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生活・しつけ
年長 2017年11月17日の記事
先輩ママに聞く、「小1の壁」ってどんなもの?[Vol.3]後編
働くママも専業ママも悩む小1の壁。先輩たちはどう乗り越えた?
子どもが保育園から小学校に上がる際に直面するという「小1の壁」。保育園に比べて学童へのお迎え時間が早くなったり、時短勤務制度が打ち切られてしまったり、学校行事やPTA活動に参加する機会が増えたりと、多くの悩みが出てくるタイミング。そこで、この連載では先輩ママたちに、「小1の壁」をどう乗り越えたかをインタビュー。働くママにも専業ママにも役立つアイデアやアドバイス満載です!
<今回お話を聞いたのは…>
株式会社リクルートスタッフィング
エンゲージメント推進部 アビリティスタッフィンググループ
マネジャー 染野弓美子さん
長女(16歳)・長男&次男(12歳)・次女(4歳)
4人の子どもを育てつつリクルートスタッフィングで活躍する染野弓美子さん。前編では、仕事内容や小1の壁を感じたエピソードをお聞きしました。後編では転機となった出来事や地域活動、責任ある立場との両立についてお聞きします。
長女の異変に気づけなかったことが転機に
小1の壁と親子で闘っていた染野さんに訪れた転機。それは、入学して数カ月が経った頃に、長女がマイコプラズマ肺炎にかかったことだったそう。
「近くのクリニックでは風邪という診断だったので油断していたんですよね。熱が下がっては登校し、学校で熱が上がる。これを何度かくり返しまして。数日後に連れて行った大きな病院で『お母さん、これ肺炎ですよ』と言われたときはショックでした。適切な薬ですぐによくなったのですが、もっと早く気づいてあげていれば、と娘に申し訳なくて。『無理させちゃったんだな』と反省しました」
このことが、走り続ける日々の中で少し立ち止まり、子どもとの接し方を考えるきっかけになったそうです。
「双子の弟が生まれて以来、『お母さんを独占したい』という気持ちが高まっていたのは感じていたものの、仕事も双子の育児も忙しくて応えられていませんでした。そこで、小学校の平日休みに合わせて有休を取って一緒に外出するなど、二人きりの時間をたくさん取りました。行き先は動物園など、長女の希望に合わせて。そうしている間に本人の成長や学校の友だちとの仲が深まったこともあって、精神面でも少しずつ落ち着いてきました」
長女の小1の壁を経験した5年後に、双子である長男と次男が入学。その時も壁は感じたのでしょうか。
「経験から予測できることも多く、壁はほとんど感じませんでした。本人たちも姉にいろいろ聞いて、心の準備をしていたようです。また、保育園の仲良し7〜8人が同じ学童に通っていたことも心強かったです。感覚的には保育園から続く『放課後のホーム』。全員揃って3年間の学童生活をめいっぱい満喫しました。いたずらやケガ、ケンカなど、男の子ならではのトラブルもありましたが、今もいい関係が続いています」
一方、勉強に関しては、長女の時とは違った大変さがあったとか。
「低学年の頃にしっかりと勉強する習慣を身につける大切さを実感していたので、しっかり関わるように意識はしました。しかし、双子の音読を聞いたり、九九を暗唱させるなどは、なかなか大変ではありましたが……(笑)。その一方で、長男次男は、早い時期にカギを持ちたいと言い出したので、予想外の早さで退社後の学童へのお迎えはなくなりました。こうして正反対の2つのケースを経験したので、4人目はうまくやれる気がします!」
子どもによって、大変だと感じるポイントや、自立への道のりはそれぞれで全く違うものなのですね。
「小1の壁」の先の新しい世界。親子で成長の機会に
PTA活動についても心配なママは多いようですが、どう対応したのでしょうか。
「PTAではなく学年委員だったのですが、小学校の役員の集まりって、当時は平日の昼間が多かったんですよね。そのため、役員や委員を引き受けても、平日の日中は参加できないことが多いことは、最初に伝えました。その代わりに、学校の新聞をつくる係やバザーの看板づくりなど、自宅でできる作業を多めに引き受けるなど、できる限り休日や夜にできることを担当させてもらい、ほかのママとも関係性を作っていくようにしました」
仕事が忙しいからと言って自分の要望ばかりを通そうとせずに、誠意を持ってできることに協力する姿勢。染野さんの高いコミュニケーション力があってこそのことかもしれませんが、ぜひ見習っていきたいものです。
「小学校で、子ども同士も親同士も、多様な価値観の人たちと一緒にやっていくのは、大変といえば大変ですが、この多様性こそが公立小学校のよさ。さまざまな年代が集まる町会も含めて本当の意味での社会であり、新しい出会いにつながることもあります。親子とも幅広い考え方に触れ、集団の中で生活していくということを身につける機会ととらえています」
時間が限られてしまうからこそ、仕事の内容は濃く
現在は18:40退社が基本の染野さんですが、子育てする中で働き方や仕事に対する考え方はどのように変化していったのでしょうか。
「目標があれば夜遅くまででもがんばるタイプでしたが、そういう働き方は今はできません。時間の区切りで帰らざるを得ないので、それが原因で迷惑をかけるのは避けたい。仕事の密度を高めるようにしています」
今はマネジャーとして人を育てるのも仕事の一つ。適切な指示を出す「上手な頼り方」を心がけています。
「たとえばチームのメンバーに何かをお願いする場合には『手が空いているときにお願い』ではなく『○日間でやってね』『○日に声をかけるので途中経過を教えて』という頼み方で、Todoや優先順位を具体的に共有します。また、メールは基本的にすぐ返信。『対応できる/できない』の判断はもちろん『わからない』『もっと情報がほしい』などの返答も早く。来たボールはすぐに投げ返して相手が行動できるようにしています」
また、スケジュールには余裕を持たせるようになったそうです。
「1〜2割くらいの空白を意識して設けています。そうすると、たとえばミーティングでもしっかり準備の時間が取れるので、質が高まって結果的に効率がアップします。多くの人が関わる仕事ほど効果的です。思考も整理したほうが効率がいいので、移動時間を利用して家族や仕事のスケジュールを忘れないように整理したり、考えをまとめたりしています」
「私が正解かは分かりませんが」と前置きしつつ、豊富な経験や考え方を披露してくださった染野さん。忙しい毎日を感じさせない柔らかな笑顔が印象的でした。
(取材・執筆:高柳涼子)
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