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年長 2017年11月16日の記事

先輩ママに聞く、「小1の壁」ってどんなもの?[Vol.3]前編

働くママも専業ママも悩む小1の壁。先輩たちはどう乗り越えた?

子どもが保育園から小学校に上がる際に直面するという「小1の壁」。保育園に比べて学童へのお迎え時間が早くなったり、時短勤務制度が打ち切られてしまったり、学校行事やPTA活動に参加する機会が増えたりと、多くの悩みが出てくるタイミング。そこで、この連載では先輩ママたちに、「小1の壁」をどう乗り越えたかをインタビュー。働くママにも専業ママにも役立つアイデアやアドバイス満載です!

 

 

<今回お話を聞いたのは…>

株式会社リクルートスタッフィング

エンゲージメント推進部 アビリティスタッフィンググループ

マネジャー 染野弓美子さん

長女(16歳)・長男&次男(12歳)・次女(4歳)

 

ママ歴16年! 18:40には退社するマネジャー

 

今回お話を聞いたのは、人材派遣会社「リクルートスタッフィング」に勤務する染野弓美子さん。入社2年目の終わりに産まれた高校生の長女を筆頭に、4人を育てるワーキングマザーです。ママになって初めて職場復帰したのは15年ほど前。今でこそ多くのワーキングマザーが活躍している企業ですが、当時はまだ今ほどは環境が整っていなかったそうです。

 

「入社4年目の4月1日に復職したのですが、まさにその日に時短制度がスタート。利用者第2号でした。最初は『時短の人に責任ある仕事を任せて大丈夫なの?』と不安視する声もあったそう。制度を活用し、たくさんの人に支えていただいてがんばることができましたが、私の実績がその後につながったことも知って、とてもうれしかったですね」

 

現在のお仕事は障がい者の就業支援。マネジャーとして12人のチームをまとめています。

 

「精神疾患で障がい者手帳を持つ方をメインに障がいを開示して働きたい人と、障がい者枠での採用を考える企業の橋渡しをしています。登録しているスタッフや企業とのやりとりはもちろん、多くの方に登録してもらうためのウェブサイトづくりなど、精神保健福祉士という専門家も含めた多彩なチーム構成でさまざまな業務を行っています。異動で未知の分野に配属されて4年目。医学的見知や経験がないことなどから最初は戸惑いもありましたが、働きたい人と企業をつなぐという意味では、健常者の就業支援と変わりません。私たちも企業側も健常者のケースに比べて一人ひとりとじっくり向き合うため、自分が関わる価値を感じることができます」

 

染野さんの一日は6時に起きて長女と自分のお弁当を作るところからスタート。8時までの間に長女・長男・次男が各自登校します。その後、次女と30分ほどふたりで過ごしてから、保育園に送って9:30に出社。18:40までには必ず退社して保育園にお迎えに行き、週に1度くらいは一緒に買い物をしながら帰宅するそうです。

 

「上の3人は習い事や塾があったりして、みんなで夕食を食べられないことも多くなってきました。また、勉強などそれぞれがやるべきこともあるので、無理せず各自のペースを大切にして生活するようにしています」

 

何もかも想像以上!バタバタで過ごした最初の1年

 

今では長女が高校2年生となり、ママ歴も長い染野さんですが、初めて経験した小1の1年間は、てんてこ舞いだったそうです。

 

「子どもが学童に入る場合、入学式よりも前に学童が始まるわけですが、まずそこで壁に当たりました。1〜3年生まで一緒に過ごすので、おとなしいタイプだった長女は3年生の迫力に圧倒されまして。さらに、同じ保育園から通う子も少なかったので、なじむのに時間がかかりました」

 

 

ママのほうも、最初は人間関係に戸惑ったといいます。

 

「入学した時点で同じ幼稚園出身者のコミュニティがすでに出来上がっていて、園の規模も保育園よりも大きいので、そこ所属するママたちの人数も多い。さらに、幼稚園ママは保育園ママより親密度も高いので、最初の半年くらいは周りのママたちとどう関わればよいのか迷った時期でした」

 

とはいえ、地域活動や学校行事を通じて、少しずつ関係性を築いていくことができたそうです。また、出勤前後の時間の使い方もかなり変わったそう。

 

「なんといっても大変だったのが学童に入ってすぐに始まったお弁当! 学童は保育園より遠かったので、早めに家を出る必要がある上に『出勤前にお弁当を作る』という仕事が加わり、慣れるまでに時間がかかりました。しかも、4月は年度初めで仕事も忙しい時期でしたし、1年生は入学後も4月半ばくらいまでなかなか給食が始まらないんですよね。

 

また、学童は保育園より閉まる時間が早く、長男・次男の保育園とダブルのお迎えだったので、1日15分程度ですが、退社も早める必要が出てきて、そういったちょっとした変化の積み重ねがじわじわときて堪えましたね。長女の入学をきっかけに、仕事の生産性について本気で考えるようになったと思います」

 

日々の学校生活では、事前に聞いてはいたものの、保育園のような手厚さが無いことに、改めて戸惑ったとか。

 

「平日の日中に組み込まれる用事が多いのには驚きました。また、行事や持ちものなど、学校からの連絡は基本的にプリントのみ。子どもの出し忘れや紛失、自分が予定に組み込むのを忘れるなどで『え!今日だった?』ということもありました。これは想像以上でしたね。学童への伝言を学校に頼めないなど、小学校ならではのルールを理解できておらず、要領をつかむまでに時間がかかりました」

 

「事前になんとなくは理解しつつも、具体的な準備ができないまま小1に突入してしまいました」と染野さん。そんなバタバタの小1生活に、あるとき事件が起きました。後編では転機となった出来事や地域活動などについてお聞きします。

 

(取材・執筆:高柳涼子)


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