塩谷 京子(しおや きょうこ)先生
現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年10月16日の記事
子ども同士のトラブルにはさまざまなケースがありますが、特に低学年の時期の男の子に多いケース、女の子に多いケース、それぞれ特徴があるのだそうです。そこで、男女別で多いトラブルの実例と親のサポート法について、元小学校の教員であり、大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきました。
まずは女の子の場合ですが、「女の子は『物』に関するトラブルが多い傾向にあります」と塩谷先生。
「たとえば女の子同士でお互いの家に遊びに行くとき、お気に入りの折り紙や便箋、鉛筆、ビーズなどを箱ごと持って行き、お友達に見せるという行為をよく見かけます。かわいい物が大好きなので、自慢したくなるのですね。その中で、『1つ交換しよう!』という交換会が自然に生じることが多いです。
たかが折り紙1枚、ビーズ1個と思いがちですが、それが毎回となったらどうでしょう? もしかしたら、本当は交換するのが嫌だけれど、半ば強制的に交換させられていることもあるかもしれません。また、折り紙1枚でも、普通の折り紙と少し特殊な柄が入っている折り紙とでは、値段が違います。物のやり取りに関しては、親御さんも敏感でいることが大切です」(塩谷先生)
親のいないところで交換している場合が多いと思いますが、どのようにチェックしていればいいでしょうか。
「子どもの持ち物に対して、常に目を配っておくことです。『これ、◯◯ちゃんと交換したの!』と親に教えてくれる子もいれば、こっそりしまっておく子もいます。自分が買い与えた物ではない物、目新しい物をみつけたら、必ず子どもに確認しましょう。そして、できれば相手の親に電話などで連絡をして、『今日こんないい折り紙を持っていたのですが…ありがとうございます』と伝えておくといいですね。親として、物の交換を把握していますというサインにもなります」(同)
そのほか、旅行のお土産がトラブルのきっかけになることもあるのだとか。
「旅行などでお土産を買っていった場合も、よくトラブルになります。『私はもらった』『私はもらってない』という揉め事の原因となるので、学校の中や大勢いる中で受け渡しをすることは避けましょう」(同)
男の子に多いトラブルとしては、「悪意はなくてうっかり当たってしまったパンチやキックからトラブルに発展することが多いですね」と塩谷先生。
「パンチといっても、真正面から相手を殴ることはほとんどありません。ふざけて戦いごっこをしていた中で、うっかり相手に当たってしまうことがほとんどです。たとえば、サッカーをしていて、ボールを蹴ろうとしたら誤って相手の足を蹴ってしまうこともありますよね。わざとではなくても、相手にとっては蹴られたことになってしまいます。そんなことから揉め事が生じるケースがあります」(同)
手を出した、出されたことでトラブルになったとき、どのように対応したらよいでしょうか。
「『そんなことしちゃダメ!』とすぐに言わないことです。そして、子どもの話を聞いてあげることですね。子どもが故意にしたことなのか、うっかり当たってしまっただけなのかは、よく話を聞いてみないとわかりません。
『相手を叩いてはいけません』とは言うけれど、どの程度の力からがダメなのか、ふざけあって軽く叩いた場合はいいのか、時と場合によって違いますよね。世の中のルールやマナーなど理屈で教えてもわからないことを、子どもは遊びを通して学んでいきます。どんなときにどんな行動をするのが良いのか悪いのか、直面した場面ごとに、状況を聞いて説明することが大切です」(同)
女の子のように物を介在とするトラブルと違って、目に見えない分難しさも感じます。
「小1くらいの男の子の場合は、些細なことや不可抗力が原因のトラブルが多く、もっと荒々しい暴力トラブルは小3以降でしょう。見えない部分で起きていることだからこそ、子どもなりに解決策を学んでいかねばなりません。でも、どうしたらいいかわからないので、普段と違った様子が見られたり、『ただいま』のトーンが下がったりする。そんな小さなサインを見逃さず、ゆっくり話を聞いて、仲直りができるようなアドバイスをしてあげてくださいね」(同)
子ども同士で起こるトラブルは、最終的には本人同士で解決していくことが大切なのだと塩谷先生。子どもが普段どんな遊びをしているかを知っておき、何でも相談しやすい環境を家庭内で作っておくことが、親ができる一番のサポート法かもしれませんね。
(取材・執筆:水谷映美)
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現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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