藤咲ちとせ
大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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年長 2017年11月6日の記事
底抜けに明るくてしっかり者の小学生ミミ子と、ミミ子の家にやってきたパンダ親子の生活を描いた、楽しさいっぱいのアニメーションです。後にスタジオジブリで『となりのトトロ』や『崖の上のポニョ』を後に生み出すことになる高畑勲と宮崎駿コンビによる1972年の作品です。DVDには『パンダコパンダ』と『パンダコパンダ雨ふりサーカス』の2本の作品が収録されています。
『パンダコパンダ』は、ミミ子とパンダの出会いの物語。両親がおらず、おばあさんとふたりが暮らしのミミ子は、掃除洗濯お料理となんでもできちゃうしっかり者。そんなミミ子が、おばあさんが法事で遠くに出かけている間、何日もひとりで留守番をすることに。町の人たちの心配をよそに“ひとり暮らし”をきちんとこなすミミ子の家に、ぬいぐるみのように可愛い子パンダの「パンちゃん」と、お父さんの「パパンダ」が現れ、パパンダがミミ子のお父さんになってくれると言うではありませんか。大喜びでパンダ親子と暮らし始めたミミ子の家に、動物園の園長がパンダ親子を探しにやってきます。そして子パンダのパンちゃんが行方不明になってしまい……。
『長靴下のピッピ』のようにピン、とはねた三つ編みがトレードマークの元気でたくましいミミ子。子パンダ、パンちゃんのお母さん替わりとして、張り切って家事をこなし、かいがいしくパンちゃんのお世話をします。そんなミミ子を見ていると、おままごとでママ役をやりたがったり、自分より小さい子のお世話をしたがる、ちょっとお姉さんお兄さんになった年長さんの姿に重なります。「ママになるってなんて忙しくてステキなんでしょう!」というミミ子のセリフも利用して、ミミ子と一緒にやってみよう、なんて声をかけつつじゃんじゃんお手伝いを頼んでもいいですね。成長してお手伝いがめんどくさい、なんて子どもが言い出す前にぜひ!(笑)
『パンダコパンダ雨降りサーカス』は、パンダ親子とミミ子が住む家に、サーカスのトラの子が迷い込んだことから巻き起こる騒動を描いています。水の上や中を自在に移動したり、水の中からサーカス電車が飛び出してくるシーンは『となりのトトロ』のネコバスや『崖の上のポニョ』のワンシーンを彷彿とさせます。パパンダの大きなぬいぐるみのような風貌、大きな口をガーッと開けた姿はトトロそのもの! それぞれの作品を見比べて親子であれこれ話すのも楽しいです。
パンダブームとこの映画でさらに親子の会話が増える
この映画は、パンダ初来日で空前のパンダブームに沸いた1972年(昭和47年)に公開されました。2017年11月現在、久しぶりに生まれたパンダのおかげでパンダブームが再燃中。そんな中でパンダの話題を親子でワイワイと語り合うにもぴったりの映画です。「♪パンダ、パパンダ、コパンダ♪」という親しみやすいメロディの主題歌も印象的。現在中3と小5の娘が小4、年長さんの年に初めて見せたときにも気が付くと口ずさんでいました。お話も娘たちのハートをがっちりつかんだようで、夢中になって見ていたことを思い出します。『トトロ』や『ポニョ』など、子どもたちが大好きなジブリ作品のルーツとも言えるこの作品、まだ見たことがないというママはぜひこの機会に!
<データ>
1972年/34分/日本/監督:高畑勲 脚本:宮崎駿 声:杉山佳寿子 熊倉一雄 太田淑子
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