佐藤 和紀(さとう かずのり)
常葉大学 教育学部 初等教育課程 専任講師。
上越教育大学大学院修士課程修了。東京都公立小学校教諭・主任教諭を経て現職。この間、東北大学大学院博士課程後期に編入学。文部科学省「情報通信技術を活用した教育振興に資する調査研究」パフォーマンス評価検討委員、同 学校における ICT 環境整備の在り方に関する有識者会議 効果的なICT 活用検討チーム委員、同 次世代の教育情報化推進事業「情報教育の推進等に関する調査研究」企画検討委員等を務める。
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小学1年生 2017年11月1日の記事
私たちの日常に欠かせなくなったスマホやタブレット。子どもが目にすることも多いだけに、ついつい要求に応じて使わせてしまう人も多いのでは? しかし、ただ与えるだけでなく、上手に使わせることで子どもの創造性を高められるとしたら嬉しいですよね。実は、子どもがクリエイティブな用途に使うにはコツがありました。常葉大学教育学部初等教育課程 専任講師の佐藤和紀さんに教えてもらいます。
「教育のICT化により1人1台のタブレット。勉強はどう変わる?」の記事でも紹介したように、スマホやタブレットを子どもに渡しただけでは、YouTubeに見入ってしまったり、ゲームをプレイし続けたりして、親が眉をひそめるような使い方しかしてくれません。
「スマホやタブレットを使う際には、ゲームや動画などの『消費的』な行動と、自分から情報を得て構築していく『創造的』な行動の2パターンがあります。ゲームなどの中にも、例えば、ブロック状のパーツを重ねて建造物などを作れるマインクラフトのように、ゴールが決まっていない『オープンエンド』というタイプもあり、単にクリアするゲームよりは創造性が高いといえるでしょう」(佐藤さん)
消費的な活動よりは、創意工夫の余地がある「創造的な活動」に使ってもらいたいもの。そのためには、どうしたらいいのでしょうか?
「使い方を子ども自身に考えさせるようなソフトやアプリを選ぶことが大切です。ただ受動的にゲームをするだけのアプリを選んだら、それ以上創造的になりようがないからです」(佐藤さん)
では、創造的に使うには、具体的にどんな方法があるのでしょうか?
「例えば、小学校1年生でも動画を撮影して、アプリで編集するようなことはできます。しかし、アプリを指定するだけでは、小1の子はひとりでそこまでできない可能性もあるので、まずは親御さんが使い方を覚えて一緒にやってみましょう」(佐藤さん)
一度やり方を覚えて、もし楽しければ子どもは続けてくれそうですね。また、情報リテラシーを教えてあげるよいきっかけにもなるそう。
「一緒に写真や動画を撮影する行動を通して、肖像権や著作権なども教えてあげられるとベターです」(佐藤さん)
また、ただ楽しいから使わせるのではなく、目的を持たせると、継続的に、ステップアップしながらスマホやタブレットを活用できるようになるそう。
「例えば、写真を使って年賀状などを作るのはよいかもしれません。写真だけでなく、親戚に送るお年賀ムービーなどもよいのではないでしょうか」(佐藤さん)
どんな写真や動画を撮るのがいいか考えて、一緒に撮影し、編集する。「年賀状」や「お年賀ムービー」という目的があると、創造性が前に進みやすいのでしょう。
手順は、まずは親が一度作ってみてやり方を確認してから。その後子どもに教えてあげれば、2回目からは自分で作り出すはず。その後、自分の誕生会の招待状や、母の日のカードなど、身近なものを自分で作れるようになれば理想的だそうです。紙で作るとなると大変ですが、タブレットやスマホでの作り方を知っていれば、可能性が広がりますね。
小学校1年生では写真や動画くらいかもしれませんが、学年が上がるにつれて文字を使ったり、プログラミングなどもできるようになったりするかもしれません。「スマホ=ゲーム」と捉えている子どもと、「スマホ=何かを作れる道具だ」と思える子どもでは、将来の可能性に大きな違いがありそうです。どうせ使わせることになるのなら、創造性を高める方向へ、親が導いてあげたいものですね。
(取材・文:栃尾江美)
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