1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年11月13日の記事
親力診断テストの問題を2つ出します。
それぞれ、3つの選択肢のうち、実際の自分の行動に近いのはどれか考えてください。
ついでに、理想的なのはどれかについても考えてください。
問題1
年長さんの子どもが外から帰宅して「あ~、喉が渇いた」と言ったとします。
あなたはどうしますか?
A、子どもが「○○が飲みたい」と言わなくても飲み物を用意してあげる
B、子どもが「○○が飲みたい」としっかり言えたら、その飲み物を用意してあげる
C、自立させるために、「自分のことは自分でしようね」と言う
問題2
小1の子どもが勉強中に「暑い、暑い」と言ったとします。
あなたはどうしますか?
A、子どもが「○○して」と言わなくても、扇風機をつけたり冷房の設定温度を下げたりする
B、子どもが「○○して」としっかり言えたら、それに応える
C、自立させるために、「人に頼らないで自分でしようね」と言う
私の診断ですとAは○、Bは△、Cは×です。
読者の中には、「理想はBだと思うけど実際の自分はAだな」と考えた人もいると思います。
ご安心ください。
それは人間としてまともな人である証拠です。
相手の気持ちをよく思いやれる愛情深い人である証拠です。
「理想はBだ」と考えている人もいると思いますが、実はBはあまりよい対応ではありません。
考えてもみてください。
大人同士の間でこれをやったらどうなるでしょう?
職場、友だち同士、あるいは夫婦の間でこういう行動をしていたら、間違いなく気が利かない人と思われてしまいます。
大人の間でやってはいけないことは、親子の間でもやってはいけないのです。
なぜ、私がこういう話をするかというと、子育て中の親の中にはBやCを優先している人がけっこういるからです。
Bを優先している人は、よく子どもに次のように言います。
「『喉が渇いた』だけじゃわからないでしょ。ちゃんと『○○が欲しい』って言いなさい」
「『暑い、暑い』だけじゃわからないでしょ。どうして欲しいかちゃんと言葉で言いなさい」
「自分の気持ちを言葉で表現する力をつけさせたい」という思いから、そういうことを言うのでしょう。
でも、私はあまりやりすぎない方がいいと思います。
なぜなら、こういうやり方で表現力を伸ばすことはできないからです。
それに、こういうことを言われた方は不愉快に感じるからです。
積もり積もれば、愛情不足感が出てきて、「自分はあまり大切にされていない。わたしのことなんかどうでもいいんだ」という気持ちになってしまいます。
Cは論外ですね。
大人同士の間でこれをやったら、ただの冷たい人ということになってしまいます。
大人同士の間では、BやCではいけないことは明らかなのに、親子の間だとやってしまう人が多いです。
それはなぜかというと、「教育のため。しつけのため」という気持ちがあるからです。
でも、それによって人間同士として基本的に大切なことが後回しになってしまうと、子どもは愛情不足を感じるようになってしまいます。
小学校低学年くらいまでの時期は、まずは親の愛情を十分に感じさせることの方が大切です。自分の気持ちを的確に表現する力は、もう少し大きくなってから少しずつ身についていけば大丈夫です。
大人同士でやってはいけないことは、親子の間でもやってはいけないのです。
そして、大人同士でよいことは親子の間でもよいのです。
親がAのような行動をしていれば、それが子どものモデルになります。
親を真似することで、子どもも相手の気持ちをよく思いやって行動できる人になれるのです。
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1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
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