

 

④ルール・約束

遊ぶ約束をしたのに違う子と遊んでいる、約束したことを守ってくれない、など

 

「子どもは『今』しか興味がなく、先のことは考えられません。『明日一緒に遊ぼうね』『次は◯◯をして遊ぼう』などと約束をしても忘れてしまうことが多いので、言った言わないといった類のトラブルもよく起こります」(同)

 

トラブルが起こったときの解決法は?

 

では、トラブルが起こったとき、親としてどのように対応していけばいいでしょうか。

 

「先ほどお話したトラブルの原因を見極めることです。とはいえ、1つ1つ対策を考えるのは得策ではありません。4つの原因、それぞれが関わって起こっていたり、原因が2つにまたがってトラブルに発展していたりすることも往々にしてあります。

 

まずは、子どもに順を追って話を聞いてみましょう。また、わが子の特徴から原因を推測することもひとつの手ですね。外遊びが好き、少人数で遊ぶのが好き、こういうことを言われると気にする、気にしないなど、子どもの特徴や性格をよく知っておくことが大切です」(同)

 

そのうえで、どのように子どもに解決法をアドバイスしたらいいでしょうか?

 

「小さな子どものトラブル解決策は『次に遊ぶきっかけをどう作るか』、これに尽きます。ケンカした相手とまた一緒に遊べれば、それで解決になるのです。サッカーや鬼ごっこなど外遊びの場合は、ケンカ後でも自然と一緒に同じ遊びをしやすいですが、室内遊びの場合は何かきっかけが必要なことが多いです。『さっきはごめんね、って言ってみようか』など、ケンカした相手とまた一緒に遊ぶための声掛けや接し方などをアドバイスしてあげられるといいですね」(同)

 

数々のトラブルを経験し、仲直りの方法を見つけていくことで、子どもは人との関わり方を学んでいきます。遊びの中で生じる小さなトラブルは、子どもにとって必要不可欠なことなのですね。次回は、家庭でできるトラブル回避法について、引き続き塩谷先生にお話を伺います。

 

(取材・執筆:水谷映美)


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子ども靴専門店で足を計測。速く走りたいならぴったりな靴を

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子どもの靴選び、どうしていますか? 何足も試着するのが大変で、ぱぱっと決めてしまったり、試着せずに購入してしまうなんてこともあるのでは……? それでは、サイズの合わない靴を我慢して履いている可能性もあります。また、子どもは、靴が自分の足にぴったり合っているかどうか判断するのが難しいかもしれません。

 

そこで、シューズメーカーのムーンスターがバックアップする子ども靴専門店「ゲンキ・キッズ」へ、小学2年生の息子の足のサイズを計測しに行ってきました。

 

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さまざまな角度から足を撮影して計測

 

ゲンキ・キッズは、子ども用の足型計測機「フッ撮る」を常設。しっかりと研修を受け、知識も豊富なスタッフが、足のサイズを測ってくれます。伺ったのは、「ららぽーとTOKYO-BAY」内にあるゲンキ・キッズ。入り口近くに設置されているのがサイズ計測機の「フッ撮る」です。

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まずは、子どもに裸足で載ってもらいます。今回担当してくれたのは、店長の片岡さん。まずは「何歳ですか?」と年齢を聞かれます。息子が「7歳」と答えると、フッ撮るに接続されたパソコンに年齢を打ち込んでくれます。年齢によって、足幅などが変わってくるそう。

 

「いい姿勢で、まっすぐ前を見てね」と言われてまっすぐに立ちます。

 

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「フッ撮る」は、3方向にカメラがついており、足を撮影することによって正しい足型を計測する機械です。小さな子どもはふらふらしてしまって時間がかかることが多いそうなのですが、小学生ともなれば比較的すぐに測ることができました。

 

撮影した画像はすぐにパソコンに転送され、画面に表示されます。足裏だけでなく、上から、横から撮影した画像も表示されています。この写真を使って画面上で正しいサイズを計測。内容は、紙に印刷してもらえます。

 

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計測してもらった結果「左は189mm、右は190mm、足の幅がいずれも78mmで『3E』とやや幅広です」とのこと。

 

足幅のサイズは10段階あり、標準は2Eだそう。3Eは、標準より1段幅広ということに。確かに、以前幅の狭い靴を試着した際に「きついからいやだ」と言われて断念したことがあります。「なんとなく」ではなく、きちんとサイズでわかると安心できますね。

 

「ムーンスターの場合、靴のサイズは足の計測値よりも7~10mmプラスして選びます。これはメーカーによっても違うのですが、ムーンスターの靴を選ぶなら、息子さんの場合は20cmということになります」(片岡さん)

 

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足のサイズは、小学生低学年くらいなら半年に最大5mmほど変わってしまうことがあるそう。だから、半年に1度は計測した方がよいとのこと。もっと小さな幼児になると、3~4カ月に1度が目安だそうです。

 

靴を選んでサイズの最終チェック

 

計測値に合わせて、3Eの幅の靴を選ぶべきなのかと思ったのですが、「2Eサイズでも伸び縮みする素材などを選べば問題ありません」とのこと。お店に並んでいる靴は、標準的な2Eのものが多いので、その中から好きな機能やデザインで選べるようです。

 

「僕、もう決まってる! これと、これと……」

 

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と、見た目でどんどん選んでいく息子。どれもムーンスタースーパースター「バネのチカラ。」シリーズでした。「バネのチカラ。」は、ソールに独自開発された「パワーバネ」が内蔵されていて、踏み込む力によって歩幅を伸ばし、早く走ることができる人気商品だそうです。

 

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店長の片岡さんがソールのバネについて説明すると…

「知ってるよ! これがあると速く走れるんでしょ。友だちが履いていて、教えてくれた」

 

と言います。男子は子どものころから、機能性に興味を持って、自慢したり情報交換したりするんですね……。片岡店長によると、「男の子はやはり機能に興味を持ってくれます。一方で女の子は色やデザイン重視です」とのこと。

 

息子が選んだのは3足。順に試着をしていきます。

 

インソールでサイズを再チェックしてから、いざ試着!

 

ベンチに座り、まずはサイズの再チェックをしましょう。インソールを外して床に置き、かかとを合わせてその上に載ります。「フッ撮る」で測ったとき同様に、まっすぐに立って体重をかけるのがポイント。

 

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その際、つま先に大人の小指一本分くらいの余裕があれば大丈夫なのだそう。

 

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「インソールを外してその上に載ると、目で確認できるので、親御さんも安心できると思います。子どもは、デザインが気に入ると多少サイズが合わなくても『ちょうどいい』と言ってしまうことがあるので……」

 

確かにそうですね。計測機が設置されていないお店でも、このテクニックを知っていれば安心して選ぶことができそうです。

 

インソールがぴったり合っていたら、元に戻して履いてみましょう。そのときのポイントは「かかとをトントン」として足を後ろに揃えること。

 

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「かかとを合わせて面ファスナーを留めれば、足を動かしてもぶれません。ゆとりがつま先にあるので、指をしっかり動かすことができます」

 

しっかり「トントン」をして両足履いたら、お店の中を軽く走ったり歩いたりします。「ちょうどいいけど、やっぱり横が細い気がする」と息子。

 

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次に別の靴を履いてみます。こちらは幅が3Eサイズ。こちらのほうが、息子の足幅にあっているはずです。

 

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足を入れると「スムーズに入る!」と驚いていました。履き心地だけでなく、履くときにも足幅が関係してくるのですね。

 

最後に、耐久性をアップさせたという合皮素材のモデル。

 

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履いたとたん「靴の内側がなんかやわらかくて気持ちいい」という感想。クッション性が高いのでしょうか。

 

歩いたり走ったりしてみると、「止まるときに、ぷにゅーっとする」という息子。これは、ソールのかかと部分に入っているクッションボールの効果。衝撃を吸収し、足腰への負担を軽減してくれるのだそう。

 

比較のために、今日履いてきた靴を履いて走ってみると「こっちは止まるとき『バンッ』ってする」とコメント。止まるとき体に感じる衝撃がぜんぜん違うということなんですね。

 

悩んだ結果……サイズがぴったりの一足に決定!

 

もう一度3Eサイズの靴を履き、悩む息子。「見た目はこっちなんだけど、軽さはこっちだなあ」と考えます。最後には、軽くてスムーズに履けて足の指も動かしやすい3Eのシューズ「SSJ785ブルー」に決めました!

 

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今回試着したのはすべて、ムーンスタースーパースター「バネのチカラ。」シリーズ。靴底の特殊なゴムが、蹴り出すときにパワーを発揮します。ここで、男女それぞれの人気商品をご紹介。

 

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左:SS J787 ライム(17.0cm〜24.5cm、3,300円+税)、右:SS J784 ブルー(19.0cm〜25.0cm、3,300円+税)

 

こちらは男の子用の「バネのチカラ。」シリーズの二足。今回試着したうちの2足です。左は耐久性をアップさせた最新モデルで、つま先の破れやステッチのほつれなどを防止。穴が空いたり、剥がれたりしやすいというお子さんに。

 

右のモデルは、2本のパワーバネが蹴り出す力をサポート。つま先のスパイクやグリップが徒競走などのスタート時に活躍します。

 

左:SS J776 パープル(17.0cm〜24.5cm、3,300円+税)、右:SS K768 ネイビー(15.0cm〜19.0cm、3,300円+税)
左:SS J776 パープル(17.0cm〜24.5cm、3,300円+税)、右:SS K768 ネイビー(15.0cm〜19.0cm、3,300円+税)

 

「バネのチカラ。」シリーズには女の子用もあります。左は、洋服に合わせやすいカラーリングが人気のモデル。右のモデルは、甲バンドのハートモチーフやチェックの柄がキュートです。

 

子どもが「足にぴったり合う」という感覚はなかなかわかりづらいので、専用の機械と専門スタッフさんにサイズを測ってもらえるのはとても安心。最初から合うサイズがわかっていれば、試着の回数も減って効率的です。

 

知識が豊富な店員さんに、いろいろ聞けるのもありがたいポイント。「男子」は機能やスペックが好きなのか、バネやクッションボールの話しを真面目に聞いていたのも印象的でした。

 

これから運動会という学校もあると思いますので、新学期が始まったばかりの今こそ、新しい靴を検討してみてはいかがでしょうか。

 

※子ども靴専門店「ゲンキ・キッズ」の詳細はこちら

 

(取材・文:栃尾江美/写真:島村 緑)

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