佐藤 和紀(さとう かずのり)
常葉大学 教育学部 初等教育課程 専任講師。
上越教育大学大学院修士課程修了。東京都公立小学校教諭・主任教諭を経て現職。この間、東北大学大学院博士課程後期に編入学。文部科学省「情報通信技術を活用した教育振興に資する調査研究」パフォーマンス評価検討委員、同 学校における ICT 環境整備の在り方に関する有識者会議 効果的なICT 活用検討チーム委員、同 次世代の教育情報化推進事業「情報教育の推進等に関する調査研究」企画検討委員等を務める。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年11月2日の記事
小学校に入ると、クラスで発表をするのは日常茶飯事。学校生活でプレゼンスキルは必須とも言えます。スマホやタブレットを使えば、子どもでもスライドを使ったプレゼンが簡単にでき、培ったスキルはさまざまな場所で役に立つはず。そこで、その効果と具体的なやりかたを、常葉大学教育学部初等教育課程 専任講師の佐藤和紀さんに教えていただきました。
「プレゼンテーション」と言うと、ビジネスの現場をイメージしてしまい、なかなか子どもと結びつかないかもしれません。ところが、プレゼンスキルは小さなころから培っておいた方がいいスキルなのだそう。
「プレゼンはスライドなどでものごとを示して、表現し、説明していくものです。『順序だてて説明する力』つまり『説明能力』は、子どもたちが成長していく過程で、また、将来どんな仕事に就いたとしても、必ず必要になってきます」(佐藤さん)
また、何かのテーマについて調べて発表する時に付きものなのはスライドですが、親世代が子どもの頃は画用紙や模造紙にまとめましたよね。でも、紙で作るとなるとそれだけで時間がかかってしまいます。目的が、苦労して資料を作ることではなく、「示して説明する能力を身につける」ことであれば、ICTを活用するのが得策なのです。
では、小学校1年生の場合、どんなことから始めたらいいでしょうか。
「まず、写真を撮ることから始めてみてはどうでしょうか。伝わるように伝える発表をするためには、資料作りの際に写真や図版が必要になります。写真をどう撮れば人に伝わりやすいのか考えながら撮るのも、ひとつの学びです」(佐藤さん)
例えば、休日に散歩へ行き、自分が気になった風景を撮って写真日記を作るなど、写真を使って自分の気づきを表現するなど、身近なところから取り組んでいくと良さそうですね。人に見せることを意識して写真を撮ることで、物の見方も変わってくるかもしれません。
また、1年生にはまだ早いかもしれませんが、もしこれから先、写真を使ってプレゼン資料を作っていくうちに、写真から情報を読み取る力、写真から説明できるポイントを抽出する想像力、どういう順番で説明するとよりわかりやすいかという構成力なども身についていくそうです。
ビジネスの現場でも、説明能力は欠かせません。相手に伝わるように資料を作り、説明することは、子どものうちから少しずつ培った方がいいのでしょう。
佐藤先生がクラスで子どもたちに発表してもらう時には、「QBプレゼン」という文字入力を必要としないiPad用アプリを使っていたそうです。まだキータイプができない1年生でも使いこなせます。
「iPadなので、操作が簡単です。写真を簡単に配置して簡単にサイズを調整できます。さらに、手書きで文字を入力でき、色なども直感的に変更できます。実は、プレゼンビギナーの大人にも有効。文字を手書きするので、それほど小さい字が書けません。大人はむやみに文字を詰め込んでしまう傾向がありますが、それを避けることができます。写真を中心にして最低限の文字を入れる、という仕様が効果的というわけです」(佐藤さん)
これを使えば、学校でのプレゼンテーションはもちろん、家庭でも遊びの中で取り入れられそうですね。生き物を飼っているならその観察や、写真を使った旅行の振り返りなど。子どもと一緒に楽しみながらできるのが、スマホやタブレットを使ったICTのいいところかもしれません。
スマホやAndroidタブレットなら、大人が使うプレゼン用アプリ「PowerPoint」も使えます。子ども用アプリに比べて機能が多いものの、写真の挿入と手書き文字の書き方さえわかれば大丈夫。最初は教えながら一緒に取り組んであげるとよいでしょう。そのうち、親に対して「欲しい物の購入」や「お小遣いアップ」を説得するために、プレゼンテーションを使うようになるかもしれませんね。
(取材・文:栃尾江美)
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