力をあわせよう!みんなでいっしょにがんばりたくなる絵本

 

秋が深まってきました。年長さんにとっては、園生活最後の秋。園のお友達と過ごす月も残りわずかです。芋掘り遠足や発表会、ふだんの遊びの中でも力をあわせていっしょに何かできたら、素敵な思い出になりそうですね。みんなで力をあわせたくなる絵本を紹介します。

 

ひとりひとりの力が大切!『あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま』

 

 

 

『あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま』(イ・ヨンギョン文・絵、かみやにじ訳)は、縫い物がとても上手な、頭に赤い手ぬぐいをかぶっている奥さんと、その7つの道具のお話です。「7にんのなかま」は7つの道具のこと。奥さんの部屋にはいつも、ものさし、はさみ、はり、いと、ゆびぬき、のしごて、ひのしという「7にん」がいました。

 

ある日、奥さんがうたた寝をしているすきに、ものさしふじんが「うちの奥さんがお針が上手なのは、なんといってもわたくしがいるからですわ」「いちばんだいじなのは、このわたくしですよ!」と主張をはじめたことから、大騒ぎがはじまります。物差しがないと寸法は測れないけれど、はさみおじょうさんがいないと布は切れないし、はりむすめがいないと針で布を縫い合わせることもできません。いとねえさんも、ゆびぬきばあちゃんも、のしごとおとめも、ひのしねえやも、みんな口々に、我こそはいちばん大切だといって争います。目をさました奥さんは、腹を立てて7つの道具を裁縫箱にほうりこんでしまいますが……?

 

表情ゆたかで味わいのある絵が魅力の、韓国の絵本。7つの道具をあらわす、むすめさんたちの口げんかはかわいらしく、声に出してせりふを読むのが楽しい絵本です。7つはそれぞれ自慢できる能力をもっているけれど、全員そろわなければりっぱな針仕事はできないし、力をあわせなければ一枚の洋服は作れないのだ、と子どもにわかりやすく教えてくれます。

 

「すまなかったね。おまえたち、ひとりひとりが、みんなたいせつだってことをわすれていたよ」そう奥さんにいわれて、照れくさそうに笑う「7にんのなかま」の場面は見どころです。お話の最後に「7にんのなかまがそろったよ」とうたいあげる素敵な詩がありますよ。歌うようにリズミカルに読んでみてくださいね。

 

でっかい長いお芋、折らずに掘り出せるかな?『14ひきのやまいも』

 

 

『14ひきのやまいも』(いわむらかずお作)は、子どもたちに大人気のロングセラー、14ひきシリーズの中の1冊。「おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そして きょうだい 10ぴき。ぼくらは みんなで 14ひき かぞく。」このおなじみの言葉からはじまります。いつも一家そろって「力をあわせる」姿が描かれる14ひきシリーズですが、中でもこの本は、特別! だって、でっかい長ーいお芋をひっぱって地中から掘り出すんですから。

 

秋の実りがいっぱいの山の中を、そろって出かける14ひき。木の実、見つけた。草の実、見つけた。収穫物はいっぱいです。その中でもみんなの知恵と力が必要なのは、山芋掘り。みんなで落ち葉をどかして、ザックザック、シャベルで土を掘ります。山芋が土の中から顔を出しましたよ。さて、山芋はどれくらい深いところまでのびているのかな……?

 

折らないようにまわりの土をかきだして、最後はみんなでつなひき! 力をあわせて、でっかい山芋を、えいさ、えいさとひっぱります。とうとうひっぱりあげた、どろんこ山芋。どろんこ14ひきの誇らしそうな顔。竹を組んだおみこしに山芋をのせ、わっしょい、わっしょいとかついで帰って、おいしい夕ご飯のはじまりです。

 

力持ちは力持ちらしく、小さい子は小さい子らしく、みんなそれぞれできることを精一杯がんばるねずみたちの姿は、きっと子どもに何かをおしえてくれるのではないでしょうか。最後に描かれる、食卓を囲む14ひきの、ほっとするようなあたたかい食事のシーンは「いつものかけがえのない時間」を伝えます。がんばったあとのごはんやおやつは最高ですね。「みんなでがんばった!」「みんなでやったね」という経験が、園生活の思い出になりますように。

 


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知恵と勇気。最後まであきらめないことを教えてくれる本

絵本連載_第15回

 

運動会に学芸会とイベント続きの秋。みんなが活躍できたらいいけれど、なかなかそうはいかないことも…。でも、こんな本を読むと、最後まで何が起こるかわからないし、あきらめずにやってみようと思えるかもしれません! 2冊ご紹介します。

 

チームで一番小さな子にも出番が巡ってきます!『ちびっこ大せんしゅ』

 

 

『ちびっこ大せんしゅ』(シド・ホフ 文と絵)は、野球のチームのなかで一番小さな男の子、ハロルドのお話です。「あんたはかえったほうがいいんじゃない?」「まだ小さすぎるんだもの。らいねん、またくるといいわ。」とショートを守っている女の子、シャーリーに言われますし、「きみなんか、もう、こなくてもいいよ。」とのっぽの男の子、ファーストを守るレオンに言われます。

 

ハロルドは一生懸命練習しますが、内野ゴロは取りそこなうし、うまくバットをふることもできません。いつも控えのベンチに座って、試合を眺めるばかりでした。でも、ある試合でレオンが足をいため、ハロルドに出番が回ってきます。0対0のまま、9回裏の攻撃。「きみのでばんだ!」とコーチに言われたハロルドは……?

 

『ひとまねこざる』のシリーズや『ちびくろ・さんぼ』『はなのすきなうし』など数々の名作を世に送り出した、光吉夏弥さんによる翻訳幼年童話。文と絵ともに、ニューヨーク生まれのマンガ家、シド・ホフが書いています。シド・ホフは子どもの本を50冊以上書いているそうですが、中には野球のお話がいくつかあり、この『ちびっこ大せんしゅ』はとくに野球好きのちびっこには楽しいお話です。もちろん、野球のことをよく知らなくても、まわりからバカにされても野球をやめず、チャンスが来たときバッターボックスで思い切りバットをふったハロルドの姿は、子どもの心にヒットするにちがいありません!

 

小学校1年生のひとり読みにぴったりの幼年童話。背が低いことや、小柄なことを気にしている子がいたらぜひ読んでほしいお話です。「きみは、からだが小さいので、くよくよしているようだが、せがひくくても、大せんしゅだったのは、たくさんいるんだよ。」コーチのロンバルドさんが、ハロルドを励ますように、がんばっている子に声をかけてあげたくなります。さて、ピンチヒッターとして打席に入ったハロルドが、どんなふうに知恵を使ってチャンスを物にしたのか、ぜひ本を読んでみてくださいね!

 

三日三晩、怪物と相撲。勝敗を分けたのは…。『ゴナンとかいぶつ』

 

 

次にご紹介するのは、モンゴルの子どもたちに親しまれている昔話『ゴナンとかいぶつ』(イチンノロブ・ガンバ―トル文、バーサンスレン・ボロルマー絵)です。

 

昔、モンゴルの草原にゴナンという男の子が住んでいました。小さい頃から力持ちでしたが、あるとき恐ろしい怪物マンガスが村をおそい、宝物や家畜を奪っていったのを見て、「ぼくがマンガスをやっつけにいく!」と決意します。ゴナンは、かしこい白い馬にのって、出かけていきました。赤い地獄海や、通り抜けようとすると骨が矢のようにつきさしてくるガイコツ山。苦難を力いっぱいのりこえて、マンガスの家にたどりつきます。弓比べにかけくらべ、そしてついに相撲で決着をつけることになりますが、ゴナンは怪物マンガスに勝てるのでしょうか…!?

 

モンゴル人作家と画家により描かれた絵本は、ゴナンの生き生きした姿はもちろん、赤い地獄海、ガイコツ山などダイナミックな絵が臨場感たっぷり。人々が暮らす緑豊かな土地と、マンガスが住む赤く乾ききった岩の大地の絵に、自然の美しさときびしさを感じます。人の力ではあらがえない大きな力が暮らしをおびやかす…、でもそんな中で、ゴナンは持てる力をすべて出して、マンガスに勝負を挑みます。三日三晩の相撲の末、勝敗を決したのは、なんとかしこい白い馬の一言でした。

 

表紙に堂々と大きく描かれた怪物マンガスは、迫力たっぷり。この怪物と戦う気持ちになれば、たいていのことには立ち向かえる…かもしれません!? まわりの助言に耳を貸すことも大事。そして、何よりあきらめずに戦う勇気を教えてくれる絵本です。

 


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褒めるときは褒めたままで終わろう。余分なひと言で台無しにしないで

親野先生_第46回

 

問題を3つ出しますので、選択肢の中から自分ならどうするかを選んでください。

正しい答えや理想はどれかということではなく、日頃の自分の行動を振り返って、自分の実際の行動に近いものを選んでください。

 

日常でよくあるシーン、あなたはどう答えてる?

 

問題1

 

いつも近所の人に挨拶できない子が、小さな声で「こんにちは」と挨拶できました。

あなたは何と言いますか?

 

A,もっと大きな声で言わなきゃね

B,挨拶ができたね

C,挨拶ができたね。次からはもっと大きな声で言えるといいね

 

問題2

 

お出かけの準備ができて、「はやく行こうよ」と急かす子。

あなたは何と言いますか?

 

A,なんでそんなに自分勝手なの?弟がまだなんだから待ってあげなきゃダメでしょ

B,もう準備できたの?はやいね

C,もう準備できたの?はやいね。いつもこうだといいね

 

問題3

 

宿題の日記が書けて見せにきた子に何と言いますか?

 

A,なんなのこの字は?もっと丁寧に書かなきゃ読めないでしょ

B,遊んだときの様子がよくわかるように書けたね。楽しかったんだね

C,遊んだときの様子がよくわかるように書けたね。字も丁寧だといいんだけど

 

冷静に考えれば、正しい対応がわかるけど…

 

いかがでしたか?

私の経験ですと、3問ともAになる人が多いはずです。

 

このような問題を文字で読んで、冷静に考えられるときは、正しい対応がAではないことがわかります。

 でも、日頃の実際の行動ではAの人が多いのです。

 

褒めるべきところで叱ってしまっている人が多い

 

Aが多い人は、気をつけてください。

これでは子どもを伸ばすことはできません。

褒めるべきところでほめていないどころか、逆に叱ってしまっているのです。

これでは、子どもは切ないですね。

 

Bは、認めるべきところで認め、褒めるべきところでほめています。

日頃からBのように言えるといいですね。

 

余分なひと言で、褒められた嬉しさがなくなる

 

Cは、最後のひと言が余分ですね。

これだと褒められてうれしいという余韻がなくなって、「もっとこうしなきゃ」と言われたという意識が残ってしまいます。

 

親はつい余分なひと言を言ってしまいがちですが、そんなことを言わなくても子どもは十分わかっています。

 


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 

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先輩ママに聞く、「小1の壁」ってどんなもの?[Vol.2]後編

子どもが保育園から小学校に上がる際に直面するという「小1の壁」。保育園に比べて学童へのお迎え時間が早くなったり、時短勤務制度が打ち切られてしまったり、学校行事やPTA活動に参加する機会が増えたりと、多くの悩みが出てくるタイミング。そこで、この連載では先輩ママたちに、「小1の壁」をどう乗り越えたかをインタビュー。働くママにも専業ママにも役立つアイデアやアドバイス満載です!

 

小1の壁_vol.2_

 

〈今回お話を聞いたのは…〉

フリーアナウンサー

岡本安代さん

長女(15歳)・長男(14歳)・次女(12歳)・次男(10歳)・三男(7歳)

 

鹿児島を拠点としたフリーのアナウンサーとして、料理番組や情報番組への出演、講演会、専門学校の講師と、さまざまな仕事を担当してきた岡本さん。前編では、子どもが小1を迎えた時の気持ちや心構えなどについてお聞きしました。後編では、5人の子どもたちの成長に伴って、岡本さんの働き方がどう変わってきたかを伺います。

 

年長の長女の言葉が、働き方を見直すきっかけに!

 

結婚を機に、鹿児島読売テレビを一度退職した岡本さん。すぐに第1子を妊娠しますが、産後4ヶ月ほどで週末のみ報道の現場で仕事復帰。その後2年おきに妊娠し、出産後数ヶ月で復帰…と、第4子の出産後まで、この流れを繰り返していたのだそうです。

 

「週末だけとはいえ、報道の仕事はとにかくハード。ニュースを読むだけではなく取材も担当するので、事故・事件がないか鹿児島県内の47の警察署に電話して確認したり、選挙の時は朝8時から夜中の3時頃まで家に帰れないことも。火事が起きたら夜中の授乳中でも駆けつけなくてはならず、体力的にフラフラだし、気持ちの面でも、私のことを必要としている幼い子どもたちが家にいるのに、この働き方でいいのかなと悩んでいましたね」

 

ちょうどその頃、年長になった長女から思いがけない言葉が。

 

「長女が『お母さんがずっと家にいないのは嫌だ。寂しい』と言ったんです。小さい頃の駄々をこねる感じとは違う、切実な思いを感じたので、これは受け止めないといけないなと思いました。

 

年長〜小学生になる頃には、子どももはっきりとした自分の意志を持つので、言葉でのコミュニケーションがより大切になる。それまで以上に、子どもの気持ちをしっかり汲み取ることが必要なんだと改めて思いました」

 

小1入学は、自分のこれからを考えるいいタイミング

 

長女の言葉をきっかけに、報道の仕事からは退き、仕事のスタイルを変えたのだそう。偶然ではあったものの「小1の壁」を前に、働き方を見直すことになりました。

 

「私はありがたいことに好きなことを仕事にできているので、どんな形であれずっと続けていきたいと思っています。生涯現役でありたいんです。長く働き続けるためには、家族の理解が必要不可欠ですよね。家族に快く応援してもらうためには、自分の意志だけでなく、家族の気持ちを優先して働き方を見直すことがあってもいいと思います」

 

報道の仕事は退いたものの、産前から続けてきた料理番組は継続。岡本さんの街歩きが好評の情報番組のレギュラー、専門学校の講師など新たな仕事も増えました。さらには「ママウンサー」の強みを生かした、育児にまつわる講演会の依頼、著書の発売など、着実に仕事の幅は広がっています。

 

岡本さんの場合、フリーで活躍しているからこそ仕事量を自分で調節でき、それがフリーランスの最大のメリットでもあります。でも、最近はフレキシブルな働き方を推奨している会社も増えてきているので、会社員のお母さんでも、子どもに手がかかる時期だけは忙しくない部署に異動願いを出したり、小1入学を機に再び時短に戻したり、入学直後だけ在宅勤務にするなど、可能な範囲で、一度立ち止まって働き方を見直してみるのもいいのかもしれません。

 

「子どもが小学校に上がり、生活環境が変わるこの時期だからこそ、自分がこの先どのように働きたいのか、そもそも働き続けたいのか。自分のこれからを考えるいいタイミングなのだと思います。私も、娘の言葉がきっかけでしたが、あの時に大きな決断をしてよかったなと今は思っています。

 

お母さん自身が、子どもの小学校入学を機に、キャリアプランを見直し、自分が今後どう仕事をしていきたいのか、自分にとって大切なのは何なのかを考えてみる。そのようにして自分の思いが明確になれば、大変なことがあっても乗り越えられますよね。『小1の壁』を乗り越えるためには、お母さん自身が自分を見直すことも、大事なことの1つなのかもしれません」

 

「小1の壁」でお母さん自身の自己分析をするというのは新たな視点!岡本さんならではのアドバイス、ぜひ参考にしたいと思います!

 

(取材・執筆:野々山幸)


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親子で楽しく体を動かす習慣が、体育好きの子を育てる

舟山先生12_体育

 

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。

秋はスポーツをするのに絶好の季節。今回のテーマは「体育」です。体育は、学校の教科の中でも苦手意識が芽生えやすい科目。親御さんの中にも、子どもが体育の授業がいやにならないか、気にされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

1年生の体育のねらいは「運動に親しむ基礎をつける」こと

 

1年生が学習する内容は、それぞれの学校の「年間学習計画」に沿って行われており、その「年間学習計画」は学習指導要領をもとにしています。

1、2年生の体育の授業の大きな項目としては「体つくり運動」、「器械・器具(マット・鉄棒・跳び箱など)を使っての運動遊び」、「走・跳の運動遊び」、「水遊び」、「ゲーム(ボールゲームや鬼ごっこなど)」、「表現リズム遊び」があり、地域によっては、スキーやスケートなどの運動も加わります。

 

これらの項目を見ておわかりのように、1、2年生のうちはどれもが「○○遊び」とつく運動内容になっています。その目的は、いろいろな運動を楽しくできるようにして体力をつけることと、だれとでも仲良くして、意欲的に運動をする態度を育てること。運動が苦手でも、生涯にわたって運動に親しむ基礎をつけるという意図からです。

現代の子どもたちは、外遊びや昔遊びをする機会が減ったことで、以前よりも運動能力が低下しているため、そうした場や機会を作るという意味もあるでしょう。学校では、とにかく「多様な動き」を意識した体育の授業を組み立てています。

 

ただ、それはあくまで学校側の設定する目標であって、家庭での「運動」や「体育」に対する思いは、もう少しニュアンスが違ってくるとかもしれません。

運動が得意だった親御さんは、子どもがあまり運動をしないと心配します。逆に運動が苦手だったという親御さんも、つい自分の子ども時代の体育の授業への思いを重ねてしまい、心配しがちです。特に「走る競争」などの順位が出るもの、「鉄棒」「なわとび」「跳び箱」などの「できる」「できない」が見てわかるものに神経質になってしまうものです。

でも、1年生のうちは、子どもが楽しく運動していればそれだけでOKと考えていただければと思います。

 

子どもの運動能力が低下しているのは本当?

 

最近は、子どもの運動能力が低下していると言われていますが、実際、小学校で子どもたちを見ていると次のようなことが気になります。

 

①教室でイスに座っているときに、腰がずり落ちている感じで座っている

②整列したときに、まっすぐに立てない

③先生が模範を示した動き(腕を左右に広げたときの手のひらの向きや、片足で立ったときのひざの角度など)をまねできない

④ころんだときに、とっさに手が出ず、頭から地面についてしまう。

 

②は骨盤が立っておらず「体幹」を維持できないということを意味します。これは姿勢を保つ筋力が発達していないためで、①も同様です。③は、見た通りの動きを自分の体で再現できていないということであり、④は「反射」に関係します。

こうした基本的な体力や運動能力がないと、いくら「楽しく」といっても、できないことが多くて苦手意識が育ってしまうことも考えられます。そうならないためにも、日ごろ家庭で体を動かす習慣を作ることが必要です。

 

家庭で楽しく体を動かす習慣を作る3つの遊び

 

だからといって、家庭では学校の体育の「運動」そのままに練習をするのではなく、日常生活の中で、以下のような親子でできる遊びや動きをしてみるとよいと思います。

 

「じゃんけん」

親が出したじゃんけんの後に、子どもがそれに勝つ手や負ける手を出す後出しじゃんけんや利き手を替えて行うなど。

 

「ゴロゴロころがり遊び」

ふとんや芝生の上で転がったり、シーソー遊び(向かい合って座り、手を引っ張り合う)をする。最後は三点倒立(頭・両手をつく)にもチャレンジしてみる。

 

「親子ふれあい遊び」

・親はバンザイして立ち、子が親によじ登る。

・親がトンネルになり、子がその中をくぐる 

・親が岩になり、それを子が倒す。 

・親子で向かい合って両手をつなぎ、そのまま子が逆上がりのようにしてくるりと回る。

・朝、歯を磨くとき、親子とも利き手と逆の手を使って行う。 

・靴下をはくときに、片足で立ったまま、どちらが早くはけるか競争する。  

・足指でじゃんけんをする。 

・ゴミ箱に、丸めた新聞紙などを入れられるか競争する  

・背筋を伸ばして、後ろ歩きをする。

・ペンギン歩き(ひざで歩く)をする。 

 

鉄棒やなわとび、かけっこなどに特化した動きをしゃかりきになってさせても、親はイライラし、子どもはやる気をなくす…ということがよくあります。遊びの延長として、日常生活のちょっとした時間できることを、親子で楽しくやってみてください。親御さんが楽しく(しかも真剣に!)動くことで、子どももにこにこしてたくさん動き、「あー、楽しかった!」という気持ちになれる、それが理想です。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 

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家庭でできる年長児の入学準備[その5]「右」「左」の教え方

右左の教え方

 

子どもが小学校に入学するまでに身につけたいことのひとつに、「右」と「左」を判断する力があります。生活の中で子どもが「右」「左」を自然に覚えられる方法について、子育て支援士の田宮由美さんにお話をうかがいました

 

小学校で「右」「左」の言葉が使われるシーンとは

 

子どもが小学校に入学すると、どのようなときに右、左の言葉を聞くようになるのでしょうか。

 

「小学校の授業では、先生が子どもたちに『プリントを左にまわしてください』『右にならえ』『廊下を左に曲がりましょう』などと行動を促すときに使います。また、文字の書き方を教えるときにも『右にはらう』『左にはねる』などと使われるでしょう。このとき、子どもが右と左をすばやく判断して行動できれば、小学校生活や学習にも、よりスムーズになじむことができますね」(田宮さん)

 

大人は、右と左の区別が当たり前のようにできますが、「右」「左」という言葉に慣れていない子は、わかりませんよね。子どもに右と左をわかりやすく教える方法を3つ教えていただきました。

 

【1】日常生活の動作のシーンで右、左の言葉を使う

 

「生活の中で、子どもに『右』と『左』の言葉を使って声かけをすることで、自然に左右を覚えられます。 次のように、子どもに動作を促す場面で使うのがコツです。最初は、言葉とともに右、左を指さしながら伝えると、聴覚と視覚の両方を使うので記憶に残りやくなります」(同)

 

道を歩いているとき

「道を歩くときは、右側を歩くのよ」

「次の信号を左に曲がろう。左はどっちかな?」

 

遊ぶとき

「○○ちゃんの左にある、絵本を取って」

「右の箱には人形、左の箱にはブロックを入れてね」

 

お手伝いをお願いするとき

「ごはんは左、おみそ汁は右に置いてね」

「ハンカチを右の引き出しに入れてちょうだい」

 

「このように、生活の中で意識的に右、左の言葉を使ってみてください。ポイントは、“次の行動”につなげる言葉をかけることです」(同)

 

ママの言葉を聞いて、子どもが「右はこっち」「左はあっち」と自分で判断できるように促せばいいのですね。

 

【2】親子で旗上げゲームの遊びをする

 

楽しい遊びを通して、右と左を覚えられる方法もあるのだそう。

 

「右手、左手でそれぞれ旗を持ち、上げ下げする遊びがおすすめです。ゲーム感覚でできて、子どもが喜びます。紙や割り箸などで手作りの旗を作ってもいいですし、手を上げ下げするだけでもいいですよ」(同)

 

《遊び方》

「右上げて。左上げて♪ 右下げないで、左下げて♪」というように、リズムにのって遊びます。慣れてきたら、だんだんテンポを早くしていくと盛り上がります。

 

「子どもにやらせるだけではなく、ぜひ親子で遊んでみてください。わざとママが間違えてあげると盛り上がります。子どもがさらに興味を示し、熱中してくれますよ」(同)

 

【3】手首にリボンやブレスレットの目印をつける

 

「おはしを持つほうが右(または左)」など、基準を決める方法もあると思うのですが、小さな子どもは、利き手が決まっていないこともありますよね。どうすればいいでしょうか?

 

「どちらかの手に目印をつける方法がいいですよ。例えば、子どもの右手首にリボン巻いて目印にします。そして、『リボンのついている方の手が右手よ』と伝えてください。その後、リボンを外しても、『右手』と言われると、『リボンのついていた方の手』と覚えています」(同)

 

「こっちが右」と視覚や手首の感覚で記憶に残るのですね。この方法は、幼稚園などの集団競技の指導で、ときどき採用されているのだそう。

 

「特に運動会でのクラス全員でするダンスや体操では、先生が『右手を上げて』『左手を大きく回して』などと、指示を出します。そのとき、全員が左右をすぐに判断できるように、どちらかの手にリボンなどで、目印をつけておくのです。そうすると、子どもはすぐに判断できますね。『右手、リボンのついている手を高く上げる』と言うと、子どもたちはすぐに正しく右手を上げられます」(同)

 

リボン以外にも、ブレスレットをつけたり、太い裁縫用のゴムにフエルトの車やリンゴなどかわいいワッペンやアップリケをつけたりしてもよいといいます。

 

「目印をつける方の手は、どちらでも構いません。子どもが自分でつけやすいように、左手にしてもOKです。お子さんが生活の中で右と左を楽しく覚えられるように、工夫をしてみてください」(同)

 

一度だけ「右はこっち」と伝えても、子どもの記憶にすぐ定着しないもの。子どもが間違えたとしても責めずに、「逆だね。ママもよく間違えるのよ」とやさしく伝えて欲しい、と田宮さん。楽しい遊びや生活の中でくり返し伝えていきたいですね。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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先輩ママに聞く、「小1の壁」ってどんなもの?[Vol.2]前編

子どもが保育園から小学校に上がる際に直面するという「小1の壁」。保育園に比べて学童へのお迎え時間が早くなったり、時短勤務制度が打ち切られてしまったり、学校行事やPTA活動に参加する機会が増えたりと、多くの悩みが出てくるタイミング。そこで、この連載では先輩ママたちに、「小1の壁」をどう乗り越えたかをインタビュー。働くママにも専業ママにも役立つアイデアやアドバイス満載です!

 

小1の壁_vol.2_

 

〈今回お話を聞いたのは…〉

フリーアナウンサー

岡本安代さん

長女(15歳)・長男(14歳)・次女(12歳)・次男(10歳)・三男(7歳)

 

「小1の壁」ではなく「小1の扉」と受け止めて前向きに!

 

元鹿児島読売テレビのアナウンサーで、現在は鹿児島を拠点にフリーアナウンサーとして活躍する岡本安代さん。三男二女の子だくさん「ママウンサー」としても知られ、その育児への奮闘ぶりと熱いキャラクターは、バラエティ番組の密着取材を受けるなど、大きな注目を集めています。

 

これまで、5人の子どもたちの「小1の壁」を越えてきた岡本さんですが、どんな気持ちで「小1」を迎えたのでしょうか?

 

「小1になって突然自分で学校に行きなさい、宿題しなさいだと子どもも戸惑うと思うので、年長から少しずつ意識改革をしました。ちょうど幼稚園、保育園で最高学年になり自覚も芽生えます。家でも主体的に何かできると『さすが年長になると違うね〜!』と、積極的に声かけ。小学校入学後に自分の身の回りの準備や宿題を、自ら進んでできるようなベースを早くから作りました。

 

『小1の壁』と聞くと、お母さんだけの問題のように思ってしまいがちですが、そうではないと思うんです。年長から小1という大きな変化の中で、子どもにも成長してもらって、共に小1の扉を開けるという気持ちで臨むのが良いのではないかと思います」

 

「小1の壁」を前向きに乗り越えるために、岡本さんは「年長からの声かけ」を意識していたのですね。また、親があまり不安に思いすぎると、子どもにもその不安が伝染するのではないかとのこと。

 

「『これから小1の壁だ』と親が不安に思いすぎると、子供にもその不安が伝染してしまい、それが最初のつまづきになってしまうと思うんです。あまり問題視せずに『ついにこの時が来たか!』と親が前向きにとらえることが大事かなと思います」

 

PTA活動は、仕事を休めなくてもできることを提案する

 

実際に小学校に通い出してからは、岡本さんも多くのお母さんがぶつかる問題に直面します。

 

まず、学童については「3年生まで通った子もいれば、最初の選考にもれた子、学童内の人間関係が嫌で行きたくないと言い出した子も」と5人5様の展開に。特に長女が小1の時は、仕事をしつつも弟、妹の出産が続き、放課後の預け先に困ったことも。

 

「最初は私の実家に預けたのですが、1年生の2学期頃から本人が家で留守番を頑張りたいと。最初は心配でしたが娘を信じて『ピンポンが来ても絶対に出ない』、『火は触らない』などのルールを決めて、1人で留守番を頼んだこともありました。

 

最近では、私の帰りが遅くても、兄弟みんなで協力して待っていてくれるので心強い限り。とはいえ、一番下の三男はまだ2年生ですし、放課後の過ごし方は模索する日々ですね」

 

また、平日に時間が取られやすいPTA活動も大きな壁に。アナウンサーとして活動する岡本さんは、一度収録が決まると変更は難しく、PTAの集まりが重なってしまい焦った経験もあるそう!

 

「その場合は素直に申し出ますが、必ず『他に自分ができることはないか』を確認するようにしますね。PTAはみんなが子どものために善意で活動している、いわばボランティア。仕事がある人もいれば、小さな子どもがいて集まりに来るだけでも大変な人もいます。それは仕方のないことなので、どうしてもという時は、無理をしなくてもいいのかな…と思いますね。無理をすると続かないですからね。

 

その代わりに、もし集まりに出られないなら『議事録まとめますよ』とか『保護者に配布するプリント作りをやらせてください』など、当日参加できなくても自分ができることを提案することが大事かなと思います。これは仕事と同じですが、積極的に協力する姿勢を見せて、周りのママたちとの信頼関係を築くことが第一なのではないでしょうか」

 

多様な価値観に触れる学校生活は社会に出るための予行演習

 

最後に、ずばり、岡本さんが思う幼稚園、保育園と小1の最も大きな違いとは?

 

「小学校には多種多様な子どもたちが集まる、ということでしょうか。小学校は、同じ学区に住んでいるというのが唯一の共通点で、家庭環境も違えば、保護者の価値観も様々。幼稚園、保育園はある程度似かよった家庭が集まっているかと思うので、そこが大きな違いかと。さまざまな価値観が共存するのが小学校だなと思います。

 

最初は、親も子どももそれにショックを受けるかもしれません。でも、これこそが社会の縮図。これから大人になって社会に出ることを考えると、公立の小学校に通う良さなのではないかなと思います。子ども同士、また親同士も、価値観や意見が合わず悩むことも多いと思いますが、そういったシビアな現実にぶつかってこそ、タフネスが身につく。小学校生活を通して、社会に出るための予行演習ができるのだと思います」

 

次回は、「小1の壁」と岡本さんの仕事観、働き方の変化について伺います。

 

(取材・執筆:野々山幸)


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文化の秋、子どもの知的好奇心が楽しく育つ『ナイト ミュージアム』

映画連載_文化の秋

 

夜の博物館で起こる大騒動を描くコメディ

 

舞台はニューヨークに実在する有名な観光スポット、アメリカ自然史博物館。そこに展示されている巨大恐竜の標本や動物の剥製、蝋人形などが、夜になると博物館の中を自由自在に動き回っているとしたら? 本作品は、そんな奇想天外な設定が楽しいコメディ。動物や恐竜、原始人など自然科学について、またアメリカの歴史について、大笑いしながらいろいろなことを子どもと一緒に話題にして楽しめる映画です。

 

息子のために博物館の夜警になったお父さんの奮闘

 

主人公のラリーは、夢ばかり追いかけて仕事も住所も転々としており、離婚した元妻ばかりか10歳の息子ニッキーにも「他の大人たちみたいに普通の仕事に就いたら?」と呆れられる始末。息子の信頼を取り戻そうと、博物館の夜警の仕事に就いたラリーでしたが、巨大恐竜の骨格標本に追いかけられたり、ライオンの剥製に襲われそうになったり初日からさんざんな目に遭います。でも、自然史やアメリカの歴史を猛勉強して知識を身に付け、夜の混乱を少しずつうまく収めていきます。ところが夜警の前任者である爺さん3人組が館内のお宝を盗もうとして、さらなる大騒動が巻き起こります。

 

親子で大笑い! 恐竜の骨や動物の剥製が走り回る

 

高さ10メートル以上もあるティラノサウルスの骨格標本が走り出し、動物の剥製や原始人などの蝋人形が、まるで生きているように歩き回っている博物館。モアイの石造がしゃべり出したり、エジプトのミイラが蘇ったり、古代民族やアメリカ開拓史のミニチュア人形たちが激しい争いを始めたり……博物館の中は毎日大混乱。次から次へと起こる騒動に、「こんなのアリ!?」と親子でツッコみながら声を上げて大笑いできること間違いなしです。

 

子どもは「親の活躍する姿」を見るのが嬉しい

 

ひょんなことから息子ニッキーを博物館に招待することになったラリーは、息子に夜の博物館の楽しさと父としていいところを見せられる、と張り切ります。猛勉強で身に付けた知識を駆使しながら博物館で次々起こる騒動に対処するラリー。そんな父ラリーの姿を見て、ニッキーの目がみるみるうちに輝いていきます。「活躍する親」の姿を見るのは、子どもにとっては何よりも嬉しいこと。子どもにあれこれ言うより、親の背中を見せることが大切なんですね。

 

学びの秋。博物館で子どもの知的好奇心を育てる

 

動物や恐竜について、アメリカの自然史について、年長さんなら親子でいろんな会話ができるはず。楽しみながら子どもの知的好奇心を伸ばすことができる映画です。この作品をきっかけに、ぜひいろいろな博物館へ子どもと行ってみてください。更に親子の会話が弾むのではないでしょうか。

 

ちなみにこの映画の大ヒットのおかげで、ニューヨークの自然史博物館は来場者が急増したそうです。いつかアメリカに行って映画に登場した博物館にも行きたいね、なんて話を親子でするのもワクワクしますね。続編の『ナイト ミュージアム2』、完結編にあたる『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』も面白いのでおすすめです。2014年に亡くなった名優、ロビン・ウィリアムズが、3作通して第26代大統領ルーズベルトの蝋人形役で出演しているのも見逃せませんよ。

 

 

<データ>

2006年/1時間48分/アメリカ/監督:ショーン・レヴィ 出演:ベン・スティラー:ロビン・ウィリアムズ


連載「親子の会話がはずむ、年長児とママのための映画ガイド」

 

 

 

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家庭でできる年長児の入学準備[その4]時計の読み方 後編

時計の読み方・後編
 

時計の読み方の練習について、前回は、「3時」「5時」などジャストタイムの短針の読み方に慣れる方法をお伝えしました。

今回は、短針と長針を合わせた時計の読み方を子どもに教える方法について、子育て支援士の田宮由美さんにアドバイスいただきます。

 

時計の「短い針」と「長い針」の違いを伝える

 

子どもに、時計の「短い針」と「長い針」の違いをわかりやすく教えるには、どうすればいいでしょうか?

 

「時計の短い針は『時間』、長い針は『分』を表しますよね。生活の中で、短い針は長い時間、長い針は短い時間を示すことを伝えましょう」(田宮さん)

 

例えば…

「幼稚園に行っているのは、長い時間だよね。この短い針が数字の8から2まで動くよ。それと比べて、おやつを食べるのは短い時間だよね。短い針はほとんど動かないで、長い針だけが動いているね」

 

最初は、ざっくり「長い時間=短い針」「短い時間=長い針」と役割を伝えればいいのですね。

 

12時をまたぐ時間の経過の理解は難しい!?

 

時計の短い針は、1日のはじまりに12(0時)を示すところからスタートして回り、時間が経過します。

 

「大人にとって、それは当たり前のことですよね。でも、1から順に数をおぼえたばかりの子どもは、『なんで12まで進んだのに、1に戻るんだろう?』と、疑問を持ちます」(同)

 

そのため、この“時間の経過”の理解がつまずきやすいポイントになるのだそうです。

 

「小学校の算数の授業で時計の読み方、時間の経過の計算を学びますが、『8時に公園に着き、11時まで遊びました。何時間経ちましたか?』という問いの答えは『3時間』とすぐにわかっても、『午前10時に家を出て、午後1時に帰ってきました。何時間経ちましたか?』という、12時をまたぐ問いになると、答えがすぐに出てこない子が実際に多いようです」(同)

 

それを解決するには…

 

「手動式の学習用時計を用い、10時から1時間ずつ針を動かし、長い針を3回転させると1時になることを見せながら説明する方法があります。また、日常の会話の中で、『今、10時だね。3時間経って1時になったら出かけよう』など、12時をまたぐ時間の経過を意識する声かけを取り入れて、慣れていくと理解できるようになっていきます」(同)

 

「分」の読み方は、1時間の半分の30分から教える

 

時計の長い針の「分」の読み方は、どのように伝えていけばいいでしょうか。

 

「いきなり、『1時23分』など細かく教えるのではなく、『1時30分』『6時30分』など、『半』の時刻の読み方から子どもに教えていきます」(同)

 

例えば…

「今、1時だね。長い針が6のところにきたら、1時30分だよ」

「今、5時だね。長い針が6のところにきて、5時30分になったら、オモチャを片づけてごはんを食べよう」

 

そのとき、短針が各数字の中間まで進んでいることにも気づかせる言葉がけも忘れずにするといいそう。そして、半の時刻が読めるようになってきたら、「15分」「45分」の順に、時計の読み方を伝えます。

 

例えば…

「今、2時だね。長い針が3のところにきて、2時15分になったらおやつの準備を始めるよ」

「今、5時30分だね。あと15分たって、5時45分になったら積み木を片づけよう」

 

このような声かけを日常的にしていくことで、

「30分」は1時間の半分。

「15分」は30分の半分。

ということが、だんだん理解できるようになるといいます。

 

生活で「10分」「5分」を意識する声かけをする

 

短い「分」の読み方は、どのように教えていけばいいのでしょうか。

 

「『19時に○○(子どもの好きなテレビ番組)がはじまるから、5分前になったらテレビをつけよう』『あと10分たって、10時になったら家を出よう』など、5分、10分の時間を意識する声かけもしてみてください」(同)

 

時計を読むのに慣れてきたら「今、何時、何分?」「10分たったら、何時、何分になる?」と、子どもに時刻を質問するのもいいそうです。

 

「時刻に遅れたからバスや電車に乗れなかった、など失敗の体験から、“時間”が大切であること、生活の中では欠かせないものであることを感じさせるのもいいでしょう」(同)

 

前編では短い針の読み方、後編では長い針の読み方をお伝えしました。小学校入学前までに、まずは「短い針」のジャストタイムを読めるようにしておきたいですね。もし余裕があれば、半分の30分の理解まで進めるとよいそうです。

 

時刻と生活スケジュールは密接に関わっているもの。日々の暮らしで時計に親しみ、「時計を読めるようになると、便利だな」と、子どもが実感できるように、少しずつ教えていきたいですね。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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家庭でできる年長児の入学準備[その3]時計の読み方 前編

時計の読み方・前編

 

大人にとって、時計を読むのは簡単ですが、小さな子どもは短い針と長い針が連動して動く時計を理解するのは難しいもの。小学校に入学してから子どもが自分で時計を見て行動できるように、家庭で読み方を教えていきたいですね。その方法について、子育て支援士の田宮由美さんにアドバイスいただきました。

 

家の目立つ場所に「アナログ時計」を置く

 

数字の読み書きや計算にも慣れていない子どもにとって、いきなり時計を読むのは難しいと思います。まず、時計に慣れるために家庭でできることは何ですか?

 

「時計は60と12いう数字がキーポイントとなり、これはまだ数字を覚えて間もない子どもにとっては、なじみの薄い区切りと言えるでしょう。そのため、現在の時刻だけ表示されるデジタル時計だと、子どもは時間の経過や計算を理解しにくくなります。リビングなど、日常生活の中で目につきやすい場所に、針の動きで、“時間の経過”が目に見える『アナログ時計』を置きましょう」(田宮さん)

 

アナログ時計は、短針と長針が目立つもので、1~12までの数字が見やすく大きく表示されているものを選ぶといいそう。

 

「子ども部屋に置く時計、目覚まし時計などは、子どもと一緒に買いに行き、好みのものを準備してもいいですね。子どもが“自分で時間を見て行動する”意識の芽生えを促すでしょう」(同)

 

子ども用の目覚まし時計では、読みやすいように長い針と短い針、時間と分の数字が色分けされているものも見かけます。こういったものを活用してもいいのでしょうか?

 

「はい。子どもが時計に興味を持つ導入として活用するのはよいと思います。子ども用の時計はパッと文字盤の数字が読めるように工夫されています。ですので時計を読む練習は、スムーズに取りかかれるでしょう、ただし、いつまでもそれに頼っているのではなく、ある程度慣れてくれば、普通の文字盤の時計を読む練習をすることをおすすめします」(同)

 

子どもの行動にそって、時刻の声かけをする

 

では、時刻を子どもに伝えるにはどうすればいいのでしょうか?

 

「子どもの1日の行動に密着していること、楽しみにしていることの時刻から、時計の読み方を教えていくといよいでしょう。例えば、おやつ、食事の時刻、遊びに行く時刻、好きなテレビ番組がはじまる時刻などです」(同)

 

いきなり『12時13分』など、分単位で時計を読むのは難しいため、最初は短い針に注目させるとよいといいます。

 

「『1時』、『3時』など、ジャストの時刻から読み方を教えましょう。例えば、お母さんが時計を指さして『短い針が3、長い針が12のところにきたら、3時だよ。3時になったらおやつを食べよう』と、子どもに伝えます」(同)

 

そのほか…

「短い針が9、長い針が12のところにきたら9時。幼稚園に行く時刻ね」

「短い針が8、長い針が12のところにきたら8時だから、寝ましょう」

このように、短針の変化に注目させ、時計の読み方に慣れていきます。

 

「また、『3時になったら、おやつの用意をするからお母さんに教えて』などと促せば、『3時になったよ!』と教えてくれるようになり、子どもが時計を見る習慣がつくでしょう」(同)

 

まずは「短針」のジャストタイムから伝えていけばいいのですね。普段の生活で時計を読む習慣をつけることが大切だとわかりました。

次回は、時計の「長針」の時刻の読み方を教えるコツをうかがいます。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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「サランラップに書けるペン」3色セットを5名様に

使用例

 

毎日の料理を楽しくしてくれると人気の「サランラップに書けるペン」にピンク、オレンジ、黄緑の新色が登場! 8月21日から3色セットになって全国のスーパーやホームセンター等で発売中です。

 

既存の赤・青・黒・緑・黄・白と合わせて9色展開となったこちらの商品。サランラップに直接イラストやメッセージが書けるので、おにぎりやサンドイッチをカラフルなデコ弁に変身させたり、手作りお菓子のラッピングを可愛く彩ったり使いみちは無限大。また、作り置きや小分け食材に賞味期限を書き入れるなど実用性もバッチリ!

 

食品を包むサランラップに書くペンとして開発されているため、インクの安全性はもちろん、油性ペンのようなイヤな臭いもなし。イラストやメッセージを書いたサランラップは電子レンジ加熱もOKとのことで安心して使用することができます。

 

今回は新色3色に、さらにサランラップ1本を付けたセットを5名様にプレゼント!

 

サランラップに書けるペン新色

 

 

 

応募は締め切りました

 

 

 

応募締切)2017年10月13日(金) ※発送をもって発表に代えさせていただきます

 

************************

サランラップに書けるペン3色セット(ピンク、オレンジ、黄緑)

540円+税(旭化成ホームプロダクツ)

 

★商品情報はこちら

 

 

 

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子どもの便秘解消は重要なテーマ。親が直してあげるほかない

子どもの便秘

 

子どもの便秘解消は重要なテーマ

 

子どもの便秘は見過ごされがちですが、実は重要なテーマです。

親であるみなさんは、子どもたちに毎日明るく楽しく元気よく生活してほしいと願っていると思いますが、便秘だとこれが難しくなります。

 

大人でもそうですが、便秘が続くと当然のことながら子どもも快活さがなくなります。

勉強への集中力も落ちます。

授業中にお腹が痛くなったりトイレに行きたくなったりすることもあります。

 

場合によっては粗相してしまう子もいます。

これは子どもにとってとても切ないことで、心の傷になることもあります。

 

親にも言いにくく、人知れず便秘で悩んでいる子はけっこういます。

子どもが自分で意識して、楽に排便できるように工夫したり便秘を直したりするのは非常に難しいです。

 

ここはやはり親が力を発揮して、子どもを救ってあげてほしいところです。

 

何を食べるかが非常に大切

 

便秘解消につながる食べ物を、意識して食べるようにすると、かなり効果があります。

そこですぐ頭に浮かぶのは野菜ですが、実は野菜の取り方には注意が必要です。

 

野菜に含まれる食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。

 

不溶性食物繊維をたくさん取りすぎると、便がかたくなって排出しにくくなるので注意が必要です。

 

便秘解消のために野菜をたくさん食べて、逆に便秘がひどくなっているという例がたくさんあるそうです。

 

このことは最近盛んに言われるようになりましたが、以前は「野菜をたくさん食べれば便秘が治る」という情報しかありませんでした。

 

何事もそうですが、頭の中が古い情報のままで、最新の情報に更新されていないとこうなってしまいますので、お互い気をつけましょう。

 

ネット検索して最新の情報を取り入れましょう。

ただし、ネットの情報も玉石混淆です。

1つの情報だけを鵜呑みにしないで、いろいろな情報に接して多角的に検討しましょう。

 

オリゴ糖

 

食べ物で私のイチオシはオリゴ糖です。

オリゴ糖は、もともと自分の体内にいる善玉菌を増やしてくれて、便秘解消に非常な効果があります。

 

ただし、粗悪品の「オリゴ糖」ではいけません。

「オリゴ糖」の名前で市販されている商品はたくさんありますが、成分表示を見てみると商品によってかなりの違いがあります。

 

中には、たった30%しかオリゴ糖が入っていないものもあります。

「オリゴ糖」の名前なのに、実際はショ糖(砂糖)の方が多いとか人工甘味料がたくさん入っていたりするものもあります。

 

これでは効き目も期待できませんね。

 

起きがけに水を飲む

 

朝起きて洗面所に行ったら、顔を洗うだけでなく、うがいと口すすぎで口腔内をきれいにします。

それから水を飲むと、腸が刺激されて排便しやすくなります。

 

生活リズムを整える

 

不規則な生活だと便秘しやすくなりますので、規則正しい生活に心がけます。

十分な睡眠時間の確保と3食しっかり食べることも大事です。

 

また、夜寝るのが遅いと朝起きるのも遅くなります。

すると、朝食後にトイレに行く時間が確保できなくなり、便秘につながります。

 

十分な運動量を確保する

 

運動量が少ないと便秘しやすくなります。

体を動かす遊びやスポーツなどで運動量を増やしましょう。

 

ヨガやストレッチ

 

便秘解消につながるヨガのポーズやストレッチがいくつかあります。

これを教えてあげて、できたら毎日同じ時間帯にやるといいですね。

 

マッサージ

 

おへそのまわりを時計回りに「の」の字を書くようにマッサージします。

お風呂の中、お風呂から出てから、寝る前など、これも毎日同じ時間帯にやって習慣にするといいでしょう。

 

病院に行く

 

便秘がひどい場合は病院の受診も考えてみてください。

素人考えで悩み続けて、解決しないままの状態が続くのは苦しいです。

医者に診てもらえば専門的な治療をしてもらえます。

 


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 

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「早寝早起き朝ごはん」と学力の密接な関係

舟山先生_第12回

 

 

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。

秋の日はつるべ落とし、すっかり日の暮れる時間が早くなりました。夜の長い季節だからこそ、子どもと睡眠について考えてみませんか。

 

不規則な睡眠や遅寝遅起きは、学力の低下を招く

 

育ち盛りの小学生の時期。体や心の成長に十分な睡眠が欠かせないということは言うまでもありません。加えて睡眠不足は学力にも影響を及ぼします。2014年に改訂された厚生労働省の『健康づくりのための睡眠指針』では、思春期の子どもの遅寝遅起き、不規則な睡眠時間が学校の成績の低さと関係していることが報告されています。低学年のときは大丈夫でも、学年が上がるにつれて睡眠時間が少ない子が多くなってくる傾向もあります。小学校6年生の半数以上は、就寝時間が午後10時以降になってしまっているのだそうです。今のうちから、親子で睡眠の大切さについて知っておきたいですね。

 

早寝早起き朝ごはんができている子の傾向

 

とはいえ、実際の子どもたちの様子を見ていると、睡眠時間が足りていることに加え、朝ご飯を食べているかどうかがとても重要だと感じるのです。

「早寝・早起き・朝ごはん」。

もう誰もが知っている言葉ですが、私自身の経験からも、クラスの中で、睡眠時間が十分で、朝ごはんをしっかり食べてきた子はすぐわかります。それは、次のような具体的な傾向がいくつかあるからです。

 

・「おはようございます!」とあいさつをして教室に入ってくる

・表情が明るい(目やにがついていたり、口の周りが汚れたりしていない)

・忘れ物がない。特に宿題は必ずしている

・授業中に、正しい姿勢を保っていられる

・しっかり声を出すことができる

・手を挙げて発言できる

・休み時間はしっかり遊ぶ

・ぼんやりしていない

・書く文字がていねい

などです。

 

これらはあくまで私自身の印象によるもので、すべての子にあてはまるというわけではありませんが、あらゆる面で「余裕」があり、睡眠不足や朝ご飯を食べていない子とはあきらかに違いがあるということが言えます。

 

朝ごはんを食べるために早寝早起きで好循環

 

朝ごはんを抜いた子は、気もそぞろで、ひたすら給食の時間を待っています。こんな状態で授業が頭に入ってくるはずがありません。それが1日ぐらいならまだしも、ずっと朝ごはんがない日が続いたら、その子の学校生活は……もう予想がつくと思います。

高学年になると、「朝ごはんは自分で意識して用意できるようになろう」という話もできますが、1年生のうちはやはり保護者の力が大事です。

 

朝ごはんを食べて登校するには、まず食べる時間も確保する必要があります。それに加えて、顔を洗ったり歯を磨いたりする身支度の時間も必要です。ですから「朝ごはん」を中心にすると、逆算して起きる時間も決まってきます。でも、睡眠時間が足りないと、寝起きがぼんやりして朝ごはんが食べられなくなるので、何時に寝ればよいかが必然的に決まってきます。つまり朝ご飯を食べることを目標にすることで、早寝早起きもできるようになるということです。

 

セロトニンの分泌で子どもの情緒が安定する

 

早寝早起きがよいということは、さまざまな裏付けがあります。「睡眠」をとることで、成長ホルモンが出ることや、朝日を浴びて「セロトニン」という物質が出ることがわかってきました。セロトニンとは食欲や呼吸、睡眠に関係する神経と、不安や不快感、緊張、恐怖など情動や衝動を支配する神経をコントロールする役割を果たしている神経伝達物質のことです。つまり、早寝早起きをして規則正しい生活を送ることで、情緒が安定し、勉強に集中できるということなのです。朝から日を浴びると活溌に分泌されることがわかっています。

 

最近では、ゲームやスマホが早寝早起きの習慣が乱れる原因になっています。

文部科学省が小学校高学年から中学校、高等学校で「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性」について調査したところ、以下のような傾向が見られたそうです。

 

・スマホや携帯電話との接触時間が長い子ほど就寝時間が遅い

・寝る直前までテレビ、ゲーム、携帯、スマホ、パソコンなどの情報機器に接触することがよくあるという子ほど、朝、ふとんから出るのがつらいと感じることがあると解答する割合が高い

 

たかが睡眠、されど睡眠です。お子さんの夜更かしぎみが気になっている方は、一度親子で寝る前にはスマホやゲームを控えるなどのルールを考えてみてはいかがでしょうか。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 

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新1年生におすすめ!『おはなしドリル』シリーズ3冊セットを3名様に

 

楽しいおはなしで文章読解のトレーニングができる人気シリーズ。この本で取り上げられている文章は,1話が短く,気軽に楽しく読めるおはなしばかりなので,読書習慣をつけるのに最適です。はじめての文章読解でも安心して取り組むことができます。

全19巻のなかから,新1年生におすすめの人気の3冊をプレゼントいたします!

 

◆「ペンギンはどうして空を飛べないの?」など 

 科学の知識も自然と身につく【かがくのおはなし】

◆「さるも木から落ちる」「あぶはちとらず」「早起きは三文の得」など

 ことわざの意味までわかる【ことわざのおはなし】

◆「喜び」「悲しみ」「怒り」「不安」「恐れ」など

 自分やみんなの気持ちに寄り添う【きもちのおはなし】

 

 

応募は締め切りました

 

 

応募締切)2018年2月16日(金)※発送をもって発表に代えさせていただきます

 

****************************

 ・おはなしドリル かがくのおはなし小学1年 本体価格:650円+税

 ・おはなしドリル ことわざのおはなし小学1年 本体価格:650円+税

 ・おはなしドリル きもちのおはなし小学1年 本体価格:650円+税

★詳しくはこちらから

 

 

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小学生になったら卒業!? 「抱っこ」はいつまでしていいの?

抱っこ②

 

前回は、子どもの不安や緊張をほぐし、親子に良い影響をもたらす抱っこの効果について、キッズマッサージセラピストであり抱っこ専門家の藤野ゆかさんに教えていただきました。

今回は、何歳まで抱っこすべきか、そして大きくなった子どもやきょうだいがいる場合のスキンシップの方法などを伺います。

 

小学生になった今だからこそ、抱っこしよう!

 

新しいことにチャレンジするとき、子どもなりに不安やストレスを感じるもの。そんなとき、抱っこをすることで子どもの心は満たされ安心できるのだと藤野さん。つまり、小学校1年生のように、日々新しいことに直面する時期こそ、抱っこが効果的ということですね。でも、小1って体もかなり大きくなっています。ママの体力的に厳しいという方もいるかもしれませんが…。

 

「子どもが大きくなってきて、長時間抱っこするのは厳しかったり、大きくなった子どもを抱っこするのは人目が気になるという声もあるかもしれません。でも、赤ちゃんの頃とは違って抱っこするのは数分でいいですし、立って抱っこしなくても、座って膝の上に乗せるだけでもいいと思います。

 

ほんの1~2分程度の短い時間でも、子どもはそれによって心が満たされ、自分から抱っこを降りてすっと離れていきます。

 

腰が悪いなど体力的に難しい場合は仕方ありませんが、そうでなければもう無理だと決めつけずに、子どもが『抱っこして!』と言ってきたら、ぜひ1度抱っこしてみてほしいですね」(藤野さん)

 

抱っこ以外にも、何か良いスキンシップ法はありますか?

 

「たとえば、学校に送り出すときに握手やハイタッチをする、これだけでも子どもは朝からパワーチャージして一日をスタートできます。夜寝る前に、マッサージしてあげるのもステキなスキンシップ。抱っこにこだわらなくても、ほんの少し触れるだけで十分オキシトシンが分泌されて、心を落ちつけたり不安を取り除いたりする効果があると言われています」(同)

 

「もう大きくなったから抱っこできない」だけは言わないで

 

子どもが「抱っこして」と言ってきたら可能な限りしてあげたいのですが、どうしても忙しい時間帯は「後でね」と言ってしまいます。子どもは傷つくでしょうか?

 

「抱っこしてほしい=受け止めてほしいというサインなので、可能であれば対応してあげてほしいですが、もちろん毎回は難しいですよね。たとえば、『いま体調が悪くてツライから抱っこはできないけど、こっちにおいで』と横でくっついているだけ、座ったまま膝の上に乗せるだけでも十分。時間がなくてできないときは、その理由をちゃんと伝えましょう。このとき『もう小学生だから抱っこは卒業』や『お兄ちゃん・お姉ちゃんになったんだから抱っこできない』ということだけは言わないでください。

 

子どもは、これ以上は小さくなれません。下にきょうだいができたら、これからずっとお兄ちゃん・お姉ちゃんなんです。大きくなったから、お兄ちゃんやお姉ちゃんになったから抱っこしてもらえないなら、今後はずっと抱っこしてもらえないということ。以降、『抱っこして』と言えなくなってしまいます。いま抱っこできないのには理由があって、子ども自身を否定しているわけではないことを、しっかりと伝えることが大切です」(同)

 

「抱っこし続けると甘えた子になる」は間違い!

 

ママたちの中には、抱っこばかりしていると甘えた子になってしまうのでは?と不安に思う人もいるようです。

 

「特に男の子のママは、抱っこし続けていたらマザコンになるんじゃないか…と不安になりますよね。でも、実は反対なんです。抱っこは子どもの心も身体も丸ごと受け止めるということ。必要な時期に十分なふれあいがあった子の方が、自立的に育つという調査データもあります。いつでも甘えられる場所があるからこそ、子どもは安心し、不安や迷いがある場合は心の整理ができます。結果、自立へと繋がるのです。

 

幼い頃からママにしっかりと受け止め認めてもらった子どもは、成長と共に、友達、仕事仲間、社会へと認められたい対象が広がっていくはずですよ」(同)

 

また、下にきょうだいが生まれると、上の子を抱っこする機会がぐっと減ってしまいがちですが、上の子こそ意識的に抱っこをしてほしいと藤野さん。

 

「下の子に手がかかるので、上の子はいろいろと我慢することも多いはず。大きくなってきた分、何でも自分でできると期待もしてしまいますよね。でも、やっぱり子どもはママと触れ合いたいんです。甘えたいんです。余裕があるときで構わないので、『いつもありがとう!』と言葉に出して、ぎゅっと抱きしめてあげてください。きっと、照れながらも最高の笑顔を見せてくれると思いますよ」(同)

 

藤野さんいわく、「1日に何回もしていたのが、やがて2日に1回、1週間に1回と抱っこできる回数は減っていきますよ」とのこと。子どもからせがまれたときだけでなく、時にはママの方から「抱っこさせてよ~!」なんて言ってみるのもいいですね。

 

「何歳まで抱っこしたらいいの?」の答えは、ズバリ「いくつになっても抱っこで子育てです!」と藤野さん。高校生や大学生になってからも、ハグをしたり肩に触れたり、頭をポンポンとするなど、意識的にスキンシップをとってみてくださいね。子どもだけでなくママの不安も解消され、互いの信頼感が増す抱っこを、改めて見直してみてはいかがでしょうか?

 

(取材・執筆:水谷映美) 


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新学期の席替えで、コミュニケーション力が育つ!

舟山先生_席替え

 

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。

楽しかった夏休みも終わり。気持ち新たに学校生活がスタートしましたね。宿題や感想文なども無事に提出できたでしょうか? 今回は、この時期に気になる話題として、席替えと忘れ物について取り上げます。

 

席替えはコミュニケーション教育!

 

夏休み明けということで、席替えをしたクラスも多いのではないでしょうか。

席替えに対する考え方は、先生によって違いがあり、必ず行わなければ行けないというものではありません。席替えをする先生もいれば、しない先生もいますし、席替えをする場合も、どれくらいの期間で席替えするか、くじびきなのか先生が決めるのかなど、やり方が大きく違ってきます。

 

席替えをする理由のひとつは、学習意欲がわくようにするということです。学校は、30人程度の子どもが教室という1つところに集まって、長時間過ごします。ずっと同じ環境だと、当然マンネリ化してしまいます。そこに席替えによって、緊張感を加えることで、学習意欲を刺激するのです。また、クラスであまりよくない雰囲気になるようなことがあると、それを解消するための即効策にもなります。

先生によっては、それぞれの個性や学習の内容に応じて、最も学習効率が高くなると思われる座席を考えて席替えをすることもあるようです。

 

また、席替えには「コミュニケーション教育」という意味もあります。

学齢期の子どもたちにとって教室とは、「この先に待ち構えている社会の縮図」です。いろいろな家庭の、いろいろな価値観をもった子がいて、失敗やトラブルやケンカをしつつ、それらを乗り越えていこうとする気持ちや方法を身につけていく場なのです。コミュニケーション能力を育てる意味でも、いろいろな子と席を並べることが重要だと考えます。

 

席替えをした直後に保護者の方から、隣りの子が「うるさい」「意地悪をする」「ちょっかいを出したりして落ち着かない」ので、席を替えてほしいという要望を受けることがあります。しかし、その数日後に誰よりも気の合う友だちになっていた、ということも実際にありました。また、席替えをしたとたん、それまで落ち着かなかった子が、すごく授業に集中して表情まで変わったということもあります。「配置の妙」とでも言うのでしょうか。こうなると、担任がいくら考え抜いて席を決めても、その策の通りにいくわけではないということです。特に1・2年生では、席替えによって学習態度や友達関係に、予想もしなかった劇的な変化が見られることがあります。保護者の方の心配はごもっともですが、長い目で見てください。

 

子どもの中で優先順位が低いものは忘れる

 

新学期が始まった直後は、宿題や提出書類など、学校に持ってくるものが多い時期。忘れ物が多い子は、毎日よく確認することが必要です。

 

忘れ物をしやすい子の行動を見ていると、お知らせプリントを配られても、ランドセルに無造作に入れてぐちゃぐちゃにしてしまったり、連絡帳袋にすぐ入れない傾向があります。連絡帳と連絡帳袋に入っているプリントは、学校と家庭を結ぶ基本アイテムなのですが、忘れ物をしやすい子は、その意義が理解できていないようです。

 

担任は、忘れ物をしないように持ち物や学校行事の通知、提出書類の締め切りなどを連絡帳に書かせたり、子どもたちにもよく説明したりするのですが、忘れ物をしやすい子は、こうしたことを軽く考えているため、よく聞いていません。その結果、忘れてしまうというわけです。しかし、自分が楽しみにしている水泳の用具や工作の材料などは絶対に忘れないことも多いのです。つまり、その子の中で優先順位が低いものは忘れるということになります。

 

子ども自身が忘れない意識を持つことが必要

 

私は、忘れ物には、「先生や周りの友だちがフォローできるもの(鉛筆・消しゴム・教科書・ノートなど)」と「フォローが難しいもの(上履き・体育着・提出書類・各自で準備することになっている学習材料)」の2種類があると考えています。ほとんどの子は、ときどき前者を忘れるくらいですが、忘れ物が多い子はどちらもよく忘れます。

 

後者を忘れたときは、担任が個別に家庭に連絡し、持ってきてもらうのが一般的です。ただし私自身は、なるべくそうしないようにしています。子どもたちに「忘れても先生から家に電話してもらえばいいんだ」と思ってほしくないからです。保護者は電話1本で届けてくれる宅配便ではありませんし、保護者にもすぐ届けられる人と、そうでない人がいます。学習する「主体」は子どもなので、最終的には主体である子どもが、忘れ物がないように自分で意識していかなければなりません。

 

忘れ物を防ぐための4つの対策

 

お子さんの忘れ物が多い場合、家で次のようなことを意識してやっていくとよいでしょう。

 

1.毎日の時間割をそろえる作業を習慣づける。保護者も確認する

2.プリントの内容を見て、持ち物を子どもと一緒に確認する

3.上履き・体育着・給食着など、1週間のはじめに持って行く物は、置く場所を決める

4.忘れものをしたときには、そのときのことを振り返って親子で話す(学校で忘れたとき、どんな気持ちがしたか、周りの友だちはどんな様子だったか、困ったことが実際にあったかなど)

 

特に4については、担任から「忘れ物が多い」と指摘された子の場合に重要です。忘れ物をしたことで後ろめたいネガティブな気持ちになり、集中できず、10のうち3レベルの学習達成しかできなかった。忘れ物をしなければ本当は8ぐらいのレベルまで行けたかもしれないし、もっとやる気が出て、どんなにいいことが待ち構えていたかもしれない……など、多少大げさでもよいので、話しながら「思考」させましょう。すぐに効果は表れないかもしれませんが、怒ったり、口先で「これからは忘れないようにする!」と言わせるのではなく、何度も根気よく話し合うことが大切です。

1年生でしっかりと教えると、そのあとは手がかからなくなります。まさに今が大事です。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 

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新学期の登校しぶり…そんな時こそ「抱っこ」が効果的

抱っこ①

 

新学期が始まり、なんとなく朝グズグズしたり、学校に行きたくないという子どもも多いのではないでしょうか。「そんなときこそ子どもと触れ合うことで、子どもの心に寄り添える」とは、キッズマッサージセラピストであり抱っこ専門家の藤野ゆかさん。触れることの大切さと子どもの心に寄り添う接し方についてお話を伺いました。

 

「触れる」ことで子どもの不安が軽減される

 

子どもが何か不安や悩みを抱えたとき、効果的な言葉をかけることも大切ですが、何より「触れる」ことが子どもにとってとても良い効果を生むのだと藤野さん。

 

「『オキシトシン』という言葉を聞いたことはありませんか? 人と触れ合うことによって脳内で分泌される生理物質で、別名『愛情ホルモン』とも呼ばれています。このオキシトシンがストレス中枢を鎮静化し、ストレス物質コルチゾールの分泌を抑制する働きがあるとされています。つまり、ストレスを緩和させたり、不安や緊張を抑えたりする効果があるのです」(藤野さん)

 

つまり、抱っこをすることによって、子どもの不安が軽減されるのだそう。

 

「子どもが『抱っこして!』とくっついてくるのは、単に甘えたいときはもちろん、何か不安なことがある場合も多くみられます。赤ちゃんの頃は『お世話=抱っこ』なので、当たり前のように毎日何回も何時間も抱っこしていましたよね。しかし、成長して自分でできることが増えてくると、自然と抱っこの機会が減ります。でも、大きくなってからも、子どもがたびたびママに『抱っこして!』と言ってくるのは、自分の不安な気持ちを受け止めてほしいサイン。ぎゅっと抱っこして触れることでオキシトシンが分泌され、不安が解消し心が満たされて、頑張るパワーが湧いてくるんです」(同)

 

確かに、たとえば保育園にお迎えに行った帰りなどに「抱っこして!」と言ってくることがあります。子どもなりに、保育園では1日気を張って緊張して過ごしている、それを受け止めてほしいというサインだったのですね。

 

子どもを抱っこすることでママの心も満たされる

 

「そして実は、抱っこする側のママの方にも大きな効果があります。それは、抱っこをすることで、母親としての自己肯定感が高まるということです。

 

オキシトシンは、触れられた側だけでなく触れる側にも分泌されます。しかも、相手のことを想いながら触れる方が、より多く分泌されるという研究結果もあるんですよ。

 

子育てをしていく中で、『私の子育て、これでいいのかな?』と迷ったり、たくさんの不安が生じたりするものですよね。そんなとき、子どもをぎゅっと抱きしめると、ママの心も満たされ母親としての自信に繋がるのです」(同)

 

子どもを抱っこすると、なんだかほっとしたような幸せな気持ちになりますよね。それがオキシトシンの効果だったのですね。

 

新学期、学校へ行きたくなさそう…そんなときは「黙って抱っこ」!

 

長い夏休みが終わり、学校に行きたくなさそうな様子の子どもに対しても、抱っこが効果的だと藤野さん。

 

「親としては心配なので、ついあれこれ口を出したくなりますが、ここはぐっと我慢です。ただ黙って、抱っこしたりくっついたりしてあげてほしいですね。小1くらいの子どもは特に、自分の気持ちをうまく口に出すことが難しいもの。なんとなく不安な気持ち、モヤモヤする気持ちを、抱っこで受け止めてあげるだけで気持ちが落ち着くことも多いと思います」(同)

 

では、どのくらいの時間、抱っこしてあげるといいですか?

 

「ほんの2~3分で、きっと子どもの方からすっと離れていくと思います。これは私のセミナーに参加された方の話なのですが、朝、玄関で足が止まってしまった小1の子を、そのママは黙ってぎゅっと抱っこしたそうです。すると1分ほどで、子どもの方から『行ってくるね!』と気持ちを切り替えて登校していったんですって。同じような体験談はほかにも多数寄せられています。

 

子どもは、心と身体で『ママに触れると安心する』ということを知っています。本人が話したがっている場合は別ですが、そうでなければ、あれこれ聞こうとせずに学校に行きたくないという想いだけを受け止めて抱っこしてあげてください」(同)

 

大きくなってからも「抱っこ」で、親子の絆が深まる

 

積極的に抱っこなどのスキンシップをとっていく中で、親子共にさまざまな変化が生じるとのことですが、実際にはどのような声が多いでしょうか?

 

「たとえば、学校であったことをあまり話さないタイプの子が、少しずつ自分のタイミングで話してくれるようになったという話や、反抗期に差しかかった小学校3~4年生くらいのお子さんが、いつもケンカ越しで話していたのが互いを思いやりながら会話できるようになったという話もあります。

 

それから、親の方も今までは子育てに自信が持てず不安だったのが、抱っこを通じてだんだんと自信が持てるようになったという感想も多いですね」(同)

 

抱っこだけでそんなに変化があるものかと半信半疑なママもいるかもしれませんが、最近あまり抱っこしてないなという人は、試しにぜひ今夜、お子さんを抱っこしてみてはいかがですか?

次回は、抱っこの仕方やきょうだいがいる場合のスキンシップの方法などを伺います。

 

(取材・執筆:水谷映美) 


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小学生になったら卒業!? 「抱っこ」はいつまでしていいの?

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「学校に行きたくない」って言われたら?[第3回]

登校しぶり_第3回

 

 

前回までに、登校しぶりになる原因として、子ども自身の性質や友だち関係、勉強など、さまざまな要因が考えられると伺いました。しかし、親子や家族関係が原因になることもあるとか。今回は、「親」側の要因について、引き続き舟山由美子先生に伺います。

 

家庭での心配事が登校しぶりに繋がる

 

子どもが学校に行きたがらない要因のひとつとして、「親に対する信頼度が低下している」ことが挙げられると舟山先生から伺いました。親としては、心がざわつく指摘です。

 

「これはよく言われることなのですが、親は日ごろから子どもの様子を感受性のアンテナを張りながらよく見て、その求めに応じて接することが大事と言われています。

例えば赤ちゃんがおっぱいを求めたら、それに応じてお乳をやり、おなかいっぱいになったようなら、そこでやめますね。親が、自分の様子をよく見て適切に授乳してくれる存在であることがわかると、そのことが子どもに『安定感』をもたらします。それによって、成長するにつれ、親から離れて外に出て行ったり、戻ってくることができるようになるという考え方です」

 

万が一、外で何かあっても、「安全基地」である親がゆるぎなく安定していれば、子どもは「いつでも安全基地(親)に戻れば大丈夫」という安心感をもって、多少の困難を乗り越えられますが、何らかの原因で安全基地がゆらいでいると、子どもは不安で外に出て行くことができません。

「こうした親御さんの安全基地としての機能が低下していることが、登校しぶりにつながっているケースもあるように思います」(同)

 

安全基地の機能が低下しているとは、具体的にどういうことなのでしょうか?

 

「例えば親との死別・離別などのほか、1回目でお話ししたような両親の離婚や不仲、虐待、親が子どもに対して無関心あるいは否定的であったり、ほかのきょうだいと差別されるなどです。つまり、いつも必ず愛情をかけてくれるはずの人(親)から十分に愛情を得られないために不安になってしまうんですね」

 

また、子どもによっては、母親と姑である祖母の不仲といったことで不安になることもあるのだとか。子どもだから気がつかないだろうと思っているようなことが、案外原因になっているケースもありそうです。

 

「問題行動」は、子どもからの何らかのメッセージ

 

「登校しぶり」に限らず、子どもに何らかの問題行動と言われることが起こった場合、それは子どもからの何らかのメッセージ・信号だと思って受け止めることがとても重要だと舟山先生は言います。

 

「お父さんとお母さんのケンカが増えたりすると、それは子どもにも伝わります。子どもはそれが心配になりますが、言葉ではうまく表現できないため、登校しぶりなどに繋がるのです。親や家族のことが心配で学校に行けなくなってしまっていると考えられます。そういった子どもの行動の裏にある本心をくみ取り、家族間の良い関係を築く努力をすることで、その先のもっと大きな問題、例えば思春期などの子どもの『荒れ』などを防ぐことにもつながっていきます」

 

低学年のうちの「登校しぶり」は改善しやすい

 

子どもの登校しぶりが数日続くと、「このまま学校に行けなくなったらどうしよう」などと、親自身も、とても不安になってしまうもの。でも、あまり心配しすぎるのも禁物です。

 

「1年生の“登校しぶり”は、高学年の“不登校”とは意味が違います。特に夏休み明けは、心や体を学校のペースに取り戻すのに時間がかかっているケースが多いので、親御さんには、あまり焦らず、できるだけ気持ちに余裕を持つように心がけてもらえたらと思います」

 

1年生の登校しぶりの場合、多少時間がかかったとしても、まだ根がそれほど深くなく、親御さんが真剣に子どもと向き合うことでよい方向に向かい、その後の経過も良好という場合がほとんどなのだとか。つまり、親がサポートすることで、事態を大きく改善させることが可能なだということです。

 

「必要があれば、親御さんが率先して動いて、周囲に働きかけましょう。その際に大切なのが大人の目線で落ち着いて物事を見て、行動することです」

 

子どもと同じ目線になりすぎて、感情的になってうろたえたりすると、子どもの不安も増すばかり。どっしりとした気持ちで構えて、子どもをしっかりサポートしてあげてください。

 


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楽しく自信をもって、新学期をスタートできる絵本

絵本連載_新学期

 

二学期がはじまり、学校のクラスには背が伸びた子、遠くへ旅行した子、夏休み中に子ども同士で遊んで仲よくなった子たちも…。一学期とはすこし違う雰囲気でふたたびはじまる学校生活。楽しく自信をもって新学期をスタートできるように、この時期に読んであげたい絵本を紹介します。

 

友達と仲良くするには、まずわたしから。『わたしとなかよし』

 

 

『わたしとなかよし』(ナンシー・カールソン作、なかがわちひろ訳)の主人公、かわいいぶたの女の子が言います。「わたしにはすてきなともだちがいるの」「それはね……わ、た、し!」「わたしはひとりぼっちじゃないんだよ」「じてんしゃをびゅんびゅんこいでいるときだって、わたしはわたしといっしょなの」「わたしはわたしをだいじにするの。だからはみがきもするよ」

 

アメリカの絵本作家が描いた、カラフルでユーモラスな絵に、深~いメッセージがこめられた本です。わたしの友達がわたし!?と子どもは笑うかもしれないけれど、ぜひ読んでみてください。「げんきがでないときには、うんとたのしいことをしてあそぼう」「ころんだときには、はげましてあげよう」と自分で立ち直る女の子を、友達やお母さんが笑顔で見ています。

 

子どもに「自信をもって」「もっと堂々として」と口で言うのは簡単ですが、実際はむずかしいですよね。クラスの人気者と自分をくらべて落ち込んだり、みんなの前で意見を言えなかったり。そもそも親のほうが他の子と内心でくらべて、もやもやする気持ちを抱えていたりして…?

 

「わたしは、わたしのことが好き」「わたしにはわたしがいるから、だいじょうぶ」と思えれば、友達のことも素直に好きになれるし、大概のことは乗り越えていけそう、と思いませんか? 運動会や発表会などもりだくさんの二学期。絵本からパワーをもらって、笑顔でのスタートにつなげてくださいね。

 

「ぼく」を発見する絵本。『ぼくのニセモノをつくるには』

 

 

さて、もう1冊ご紹介したいのはこちら。『ぼくのニセモノをつくるには』(ヨシタケシンスケ作)です。

しゅくだい、おてつだい、へやのそうじ。やりたくないことだらけでゲンナリしていたケンタくんは、おてつだいロボを買いました。「ぼくのニセモノをつくって、そいつにぜんぶやってもらおう!」 ところが、ぼくのニセモノを作るのって意外とむずかしい。ぼくがどんなぼくかを、ロボに説明するために、「すきなものときらいなもの」「できることとできないこと」「ひとからどう思われている人間か」をあれこれ考えるはめになります。「ぼくらしさって一体なに?」考えれば考えるほど、複雑…。ロボにうまく説明できるかな?

 

ぼくは、同級生の女子にとってはさわがしくてくちごたえの多い男子だし、宇宙人にとってはちいさめでよわそうな地球人!? 毎日ごはんを食べてうんちするから「うんち製造マシーン」でもあるし、くつしたにすぐ穴があくから「くつしたボロボロマシーン」でもある…。

 

絵本の中にずらーっと並ぶのは、「う〜ん、そのとおりだ」と思わず納得しちゃうユーモラスな「ぼく」ばかり。アハハと笑いながらあれこれ考えていると…「そっか、ぼくは、ぼくしかいないんだ!」と「ハッ」とさせられます。

 

『りんごかもしれない』で絵本作家デビュー、『もうぬげない』でボローニャ・ラガッツィ賞(ボローニャ国際児童図書賞)受賞した、今、大人気のヨシタケシンスケさんの絵本です。実際手にとってみると脱力系のゆる~いイラスト。なのに…なんだか刺激的。『ぼくのニセモノをつくるには』は、「ぼくのうちがわには、ぼくしかはいれない、ぼくだけのせかいがある」ことをさりげなく教えてくれます。

 

いつだって、ぼくはぼく。世界にひとりだけ。そして…「まだつくりとちゅう」です。これからもっと大きくなります。みんな自分らしく自信をもって、二学期もがんばれますように!

 


★連載「親子で読みたい!子どもの成長を応援する絵本」

 

 

 

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「学校に行きたくない」って言われたら?[第2回]

登校しぶり_第2回

 

前回、夏休み明けに登校しぶりになりがちな子の傾向を、連載「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」でおなじみの舟山由美子先生に聞きました。第2回は、学校へ行きたがらなくなってしまった子どもへの接しかたについて伺います。

 

まずは、責めずに子どもの思いを聞く

 

夏休み明けから、登校しぶりの状態が続いている場合、子どもに対して何をすればよいのでしょう。

 

「決して責めたり叱ったりしてはいけません。まずは子どもの思い、言い分をよく聞きましょう」(舟山先生)

親は学校に行かないことを「悪いこと」だと思い、子どもを責めてしまいがちですが、子ども自身は、頭では「行かなければならない」とわかっているものなのだとか。

「特に普段から、子どもに一方的に指示・命令ばかりしているなという自覚がある親御さんは、子どもの話を止めたり、遮ったりせず、とにかく一所懸命聞きましょう」(同)

 

ポイントは、自分の意見をはさまずに、『そうなんだ』と相づちを打ち、共感する姿勢を見せること。それだけで子どもの気が済んで、改善されることも多いのだそうです。

 

「ただしこういうとき、子どもの話は1が10になったり、10が1になったりすることも多いもの。親もうすうす気づいていても、早く学校に行ってもらいたいがゆえに、子どもの言葉を額面通りに受け止めてしまいがちです。一歩引いた気持ちで、冷静に聞くことが大切です」(同)

 

もちろん、子どもの生活リズムなどに心当たりがある場合は、それらを改善することが基本なのは言うまでもありません。

 

子どもの話から、本当の理由を推測する

 

それでもまだ登校しぶりが続くようなら、子どもの話をもとに親が学校に行きたくない理由を推測していくことも必要になってくるでしょう。考えられる理由としては、主に以下のようなことが挙げられます。

 

①友だち関係でトラブルなどがある

②勉強についていけていない

③親に対する信頼度が低下している

 

「このような理由を推測できたら、それをもとにして、担任の先生や、学校カウンセラー、市区町村の教育相談に行き、解決策を探っていくことをおすすめします」(同)

 

また、1年生ぐらいだと、自分の思いをうまく説明出来なかったり、親も忙しく、なかなか理由がわからなかったりすることもあるもの。こうした第三者機関への相談を積極的に考えていくことも大切かもしれません。

 

学校に様子を見に行くという方法も

 

学校に行きたくない理由によっては、まず担任に直接相談するという人も多いでしょう。

 

「そんな時、一方的に学校のせいにするという姿勢で来られる親御さんも、少なからずいらっしゃるのは事実。しかし、そうではなくて『うちの子も引っ込み思案なので、心配しすぎかもしれないんですが』などと、学校と家庭で協力し合って解決していきたい、という姿勢で相談しに行ってみてください。こんな風に出られて気を悪くする教師は、まず、いませんし、そのほうが協力を得やすく、早く解決する可能性が高いと思います」(同)

 

それでも、どうしても気になることがあれば、学校に行って、子どもの様子を実際に自分の目で見るという方法もあるそうです。

 

「今の学校は、一般の人も見学できるような公開日を設けるなど、昔と違って学校外の人に対してかなり敷居が低くなっています。『ときどき教室に行って、見ていてもいいですか?』と頼めば、ダメだと言う教師は少ないのではないでしょうか。私も日ごろから、保護者の方に『いつでもいらしてください』と言っています」

 

子どもたちも、最初は「○○ちゃんのお母さんだ」などとざわつきますが、すぐに気にしなくなるのだとか。実際に教室でクラスの様子を目にすると、子どもがどう過ごしているのか、どういう存在なのかということがよく見えてきて、解決の糸口をつかむきっかけにもなるそうです。

 

次回は、上に挙げた学校に行きたくない理由の③、親子関係が登校しぶりの原因となっているケースについて詳しく伺います。

 


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「学校に行きたくない」って言われたら?[第1回]

登校しぶり_第1回

 

夏休みが終わり、すでに授業が始まっている学校も多いことでしょう。元気に登校している子が多いなか、長い休み明けには学校に行くのをしぶる子もいるようです。その原因は何なのか、そしてもし、わが子が学校に行きたがらなくなったらどうすればよいか、ママノートでの連載「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」でおなじみの舟山由美子先生に伺いました。

 

休み中の生活リズムの乱れが原因になることも

 

夏休み明けには、学校に行くのが憂うつになる子が多いと聞くと、不安になる親御さんも多いでしょう。

「1年生の場合、ほとんどの子は学校が待ちきれなかった様子で、夏休み明けにうれしそうに登校してきます」と舟山先生。

 

とはいえ、やはり長い休みをきっかけに、学校に行きたくない子が増えるのは確かなのだとか。

 

夏休み明けに学校へ行きたがらなくなる子の傾向としては以下の3つが挙げられるそう。

 

①夏休み前から、学校に行きたがらない傾向があった

②睡眠不足が続くなど、夏休み中に不規則な生活を送っていた

③宿題をやっていないなど、うしろめたい気持ちがある

 

「②や③については、子どもは物事に対する柔軟性や対応力がないので、大人が考える以上に、不規則な生活のダメージを大きく受けます。夏休み前に教師が口をすっぱくして規則正しい生活をするように伝えたり、休み中のタイムスケジュールを書かせたりすると思いますが、これはそういう意味もあるんです」

 

夏休みは子どものためにと、旅行やプール、遊園地などと、親もめいっぱい計画を立てがち。その結果、毎日帰りが遅くなり、体力のない子どもはくたくたになってしまい、翌日も遅くまで寝てしまうという生活サイクルになってしまいます。遊び疲れで毎日ボーッとして、宿題が進まないということも…。この状態で新学期を迎えても、子どもが学校に行く気をなくしてしまうのも無理はありません。

「ただ、このような場合は、学校が始まって生活リズムを取り戻して行けば、収まることがほとんどだと思います」

 

登校しぶりは、繊細で敏感なタイプに多い傾向が

 

少しやっかいなのが、①のケースだそう。

「もともと新しい環境になじみにくい子で、1学期の間も、友だちに何か言われたとか、先生と相性が悪いと感じるなど、学校生活に何かしら居心地の悪さを感じていた子は、夏休み明けに『学校に行きたくない』となりやすいです。1学期は大丈夫だったけれど、楽しい夏休みから学校での生活へ切り替えがうまくできず、登校しぶりが始まったというケースもあるかもしれませんね」

 

環境になじみにくい子に多いのは、いわゆる『心の段差のある子』と専門書などで表現されるタイプのことで

 

・やや慎重に育てられている

・体で動くより頭で考えるタイプ

・いわゆる「いい子」

・気持ちの切り換えが苦手

 

といった傾向があるのだとか。

 

「嫌なことなどがあると引きずりやすく、誰かに言われたことなど、一つひとつの物事に傷つきやすい、つまり敏感で繊細な子ということですね」

 

大事に育てられていることはもちろん悪いことではありませんし、心が繊細であることはその子の個性でもあります。しかし、学校を含めた家の外、つまり社会では、ときに子どもにとっては突風や横風が吹くこともあるので、そういった困難に対する対応力や乗り越える力をどう身に付けさせるか、親としては悩ましいところですね。

 

1年生のこの時期の場合、子ども自身の問題だけでなく、家庭環境が原因で学校へ行けなくなってしまうこともあるのだとか。

 

「私の経験では、夫婦間の問題が登校しぶりの原因になったケースもあります。お父さん、お母さんの仲が心配で親の元を離れられなかったのでしょう。そういったことは、担任や学校からは見えません。親御さんもそれが理由だとは思っていなかったようで、これが原因ということに周りの大人はなかなか気づくことができませんでした」

 

ひと口に登校しぶりと言っても、その原因は実に様々で、複雑なケースがあることがわかります。次回は、このような原因から学校へ行きたがらなくなってしまった子どもに対して、大人はどう接したらいいのかを、引き続き舟山先生に伺います。

 


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「叱る」のではなく「諭す」が大事。2つのステップで可能になる

 

家族旅行中に両親そろって一緒に子どもを叱る

 

夏休み期間中にある駅の待合室で見た光景です。

 

たぶん家族旅行なのだと思うのですが、お父さん、お母さん、小学校中学年らしき男児(兄)、低学年らしき女児(妹)、の一家4人がひと休みしていました。

 

しばらくして、お父さんがお兄ちゃんを叱り始めました。

叱っている理由は、「食べ途中の何かを小袋に入れずに、そのままリュックに入れたので何かが汚れた…」というようなことらしかったです。

 

お父さんはかなりの剣幕でした。

お母さんはそのとき切符を買いに行って席を外していましたが、戻ってきたかと思うと、お父さんと同じように叱り始めました。

 

お父さんとお母さんの両方から叱られて、子どもはうつむいたまま固まっていました。

二人とも立ったまま激しい口調で叱っていました。

 

楽しいはずの旅行なのに、本当に子どもがかわいそうです。

そんなに叱るほどのことなのかと大いに疑問でした。

 

2つのステップで「叱るより諭す」が可能になる

 

以前、下記にも書きましたが、こういう叱り方をすると子どもは自分を守るために心理的なバリアを張ってしまい、話の中身がまったく理解できなくなってしまいます。

 

「子どもに恐怖心を与えてしまう、絶対やってはいけない叱り方」

 

そうならないためには、次の2つのステップが大切です。

 

ステップ1

まず、大人がしゃがんで、子どもと同じ目の高さになる

 

ステップ2

その上で、静かで穏やかな話し方で、「これこれこうだから、これはやめよう。これからは○○するといいよ」という感じで、子どもの心に届くように諭す

 

この2つのステップで、感情的に「叱る」必要がなくなり、「諭す」が可能になるのです。

 

何度でも粘り強くステップ1と2を繰り返して諭す

 

この2つのステップを守れば、子どもも話の中身を理解することができます。

 

子どもがしっかり納得できるように話してあげれば、子どもも「本当にそうだ。これからはそうしよう」と思うことができ、それが実行につながります。

 

その納得度が高ければ実行率も高まります。

 

でも、そのときはわかっても、しばらくすると元の木阿弥で、また同じことをしてしまうこともよくあります。

 

それが子どもというものであり、そもそも、子どもとはそういう存在なのです。

 

ですから、そういうときも、その都度同じように、何度でも粘り強くステップ1と2を繰り返して諭すことが大事です。

 

子どもには逃げ場が必要。両親そろって一緒に叱るのはNG

 

それと、このケースの場合もう一つ気になったのが、お父さんとお母さんがそろって一緒に叱っていることです。

 

これでは子どもはたまりません。

逃げ場というものがまったくなく、ひたすら追い詰められてしまいます。

 

絶望的な気持ちになって、「自分は大切にされていない。もうどうなってもいい」と感じてしまう可能性すらあります。

 

ですから、こういうときは、どちらか一方が逃げ場になってあげる必要があるのです。

 

例えば、 先ほどのケースなら、叱っていたお父さんがトイレに行ったときなどに、お母さんが子どもの話を共感的に聞いたり慰めたりしてあげことが必要です。

 

頭を撫でてあげたり抱きしめてあげたりするのもいいでしょう。

そして、「お父さんはあなたのことを思って言っているんだよ」と伝えてあげましょう。

 

ステップ1と2に心がければ、損な憎まれ役をする必要もない

 

ここまで読んで、「でも、それだといつも私の方が叱り役になって損をする」と思う人もいるでしょう。

 

多くの家庭の場合、お母さんが叱ってお父さんが慰めるということが多いと思います。

ですから、お母さんたちの中には、「自分だけ憎まれ役で、お父さんはいつもいい役ばかり。いいとこ取りは許せない」と思う人も多いでしょう。

 

でも、これは子どもにとっては必要なことなのです。

決して、両親そろって一緒に叱るなどということは、ないようにしてほしいと思います。

 

それに、そもそも感情的に叱るのをやめて、先に上げたステップ1と2に心がければ、損な憎まれ役をする必要もないのです。

 


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 

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ランドセル購入に関するアンケートご協力のお願い

ランドセル_アンケート

 

「ラン活」という言葉までできるほど、ランドセル選びが盛り上がっている昨今。各社からさまざまな色やデザインのランドセルが発売され、どう選んだらいいか迷うという声がよく聞かれるようになりました。

 

そこでママノートでは、すでにランドセル選びを経験した小学生のママと、これから選ぶ園児のママにアンケートを実施します。先輩ママたちがどのようにランドセルを選んだのか、また、これから選ぶママたちの心配事や知りたいことを大調査!お答えいただいた方の中から抽選で10名様にクオ・カード1000円分をプレゼントいたします。

 

ご回答いただいたコメントと写真は、今後のママノートの記事に使わせていただく予定です。

 

皆様のご協力を、編集部一同お待ちしております!

 

 

 

 

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ランドセルは海外でも人気?意外に知らないランドセルトリビア

小学生になると何気なく使い始めるランドセルですが、よくよく考えてみると知らないことだらけ。「ランドセルの定義」のような基本知識から、海外でのランドセル事情まで、ランドセルにまつわるトリビアを、ランドセル工業会会長で株式会社村瀬鞄行代表の林州代さんに教えていただきました。

 

ランドセル①

 

Q.サイズ、形、色など、ランドセルの定義ってあるの?

 

「サイズはランドセル工業会で定めた、大マチ部分の内寸の縦(最高部)が31cm前後、幅が23cm前後であること。また、形状はかぶせ部が本体を覆う長さで縦型であるものをランドセルと呼びます。半かぶせで、後ろの側面の途中に金具があるタイプは実はランドセルとは言わないんです。色は特に指定はありません。

 

すべての縫製が日本国内で行われ6年間の使用に耐え得るとランドセル工業会が認定したものには、日本鞄協会発行の『信頼のマーク』と、ランドセル認定証のタグがついています」

 

Q.日本のすべての小学校でランドセルを使っているの?

 

「大体毎年、小学1年生は100万人いると言われているのですが、ランドセルを使うのはその中の約90%と言われています。残りの1割は、自治体から支給されるかばんを使ったり、私学で指定のかばんがある人も。京都近辺では、ランリックというランドセルではない通学かばんを使う地域も、ごくわずかにあるようです。とはいえ、文部科学省など、国の指定があるわけではないんです。背中に背負って両手を空けることができる、教科書やプリントが曲がらないなど、ランドセルならではの機能性を理解して、皆さんが使ってくださっているのだと思います」

 

Q.ランドセルは低学年のうちだけという学校もある、というのは本当?

 

「昔は、低学年だけランドセルを使い、3、4年生以降の高学年はリュックサックで通うというケースも多かったようです。地域によっても異なるようですが、最近は、ランドセルのサイズが大きくなり、肩ベルトの長さが長くなったこともあり、むしろ6年間きちんとランドセルを使い続けることが増えています。昔は、特に男の子で扱いが荒いと、すぐ色あせたり、壊れたり、革がよれたりすることがあったのですが、最近は素材が進化して、6年間使っても信じられないぐらいきれい! ランドセルが進化したことで、使われつづけることが多くなったのかなと思います」

 

Q.海外にもランドセルはある? 日本のランドセルが使われている国も?

 

「アジアの方は、日本に旅行に来た際に、自分の子どもの通学用に買っていくケースが増えています。アニメで見てよく知っているので、日本の小学生を真似ているんですね。フランスなどのヨーロッパでは、アニメ好きの大人の購入も。コスプレ用や、日本ならではのおみやげとして買われる方が多いです。

 

村瀬鞄行では、ベトナム、ロシアなどに輸出もしていて、海外での販売も行っています。これは、3〜4年前ぐらいからのことで、最近の傾向です」

 

Q.使い終わったランドセル、活用する方法はないの? 

 

「6年間使ったランドセルでもきれいなままので、さまざまな形で残そうという動きが活発になっています。人工皮革のクラリーノを作っているクラレが行っている『ランドセルは海をこえて』では、6年間使い終わったランドセルを集めて、アフガニスタンの子供に贈る、というキャンペーンを行っています。

 

また、日本国内では、手のひらサイズのメモリアルランドセルにして記念に残したり、定期券入れ、マウスパッド、財布に作り変えることも人気です。牛革なら作り変えても十分使えます。ただ、クラリーノの場合は8〜10年で劣化することもあります」

 

小学生になれば毎日使うランドセルですが、意外に知らないことが多く驚いた人もいるのでは?改めて子どもとの会話でもランドセルのトリビアについて触れると、子どものランドセルへの興味が深まるかもしれません。

 

(取材・執筆:野々山幸)


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深まる秋。日本の行事や風習を知りたくなる絵本

秋の絵本

 

朝夕涼しい日が続き、秋が深まる季節。十五夜と言えば、かつては、お月見を各家庭でしたものですが、最近はどうでしょうか。来年から学校がはじまる年長さんにとっては、行事や風習から季節感を感じることで、1年のサイクルを理解でき、それが入学準備や学習準備につながります。この季節に楽しく読めて、身の周りの行事や風習について知りたくなる絵本を紹介します。

 

まるで日本版ハロウィン!? 『おつきみ どろぼう』

 

 

もうすぐ十五夜ですね。今年2017年は10月4日が「中秋の名月」にあたる日だそうです。最初にご紹介する『おつきみどろぼう』(ねぎしれいこ 作、花之内雅吉 絵)は、日本各地で行われてきた十五夜の風習「お月見どろぼう」をもとに創作されたお話絵本です。

 

絵本をひらくと、おばあさんが十五夜のおだんごを作っています。こなをこねて、まあるいおだんごにして「きゅっ きゅっ、ころ ころ」「おつきさまが よろこんでくれますように。みんなが おおぜい たべにきてくれますように」。できあがったおだんごを、すすきや花、秋の食べ物と一緒にお供えしたおばあさんは、おつきみどろぼうに出かけます。「さあて、みんなのおだんごは どんなかな」 たぬきさんやねずみさん……動物たちの家の軒先で、いろんな形のおだんごをこっそりつまむおばあさんですが、おおかみの家にはすすきだけ。おおかみは、「おいらのおだんごなんか、だれもたべにこないよ」と言うのですが……?

 

みなさんは知っていましたか? 「中秋の名月」に飾られているお供え物を、その日にかぎってどろぼうしてもいいという、子どもたちの十五夜の風習が日本各地にあったことを。なぜなら、子どもたちは月からの使者と考えられていたからだそうです。今でも「お月見どろぼうです」「お月見ください」などと声をかけて家々をまわり、お菓子をもらう風習が各地に残っていて、どろぼうされた家にはよいことがあると言われるそうです。日本版ハロウィンとも言われるそうですよ。

 

お話の中では、おばあさんと動物たちの、やさしい夜の風景が描かれます。闇夜に光る月や灯りが、じーんと胸に迫るほどあざやか。「こっそり こっそり おつきみどろぼう」と繰り返しながら家々をのぞく絵がユーモラス。さみしいおおかみを励まして、一緒におだんごを作る思いやりに、あたたかい気持ちになります。物語だけでもワクワクしますが、おだんごの作り方や、「お月見」の風習の解説、年中行事としての事柄が書かれていて、「2度おいしい」気分が味わえる素敵な絵本です。

 

ロングセラーの行事絵本。『和の行事えほん 秋と冬の巻』

 

 

次にご紹介したいのがこちら。『和の行事えほん 秋と冬の巻』(高野紀子 作)です。9月のお月見からはじまり、お彼岸、重陽の節句、七五三、冬至、お正月、2月の節分まで。秋から冬にかけての伝統行事を、丁寧に紹介している絵本です。たとえば、「中秋の名月」には、収穫を祝ってお供えをし、月見をする風習があったこと。平安時代に中国から伝わり、しだいに広まってきたことが書かれています。

 

登場人物たちはかわいい動物の家族たちで、月明かりで影ふみをして遊んだり、重陽の節句には菊のおやつを食べたりしています。七五三の着物の図解も、かわいらしく、かつとってもわかりやすい! 高野紀子さんがイラストにこだわり、年月をかけて制作されただけあって、その丁寧さ、絵や文章のわかりやすさがとても評価されている絵本です。

季節の植物や、縁起物の絵は、それぞれ繊細で美しく、とくにお料理は「おいしそう…!」とほれぼれ眺めてしまうほどですよ。

 

子どもの頃、家族でお祝いした行事の記憶は、一生の思い出になるものですよね。その由来と意味が子どもに理解できれば、季節の行事はますます楽しくなります。9月から2月まで、ひと月ごとのカレンダーのページがあるのもポイント。親子でカレンダーを見て説明してあげると、子どもにも伝わりやすいはずです。

 

「七五三」の言葉の意味は? 「お彼岸」って何のこと? お正月の行事にはどんなものがあるの? ささいな疑問にしっかり答えられ、大人にとっても納得の情報量。親子で、おしゃべりしながら読むのにぴったりです。興味がわいてきたら、『和の行事えほん 春と夏の巻』もぜひどうぞ。親子で、年中行事について、楽しみつつ学ぶ時間をぜひ作ってくださいね。

 


★連載「親子で読みたい!子どもの成長を応援する絵本」

 

 

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本格的ラザニエが簡単に!「ラザニエッテ」を5名様に

薄い板状のパスタを何層にも重ねて、オーブンで焼いてつくるイタリア料理ラザニエは、日本ではあまり家庭料理としては馴染みがないものですよね。そんなラザニエが、家庭でも簡単に作れてしまうのがこちらの「オーマイ ラザニエッテ」。

フライパンでひき肉を炒め、そこにラザニエとソースを入れて煮て、最後に器に移してオーブントースターで焼くだけ。簡単なプロセスで本格的なラザニエを手軽に作れると人気です。今回は「ラザニエッテ」と、新商品の「ラザニエッテ 濃厚チーズ味」をセットで5名様にプレゼント!

 

ラザニエッテ…用意するのはひき肉だけ。赤ワインで肉のうま味を引き出し、まろやかで濃厚な味わい。

 

ラザニエッテ 濃厚チーズ味…用意するのはひき肉と牛乳。チェダー、パルメザン、クリームチーズを使用した濃厚なチーズの味わいを楽しめる。

ラザニエッテ_up

応募は締め切りました

 

 

 

応募締切)2017年9月15日(金)  ※発送をもって発表に代えさせていただきます

 

******************************

オーマイ ラザニエッテ(320g)

オーマイ ラザニエッテ 濃厚チーズ味(300g)

400円+税(日本製粉)

 

★商品情報はこちら

 

 

 

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家庭でできる年長児の入学準備[その2]ひらがなの練習 後編

ひらがな

 

前回は、ひらがなを読むための練習方法や字形を覚える方法を、子育て支援士の田宮由美さんにお聞きしました。今回は、そこから1歩進んで、鉛筆で書けるようになる方法をお聞きします。文字を書くことに慣れていない子どもは、お手本にそったなぞり書きを嫌がることも。そんな時、どうすればいいのでしょうか。

 

練習前にテレビを消し、オモチャを片づけておく

 

今まで、鉛筆で文字を書いたことがない子どもに書くことを教えるのは難しいもの。まず、書くことに集中させるためには、どうすればいいでしょうか?

 

「遊びに行く予定があったり、周りにオモチャなど気の散るものがあったりして『早く遊びたい!』と、別のことに気が向いていると集中モードになれません。例えば、夕食後など落ち着いて練習できる時間帯を選び、事前に周りのオモチャを片付けるなどして集中して取り組めるように工夫してみてください」(田宮さん)

 

1ページに大きく1文字書いて、指でなぞらせることから

 

ドリルなどでひらがなの練習をするとき、子どもがマスからはみ出して書くと気になって注意したくなります。

 

「お母さんとしては、お手本通り上手に書いて欲しいという思いがあるかもしれませんが、『はみ出しちゃダメでしょ!』などと叱ってしまうと、子どもは書くのが嫌になってしまいます。小学校入学前は、ひらがなの字形をおおよそつかめればいいので、マスから少しくらいはみ出しても気にしなくていいんですよ」(同)

 

では、ひらがなの字形をつかむにはどうすればいいでしょうか?

 

「ママがノートの1ページに大きくひらがなを書いて、子どもにお手本を見せてもいいですね。大きい文字のほうが、子どもは字形がつかみやすくなります。そして、子どもにお手本の文字を指でなぞらせます。それから、ノートの反対のページに『同じように書いてみよう』と促してみてください」(同)

 

お手本を見るだけではなく、指でなぞる動きによって字形を覚えやすくなるのですね。また、書き順を教えても、子どもは最初、その意味をなかなか理解できません。そのため、書き順を守ることの重要性を伝えることも大切だそう。

 

「書き順を守ることによって『文字が書きやすくなって、きれいな形になるのよ』などと伝えましょう」(同)

 

書き間違えやすいひらがなの楽しい覚え方

 

「い」「こ」、「あ」「お」などの字形が似ているひらがなは、子どもが書き間違えやすいようです。どうすればいいでしょうか?

 

「次のように、文字を擬人化したり、身近な物に例えたりして形の違いを伝えると、子どもはおもしろがって注目します。印象に残るので、間違えにくくなりますよ」(同)

 

・「こ」「い」の違い

「い」が寝転んだら「こ」になったね。

 

・「あ」「お」の違い

「あ」にリボンをつけたら、「お」になったね。(「お」の右上の線をリボンに)

下のお洋服を着がえたのかな?(「あ」と「お」下の字形の違いを服に)

 

・「は」「ほ」の違い

「は」に天井がついたら、「ほ」になったね。(「ほ」の上の線を天井に)

 

このように親子で会話をしながら伝えていくと、子どもは文字が生き物なったように感じ、より興味を持って楽しく学び、形の違いもしっかりつかめそうですね。

 

小さなマスに細かく文字を書くよりも、ノート1ページに大きくダイナミックに書けば、子どもが手を動かし、文字を表現する気持ちよさも感じられそうです。子どもがひらがなを書くことが「楽しい!」と思えるように、練習につき合ってあげたいですね。次回は、時計の読み方の練習法についてうかがいます。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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ランドセルができて今年で130年。改めて歴史を振り返ってみた

今では小学生の登校に欠かせないランドセルですが、そもそもいつ頃から使われるようになったのでしょうか? またランドセルがこの形になった起源は? ランドセルの歴史について、ランドセル工業会会長で株式会社村瀬鞄行代表の林州代さんにお話を伺いました。

 

ランドセルの歴史
戦後の昭和20年代頃に作られたランドセル

 

明治時代は、セレブな家庭の子どもが持っていた!

 

ランドセルが使われだしたのは明治20年で、今年でちょうど130年。当時の総理大臣であった伊藤博文が、学習院小学校に入学した大正天皇(当時は皇太子)に、箱型の通学かばんを献上したことが、ランドセルの始まりと言われています。

 

「当時学習院に通っていたのは、裕福な家庭の子どもたちでした。送り迎えをしてもらい、お付きの人が荷物持ちをしていましたが、それではいけないと『自分の勉強道具は自分で持つ』という方針が学校から打ち出されたそうです。そこで、背中に背負い両手が空くほうが安心だろうと通学かばんとして注目されたのが、当時ヨーロッパの軍隊で軍人が持っていた背嚢(はいのう)という箱型のかばん。背嚢がオランダ語で『ランセル』ということが、名前の由来です」(林さん)

 

昭和の初め頃までは、木炭屋、お米屋、呉服屋など当時の上流家庭、今で言う『セレブ家庭の子』が持っていたかばんだったそうで、その使用率は1割程度。一般家庭の子は、風呂敷や、白い帆布の斜めがけのバッグで登校することが多かったようです。

 

「一般的に広まったのは戦後の昭和20〜30年。名古屋では江戸時代の馬具職人がかばん作りを始めたりと、各地で時代の移り変わりとともにかばん職人が増えて、ランドセルが多く作られ始めました」

 

昭和20年代には、今と同じ牛革のランドセルが作られ、写真のように野球やお花の絵が入ったおしゃれなデザインも登場。この形は「学習院型ランドセル」と呼ばれ、100年以上経過しても、基本的なスタイルは変わらず受け継がれているというから驚きです。

 

クラリーノの登場にサイズ論争。どんどん使いやすさがアップ

 

「学習院型ランドセル」という箱型の形状は変わらないものの、素材は進化を続けるランドセル。昭和39年には、クラレから人工皮革クラリーノが誕生。昭和42年頃から、ランドセルの素材として取り入れられます。

 

「革に比べると、とにかく軽くて丈夫なクラリーノは、子供が背負うランドセルにぴったりでした。ランドセルの素材は試行錯誤が繰り返されていて、ブリキのランドセルや、戦争で物が不足した時代は紙のランドセルが作られたことも。丈夫で長持ちするという点で牛革が定着したのですが、現在ではクラリーノの割合が高くなっています。クラリーノの誕生は大きな進化でしたね」

 

また、ランドセルのサイズも、時代によって大きく変化しています。

 

「昔の教科書はA5判ぐらいの小さなサイズだったんです。その教科書が入れば十分だったので、昭和の前半までのランドセルは今の3分の2ぐらいのサイズで、厚みもありませんでした。ところが昭和52年、突然教科書のサイズが大きくなることに。今のように情報が早くないので、メーカーがその年度のランドセルを作ってから教科書のサイズ変更が分かったこともあり、ランドセル業界にとっては一大事でした。

 

平成元年頃には、教科書に加えて、音楽のワークブックや地図帳などの副教材のサイズが大きくなることが判明。ランドセルはさらに大きくなり、平成10年には、ランドセル工業会がいわゆるA4サイズを標準サイズと定めました。現在はほぼすべてのランドセルがA4サイズになり、マチもたっぷり。昔と比べてかなりの大容量になりましたね」

 

素材、サイズとどんどん進化を続け、今では多少乱暴に扱っても壊れにくく、6年間しっかり型くずれしない丈夫なランドセルが一般的に。革も1枚コーティングがされているような状態なので、雨に濡れてもさっと拭くだけでOK、しわになることもありません。長い歴史の中で改良されて、使いやすさがどんどんアップしているんですね。

 

イオンの24色ランドセルから、カラーランドセル時代が到来!

 

そして、最近の大きな転換期といえば、カラーランドセルの登場。平成13年に

イオンが24色ランドセルを始めてから、各メーカーがこぞってカラーランドセルを作り始めました。

 

「これまで黒か赤の2択だったのが、カラーの選択肢が大きく増えました。ピンクやエメラルドなどこれまでにない色や、刺繍、キラキラの装飾なども付いてどんどん華やかに。ランドセル選びが盛り上がるようになりましたね。

 

特に女の子はおしゃれ感覚でランドセルを選ぶようになり、人気の色やデザインも、その年ごとに変わるようになりました。例えばディズニープリンセスの影響で突然、水色やパープルが人気カラーになった年も。一方、男の子は黒を選ぶ方が多いです。ステッチの色などで差別化したデザインが増えています」(同)

 

カラーバリエーションや種類が増えたことで、「他人とは違うものを」「この子の一番を選んであげたい」と意気込む親御さんや、おじいちゃん・おばあちゃんが多いからか、いわゆる「ラン活」も激化。10〜20年前は、1月の成人の日と、2月の建国記念日が1年でランドセルが一番売れる日と言われていたそうですが、今年のピークは8月のお盆辺り、さらに5月の連休には決めてしまう人もいて、購入時期はどんどん早まっているそうです。

 

今では当たり前のように目にするランドセルですが、今に至るにはさまざまな歴史が。日本の文化として世界から注目を集めるのも納得ですね。

 

(取材・執筆:野々山幸)


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家庭でできる年長児の入学準備[その1]ひらがなの練習 前編

ひらがな練習・前編

 

子どもの小学校入学に向けて、「ひらがな」の練習をはじめる家庭もあるのではないでしょうか。でも、子どもが読み書きに興味を持ってくれないと困ってしまうもの。ひらがなに興味を持ち、楽しく覚えられる方法を子育て支援士の田宮由美さんに教えていただきました。

 

入学準備は「ひらがな」を読むことを中心に

 

小学校入学までに、ひらがなの読み書きをどの程度までできるようになっていたほうがいいのでしょうか?

 

「文部科学省の学習指導要領では、ひらがなは小学校1年生で習得するようになっています。とはいえ、小学校入学時には、ほとんどの子どもが、ひらがなを読めるのが現状です。入学までにひらがなを読めるようにして、できれば自分の名前だけでも書けるように家庭で練習しておきたいですね」(田宮さん)

 

入学前に全てのひらがなを完璧に書けるように練習しなければ!と焦らなくていいのですね。

 

「はい。まずは、ひらがなを“読む”練習からはじめしょう。入学後の学習がスムーズになるだけではなく、子どもがお友達の名前を読んで声をかけることができたり、各教室の表示なども読めたりして、学校生活になじみやすくなります」(同)

 

子どもが好きな物の単語を親子で読んでみる

 

堅苦しい机上の勉強にならず、子どもがひらがなに興味を持って読めるようにするには、どうすればいいでしょうか?

 

「あいうえお順に覚えていく必要はありません。子どもにとって身近な人の名前、好きな物、興味を持っていることの単語を読むことからはじめてみてください」(同)

 

例えば…

・自分、家族の名前

・お友達の名前

・好きなキャラクター名

・好きな食べ物

・好きな動物、電車、車

など。

 

「お母さんがお手本の文字を紙に書いて子どもと一緒に読んだり、ひらがなが書かれているオモチャのパッケージ、看板、料理のメニューなどを指さして読んだりしてもいいですね」(同)

 

好きなこと、興味のあることの文字なら、スイスイ頭に入っていきそうですね。

 

絵本の「絵」と「ひらがな」を順番に指さして読む

 

絵本の絵と文字を対比させることで、読み方を教える方法もよいのだそう。

 

「絵本に、りんごの『絵』と『ひらがな』があったら、まず『絵』のりんごを指さし、次に『ひらがな』を指し、『り』『ん』『ご』と読み上げます。絵と文字を見比べることで、記憶に残り、覚えやすくなります。慣れてきたら、『これは何て読むの? お母さんに教えて』と文字を指さし、子どもに読ませてもいいですね」(同)

 

文字が多いものより、乳幼児向けのような文字の少ない絵本を選んだほうがいいのでしょうか?

 

「はい。最初は文字が大きく、少ない絵本を選ぶと字の形がわかりやすくなります。また、新しい絵本よりも、乳児期に読んでいた絵本、子どものお気に入りの絵本など、見慣れていて愛着のあるもののほうが、ひらがなの読み方を楽しく覚えられるでしょう」(同)

 

書く練習をするなら、まずは親子で文字遊びを

 

ひらがなが読めるようになって、次に書く練習をするとき、ノートなどに書いたり、なぞったりすることがまだ難しい場合があります。どうすればいいでしょうか?

 

「それなら、次のようにひらがなの字形を体や物で表現する遊びをするのがおすすめです」(同)

 

・全身で文字の形を表現する

「まずは、『く』『し』『て』など、単純な字形のひらがなを体で表現します。体を曲げてカーブをつくったり、腕を伸ばしてまっすぐな線をつくったり。立って表現するのが難しければ、床に寝て形をつくっても。『これは何という字?』と、親子で当てっこするのもいいですね。協力して文字を形づくるのも楽しいですよ」(同)

 

・次に身の回りの物で文字の形を表現する

「体でひらがなを表現するのは、限界があります。そうなると次は身の回りの物で文字の形を表現する工夫をしてみましょう。例えば、リボンやひもなどで『う』の形のカーブを作り、上の点のところに消しゴムを置く、長さの異なる2本のえんぴつを用いて『い』の形を作ります」(同)

 

ひらがなの形をマネするためにじっくり形を観察することで、字形を覚えていけるのですね。

 

この楽しい遊びをしたうえで、「鉛筆を使って紙に書いてみよう!」と、促してみるといいのだそう。

 

「体や物を使って表現した後なので、子どもは『紙に書いたほうが早いし、ラクだな』と感じるでしょう。“遊び”の中で、ひらがなの形に充分興味を持って見てきていますので、書くことに抵抗なく、スイスイ書いていけると思います」(同)

 

まずは、日常の会話や遊びを通して子どもがひらがなに興味を持つように促すことが大切だとわかりました。

次回は、子どもが「ひらがな」のなぞり書きをするときのアドバイスをいただきます。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


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先輩ママに聞く、「小1の壁」ってどんなもの?[Vol.1]後編

子どもが保育園から小学校に上がる際に直面するという「小1の壁」。保育園に比べて学童へのお迎え時間が早くなったり、時短勤務制度が打ち切られてしまったり、学校行事やPTA活動に参加する機会が増えたりと、多くの悩みが出てくるタイミング。そこで、この連載では先輩ママたちに、「小1の壁」をどう乗り越えたかをインタビュー。働くママにも専業ママにも役立つアイデアやアドバイス満載です!

 

小1の壁_前編①

 

<今回お話を聞いたのは…>

第一屋製パン株式会社

商品本部 商品開発部 プロダクトデザイングループ

浅田有紀子さん

長男(12歳)・次男(9歳)・長女(4歳)

 

ママ同士のいい関係を築けば、役立つ情報が入ってくる

 

3人の子育てをしながら第一屋製パンの商品開発部に勤務する浅田有紀子さん。前編では、日頃のお仕事の様子や、長男が小学校に入学した時に感じたギャップについてお話を聞きました。後編では、ママ友同士のお付き合いや学校行事への参加、仕事をしながら子育てをすることのメリットについてお聞きします。

 

働くお母さんの中には、小学校のPTA活動や学校行事に時間を取られること、また、それに付随するママ友とのお付き合いなどを不安に思っている人もいます。浅田さんは、学校行事やママ友とのお付き合いについて、どう考えているのでしょうか?

 

小1の壁_1回後編②

 

「保護者会や授業参観は必ず参加するようにしています。保護者会は学校のことがわかるだけでなく、ママ同士の繋がり作りの場にもなりますよね。小学校に入るとママ友付き合いが面倒になると思っている人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。子どもが友達の家に遊びに行くときにも、相手のママの顔を知っていれば安心して送り出すことができますし、ママ同士で学校や地域の情報を共有できるようにしていると助かることはとても多いですよ。そのために、年度始めに学校から年間スケジュールを手渡された時点で、あらかじめ会社に休暇の申請をしてスムーズにお休みが取れるように計画しています」

 

確かに、年度始めに1年間の予定が決まっているので、それに参加することを前提にすれば、仕事も調整しやすそうです。また、小学校は子どもの様子がわかりづらい分、ママ同士の情報共有が大切になると浅田さんは言います。

 

「学校のことはもちろん、どこの病院がいいとか、どこの塾がいいとか、ママ友の情報網ってすごいんですよ。私自身、自分が欲しい情報はウェブサイトなどで積極的に情報収集するほうですが、そうやって自分が得た情報をママ友に共有すると、自然と周りからも情報が入ってくるいい循環が生まれている気がします」

 

人の噂話や悪口じゃなく、ポジティブで役に立つ情報を共有できるママ同士の関係作りが大切と浅田さん。時間がある時には、子どもの友達親子を積極的に自宅に呼んで、子どもはもちろんママ同士も交流できる場を作っているそうです。

 

子どもにとって一番身近なキャリア教育は働く親の姿から

 

保育園では、園児のママは全員働くお母さんでした。しかし、小学校に入ると、お母さんが常に自宅にいる家庭もあり、そういう家庭と比べて子どもと多くの時間を過ごしていないことに罪悪感を感じる働くママもいるとか。そこで浅田さんに、子育てにおいて、仕事をしていてよかったと思うのはどんなときかを聞いてみました。

 

小1の壁_1回後編③

 

「子どもに仕事の話をしてあげられるときですね。『どんなパンが食べてみたい?』なんて相談してみると、すごく真剣にアイデアを出してくれるんですよ。そんな何気ないやりとりの中から、子どもが自然に仕事に対しての興味を持ち、将来の働く自分をイメージできるようになればいいなと思います。中学生になると職業体験などのキャリア教育も始まりますが、一番身近なところでリアルな姿を見せられるのは自分自身ですからね」

 

また、ママが働いていることの大変さを理解すると、進んで家事を手伝うようになったり、家族の役割を意識してくれるようになると浅田さんは言います。

 

ママは必ず子どもの味方。みんなから刺激をもらって楽しい子育てを

 

最後に子育てをするうえで大切にしていることを教えてください。

 

「まずは子どもの話をきちんと聞くこと。最初から否定することはしたくないので、子どもの立場になってみて、共感しながら話を聞いています。その中で、何があってもママは子どもの味方なんだということを伝えるようにしています。

 

もうひとつはなんでも体験させること。地域のイベントや博物館などのワークショップにも積極的に参加させて、私では教えられないこともたくさん吸収させてもらっています。これからも周囲の皆さんからたくさんの刺激をもらいながら、楽しく子育てしていきたいと思います」

 

3人の子を育てながら女性目線の商品を世に送り出している浅田さん。ポジティブな人柄で周囲にいるたくさんの人々の力を借りながら「小1の壁」を軽やかに乗り越えている姿がありました。

 

(取材・文:宇都宮薫)


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