親として、子どもを見守るということとは?

 

こんにちは、現役小学校教諭の舟山由美子です。

この連載も最終回です。最後に、これからどんどん成長していくわが子をどう見守っていくか、教師の立場からお話しさせていただきたいと思います。

 

●子どもの様子やしぐさから感じ取って応える

 

これはママノートの読者の方には、少し先の話と感じるかもしれませんが、思春期以降の子どもの問題行動に悩んでいる保護者の方に対して、ある医師がこんなふうに言っておられました。

 

「子どもを甘やかしてください。甘やかすといっても、子どもの言いなりになるとか、子どものご機嫌をとるとか、何かを買ってやることではありません。今、子どもが何を思っているのかを察して、親が行動するのです」

 

例えば、学校で行事があって疲れて帰ってきたら、「お帰り。ジュースでも飲もうか」と言って、子どもがひと息ついたら、ぽつぽつ話を聞く…など、大人でも自分がそうしてほしいなと思うことを小さい頃からしてやる。この積み重ねが大事なのだそうです。

 

つまり、親の「感受性」だけでなく、「感応性」が大事だということなのでしょう。「感受性」だけだと、受けとめるだけになりますが、「感応性」は、子どもの言葉からだけでなく、様子・気配・しぐさなどから感じ取って応えようという具体的な行動であり、さらに一歩進んだ大人の感性が問われます。

 

赤ちゃんのときは、眠っていても息をしているかどうか不安でよく観察をしたのではないでしょうか。成長した今、自分でほとんどのことができ、言葉も話し、文字も読めるのですが、「ことば」を超えた「なにか」を感じて応じることをおろそかにしてしまうと、子どもの心が、親から離れてしまうこともあるでしょう。

 

●周囲の大人との連携も必要なこと

 

かといって、心配だからと、あれこれ口を出し、手を出していたら子どもは自立できません。親から何か言われないと、何もできない人間になるか、ある時期からはうっとうしがられて避けられてしまいます。こちらは「感応性」の気持ちで子どもに近づいても、ぷりぷりして、何も答えないかもしれません。

 

言いたくないことがあるときは、無理に聞き出したりせず、「どうしても困ったときは、必ず言ってね」とだけ言いましょう。あとは、その子が一人で乗り越えるかもしれないし、やはり悩んでしまうかもしれません。でもこれは、大人がみんな通ってきた道。お風呂に入ったときにでも、「昔、お母さん、こんなことあってね…」などと話すだけで、解決することもあるし、ずっとあとになって、子どもが打ち明けてくるかもしれません。

 

学校でのこと、友だちとのことなど、子どもなりにいろいろな経験をして大きくなります。親御さんは先回りして心配してしまいがちですが、子どももプライドがあります。

ただ、昨今のいじめ問題の報道を見ると、やはり心配になるのは当然かもしれません。教師として力を尽くしていても、これはとても難しい問題だと感じます。だからこそ、大人は大人としての対応と、大人同士(教員・保護者・地域の方)の連携という知恵と努力が必要なのだと思うのです。いろいろな人の目で見守ってもらって、育ててもらい、自分たちもみんなで育てていく、という姿勢が大事だと思っています。

 

●親しかできないことがあるときは、すぐに行動を

 

よく親御さんは我が子に「思いやりのある子に育ってほしい」とおっしゃいます。

そのために必要なのは、

・子どもが思いやりのある行動をされたことがある

・思いやりのある行動を常に身近で見て育っている

・思いやりのある行動をして、褒められた経験がある

ということだと言われます。

 

つまり、どういう子どもに育ってほしいかということは、保護者の方が、ふだんどんな行動を子どもにしているか、ということになります。

もちろん、大人は大人の生活があり苦労があります。いつもいつも、子ども最優先では生活できません。けれども「あっ、今、この瞬間に、親しかできないことがある」と思ったら、すぐ行動するべきです。思春期以降のために「貯金」しているという気持ちで、疲れた体にむち打ってでも関わることも必要かもしれません。

 

そして意外と大事なのは、学校行事に親御さんができるだけ参加すること。これがよい結果を生むことが多いように感じます。子どもは(特に高学年になると)親が学校に来るのを嫌がる傾向があります。それでも、自分に関心を持ってくれていることは理解しています。

 

親にとっては集団生活の中のわが子の姿、というのを冷静に見る機会でもあり、子どもからすれば、「親は、忙しくても、いつも学校に来てくれた」といつか思い出し、それが次の世代にもつながり、子どもを大事にするという感覚が継承されていくのだと思います。

 

『学童期の子育ては、親の黄金期』です。苦しいこともありますが、振り返れば楽しいことばかりが思い出されることでしょう。どうか、この時期を大切になさっていただきたいと思います。


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

できないことはやってあげればいい。「やってあげると自立できない」は迷信

 

 

●安らかな気持ちで過ごせるとひとにも優しくなれる

 

子どもにとって家庭は子宮の延長のようなものです。

子宮はまったく快適で心地よいものだそうです。

 

そこで毎日安らかな気持ちで穏やかに過ごすことができる子は幸せです。

そういう子は、ひとに対しても優しい気持ちになることができます。

 

あなたのお子さんは、家にいるとき安らぎを感じているでしょうか?

それとも、緊張してストレスをためこんでいますか?

 

●「子どものうちならなおる」は迷信

 

細かいしつけにこだわって叱ってばかりいるとよくありません。

子どものときにできないことでも、大人になればできるようになるから大丈夫です。

 

親たちはみんな、「大人になってからではなおらない。子どものうちならなおる」と思い込んでいますが、実はこれはまったく根拠のない迷信です。

 

ウソであり、作り話であり、大人たちの集団的勘違いです。

しかも、実に罪深い迷信です。

この迷信のおかげで、古今東西どれだけの親と子どもが苦しめられてきたかわかりません。

 

●「大人になってからのほうがなおりやすい」が真実

 

実は、「子どものうちにはなおらない。かえって大人になってからの方がなおりやすい」というのが真実です。

 

もちろん、大人でも簡単なことではありませんが、子どもよりもはるかに可能性が高いのです。

 

「なおす」というのは、生まれ持った自分の性格をかえるということです。

つまり、自己改造です。

 

これには、「本当になおしたい。絶対なおさなければ」という強烈な内面的モチベーションが必要です。

 

そのモチベーションはどんなときに持てるのでしょうか?

1つには、何か大きな失敗をして「このままでは自分の人生まずい!」と思ったときです。

 

もう1つは、自分の人生でやりたいことが見つかって真剣に取り組み始めたときです。

それを実現するには自己改造が必要になるのです。

 

●子どもは自己改造のモチベーションを持つことができない

 

いずれにしても、自分の人生、生き方、将来などを真剣に考えるようになってからの話です。

 

つまり、大人になってからです。

早くても思春期以降です。

 

子どものときには、こういうモチベーションを持つことができません。

だから、なおらないのです。

でも、だからこそ子どもであり、だからこそかわいいのです。

 

●今日の一日を親子で大いに楽しもう

 

これが真実です。

真実を受け入れてください。

 

今なおさなくても、いずれ子どもが自分でその気になったときに、少しはなおります。

ですから、今なおすのはあきらめてください。

 

わが子が一番かわいらしい子どものときを、つまらないことで叱って過ごすのはやめましょう。

 

今日の一日、親子ともに過ごせる「いま・ここ」を大いに楽しみ、かみしめるように味わいながら生きていきましょう。

 

●児童心理学者たちもおすすめする「上手にやってあげること」

 

子どもがどうしてもできないことは、手伝ったりやってあげたりしてください。

そうすれば、ガミガミ叱らなくてすみます。

 

そう言うと、「手伝ったりやってあげたりするといつまでも自立できないのでは?」と心配になる人も多いと思いますが、これもまた根拠のない迷信です。

 

たしかに20年くらい前までは、そういうことを言う児童心理学者もいました。

でも、今はそういうことを言う児童心理学者はいません。

 

今、児童心理学者たちは次のように言っています。

 

できないことを叱っていると、子どもは自信がなくなってますますできなくなります。

それよりも、上手にやってあげたほうが、子どももできるようになります。

上手にやってあげるというのは、いちいち叱ったり文句を言ったりしないで、明るい雰囲気でやってあげるということです。

 

もちろん、子どもがやる気があって、時間的な余裕もあるときは待ってあげてください。

そういう時もやってしまっていては、もちろん自立の妨げになります。

でも、そうでないときはやってあげてください。

 

なお、自立については、下記の記事もご参考にしてください。

↓↓↓↓↓

「手伝ったりやってあげたりすると自立ができない」は迷信

https://mamanote.jp/news/4832

 

親がやってほしいことをやる力は子どもの将来に必要?

https://mamanote.jp/news/7724

 


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

小学校生活の必需品!上履きのかしこい選び方と洗い方

 

小学校生活になくてはならないものの1つ、上履き。学校指定のものがあるケースもあれば、自由に選んでいい学校もあるようです。そこで、最近はどんな上履きがあるのか、選び方や正しい洗い方などを、50年以上前から児童用の上履きを作り続けている株式会社ムーンスター、マーケティング部の町田祥さんに教えていただきました。

 

●指定の上履きがない場合、どのように選べばいい?

 

小学校の場合、中学や高校と比べて特定の商品が指定になることは少ないとか。その場合でも、「色は白」など何らかの指示がある場合も多いのでしょうか。

 

「指定がなくても『白で華美な装飾がないもの』程度のルールがある場合は多いですね。また、『明文化はされていないが、実際はオール白のバレータイプがほとんど』など、代々の先輩ママから受け継ぐ暗黙のルールがある学校も。ランドセルなどと同じく、学校ごとの傾向はあります。また、地域によっては上履きを使用しない学校もあります。購入する前に、その学校のルールや傾向を、先生や先輩ママたちに聞いてみるといいのではないでしょうか」(町田さん)

 

子どもの足に優しい!上履きはこんなに進化している

 

また、最近では、素材やデザイン、機能もかなり進化しているとか。最新の上履きは、どんなものなのでしょうか?

 

「弊社では、軽くて衝撃を足に伝えにくいウレタン系の素材をソールに使っていたり、洗った後に乾きやすいメッシュ素材でできている上履きも販売したりしています。また、面ファスナーがついていて、フィット感を調整できる上履きもあります」(同)

 

ムーンスターから発売されている小学生向けの主な上履き。真ん中がファスナー

        で調整できるタイプ。14cm〜25cmのハーフサイズ展開。(オープン価格)

 

ママが子どもだった頃とはずいぶん事情が違うよう。いまどきの機能をいくつかご紹介します。

 

<素材・加工>

メッシュ素材…むれずに快適に履けて、洗ったあとも乾きやすい

フッ素加工…素材の表面にフッ素加工が施されていて、汚れがつきにくく、落としやすい

 

<フィット感>

面ファスナーのベルト…履くたびにフィット感を調整できる

中敷き…中敷きを入れることでサイズ調整できることに加え、それだけ取り出してラクに洗えるというメリットも

 

<クッション性>

ウレタン系素材のソール…クッション性が高くゴム底より軽い

 

足にぴったりが理想的。サイズはまめにチェック!

 

「子どもにとっては外履きより長い時間履くものであり、そのまま体育の授業をやる学校も多いので、足にぴったり合っていることが大切です」と町田さん。サイズに関してはどこに注意したらよいでしょうか?

 

「1学期間ずっと同じものを履いていたら、知らず知らずのうちにサイズアウトしていた…というケースもあります。弊社の商品の場合、サイズは5ミリ刻みでありますので、毎週末持ち帰って来た時に、こまめにサイズをチェックしてあげましょう。中敷きがついている上履きの場合は、それを取り出して見ると、そこについた足指の跡で判断することもできます。

 

また、足幅も子どもによってかなり差があります。足幅が狭い子は、幅が狭く作られた1Eというタイプを選んだり、中敷きやベルトで調節するといいでしょう。逆に広い場合は、サイズを大きめにして、面ファスナーのベルトで調節するといいと思います。足幅は見ただけではわかりにくいかもしれませんので、お店などで一度きちんと計測してもらうといいのではないでしょうか」(同)

 

きれいに長持ち! 正しいお手入れの方法

 

入学するとすぐに始まる、毎週の上履き洗い。白や淡い色だと汚れも目立ちますね。どのように洗うといいのでしょうか。町田さんによると、汚れを落ちやすくするためには、つけ置き洗いがおすすめだとか。

 

つけ置き洗いの手順は以下の3ステップです。

 

1:40℃以下のぬるま湯に洗剤を溶かし、1時間ほどつけておく

2: 取り出してそのままブラシでこする

3:しっかりすすぐ

 

靴専用か衣類洗濯用の中性洗剤を使います。いずれもパッケージを参照して、指示通りまたは衣類を洗うときと同じくらいの濃度に溶かします。また、きれいに仕上げるためにはすすぎも大事だそうです。

 

「きれいに仕上げる一番のポイントは、実はすすぎ。すすぎ残しは変色や異臭の原因になります。洗剤を直接こすりつけた場合はつけ置きの場合に比べて繊維の奥に残りやすいので、とくに念入りに。水が泡立たなくなるまでしっかりすすぎましょう」(同)

 

また、干し方にもコツがあるそうです。かかとを下にして、立てかけて陰干しするのが基本なんだとか。

 

「直射日光は変色の原因になることがあるので、陰干しにしましょう。また、生乾きは異臭の原因になるため、水気をしっかり切ってから風通しのよい場所へ。丸めた布を上履きの中に入れて振ると、乾きにくいつま先部分の水分も取れやすくなります。なお、熱でソールが変形する場合があるので、直射日光やドライヤーでの乾燥は避けたほうがいいでしょう」(同)

 

長い時間履くものだから、快適に過ごせるようにしてあげたいもの。将来的には、自分で洗って管理できるようになるといいですね。親子のコミュニケーションも兼ねて、サイズチェックや洗う練習から始めてみてはいかがでしょうか。

 

(文:高柳涼子)


関連記事はこちら

手づくり初心者ママ必見! ミシンの選び方と最新機能

卒園式・入学式の親子の服装、気をつけることは?

もうすぐ入学!小学校が楽しみになる絵本

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

入学後の子どもの自信につながる声がけとは?

 

小学校入学を前に、親としてはいろいろと不安に思うことも多いもの。前回は、親と子どもの気持ちの違いや入学までの過ごし方、心構えなどを教えてもらいました。今回は、子どもへの効果的な声がけについて、引き続き元小学校の教員であり、大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に話を聞きました。

 

●「できることを褒める」ことから始めてみよう

 

前回のお話で、子どもの成長には個人差があり、できないことよりもできることに目を向けよう!ということがわかりました。ただ、そうはいっても入学前に最低限のことはクリアさせておきたいのも親心。子どものやる気を削がないような声がけの方法を教えてください。

 

「ポイントは、すでにできていることを褒めたうえで、できていないことを促すことです。たとえば、幼稚園のカバンを家に帰って玄関に置きっぱなし、という子は多いですよね。小学生になったら、教室に自分のロッカーもできますし、自分のものを決められた場所に片付けることは必要になります。

 

もしも、遊んだおもちゃを片付けられたときがあれば、そこに目をつけます。『すごいね! 使ったおもちゃを元の場所に片付けられたね! それなら、幼稚園のカバンも自分の部屋に持っていけるだろうな』というように、これができるようになったから、こっちもできるかな?という声がけがおすすめです」(塩谷先生)

 

この言い方であれば、単に「ちゃんと片付けなさい!」と叱るよりも、ずっとストレスなくイライラしませんね。子どもも受け入れやすそうです。そして、片付けができるようになるためには片付ける場所が必要なので、家庭内で物を片付けられる環境を作っておくことも大切です。

 

チェックリストを子どもと一緒に見てみよう

 

また、学校生活を送るうえで必要な力をつけていくには、子どもと一緒に確認しながらひとつひとつクリアしていくことがおすすめだと塩谷先生。

 

「たとえば、学校からもらってきた『入学前に身に付けておきたいチェックリスト』の項目が5つあったとします。それを、あえて子どもに見せてみるのも一つの手です。『この間、小学校に行ったら、先生からこの5つはできるようになっていてほしいって言われたの』と言って、子どもと一緒にチェックします。全部ができないということは、ほとんどの場合ないでしょう。『これはできるね、これもできるね!』と見ていき、『だったら、今できていないのはこれだけだね』と伝えると、子どもも自然と意識して行動できるようになるでしょう」(同)

 

5つのうちできないのは1つだけなのに、その1つに目をつけて「どうしてできないの!」と追い詰めてしまうと、全部ができないように思えてしまいますね。まずはできていることに注目することで、子どもにとっての自信に繋がりそうです。

 

園と家での姿が違うのは当たり前!

 

ちなみに、幼稚園では給食も残さず食べる、自分で進んで歯磨きをする…といったように、しっかりと行動できているのに、家ではまったくやらない!と嘆いているママも多いのでは。かくいう筆者の娘も、幼稚園では優等生のように振る舞っているのに、家ではワガママ放題で何もやらず手を焼いています。このままで小学校に入ってから大丈夫かしらと不安になりますが、このような場合はどんな声がけをしたらいいのでしょうか。

 

「外と家の中の姿が違うのは、多くの家庭で見られることですよね。そもそも、よほどきょうだいや家族が多い家庭でない限り、集団生活を家の中では体験しにくいものです。家庭でできること、教えられることって限られているのです。

 

もしも園の先生から、今日あったことや良い行いなどをお迎えのときに聞いたり、連絡帳などで知ったりした場合は、『今日、先生に聞いたんだけど、お友達とケンカした後にごめんねって言えたんだってね。すごいね!』としっかり褒めてあげるといいですね。ただし、子どもは『今』を生きていますから、できるだけその日のうちに伝えることが大切です」(同)

 

園での様子を先生から聞いて知っておくことも重要なポイントのようです。そして、「幼稚園ではできているのに、どうして家ではできないの!」「1年生になるんだから、これくらい自分でできなくてどうするの?」などと責めてはいけないのですね。できない部分ではなくできている部分に目を向けて、前向きな声がけをすることが、入学前に大切にしたい子どもとの接し方だということがわかりました。

 

次回は、塩谷先生が入学前の準備としてもっとも大切にしてほしいと述べる「子ども中の芽生えを見つけて共有する」に関して詳しく話を伺います。

 

(取材・執筆:水谷映美)


関連記事はこちら

入学前の親の気持ちと子どもの気持ちに違いはある?

幼児期に大切にしたい「子どもの10の芽生え」に目を向けよう!

子どもの成長の芽を伸ばす、親のリアクションとは?

手づくり初心者ママ必見! ミシンの選び方と最新機能

卒園式・入学式の親子の服装、気をつけることは?

もうすぐ入学!小学校が楽しみになる絵本

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

入学前の親の気持ちと子どもの気持ちに違いはある?

 

もうすぐ4月ですね。年長の子どもを持つ親にとっては、小学校入学を前に、大きな期待と一抹の不安や焦りも感じている時期ではないでしょうか。一方、子どもたちはどのような気持ちで入学を心待ちにしているのでしょう? 今回は、元小学校の教員であり、大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に、入学前の親と子それぞれの心情や過ごし方について教えていただきました。

 

子どもたちの心の中はどんな気持ち?

 

いよいよ小学生になるということで、親にとっても子どもにとっても、ちょっと特別な気持ちが生まれてきている時期ですよね。まず、子どもたちの心の中はどのような気持ちでしょうか。

 

「もうすぐ小学生だ!というドキドキはもちろんあるでしょう。ただし、子どもは年齢が小さければ小さいほど、『今』を見ています。先のことは、あまり考えられません。小学生になるということは、幼稚園や保育園でも言われていますし、周囲からの声がけもあって、ある程度意識はしています。ただ、実際に経験していないことなので、未知の世界であり、イメージがわかないというのが本音でしょう。つまり、1年生になることを具体的に想像できないのです。

 

ですから、入学式後のことよりも、まずは目の前のこと、残りわずかとなった園での生活や卒園式に目を向けさせてほしいと思います」(塩谷先生)

 

卒園式が終わったら、その延長線上に入学式があるのだと塩谷先生。仲の良い友達や先生と離れるのが寂しいなど、「今」の子どもの気持ちを大切にしてほしいのだそう。

 

「残りの園生活を120%楽しんで過ごせるように、『卒園する前にやっておきたいことはないかな?』などと話をするのもいいですね。写真を撮ったり、お友達とたくさん遊んだりして過ごし、卒園式を迎えてほしいです。先に待っている小学校に意識を向けるのではなく、まずは園での一日一日を大切に、笑顔で過ごすことが第一。そして、卒園式後に『さあ、次は1年生だね!』と気持ちを切り替えても、十分日にちはあります。子どもの気持ちをそぞろにして、先へと気持ちを急く必要はありませんよ」(同)

 

●ママたちが不安になる理由とは…?

 

一方で、ママたちはいろいろと「1年生に向けて準備をしなきゃ!」と焦ってしまいがちです。

 

「やはり、いろいろなところから入ってくる情報の多さが原因のひとつでしょう。園でも『1年生になるまでに、○○はできるようになっておいてください』などと言われますよね。また、小学校の一日入学などでも、そのような話を聞いてきたのではないでしょうか」(同)

 

確かに、学校から身につけておいてほしいチェックリストなどをもらいました。また、ママ友との会話からも、「○○ができないと、小学校生活になじめないらしいよ」というようなことが話題にのぼります。

 

「あまりにたくさんの情報があって、全部できないと小学校でうまくやっていけないのでは?と不安になってしまいますよね。でも、その不安を子どもに押し付けるのはどうでしょうか。子どもたちは、入学に向けて期待がどんどん膨らんでいます。ランドセル、新しいお友達、運動場も広い、勉強もがんばるんだ!とワクワクしているのに、親が不安になっている様子を耳で聞いたり、肌で感じたりすると、その気持ちがしぼんでしまいかねません。卒園式と入学式を最大の楽しみにしてあげてほしいと思います」(同)

 

●子どもの成長には個人差があることを意識しよう

 

では、親が抱える不安要素は、具体的にどう解決していけばいいでしょう?

 

「ママたちが入学前に子どもにできてほしいと願うことといえば、先生の話を座って聞ける、ひらがなが読み書きできる、給食は残さず食べる、自分の準備は自分でするなどでしょうか。これらは、『集団生活でみんなに迷惑をかけないようにする』ために、最低限必要なことですよね。

 

でも、成長のスピードには個人差があります。そもそも、子どもは同じように成長しません。小学校入学前の子どもなら、なおさらです。

 

たとえば、偏食が多い子にとって好き嫌いなく食べられるようにすることは、とても大変なことです。入学までに偏食をなくす!と思っても、なかなか難しいでしょう。でも、もともとなんでも食べる子にとっては、『給食を残さず食べる』ということは、まったく苦ではないことですよね。できることには、個人差があるのです」(同)

 

どうしても、他の子ができていてわが子ができないことばかりに目が行ってしまいます。成長のスピードや順番には個人差がある、と捉えればいいでしょうか。

 

「極端な話、今の時代はAI(人工知能)が助けてくれることもたくさんありますよね。たとえば掃除が苦手でも、ロボットが掃除してくれるでしょう? どんなことでもできるに越したことはないけれど、できないからといって目くじらを立てて注意し続けるのはどうかな?という話です。それよりも、できていることをより伸ばしていくことに目を向けてみてはどうでしょうか」(同)

 

そう考えると、気持ちがラクになります。入学前にクリアしなくてはいけない項目でできないものがあっても、そこまで気に病む必要はないのですね。

 

「そんな気持ちでママにはどんと構えていてほしいですね。まずは、卒園式に向けて『今』を全力で楽しむ! これが、小学校入学に向けた準備の第一段階です」(同)

 

卒園・入学前の心の中は親と子どもで少し違っていて、まずは目の前にある卒園式に向けて、悔いのないように毎日を過ごすことが大切だということがわかりました。次回は、入学前の子どもに向けた効果的な声がけの方法について伺います。

 

(取材・執筆:水谷映美)


関連記事はこちら

入学後の子どもの自信につながる声がけとは?

幼児期に大切にしたい「子どもの10の芽生え」に目を向けよう!

子どもの成長の芽を伸ばす、親のリアクションとは?

手づくり初心者ママ必見! ミシンの選び方と最新機能

卒園式・入学式の親子の服装、気をつけることは?

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

入学準備に! 初心者ママ向けおすすめミシン6選

 

もうすぐ4月。小学校入学を控えた子どもを持つママの中には、通学グッズを手づくりしようと考えている人もいるのではないでしょうか。前回は、入学を機にミシンの購入を検討しているママたちに向けて、ミシン選びのポイントと注意点をお伝えしました。

今回は、おすすめミシンの機種やアフターサービスに関して、引き続き日本ミシンサービス株式会社の松村敏則さんに教えてもらいました。

 

初心者でも使いやすいのはコレ! おすすめミシン機種

 

ミシンには本当に多くの種類があり、事前情報がないと何を選んだらいいのか迷ってしまうもの。ミシンのことはミシンに詳しい人に聞くのが一番! というわけで、ミシン初心者のママ向けの機種を、松村さんにピックアップしてもらいました。

 

シンガー「モナミヌウプラスSC227」「モナミヌウアルファSC327

1851年に世界で初めて実用ミシンを世に送り出した老舗メーカー「シンガー」。初心者でも使いやすく、簡単な操作が魅力の機種が多いので、まさに入学準備で購入を考えているママたちにおすすめのメーカーです。

 

「モナミヌウプラスSC227、モナミヌウアルファSC327は、共に2018年2月に発売されたばかりの新機種です。多くの機能を搭載し、液晶画面を見ながら操作ができるほか、自動糸調子の中でも精度の高いコンピュータ制御の自動糸調子を採用しています。これは、シンガー以外のメーカーでは、刺しゅう機能の付いた高額のミシンにしか採用されていない機能です。静音設計、自動糸切機能など便利機能が多く、操作においても初心者でも十分に使いこなせるバランスの取れたミシンです。ハイスペックの入門ミシンとして最適ではないでしょうか。キルト生地もなんなく縫えるのも魅力です。

 

ミシンで名前を入れたい方は文字縫い機能がついたSC327、文字縫いは必要ないとお考えの方はSC227で十分ですよ」(松村さん)

 

 

モナミヌウプラスSC227 

主な機能:押え圧力調節、コンピュータ式自動糸調子、下糸らくスルー、ニュースレッディングシステム、らくらく下糸巻き(自動停止機能付き)、液晶画面表示、自動糸切り機能(オートカッター)、自動針穴糸通し、全自動ボタンホール(アンダープレート付き、自動穴かがり縫い)、光る手元スタート/ストップボタン、縫い模様数55種類、自動止め縫い機能(ほつれ止め)、LED手元ランプ、ワンタッチスローボタン、糸切れ検知、静音設計、7枚送り歯、貫布力(縫うパワー)、模様ダイレクト選択ボタン、ワイドなソーイングスペース、オール金属製針板、コードリール式電源コード、ハードケース付属(硬質収納ケース)、ワイドテーブルサービス、フットコントローラーサービス

重さ:7.6kg

メーカー希望小売価格(税込)オープン価格
参考価格(税込) 53,800円~

 

 

モナミヌウアルファSC327

主な機能:押え圧力調節、コンピュータ式自動糸調子、下糸らくスルー、ニュースレッディングシステム、らくらく下糸巻き(自動停止機能付き)、液晶画面表示、自動糸切り機能(オートカッター)、自動針穴糸通し、全自動ボタンホール(アンダープレート付き、自動穴かがり縫い)、光る手元スタート/ストップボタン、縫い模様数260種類、文字縫い機能、自動止め縫い機能(ほつれ止め)、LED手元ランプ、ワンタッチスローボタン、糸切れ検知、静音設計、7枚送り歯、貫布力(縫うパワー)、模様ダイレクト選択ボタン、ワイドなソーイングスペース、オール金属製針板、コードリール式電源コード、ハードケース付属(硬質収納ケース)、ワイドテーブルサービス、フットコントローラーサービス

重さ:7.6kg

メーカー希望小売価格(税込)オープン価格
参考価格(税込) 62,800円~

 

ジャノメ「JP710N」「NP860」「NP350」「NP470

「ジャノメミシン」は、大正時代から続く歴史あるミシンメーカー。家庭用のコンパクトなミシンから職業用の刺しゅう機まで、幅広く製造・販売しています。

 

「ミシンの耐久性で長年定評があるのがJP710Nです。使用部品はとても丈夫な材質で製造されています。基本性能重視、必要な機能に限定したシンプルミシンで、長く愛用できます。故障率の低さもダントツです。購入者からの口コミで高い人気を誇るロングセラーミシンです」(同)

 

 

JP710N

主な機能:ダイレクト模様選択、模様数30種類(うち自動ボタンホール縫い6種類)、ワンアクション糸通し、針の上下停止記憶、自動糸調子、7枚送り歯、自動返し縫い、自動止め縫い、4段階押さえ圧調節、ゆっくりスタート/ぴったりストップ機能、押さえ上げ検知機能、ドロップフィード機能、コードリール式電源コード、ハードケース標準付属、オール金属針板、金属製下糸巻き軸、押さえ固定ピン付き基本押さえ

重さ:8.3kg

メーカー希望小売価格(税込)オープン価格
参考価格(税込) 39,800円~

 

「NP860は自動糸切り機能の追加や布送りの改良など、操作性と仕上がりを見直して開発されたミシンです。コンパクトミシンの手軽さと、フルサイズミシンの縫い目の安定さをあわせ持った機種として人気があります。重さ6kgと、他のミシンよりも少し軽い点も好評です」(同)

 

 

 

NP860

主な機能:大きく見やすいLCDスクリーン、LEDランプ、模様数30種類(うち自動ボタンホール縫い3種類)、自動糸切り、プログラム自動糸切り機能、ワンアクション糸通し、針の上下停止記憶、自動糸調子、7枚送り歯水平送り機能、自動返し縫い、自動止め縫い、6段階押さえ圧調節、ゆっくりスタート/ぴったりストップ機能、押さえ上げ検知機能、ドロップフィード機能、コードリール式電源コード、ハードケース標準付属、オール金属針板(角度ガイド付き)、金属製下糸巻き軸、押さえ固定ピン付き基本押さえ、ボーダーガイド押さえ

重さ:6.0kg

メーカー希望小売価格(税込)オープン価格
参考価格(税込) 39,800円~

 

「NP350とNP470は、それまでに販売された同等クラスのジャノメ家庭用ミシンを使ったお客様の声を取り入れ、開発された最新機種です。シンプルで耐久性を重視される方におすすめです」(同)

 

 

NP350

主な機能:大きく見やすいLCDスクリーン、LEDランプ、模様数30種類(うち自動ボタンホール縫い3種類)、ワンアクション糸通し、針の上下停止記憶、自動糸調子、7枚送り歯、自動返し縫い、自動止め縫い、ドロップフィード機能、ゆっくりスタート/ぴったりストップ機能、押さえ上げ検知機能、ハードケース標準付属、金属製下糸巻き軸、押さえ固定ピン付き基本押さえ、特製オリジナルピンクッション

重さ:5.9kg

メーカー希望小売価格(税込)オープン価格
参考価格(税込) 34,800円~

 

 

NP470

主な機能:大きく見やすいLCDスクリーン、LEDランプ、模様数30種類(うち自動ボタンホール縫い3種類)、自動糸切り、プログラム自動糸切り機能、ワンアクション糸通し、針の上下停止記憶、自動糸調子、7枚送り歯水平送り機能、自動返し縫い、自動止め縫い、ドロップフィード機能、コードリール式電源コード、ゆっくりスタート/ぴったりストップ機能、押さえ上げ検知機能、ハードケース標準付属、金属製下糸巻き軸、オール金属針板(角度ガイド付き)、押さえ固定ピン付き基本押さえ、特製オリジナルピンクッション

重さ:6.3kg

メーカー希望小売価格(税込)オープン価格
参考価格(税込) 49,800円~

 

使い方がわからないときは、どこに相談したらいい?

 

ミシンを使っていると、使い方がわからなくて困ったり、うまく動かなくて不安になったりすることがあります。そんなときは、どこに相談するのがいいでしょうか?

 

「当社の場合ですが、『ミシンは購入してからのお客様とのお付き合いが大事』と考えていますので、購入後のアフターサービスは販売店が行うのが、専門店として当然のことであると考えています。ネットから購入されたお客様に対しては、お電話とメールでアドバイスをしています。また、実店舗で購入されたお客様には、店頭で無料講習も行っており、より分かりやすくご案内しています。

 

メーカーにもよりますが、定期的に有料講習を行っているところもありますので、そのような場を利用してみるのもおすすめです」(同)

 

初めてミシンを使うときは特に、わからないことだらけなので、気軽に相談できる場があると安心ですね。アフターサービスがしっかりしているかどうかも、ミシンを購入する際の大きなポイントのようです。

 

「ママが心を込めて作ってくれた手作り品は、ずっとお子様の思い出に残ります。ぜひお子様の笑顔のためにも頑張ってください」と松村さん。

 

入学のときだけでなく、この先子どもが大きくなるまで活躍するミシン。最新機能を使いこなせば、初心者でもステキな作品を仕上げることができます。ぜひ、自分に合ったミシンを選んで、いろいろな手作りを楽しんでくださいね。

 

なお、日本ミシンサービス株式会社では、入園入学グッズフォトコンテストを開催中。ぜひ公式サイトをチェックしてみてくださいね。(3月31日まで応募受付中)

 

(取材・執筆:水谷映美)


関連記事はこちら

手づくり初心者ママ必見! ミシンの選び方と最新機能

卒園式・入学式の親子の服装、気をつけることは?

もうすぐ入学!小学校が楽しみになる絵本

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

手づくり初心者ママ必見! ミシンの選び方と最新機能

 

いよいよ4月が近づいてきました。給食用のナプキンやコップ袋などを作るため、子どもの入学を機にミシンを買おうか検討しているママも多いのではないでしょうか。でも、種類がたくさんありすぎて、どんなミシンを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。そこで今回は、日本ミシンサービス株式会社の松村敏則さんに、初心者向けのミシンの選び方や注意点を教えてもらいました。

 

この10年でミシンが大進化!より簡単で使いやすい機能がいっぱい

 

一口にミシンといっても、値段や機能、大きさなどさまざまです。まずは、最近のミシンの特徴を教えてください。

 

「あらゆる面で、10年以上前のミシンと比べて進化しています。初めての人でも、より簡単に使いやすくなってきていますね。

 

たとえば、縫う素材に合わせて自動で最適な糸調子をしてくれる『自動糸調子』や縫い終わりにミシンが糸を切ってくれる『自動糸切機能』、布の厚さにかかわらず均一な縫い目に仕上げてくれる『7枚送り歯』、下糸を引き上げなくてもすぐに縫える『クイック針版』など、初心者の方がつまずきやすい点をミシンが自動でやってくれます。『自動針穴糸通し』や手元が明るく見やすい『LEDランプ』なども、大変便利な機能です」(松村さん)

 

これなら、昔家庭科の時間に使って以来、ミシンには触ったことがないというママでも簡単に使えそうですね。

 

はじめてのミシン選び、3つのポイント

 

たくさんの便利な機能があるので、より商品選びに迷ってしまいそう…。入園や入学準備でミシンを購入したいと思っている”ミシン初心者ママ”に向けて、おさえておきたいミシン選びのポイントを教えてください。

 

1.ミシンの種類

 

「まず、家庭用のミシンには大きくわけて『コンピューターミシン』と『電子ミシン』の2種類あります。初心者に使いやすく、特に入園や入学準備で購入を考えている方は、『コンピューターミシン』がおすすめです。

 

特徴としては、縫い目の調節がしやすいこと、セーフティー機能が搭載されているものが多いので、誤った操作をした場合はミシンにロックがかかり、故障を防いでくれることが挙げられます。操作もパネルやボタンを押すだけなので、ミシンに慣れていない人でも、簡単に安心して使えます」(同)

 

煩わしいと感じる動作を自動で行ってくれるので、まさに初心者にピッタリだといえますね。一方、「電子ミシン」は操作ボタンが少なくシンプルな操作が可能ですが、誤作動を防ぐ機能がないため、長年ミシンを愛用してきた人におすすめなのだそうですよ。

 

2.サイズ

 

ミシンのサイズにも2種類あるのだそう。ひとつは、5kg以下の『コンパクトサイズ』、もうひとつが目安7kg以上の『普通サイズ(フルサイズ)』です。

 

「コンパクトサイズは、価格が手頃で使い勝手も良いため人気がありますが、サイズが小さい分、中に入っているモーターも小さいものが使われています。そのため、普通サイズのミシンと比較した場合、内部にかかる負担が大きくなってしまい、長く使用していくには不向きだといえます。

 

入学準備でミシンの購入を考えている方は、最低でも小学校を卒業するまでの6年間、中学校まで考えると10年弱は度々ミシンを使うことになると思います。コンパクトミシンの場合は、その間に1度は買い替えの時期が来ると予想されます。予算の都合もあるかとは思いますが、せっかく購入するならば普通サイズのミシンをおすすめします」(同)

 

少し場所をとることがあるかもしれませんが、長く使うことを考えると、普通サイズがいいようですね。

 

3.価格

 

気になる価格はどうでしょうか。

 

「目安としては、手芸店の店頭で購入する場合は6万円以上、ネットなどで購入する場合でも4万円以上の機種を選ぶといいと思います」(同)

 

よく、初心者向けのミシンで3万円以下のものが紹介されていますが…。

 

「確かに安いことを謳っているものもありますが、初心者にとって便利な機能である『自動糸調子』や『自動糸切機能』などがついたミシンは、ネット価格でも3万円台後半です。上位機種になればなるほど、初心者でも上級者でも同じように仕上げられるミシンであるといえます。個人的な意見としては、初めての方は4万円以上の機種から選ばれると、腕をカバーできるのではないでしょうか」(同)

 

また、ミシンの保証についても、値段によって変わるそうです。

 

「ミシンは保証が切れてしまうと、1回の修理代が内容を問わず1~3万ほどかかってしまいます。4万円以上のミシンになると、内部の作りがしっかりしているものがほとんどなので、不具合のリスクも少なくなり、万が一故障した場合も修理に出して修復すれば、結果的に長くミシンを愛用できます。

 

仮に3万円前後でミシンを購入した場合、修理に1万5千円の見積もりを出されたら、ほとんどの方が買い替えを希望されます。保証期間終了後に不具合が起きた場合は、ほぼ使い捨ての状態になってしまうのです。そういった意味でも、ある程度の値段のものを選んだ方がいいでしょう」(同)

 

ミシンを選ぶとき、ココだけは注意!

 

では、反対にミシンを選ぶ際に注意すべき点はありますか。

 

「本当に入学準備だけで、その後使用する予定がなければ1万円台のミシンでもいいと思います。ただ、1万円以下で売られているミシンは『TOY(玩具)ミシン』と呼ばれていて、ほとんど何も縫えないミシンといっても過言ではありません。あまりおすすめできませんね」(同)

 

実は筆者も、ネットで4,000円以下で売られていたミシンを買った一人です。実際、縫えることは縫えますが、すぐに糸が外れたり、縫い目が揃わなかったり、少し厚い布は針がさせなかったりで、とても後悔しています…。

 

「長く使用していけるミシンを見つけるポイントとしては、内部フレームがしっかりしているかどうかです。内部フレームとはミシンの骨格のようなもので、多くのミシンはフレーム(骨格)に各部品がついており、その前後にボディがついている3重構造となっています。ミシンの耐久性は内部のフレームが大きく関係しており、たとえボディがプラスチックである家庭用ミシンであっても、重量が7kgあれば内部フレームもしっかりしていると考えられます。参考にしてみてはいかがでしょうか」(同)

 

できるだけ安い価格でミシンを買いたいのは本音ですが、やはり長く使っていくためには、ある程度の値段を出して、信頼できるメーカーのものを選んだ方がよさそうですね。

次回は、実際に初心者におすすめのミシンの機種をご紹介します。

 

(取材・執筆:水谷映美)


関連記事はこちら

入学準備に! 初心者ママ向けおすすめミシン6選

卒園式・入学式の親子の服装、気をつけることは?

もうすぐ入学!小学校が楽しみになる絵本

入学までに、元気なあいさつと返事を練習しよう!

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

大切な友だちとの絆と別れを描く『フレンズ もののけ島のナキ』

 

名作童話「泣いた赤おに」を元にした友情と別れの物語

 

3月は卒園式など別れの季節。初めての“友だちとの別れ”に直面する年長さんも多いのではないでしょうか。そんな季節に紹介するのは、名作童話「泣いた赤おに」をベースにしたアニメーション『フレンズ もののけ島のナキ』。人間が大嫌いでひねくれ者の赤おに“ナキ”と、ナキの唯一の友だちである青おに“グンジョー”との友情と切ない別れの物語です。

 

人間嫌いの赤おにが子どもと触れ合ううちに変わっていく

 

恐ろしいもののけが住み、人間が近づいてはいけないと言われているもののけ島。しかし島に住むもののけたちも人間を恐れ、身を寄せ合って静かに暮らしていました。そこに迷い込んだのが人間の子どもコタケ。人間の襲来を恐れたもののけ島の長老はコタケを人質にすることを決め、暴れん坊の赤おにナキと、その友だちで明るくしっかり者の青おにグンジョーにコタケの面倒をみるように命じます。200年前の人間との戦いで母を亡くし人間が大嫌いなナキはコタケを何度も追い払おうとするのですが、コタケはナキになついてしまいます。無邪気なコタケと一緒に暮らすうちに、いつしかナキの心には優しい気持ちが芽生えていきます。

 

ユニークな風貌のもののけたちの言動が子どもたちに大ウケ

 

暴れん坊でひねくれ者のナキが、コタケに振り回される様子に何度も笑ってしまいます。ユーモア抜群のグンジョーとのやりとりや、“恐ろしいもののけ”とはほど遠い、愛嬌抜群のもののけたちの言動も楽しめます。ナキがコタケを乗せて海の上を猛スピードで走ったり、年長さんの目をくぎ付けにする躍動感あふれるシーンも満載です。

 

自分が悪者になって友だちの想いを叶える姿に涙

 

一度は母親の元に返したコタケにもう一度会いたい。人間とも仲良くしたい。そんな風に思うようになったナキですが、もののけを恐れる人間から襲われてしまいます。ナキの想いを叶えるため、ナキが人間に好かれるようにわざと悪者になるグンジョーの行動が涙を誘います。そこまでしなければいいけなかったのだろうか?とやるせない気持ちになりますが、本当に大切なものを守るためには何かを手放さなければいけないこともある、という大人になったからこそわかるメッセージも感じ取れます。

 

卒園式など大きな別れを経験する年長さんの気持ちに寄り添って

 

卒園を迎え、幼稚園や保育園でずっと仲良く遊んでいたお友だちと離ればなれになってしまう、というお子さんも多いはず。この映画にはそんな“友情と旅立ち”に関する切なくもあったかい気持ちになれるシーンがたくさんあります。

 

この映画を見て、今の子どもの気持ちに寄り添い「友だちとたくさん遊べてよかったね」と楽しかった思い出を振り返ったり、「悲しい経験の後には楽しいこともいっぱい待ってるんだよ」など、小学校という新しい環境へ期待を持てるような言葉をかけてあげたりしてもいいかもしれません。

 

元になった童話「泣いた赤おに」を親子で一緒に読んでみるのもおすすめです。映画と併せて子どもと一緒に、感じたことをいろいろ話してみてはいかがでしょうか。

 

 

<データ>

2011年/1時間27分/日本/監督:山崎貴、八木竜一/声:香取慎吾、山寺宏一、阿部サダヲ、YOU、加藤清史郎


連載「親子の会話がはずむ、年長児とママのための映画ガイド」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

親子で笑える教科書クイズで、ちょっとずつ学力アップ

 

突然ですが、クイズです。

まずは、ご自分で考えてみてください。

 

6年社会の教科書から作ったクイズ

 

江戸幕府の2代将軍・徳川秀忠(ひでただ)は武家諸法度(ぶけしょはっと)という決まりを定めて、これにそむいた大名には罰を与えた。どんな罰か?

 

A 漢字の書き取りを毎日1ページやらせた。

 

B ニンテンドースイッチで遊ぶのを一週間禁止した。

 

C その大名を他の領地に移したり、領地を取りあげたりした。

 

6年国語の教科書から作ったクイズ

 

松尾芭蕉が作った俳句はどれ?

 

A 古池やイモト飛びこむ痔が悪化

(ふるいけや いもととびこむ じがあっか)

 

B 古池や蛙飛びこむ水のおと

(ふるいけや かわずとびこむ みずのおと)

 

C 古池や出川飛びこむ腹のおと

(ふるいけや でがわとびこむ はらのおと)

 

1年国語の教科書から作ったクイズ

 

犬をかぞえるとき、正しいのはどれ?

 

A いっぴき にぴき さんぴき よんぴき ごぴき

 

B いっぴき にひき さんびき よんひき ごひき

 

C いっぴき にびき さんぴき よんびき ごびき

 

3年理科の教科書から作ったクイズ

 

次のそれぞれの文章のうち、AとBのどちらが入るのが正しいか?

 

(A時計 B方位じしん)のはりは、北と南を指して止まる。

 

人が南を向いて立つとき、左手のある方が(A東 B右)である。

 

東は(A太陽 Bおなら)が出る方位(ほうい)である。

 

勉強嫌いな子でもやってくれる

 

以上、クイズを4つ考えていただきました。

どれもこれも、超簡単ですよね。

正解を示すまでもなく答えがわかるはずです。

しかも、けっこうおもしろがっていただけたのではないかと思います。

 

私は、これを「お笑い! 教科書クイズ」と名づけて、インスタグラムで毎日1,2問ずつ公開中です。

 

「お笑い」の要素があるので、勉強が嫌いな子でも「やってみよう」という気になってくれると思います。

そして、1問解けば、ほんのちょっとですが、知識が増えます。

 

この「ほんのちょっと」が積もることで、知識が増えていき、やがてはそれが山となります。

 

「塵も積もれば山となる」のことわざの通りです。

 

それによって、「ほんのちょっとずつ」学力を上げていこうというのが「お笑い! 教科書クイズ」のねらいです。

 

ぜひ、親子でわいわい楽しみながら、この楽勉をやってみてほしいと思います。

 

教科書を見ながらクイズを作れば、学力アップ間違いなし

 

もちろん、教科書を見ながら親がクイズを作ってあげればさらに効果的です。

 

そして、一番いいのは、子どもにクイズを作らせて、ママ、パパ、兄弟姉妹、おばあちゃん、おじいちゃんなどに出題することです。

 

クイズを作るには、教科書をしっかり読んで理解する必要があります。これは大変よい勉強になりますし、学力アップ間違いなしです。

 

10問、あるいは20問くらい作れば、自由研究として提出することもできます。

 


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

卒園式・入学式の親子の服装、気をつけることは?

 

年長さんはもうすぐ卒園式・入学式を迎える季節ですね。当日何を着せるか、自分が何を着るか、ママたちは頭を悩ませていることでしょう。そこで、今回は、長年静岡県で小学校教諭として教育に携わり、退職後の現在も小学校で書道の指導に当たったり、幼稚園でママたちの子育て相談などを受けたりしている井上聖美先生と、札幌市立屯田小学校校長の新保元康先生に、卒園式や入学式の服装とマナーについてお聞きしました。

 

卒園式の親の服装、園によって傾向が違う

 

井上先生は、退職後も様々な立場で子どもたちの教育に携わっていることから、幼稚園の卒園式や小学校の入学式などに、来賓として出席することが多いそうです。そこでまずは、卒園式の最近の服装の傾向について聞いてみました。

 

「地域によっても差はあると思いますが、私の知る範囲では、親子ともそれほど昔と変わらずベーシックな服装の方が多いと思います。幼稚園の場合、卒園式は子どもは制服というところが多いと思いますが、お母さんの服装は、園によって傾向の違いがあります。ほとんどのお母さんが和服で来るという園もありますし、働いていて忙しいお母さんが多い園は、スーツなどの方が多いようです。無理のない範囲で、その園の雰囲気に合わせればいいのではないでしょうか」(井上先生)

 

では、小学校の入学式の場合、子どもの服装について、学校側で何らかのルールを作ったりしているケースもあるのでしょうか?

 

「入学式の場合、子どもたちの服装は基本は自由です。学校からも特に指導や指示はないと思います。とは言え、フードがついた服などカジュアルすぎる格好は避けたほうがいいでしょう。正式な場なので、基本は襟付きのものを着せたほうがいいですね。男の子なら、ワイシャツにジャケットやベスト、女の子の場合は、襟付きのワンピースや、中にブラウスを着られるタイプのワンピースの子なども多いです」

 

また、新保先生も、学校から特段子どもの服装についてお願いすることはないとしながらも、「地域によってはPTAや学校でルールを作っているところもあるので、それにしたがって、シンプルで清潔な装いであれば十分です」とのこと。

 

「ただし、普段着慣れない袴やアイドル風のファッションで決めてくる子もいますが、その場合に心配なのがトイレです。子どもは緊張するとトイレが近くなることがあるので、いざという時に間に合わないということも…。普段の服装からあまりかけ離れない格好で、襟を正すようなものが一番安心かと思います」(新保先生)

 

主役はあくまで子ども。親は華美になりすぎず

 

また、親の服装については、卒園式も入学式も主役は子どもということを忘れないでほしいと井上先生。

 

「卒園式も入学式も、あくまで主役は子どもです。そのため、あまりに親が華美になりすぎないようにだけは、気をつけてください。子どもをお祝いする気持ちがいちばん大事ですからね」(井上先生)

 

特に和服の場合、着て行く場に合った格のものを着るというマナーがあります。色や柄が派手すぎない訪問着や、色無地、付け下げなどがこうした子どもが主役の場には合っているとのこと。和服は年齢や体型の変化、流行などに関係なく、長く着られて便利ではありますが、着る時には、和装のマナーに詳しい人や呉服屋さんなどに相談してみると良さそうですね。

 

新保先生も、学校側からもしひと言お願いするとしたら、「学校の儀式にふさわしい装いでお越しください」とのこと。

 

「これまで何度も入学式を行ってきましたが、それほどおかしなファッションでいらっしゃる方はいませんでした。みなさん、お子さんの大事な1日を温かく見守る雰囲気で、節度と清潔感のあるファッションとマナーで入学式に参加してくださいます。ただし、1つご注意いただきたいのは、香水や化粧品の匂い。そういった匂いに過敏なお子さんもいるので、その点はご配慮いただければと思います。またあまりにも高いヒールの靴などは、学校内では歩きにくいので、避けていただいた方がいいかもしれません」(新保先生)

 

スリッパ持参と寒さ対策を忘れずに

 

そのほかに、入学式の服装や持ち物について、知っておいたほうがいいこととして2人の先生が挙げてくれたのが、スリッパと寒さ対策です。

 

多くの学校では、体育館に入るためにスリッパを持参する必要があります。入学後は、学校に出入りする時には必ず持っていくことになるので、折りたたみできるスリッパを用意するお母さんも多いそう。また、4月でも天候によっては体育館は意外に寒いので、暖かい服装、薄手のひざ掛けを持参するなど、寒さ対策を行った方がいいとのことでした。

 

最後に、これから入学を迎えるお子さんを持つママに、2人の先生からアドバイスをいただきました。

 

「色々と不安はあるかと思いますが、学校生活のスタートで一番大事なのは健康です。体調を万全に整えて、入学式にのぞんでいただきたいと思います。虫歯などがある場合には、早めに治しておけるといいですね。そのほかは、大きな声であいさつと返事ができれば十分。おとなしい性格の子や人見知りの子も、子どもたちは集団の中に入れば溶け込んでいくもの。心配しすぎず見守ってあげれば大丈夫です」(井上先生)

 

「環境の変化に敏感なお子さんの場合、事前に相談してくださる保護者の方もいます。これは学校としてはとても助かります。式の時にお母さんに付き添ってもらったり、事前に入学式の会場を見ていただいたりしたこともありました。早めにご相談いただければ、学校側も配慮できると思いますので、心配なことがあれば、遠慮なく相談してみてください」(新保先生)

 

先生の視点から見た、卒園式、入学式のファッションアドバイス。これを参考に、洋服選びをしてみてくださいね。

 

(取材・執筆:ママノート編集部)


関連記事はこちら

もうすぐ入学!小学校が楽しみになる絵本

入学までに、元気なあいさつと返事を練習しよう!

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

もうすぐ入学!小学校が楽しみになる絵本

 

もうすぐ春。年長さんは、4月になれば、いよいよ小学生です。「一年生」になったら、学校ではどんなことが待っているのでしょう。小学校が楽しみになる絵本を2冊ご紹介します。

 

笑顔いっぱい!親子で歌いながら読める『一ねんせいになったら』

 

 

『一ねんせいになったら』(まど・みちお詩、かべやふよう絵)は、まど・みちおさんの童謡「一ねんせいになったら」が絵本になったもの。「一ねんせいになったら、一ねんせいになったら、友だちひゃくにんできるかな…。」誰もが一度は聞いたことがある、新一年生にぴったりの歌の絵本化です。

一緒に歌えば元気になる歌詞と、100人の子どもが登場する、迫力ある絵が魅力。かべやふようさんが、のびのびしたタッチで子どもたちを描いています。

 

新しいランドセルがうれしくてたまらない男の子や、お母さんが入学準備のためにたくさんの学用品に名前を書いているところを、横からのぞきこむ女の子。ちょっぴり不安な顔もしつつ、楽しみでスキップしているところも描かれます。「ひゃくにんでたべたいな、ふじさんのうえで、おにぎりを」の場面では、本当に100人がおにぎりをもつ絵が壮観! 最後は、桜の花びらが舞う校庭でいろいろな表情を見せる100人の子どもたちと、とびっきりの笑顔が描かれます。

 

歌詞は、3番まで。「この歌、知っている」というみなさんも、3番までは覚えていない方もいるのではないでしょうか。絵本には、3番までの歌詞にあわせて、入学前の風景と、入学後の友だちとの風景が交互に登場します。巻末には楽譜もついているので、ぜひ親子で歌いながら読んでみてくださいね。

「一ねんせいになったら、一ねんせいになったら、友だちひゃくにんできるかな…。」歌いながらページをめくれば、不安なんか吹き飛びます! わくわくして明るい気持ちでいっぱいになる絵本です。

 

学校生活のイメージができる写真絵本『1ねん1くみの1にち』

 

 

『1ねん1くみの1にち』(川島敏生 写真・文)は、写真絵本。登校、朝の会、国語、算数、休み時間…と、小学校1年生のクラスの1日を追った写真絵本です。教室では、和気あいあいとおしゃべりする子だけでなく、ぼーっと外をながめる子がいたり、入り口になぜか上履きが落ちていたり、体操着の袋をうまく開けられない子がいたり…。いろいろな子が1つのクラスにあつまって過ごす、リアルな様子がわかります。

新1年生にとってはわからないことだらけの新生活ですが、この絵本を読むと、給食の時間、掃除の時間なども含め、1日の流れや、教室の雰囲気がつかめます!

 

教室を定点で追っていく写真の中では、忘れ物したり、いたずらしたり、と楽しいストーリーが展開。笑顔がはじける休み時間には、校庭の木にのぼったり、虫を見つけたり、先生も一緒にドッジボールをして遊ぶ姿も。この日の時間割は、国語、生活、算数、体育、音楽。音楽の授業では「一ねんせいになったら」をみんなで歌います。

 

「ランドセルの中のものぜんぶ」「みんなのふでばこぜんぶ」「教室の中にあったものいろいろ」など1点ずつ物を並べたページや、「1か月の給食ぜーんぶ」が撮影された見開きページ、図工室や理科室、みんなが下校したあと、真っ暗になった夜の学校のページもおもしろいですよ。

 

ありのままを、生き生きと見せてくれる子どもたちの写真に、学校生活が楽しみになってきます。写真に添えられた、子どもたちの言葉は個性にあふれ、ひとつひとつ読んでいて飽きません。全ページ、「小学校って、こんなところなんだ」とリアルに想像できる1冊です。

さあ、4月からここに仲間入りです。どんな学校生活が待っているか、楽しみですね。

 


★連載「親子で読みたい!子どもの成長を応援する絵本」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

面談や保護者会で先生たちはどんなことを相談される?

 

こんにちは、現役小学校教諭の舟山由美子です。

保護者会や懇談会、個人面談は、保護者と担任が直接コミュニケーションをとる大切な機会。どんなことでもざっくばらんに話ができる関係を築いて行きたいという思いは、学校も保護者も共通のものでしょう。今回は、私たち教師が個人面談や保護者会でどんな相談を受けるのか、その一例をご紹介します。

 

主な心配事は「学習」「友人関係」「生活面」の3つ

 

個人面談や保護者会で保護者の方からよく聞かれるのは、「うちの子は大丈夫ですか?」という言葉です。「学校でうまくやっていますか?」とも言われます。これはどの学年でも同様です。

 

保護者の皆さんの心配事の多くは、「学習面」「友人関係」「給食・身の周りの整理整頓などの生活面」に関することです。それぞれどんな相談が多いか、少し挙げてみます。

 

<学習面>

・先生の話を理解できているのか  

・授業についていけているのか

・「読む力」「書く力」「計算力」は学年相当の水準を達成しているのか

・宿題にとても時間がかかるが、大丈夫か

・宿題をするように言っても、テレビを見たりしてなかなか手をつけない

 

これらの相談については、学校の様子と家庭での様子の情報の交換をすることで、「これからどうしていったらよいのか」という方向を、担任と保護者との間で共通認識できるようにします。

 

<友人関係>

・いじわるをされていないか

・友だちにいじわるをしていないか

・休み時間は、みんなと遊んでいるか

・おとなしいので、友だちができにくいのではないか

・登校班のメンバーになじめない

・共働きなので、放課後の友人関係が心配

・当番や係の仕事をするときに、協調性があるか

 

ほとんどの子は、性格の違いはあっても、なんとか学校の生活になじもうと努力しているもの。担任としては、そうしたけなげな部分をお伝えし、家庭で声かけをしていただいたほうがよいことがあればお願いするなどしています。

 

<生活面>

・朝、一人で起きられない

・登校までの準備に時間がかかる

・学校にいきたがらないことがある

・食事を食べるのが遅い・偏食が多く心配

・机の中や道具箱の中を片付けるのが苦手

・着替えが遅い/下着を裏返しで着てしまう

・ゲームばかりして、だらだらしている

 

生活面の相談は、学校と家庭で「困り感」にあまり差がないことが多いように思います。ただ、家では困っていても、学校ではちゃんとやっている場合もあるので、それぞれの子どもに応じた対応を考えて連携していくことになります。

 

相談は担任とのコミュニケーションのひとつ

 

ほかに保護者の方から相談されるのが、子どもの発達についてです。最近は情報が氾濫しているため、それらを読んで心配になったお母さんたちから、我が子の発達に関することを相談されることがあります。

また、上に挙げた心配事の相談でも、発達に課題があるケースもないわけではありません。その場合には、学校と保護者が協力し合い、正しく対処する必要があります。面談は、学校側と保護者間で適切に情報を交換し合うための大切な場となります。

もちろん、ほとんどの場合は、それほど心配ないケースであって、「こんなふうにしていきましょう」と明るく言って終わります。

 

担任の立場で言うと、保護者の方からの学校への質問・疑問があったら、どんどん相談していただきたいと思います。相談は、情報の共有でもあり、担任とのコミュニケーションのひとつ。そうやって、信頼関係ができることで、学校と保護者との連携も成り立つからです。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

「アリエル」のジップロック® スクリューロック®を3名様に

毎年数量限定発売で人気の、ディズニーデザインのジップロック®シリーズが今年も発売されます。今年は、ジップロック®フリーザーバッグやジップロック®スクリューロック®など4種5商品が、2018年3月1日(木)に発売。WEB限定商品のスクリューロック®には、今回初登場の『リトル・マーメイド』の「アリエル」が初登場します。

 

食品保存だけでなく、お部屋の整理整頓、アウトドアなどにも便利なジップロック®シリーズ。ディズニーデザインなら、親子で楽しく使えること間違いなしです!

 

この中から今回は「ジップロック®スクリューロック® 473ml&730ml各1個入  アリエル2018」を3名様にプレゼントいたします。

 

 

応募締切)2018年3月15日(木) ※発送をもって発表に代えさせていただきます

 

****************************

「ジップロック®フリーザーバッグ M16枚入 ミニーマウス2018」(300円+税)

「ジップロック®イージージッパー®M10枚入 ミッキーマウス2018」(300円+税)

「ジップロック®スクリューロック®300ml 2個入 ディズニー2018」(400円+税)

「ジップロック®スクリューロック®730ml 1個入 ミッキー&プルート2018」(400円+税)

「ジップロック®コンテナー ベーシックアソート ミッキー&ミニー2018」(780円+税)

 

<WEB限定商品>

「ジップロック®スクリューロック® 473ml&730ml 各1個入 アリエル2018」(700円+税)

 

★商品情報はこちら

 

 

応募は締め切りました

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

いやなこと、困ったことを言えるようにするには?

 

内気、恥ずかしがりや、みんなの前で話をするのが苦手な子は、学校でも気後れしてしまって、自己主張ができないのではと、親としては心配になります。自分の意見をはっきり言えるようにするには、どうしたらよいのでしょうか。現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。

 

まずは「トイレに行きたい」と言えるところから

 

学校生活の中では、おとなしい子や内気な子でも、しっかり意思表示をする必要があります。でも、すぐに何でも言えるようにするのは難しいもの。入学に際して、これだけは言えるようにしておいたほうがいいということは何でしょう?

 

「まずは、『トイレに行きたいです』とはっきり言えることでしょうか。よく1年生で、もじもじして迷った末に『先生、トイレ』と言ってくる子がいます。そんなときは、まずトイレに行かせてから『よく言えましたね。でも、先生はトイレではありませんよ(笑)、こういうときは“先生、トイレに行きたいです”と言いましょうね』と伝えるようにしています」(舟山先生)

 

こう言うと、ほとんどの子が次から、ちゃんと言えるようになるのだそうです。

 

いやなこと、困ったことが伝えられれば大丈夫?

 

また、友だちとのことで、何かいやなことがあったら、「嫌だからやめて」とはっきり断わったり、先生にいやことがあったと言えるということも大切とのこと。そうでないと、友達との間でトラブルになったりすることもあるのだとか。

 

「トイレに限らず、重要なのは、困ったことがあったとき、それを伝えられる、ということです。新一年生で、いやなこと、困ったことを友達や先生に伝えることできれば、ほかの場面でもだいたい大丈夫だと思います。家でも、『何かあったら先生に言うんですよ』といつも言っていただきたいですね」(同)

 

おとなしい子や、言いたいことがはっきり言えない子の場合、すぐに何でも先生に言えるようになるわけではありませんが、「困ったことは先生に言っていい」ということや「自分で言う必要がある」ことを伝えていくのが大切です。

「はじめのうちは言えずに失敗することもあるかもしれませんが、環境に慣れていくうちに、どんな子でも徐々に自分から言えるようになってきます」(舟山先生) 

 

親が先回りしないで、子どもの言葉を待つ

 

また、おとなしい子の場合、日ごろ、親が先回りして答えを言ってしまったりすることも少なくありません。よその人が子どもに話しかけたとき、子どもがなかなか答えられないと、つい親が答えてしまった、という経験がある方もいるのでは?

 

「家でも親御さんが、子どもの意見を先取りしたりせずに、自分で言うように仕向けたり、言い終わるまで待つ…ということがよい結果になると思います」(同)

 

親として気になるのは、はっきりと自分の意見が言えない場合、成績にも響くのかということ。授業中に自分の意見やわかっていても答えが言えない子は、通知表などでマイナスに評価されてしまうのでしょうか?

 

「確かに『積極性』『自発性』『話すという表現力』という面ではマイナスになってしまうかもしれませんが、みんな最初からできる子ばかりではありません。担任も、そういう子をどうするか、という視点で指導しますので、親御さんはあまり心配されない方がよいと思います」(同)

 

子どもに「はっきりしなさい!」などと叱らず、自分で言えたときは、そのことをほめてあげることも大切だとか。焦らずに、自分の意見を言えるようになるときは待ってあげたいですね。

 

(取材・執筆:坂本洋子)


関連記事はこちら

入学までに、元気なあいさつと返事を練習しよう!

入学までに早寝早起き習慣を身につけさせるには

登校前の朝の支度をスムーズに行うコツは?

毎日の親子の会話で、人の話を聞ける子に

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

登校前の朝の支度をスムーズに行うコツは?

 

朝起きてから学校に出かけるまでの「朝の支度」。子どもが1人でスムーズにこなせるようにするにはどうしたらよいでしょう。現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいました。

 

朝食は、食べる量やかかる時間を考えて

 

朝の支度でもっとも重要なのは、朝ご飯。「朝ご飯は、必ず食べさせてください」と舟山先生は言います。

 

「朝ごはんを抜いた子は、気もそぞろで、ひたすら給食の時間を待っています。こんな状態では授業に集中できません。脳を動かすには、カロリーが必要。ご飯やパンなどの炭水化物をしっかり摂るようにしましょう。朝ごはんを食べて登校するには、まず食べる時間も確保する必要があります。朝目覚めて着替える時間や食べるのにかかる時間を考えて、起きる時間を設定しましょう」(舟山先生)

 

量は少な過ぎず、多過ぎず。給食の時間にちょうど空腹を感じるくらいが理想的なのだとか。

 

また、睡眠時間が足りないと、寝起きがぼんやりして朝ごはんが食べられなくなるので、寝る時間も必然的に決まってきます。朝ご飯を食べることを前提にすると、寝る時間も自然と早くなるそうです。

 

朝ごはんをきちんと食べるのと合わせて、排泄も大切と舟山先生。

 

「特にウンチの場合、学校では休み時間が短く、落ち着いて用を足すことは難しいので、朝、できるだけ家で済ませておきたいですね」(同)。

 

ウンチは習慣性が高いので、できないままでいると、便秘につながっていく可能性も。朝ごはんを食べた後に、ゆっくりトイレに入る時間を取り、それを毎朝のリズムとして体に定着させておくのが理想的です。

また、朝スムーズに出かけるためには、「時間割は前日に揃える習慣をつけておくとよいでしょう」とのこと。

 

子どもが「自分でやっている」ように仕向ける

 

小学生になったら、朝の支度は子ども自身にさせるのが基本。とはいえ、慣れないうちは、どこまで手伝うべきか、親としては迷うところです。

「子どものできる・できないは個人差が大きいので、最初は大人のサポートの割合が多い場合もあるでしょう」と舟山先生。

 

大事なのは、親が手伝っていても、子ども自身があたかも「自分の力でやっている」と思わせるように仕向けること。例えて言うなら、ブランコ遊びをしているとき、親がそっと後ろから押していて大きく弧を描いているのに、子どもが自分の力でこいでいると、思わせるというようなことなのだそう。

 

「いつまでも親がやってくれると思わせてしまうと、ずっと親が『仕方ないわね』などと小言を言いながら、手伝ってしまうことになります。こうなると、子どもも、親に何か言われてからいやいや動く……というパターンに陥りがち。2年生までそれが続いたら、そのあとも状況はほとんど変わらないでしょう。最初が肝心です」(同)

 

なかなか時間内にできないときは、朝のスケジュールや自分でやることを親子で話し合って、紙に書いて貼り出しておくといいでしょう。

 

「見える場所に紙を貼っておくと、それを見て、自分で支度することできます。もしやることを忘れたり、できないときでも、紙を指差すだけで子ども自身が気づけますよ」(同)

 

いろいろな工夫を加えて、毎日楽しく支度ができるようにしたいですね。

 

(取材・執筆:坂本洋子)


関連記事はこちら

入学までに、元気なあいさつと返事を練習しよう!

入学までに早寝早起き習慣を身につけさせるには

毎日の親子の会話で、人の話を聞ける子に

いやなこと、困ったことを言えるようにするには?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

毎日の親子の会話で、人の話を聞ける子に

 

学校で授業を受けるときの基本になるのが、先生の話をきちんと聞くこと。人の話を聞けるようにするために、家庭でできることを現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。

 

話が聞けないと、授業の理解や友達関係にも影響が

 

入学後、子どもが学校の授業についていけるかどうか、親としては気になるところ。そのためには、人の話を聞けるかどうかがとても重要になると舟山先生。

 

「人の話をきちんと聞いて理解できないと、教室でも、次にやることがわからない、今やっている勉強がわからない…ということが出てきます」(舟山先生)

 

そういった意味で、人の話に耳を傾け、それを理解する力を養っておくことは、入学準備として重要なのですね。また、もう一つ大事なことは、「話を最後まで聞く」ということ。

 

「先生にしてもお友達にしても、人が話をしている時に、頭に浮かんだことや思ったことをすぐ言わないと気がすまない子がいます。人の話の腰を折って、自分ばかりしゃべっていると、今後友だち関係にも影響してくるかもしれません。とにかく人が何かを話している時には、その話に最後まで耳を傾けるように練習しておきましょう」(同)

 

話を聞く姿勢が身につく3つのポイント

 

人の話を聞けるようになるために、今のうちから、家庭でしておいたほうがいいことはあるのでしょうか?

 

「子どもの『聞く姿勢』には、親子の間での会話の習慣が出るものです。日ごろの親子の会話を見直してはどうでしょう」(同)

 

ポイントは3つあります。

・会話にふさわしい環境を整える

・親が子どもと会話をしたいという気持ちを持って話す

・子どもに対して一方的に話さない

 

会話にふさわしい環境とは、子どもの興味をひくものが周りにないことだそう。「子どもに対して何かをきちんと伝えたい時、または、子どもから何かを聞きたい時などには、食べ物やゲーム、おもちゃなどがあると、子どもは気もそぞろ、話を聞くどころではありません。もちろんテレビも消しましょう」(同)

 

また、親がゆったりした気持ちで、子どもとの会話を楽しむことも、実はとても重要だと舟山先生は言います。

 

「子どもは、とても敏感です。イライラしたり、焦ったりしている相手の話は聞きませんし、自分の気持ちを話したりしないものです」(同)

 

おへそを相手に向けて話を聞く

 

また、子どもに対して一方的に話さないというのは、親が子どもの話を聞く姿勢を持つということだそう。

 

「今日あったことを子どもに聞いて返事をさせてみたり、さりげなく親の意見を混ぜて話したり、子どもの話を否定せず、最後まで聞き、会話のキャッチボールをすることを心がけるとよいでしょう」(同)

 

ちなみに、舟山先生によると、話を聞くときは「相手の方を向いて聞く」というのが原則とのこと。

 

「学校ではよく、『おへそを相手に向けて聞きましょう』と教えます」(同)。

 

これも家庭で真似できそうですね。

 

「会話は教え込もうとしてはいけません。最初は、会話を引き出す気持ちを続けるとよいのではないでしょうか」と舟山先生。会話が楽しければ、子どもの話す姿勢、聞く姿勢も自然に身につくもの。今日から少し意識して、子どもと会話をしてみてはいかがでしょう。

 

(取材・執筆:坂本洋子)


関連記事はこちら

入学までに、元気なあいさつと返事を練習しよう!

入学までに早寝早起き習慣を身につけさせるには

登校前の朝の支度をスムーズに行うコツは?

いやなこと、困ったことを言えるようにするには?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

入学までに早寝早起き習慣を身につけさせるには

 

いよいよ入学式まで2カ月ほど。毎朝、規則正しい時間に登校するには、早寝早起きの習慣づけが大切。どのように生活を整えていけばよいか、現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。

 

早寝早起きの習慣は、先を見通す力や自制心を養う

 

入学後は、これまでよりも早い時間に家を出るようになるという子もいるでしょう。この機会に、寝坊や夜更かしぐせのある子は、正しい生活習慣を身につけたいですね。

 

「早寝早起きは、健康面・生活面において、基本中の基本となるものです。これはあくまで個人的な印象ですが、睡眠時間が十分とれていて、朝ご飯もしっかり食べている子は、授業への集中力が高く、授業態度も積極的、忘れ物も少ないように思います」(舟山先生)

 

早寝早起きをすることは、生活習慣を整えるだけでなく、成長していくうえで重要な力を養うことになるそうです。例えば午後9時に眠るためには、午後8時を過ぎたらお風呂に入り、8時半には歯を磨いて…というように、先の時間を読む力が必要です。

ゲームなどでもっと遊びたいと思ったとしても、時間が来たらやめて、寝る準備をしなくてはなりまません。これを毎日繰り返すことで、子どもは時間を読むことや我慢することを覚えていくのだとか。

 

「このような時間に対するルールを守るための自制心は、大人になっても必要なもの。子どもの頃にしっかり体に叩き込んでおきたいですね」(同)

 

早寝をするためには、昼間たっぷり遊ぶことが必要

 

睡眠をたっぷりとると、子どもの成長や健康に大切な役割を果たす成長ホルモンが分泌されます。

さらに太陽の光を浴びて体を動かしたり、朝ご飯をしっかり食べることで、「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。これは、食欲や呼吸、睡眠に関係する神経と、不安や緊張など情動や衝動を支配する神経をコントロールする役割を果たしているもの。このセロトニンが昼にたくさん作られるほど、睡眠を促すホルモンもたっぷり合成されるのだとか。

 

「夜、ぐっすり眠るには、早く寝るだけでなく、昼にたっぷり遊んで、ほどよく疲れることも大切です」(同)

 

最近では、ゲームやスマホが、早寝早起きの習慣が乱れる原因になっているようです。

文部科学省の調査では、「スマホや携帯で遊ぶ時間が長い子ほど就寝時間が遅い」「寝る直前までテレビ、ゲーム、スマホなどに接触する機会が多い子ほど、朝、ふとんから出るのがつらいと感じている割合が高い」といった結果が出ているそう。

 

「心当たりがある場合は、子どもの遊びから見直してみることも必要かもしれません」(同)

 

睡眠の大切さを、子どもに説明して

 

夜、寝る時間になってもだらだらと起きている子に対しては、「早く寝なさい!」と叱るばかりはなく、睡眠の大切さを教えていってほしいと舟山先生は言います。

 

「叱るだけだと子どもも萎縮してしまいます。1年生になるころには、きちんと順序立てて説明すれば、子どもも理解できますよ」(同)

 

また、お父さんやお母さんが起きていると、なかなか眠りたがらないという子も。

 

「そういう場合は、『大人と子どもは違うのよ』と、毅然とした態度で厳しく言っても構わないと思います」(同)

 

ときには、「お母さんはこう思うよ」と理詰めで言い聞かせることも必要なこと。そのかわり、子どもが自分で起きられたときは「起きられたね」とほめてあげるとよいそうです。

 

学校生活を元気に過ごすためにも、早寝早起きを徹底したいですね。

 

(取材・執筆:坂本洋子)


関連記事はこちら

入学までに、元気なあいさつと返事を練習しよう!

登校前の朝の支度をスムーズに行うコツは?

毎日の親子の会話で、人の話を聞ける子に

いやなこと、困ったことを言えるようにするには?

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

地震、津波、そのときどうする? 防災意識を高めてくれる絵本

 

自然災害が多い日本。地震や津波はいつ起こるかわかりません。「いざというとき、自分で自分の身を守る」と気持ちの備えをしておくために、親子でこんな絵本を読んでみるのはいかがでしょうか。

 

身の守り方を具体的に学べる『じしんのえほん こんなときどうするの?』

 

 

『じしんのえほん こんなときどうするの?』(国崎信江 作、福田岩緒 絵、目黒公郎 監修)は、1年生の子どもたちが主人公。「きょうは じしんが きたときの からだの まもりかたを おそわりました。」という最初のページからスタートします。黒板に先生が描いているのは、ダンゴムシのポーズ。丸くなって頭を守るポーズです。

 

ページをめくると、それぞれ下校途中の場面、家でひとりでゲームをしている場面、公園で遊んでいる場面、スーパーにおつかいに来た場面などで、「ぐらぐらぐら」と大きな揺れが襲い、物が落っこちてくる様子が描かれます。しおりちゃんは、ランドセルを頭にのせてブロック塀から離れ、ゆうすけくんはテレビや棚から離れて、クッションで頭をおさえて丸くなっています。スーパーのみきちゃんも棚から離れてかごを頭にかぶります。

 

「ぐらぐらぐら」と来たそのとき、まず、一番はじめにどうやって身を守ればよいのかが大きな絵で描かれ、ページの左下に子どもへの注意事項がひらがなで、右下に親への注意事項が記されています。身を守るための、最初のアクションを確認できると同時に、親子でコミュニケーションをとりながら、災害に遭う瞬間の、いろんな場面を想定することができる絵本です。

 

「ひとりでちゃんとみをまもれたね。えらかったね。」とほめてあげて終わる本書は、小1の子に、地震の瞬間の対応を伝えるのにぴったり。また、地震から火災になった場合をイメージするには、『地震がおきたら』(谷敏行 原案、畑中弘子 文、かなざわまゆこ 絵)をあわせて読むのもおすすめ。阪神淡路大震災の教訓をもとに、神戸市消防局の企画・協力によって作られた絵本です。どちらも災害時に必要な事柄がいっぱい詰まっているので、親子で読んでみてくださいね。

 

いざというとき、子どもはちゃんとがんばれる!『はなちゃんのはやあるきはやあるき』

 

 

 

『はなちゃんのはやあるきはやあるき』(宇部京子 作、菅野博子 絵)は、のんびりやのはなちゃんが主人公。はなちゃんの通っている保育園では月1回避難訓練があります。園長先生の放送が流れたら、みんなでテーブルの下にかくれてから避難場所へ急ぎます。
でも、はなちゃんは早歩きが苦手。ニコニコちょうちょやお花を見て、遅~い。ある日本当に大地震がやってきて…。

 

本書は、東日本大震災の津波で園舎が流れたにもかかわらず、園児90名、職員14名全員が避難して奇跡的に無事だった、岩手県の野田村保育所の出来事がもとになっています。その背景には毎月の地道な訓練があったといわれます。

 

あの日、大きな揺れのあと、冷たい風が吹き、雪が残る戸外でふるえるはなちゃんたち。歩きはじめて、手も足も冷たく棒のようになって、息がきれて、のどがひいひいなって、涙や鼻水が出てきてほっぺにはりついて…。もうだめだ!というぐらいまで歩きつづけてようやく避難所にたどりついたはなちゃんたち。

 

あんなに大きな津波がくると想像もしなかったときから地道な訓練を続けてきた日常と、幼い子の非常時のがんばりが、あたたかいタッチで描かれています。保育園の子どもたちが、地道に訓練を続け、いざ地震がきたときには自分で自分を守るために歩き通した姿を読めば、子どもたちにも地震の怖さや、訓練の大切さが伝わるのではないでしょうか。「保育園の子たちでもこんなにがんばれたんだから、いざというときは、がんばって逃げようね!」と小学1年生の子に声をかければ、真剣に「うん」とうなずいてくれるでしょう。

 

「だれも泣かず、だれもぐずらず、それはそれはりっぱだったんですよ」と職員(じつは作者の義妹)から聞いた言葉が作者の心に残り、絵本になったそうです。ちいさな笑顔と必死さが、力強くやさしく迫ってくる絵本です。


 

「ぐらぐら」と来たとき身を守る方法を知っていること、何よりも「自分で自分を守る」という心構えが防災につながります。絵本を、親子で心の準備をするきっかけにしてくださいね。

 


★連載「親子で読みたい!子どもの成長を応援する絵本」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

親は誰からもほめられない。せめて自分で自分をほめましょう

 

 

「親になって初めてほめられた」と言ったお母さん

 

私が教師だったとき、あるお母さんをほめたことがありました。

すると、そのお母さんから「親になって初めてほめられました」と言われました。

 

それで、私は、「たしかに、親としてほめられるというのはめったにないことなんだ」とあらためて思った次第です。

 

親はしっかりやって当たり前。

子どものためにがんばるのが当たり前。

しっかりやらなければ文句を言われる。

ちょっとサボれば文句を言われる。

 

夫に文句を言われる。

妻に文句を言われる。

おじいちゃん・おばあちゃんに文句を言われる。

親戚に文句を言われる。

 

先生に文句を言われる。

近所から文句を言われる。

当の子どもからも文句を言われる。

 

世間の偉そうなおじさんやおばさんから文句を言われる。

テレビのコメンテーターから文句を言われる。

いわゆる専門家、有識者、教育評論家から文句を言われる。

 

自分で自分をほめよう。コツの1つめは部分をほめること

 

これでは切ないですね。

ですから、せめて自分で自分をほめてあげてください。

 

ほめるコツの1つめは部分をほめることです。

全体を漠然と見ていてはほめられません。

少しでもできている部分を見つけ出して、ほめましょう。

そのためには、できていない部分を責めないで、そこは目をつむることが大切です。

 

たとえば、細かいしつけができないからといって、自分を責めないでください。

(そもそもそんなことは必要ないですし)

その分、できない子どもを許すのは得意かもしれません。

そんなあなたをほめましょう。

 

片づけができるようにさせられないからといって、自分を責めないでください。

その分、子どもと一緒に盛り上がって楽しんだりするのは得意かもしれません。

そんなあなたをほめましょう。

 

勉強をやる気にさせられないからといって、自分を責めないでください。

その分、子どもがやりたがることをたっぷりやらせて応援しているかもしれません。

そんなあなたをほめましょう。

 

2つめのコツは一歩下がり法

 

ほめるときのコツの2つめは、一歩下がり法です。

人は誰でも理想を追い求めて、現実よりも勝手に一歩進んでしまっています。

勝手に進んだ分を一歩下がって、ありのままの姿をほめましょう。

 

たとえば、子どもにとって栄養たっぷりの理想の食事が準備できないからといって、自分を責めないでください。

手抜きをしたからといって自分を責めないでください。

 

食べられるものを一応準備しただけでも立派なものです。

 

3つめのコツはリフレーミング(短所言い換え法)

 

ほめるときのコツの3つめは、リフレーミングです。

これは固定したフレームだけで見るのではなく、別のフレームで見直してみるという意味です。

短所言い換え法ともいいます。

 

たとえば、「だらしがない」は「大らか」だということです。

ですから、子どもをしっかりしつけられないからといって、自分を責めないでください。

それは、子どもをのびのび育てているということなのです。

 

あなたはすでに十分よくやっています

 

そもそも、あなたは子どもを産んだだけでも大したものです。

一人の命を誕生させたのですから!

そして、ここまで育ててきました。

そんなあなたをほめてあげてください。

 

どれもこれも簡単なことではありませんよね。

 

あなたはすでに十分よくやっています。

あれこれ厳しい条件の中で、精一杯やってきています。

ですから、そんな自分をほめてあげましょう。

 


親野先生の連載はこちら

「親野智可等のこれで安心!子どもを伸ばす親の習慣」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

 

入学する前、揃えるのがワクワクするものの中に文房具があります。個性が出るものや、本人の気に入ったものを使わせてあげたいと思うのが親心。でも、先回りして購入するのはやめたほうがいいみたい。小学校での文房具の選び方を、札幌市立屯田小学校の新保元康校長先生にお聞きしました。

 

必ず入学説明会を聞いてから購入を

 

まず、文房具はすべて家庭で揃えるとは限りません。学校でまとめて集金し、購入する場合もあるそう。

 

「学校で使うものは、鉛筆や消しゴムをはじめ、定規、赤青鉛筆、のり、セロハンテープ、ホチキス、サインペンなどたくさんあります。これらは、学校によって、家庭で用意してもらう文房具が異なる場合があります。そのため、必ず『学校説明会』または『入学説明会』で詳細を聞いてから買いそろえるようにしてください」

 

文房具を購入する場合、以下の3つのパターンが考えられます。

 

A 各家庭で購入

B 学校で同じものを購入

C 学校が推薦するものを各家庭で購入

 

早めに必要なものをママ友などから聞いて買ってしまうよりも、説明会で聞いた内容をしっかりと守って購入しないと、後で買い直すことにもなりかねませんね。

 

目的は「学習に使う」こと。遊び道具ではない

 

また、選ぶ際には、学習に適したものかどうかを判断基準にしたほうがいいそうです。

 

「文房具は、遊び道具ではなく、『学習に使う道具』であることを忘れないようにしましょう。学習するときに気が散らないよう、シンプルな文房具を選ぶことが大事です。つまり、キャラクター付きなどはお勧めできません。

また、高価な鉛筆がなくなり、落としたのか盗られたのかわからずにもめることもあります。無用なトラブルに巻き込まれないためにも、シンプルで実用的なものがお勧めです」

 

子どもが勉強を楽しめるように、と装飾の多いものを選んでしまうと、むしろ気が散って学習の邪魔になることもありそうですね。

 

また、「キャラクター付きのものは禁止」という学校もあります。学校の規則に従うようにしましょう。

 

子どもが使うものだから、壊れたりする可能性も……

 

また、子どもが使うという観点でも、気を付けるところがあります。

 

「1年生の子どもが使う文房具です。壊れたり無くなったりすることもあります。日本の文房具は高性能で素晴らしいものがたくさんありますが、最初は、シンプルで安価な定番の文房具がよいでしょう。

入学祝いに、かわいい人気のキャラクター付きを買ったり、お祝いにいただいたりすることももちろんあるでしょう。そんな大事な文房具は、自宅で使うというルールにすればよいのではないでしょうか」

 

ちなみに私自身の失敗談では、100円ショップなどで安く購入した鉛筆の木の部分が割れてしまったことがありました。それからは、鉛筆は、文具メーカーの定番商品にしよう、と決めました。また、「下敷きは無地」との指定があったので透明を選んだところ、「ランドルセルの中で見つけにくい」と子どもからクレームが来たことも。

 

きちんと説明を聞いていても、ちょっとした失敗はあるものなのかもしれません。試行錯誤しながら、使いやすいものを子どもと一緒に選んでいけるといいですね。

 

次回は、文房具を購入するとき、購入した後のことを新保校長先生に教えてもらいます。

 

(取材・執筆:栃尾江美)


関連記事はこちら

新1年生のための文房具選び【後編】購入時に注意すべきことは?

最近の子ども用ケータイってどんなもの?

先輩ママに聞く、ランドセル購入体験談。選んだポイントや注意点は?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

入学までに、元気なあいさつと返事を練習しよう!

1月下旬から2月にかけては多くの小学校で学校説明会が行われ、入学の実感がわいてくる時期。少しずつ入学準備を進めていきたいですね。今回から5回に渡って、入学前に習慣づけておきたいことを現役小学校教諭の舟山由美子先生に伺います。

 

元気なあいさつや返事が生活リズムを作る

 

入学に向けて、まず習慣づけたいのがあいさつや返事。保育園や幼稚園もそうですが、小学校生活では、毎日元気にあいさつをすること、名前を呼ばれたときの返事をしっかりできることが、より大切になってきます。

 

「あいさつや返事を元気よくはっきり言うことは、生活のリズムを作ること」と舟山先生も言います。

朝のあいさつは1日のスタートの役割が、授業の始まりと終わりのあいさつも、授業への集中力のスイッチを切り替える役割があるのだそうです。これは、将来子どもが社会に出たときにも必要とされる力です。

 

「元気のないあいさつだと、授業に取り組むとき、気持ちの切り替えができず、ダラダラしてしまいがち。また、元気なあいさつや返事ができると、友だちもできやすいと思います」(舟山先生)

 

お父さん、お母さんがあいさつの一番のお手本

 

入学にあたってしっかりあいさつや返事ができるように、あらためて練習しておいたほうがよいのでしょうか。

 

「親子で『○○さん』『はいっ!』などと学校ごっこをしながら、返事や、『おはようございます』『さようなら』などの言葉を言う練習をしておくとよいと思います。親御さんにとっても楽しい瞬間ではないのでしょうか」(同)

 

お辞儀をしながらあいさつをするときは「語先後礼」といって、「おはようございます」などの挨拶の言葉を先に言って、頭を下げるのをその後に行うと、相手に向かってしっかりあいさつをすることになり、より丁寧な印象を与えるのだそうです。この機会に、そんなことを少しずつ教えていってみてもいいかもしれませんね。

 

「でも、何より一番効果的なのは、お父さん、お母さんがお手本となることです」と舟山先生。まず親御さんが毎日の生活の中で、家の中でも外でも、あいさつをする姿を見せていくようにしたいですね。

 

小さな声でも、言えればOK!

 

人見知りの子や元気が余っている子などは、目新しくて刺激的な学校生活に落ち着かず、毎日きちんとあいさつができるかちょっと心配という声も。でも、舟山先生によると、そこは「集団の力」が大きいようです。

 

「周りの友だちがやっているのを見ると、子どもたちはその雰囲気に引っ張られて、自分も同じように行動するものです。先生にほめられればうれしくてまたできるようになるので、心配はいりません」とのこと。

 

おうちの方からも『元気にできていたね』なんて言われると、また次もできるようになるので、前にくらべて、少しでも挨拶ができたら、どんどんほめてあげましょう。「人見知りの子なら、どんなに小さな声でも、言えたらOKです」(同)

 

挨拶は習慣なので、大人が粘り強く教えることが大切。元気にあいさつしながら通学するわが子の姿を楽しみに、毎日少しずつ習慣づけていきましょう!

 

(取材・執筆:坂本洋子)


関連記事はこちら

入学までに早寝早起き習慣を身につけさせるには

登校前の朝の支度をスムーズに行うコツは?

毎日の親子の会話で、人の話を聞ける子に

いやなこと、困ったことを言えるようにするには?

最近の子ども用ケータイってどんなもの?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

新1年生のための文房具選び【後編】購入時に注意すべきことは?

 

前回、文房具の選び方のコツを紹介しました。今回は、購入のタイミングや、購入時に気を付けたいことを、札幌市立屯田小学校の新保元康校長先生にお聞きしました。

 

子どもと文房具の意味について確認しておこう

 

前回、「学校説明会」や「入学説明会」で説明を聞いてから購入することが大切だと教えていただきました。では、説明を聞いた後ですぐに買いに行っていいのでしょうか。

 

「購入前に、親子で文房具を買う意味について話し合っておくとよいでしょう。『小学校は勉強をしに行くところだ』と、親子で確認しておくことが大切です。その後で、一緒に買いに行くのがよいでしょう」

 

「勉強のために買う」とわかっていれば、キャラクターものが欲しくなっても、我慢できるかもしれませんね。

 

持ち物は親が毎日確認を

 

学校へ行き始めたら、文房具はどのように管理するのがよいのでしょうか。

 

「文房具はもちろん、学校に持っていくものについては、最初は毎日親御さんが確認するようにしましょう。子どもと一緒に確認するのが一番よいです。学校からの便りや連絡帳を見ながら、『何を』『どれだけ』『いつまでに』持って行くのか理解しましょう。

 

また、持っていきさえすればいいわけではありません。例えば、『鉛筆はちゃんと削ってあるか?』『長さは十分か?』『本数は揃っているか』など、細かいチェックが必要です。

大人にとっては当たり前の用意ですが、子どもにとっては初めての事ばかり、何をどう用意すればよいのか分からないのが普通です。すぐできるようになる子もいれば、時間のかかる子もいます。焦らずに、毎晩確認してから寝る習慣がつけば、徐々に自分1人でできるようになります」

 

また、毎日一緒に確認することで、思わぬ子どもの状態に気付けることもあるそう。

 

「文房具や持ち物チェックをすることで、学校生活の思わぬ変化を保護者がキャッチすることもできます。いつもは汚れていない筆箱が急に汚くなった、というのはひとつの例でしょう。子どもは親に心配をかけそうなことは言わないことが多いものです。文房具の様子に、隠れた子どものサインがあるかもしれません。お見逃し無く」

 

文房具の大切さを知ろう

 

文房具について、新保先生には大切にしてほしい考え方があります。

 

「まず、大人が楽しみ、願いを込めてほしいということ。『書く』『消す』『貼る』『切る』などの基本性能はもとより、アイデアに満ち溢れた工夫が施されています。持ちやすさなどの使い勝手、デザインと、本当に文房具の世界は奥深いのです。さらに、最新の文房具がある一方、昔からずっと続くロングセラーの定番品もあります。

 

IT全盛の時代ですが、お子さんの入学は、今一度この文房具の素晴らしい世界を大人が味わう良い機会かもしれません。

その中で、選りすぐりのシンプルな一品を選んであげてはどうでしょう。そこにあるドラマや思い出もできるかもしれません。あの時の鉛筆にはこんな願いを込めたと、後で話せるとステキですね」

 

確かに、子どもが使い始めたのをきっかけにシャープペンやボールペンではなく、親自身も鉛筆を使うようになり、その使いやすさに改めて驚いたものです。同時に懐かしさも伴いますね。

 

「もうひとつは、お下がりの大切さです。『新一年生には新品を』と考える方も多いと思いますが、『お下がり』も素晴らしいものです。お兄ちゃんお姉ちゃんのお下がりを大事に使う意味をていねいに教えてあげるのは、もしかすると最大のプレゼントかもしれません。

愛の伝え方は、さまざまです。奮発して高価な新しいものを買うことで伝わる愛もあります。古いものを大事にする意味を必死に考えて語り伝える、そんな親御さんの姿から伝わる愛もあります。

 

たかが文房具、されど文房具です。ご家族みんなで、悩み考えるそのこと自体が、最大の入学プレゼントかもしれません。どんな文房具を用意したのか……そんな写真が一枚あると、とってもよい思い出になるかもしれませんね」

 

子どもが学校にいる時間は長いもの。その間、ずっと付き合う文房具です。自分のことを振り返っても、文房具にはいろいろな思い出があります。それを一緒に作ってあげられたらよいですね。

 

(取材・執筆:栃尾江美)


関連記事はこちら

新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?

最近の子ども用ケータイってどんなもの?

先輩ママに聞く、ランドセル購入体験談。選んだポイントや注意点は?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

最近の子ども用ケータイってどんなもの?

 

子どもが小学生に上がると、親の送り迎えがなくなり、一人で行動することが増えてきます。そこで心配なのは、迷子になったり、犯罪に巻き込まれたりしないかということ。そんなときに心強いのが子ども用ケータイです。子どもが持っていれば、いつでも居場所がわかり、連絡がしやすくなるなど、親の安心感は格別です。各社の子ども用ケータイ最新事情をご紹介します。

 

腕時計タイプなら小さくて持ち運びが簡単

 

子ども用ケータイはさまざなタイプがありますが、どれも共通しているのは、防犯ブザーを鳴らすと保護者に通知が届いたり、居場所を知らせたりする機能。また、200円~300円のプランに追加加入すれば、好きな時に親のスマートフォンやパソコンから居場所を確認することが可能です。

 

SNSやメール機能のほか、防水・防塵の機能も標準的に備わっています。それ以外の特徴を、それぞれ紹介していきましょう。

 

子ども用のケータイといって思い出すのは腕時計タイプではないでしょうか? auからは、腕時計にしたり、キーホルダーのように吊り下げたりできる製品が販売されています。

 

au「mamorino Watch」

「2年契約(誰でも割)」適用で998円/月

 

 

特徴は何と言っても、子どもが持ち運びしやすいこと。ポケットやランドセルに入れておくのが心配でも、腕に着けたり、ペンダントタイプにしてキーホルダーのようにできます。

 

音声とタッチ操作ができ、キャラクターに向かって「ママに電話」と話すと電話を掛けられたり、定型文リストからタッチで選んでSMSが送信できます。また、親のスマホで「mamorino Watchナビ」アプリを利用すれば、子どもが離れた時にアラームで教えてくれる迷子防止機能も利用できます。

 

コンパクトで持ちやすい定番のケータイタイプ

 

コンパクトな子ども用ケータイもあります。コンパクトで持ちやすく、防犯ブザーがひもを引っ張るタイプなので、子どもでも扱いやすいでしょう。

 

NTTドコモ「F-03J

500円/月

 

 

ボタンで操作するタイプ。親のスマホで「親子のきずな」アプリを利用すれば、子どもと離れた時に通知をしてくれるなど、便利な機能が利用できます。

 

ソフトバンク「みまもりケータイ4

2年契約で490円/月(※利用者が12歳以下の場合は基本料が2か月無料になるキャンペーン中)

 

 

こちらもボタンで操作するタイプ。指定したエリアの出入りや、高速移動を親のスマホに通知する機能があります。

 

au「mamorino4

「2年契約(誰でも割)」適用で500円/月

 

 

 

ソフトバンク「キッズフォン」(※4月以降発売予定)

2年契約で490円/月(※利用者が12歳以下の場合は基本料が2か月無料になるキャンペーン中)

 

 

 

タッチパネルで操作できるのが特徴です。mamorino Watch同様に、「ママに電話」などの声で操作ができます。

 

フィルタリングサービスも充実、最新の子ども用スマホ

 

子ども用スマートフォンも登場しています。少し学年が上がってからのほうが、向いているかもしれません。

 

au「miraie f

「2年契約(誰でも割)」で3920円/月

 

 

 

大きな特徴は、アプリを追加できること。使いすぎや悪質サイトへのアクセス対策として、「あんしんフィルター for au」が利用できます。あらかじめ保護者が設定しておけば、子どもの使い道を制限できるので安心です。また、カメラが付属するのもスマホタイプならでは。ただし、料金プランはやや高くなります。

 

持ち始めの年齢や注意点は?

 

他の子どもが何歳くらいから持ち始めるのかも気になるところ。各キャリアに伺ったところ「弊社が行った調査によると、塾や習い事に一人で通い始める小学校3~4年生や、小学校に入学するタイミング(小学校1年生)で持つ方が多いという傾向が見受けられました」(ソフトバンク広報)や、「小学校入学と同時に持たせるお客様が多い」(NTTドコモ広報)との回答がありました。

 

やはり一人で出歩く可能性が出始めるときがよいタイミングなのかもしれませんね。

 

さらに、「知らない人と連絡を取らないか心配」という声が多いそうですが、連絡帳に登録された人しかメールや電話ができないよう設定できるので安心です。子ども用スマホのカメラ機能が気になる場合も、アプリで制限を掛けられるそう。

 

居場所がすぐにわかったり、気になるときにすぐ連絡できたりする子ども用ケータイ。親のニーズをしっかりとらえているため、使い過ぎなどの心配もなさそうです。

 

「商品をお買い求めの際に同梱しているお子様向け操作ガイド等をご覧になり、ご家庭内で電話の使い方やルールをよくお話しの上、ご利用いただくことをオススメします」(ソフトバンク広報)とのこと。

 

ちょっとしたゲームが入っている場合もあるので、使う時間を決めたり、「友だちには貸さない」と約束するなど、使い方やルールを親子で相談するとよさそうですね。

 

※料金についてはすべて端末料金が別途必要。表示料金での契約には別途条件のある場合があります。

 

(取材・執筆:栃尾江美)


 

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

“学校へ通うこと”について親子で話そう「世界の果ての通学路」

 

世界の子どもたちの“命がけ”の通学路を描くドキュメンタリー

 

あと数ヵ月後に小学校入学を控えた年長さん。これまでママと一緒に保育園や幼稚園に通っていた子も、4月からはママの手を離れて登下校することになります。ママも子供もドキドキ! そんなママと年長さんに今回オススメするのは「世界の果ての通学路」。登下校に片道1時間以上もかけて通学する4か国の子どもたちの姿を追ったドキュメンタリーです。

 

通学路にゾウやキリンが! 登下校に2時間かかる子も

 

アフリカ、ケニアに住む11歳の男の子ジャクソンは、7歳の妹と一緒にゾウやキリンなど野生動物が出没するサバンナを毎日通って学校に通います。片道2時間15キロ。文字通り命がけの登下校です。アルゼンチンの男の子カルロス11歳も片道18キロの道のりを、5歳下の妹と馬に乗って通います。また、モロッコの女の子ザヒラは全寮制の学校で学んでおり、週末には自宅に帰り、月曜日には友だち3人と片道22キロ、なんと4時間!もかかる道のりを歩いて学校へ戻ります。そしてインドの男の子13歳のカルロスは足に障害があり、2人の弟の手を借りてオンボロ車いすで片道4キロ、1時間以上の道のりを通学しています。

 

時間がどんなにかかっても“学校で学びたい”という思い

 

どんなに距離があろうとも、どんなに時間がかかっても学校へ通う彼らの姿に驚かされます。ケニアのジャクソンは野生動物に襲われる危険と常に隣り合わせだし、インドのカルロスは車いすが川にはまって立ち往生してしまったり、途中で車輪が外れて車いすが動かなくなってしまったりとトラブルも頻繁に起こります。それでも彼らには“学びたい”強い気持ちがあります。文字が読めない家族に応援されて学校に通う子、自分たちの環境を変えたいと医師を目指す子。そんな彼らの想いに頭が下がります。

 

春からママの手を離れ通学する子どもと通学路について話そう

 

この日本でも、初めてママの手を離れての登下校は、子どもたちにとっては大きなチャレンジ。この映画の子どもたちほどではなくても、通学路には車や自転車など、気をつけなければいけないポイントがたくさんありますから、入学前に通学路を何度か親子で歩いて確認することになります。親子で歩きながら、映画のことを思い出し「小学校に行ったらこんなことが学べるよ」「どんなことがしてみたい?」と、学校への期待や子どもの好奇心をサポートしてあげるような会話ができるといいのかなと思います。

 

学校に行きたくない、という子どもの声が聞こえたら

 

我が子が楽しく小学校に通ってくれるといいな、というのは共通の親の想いです。それでもちょっと慣れた頃に“学校に行きたくない”“勉強したくない”と言い出す子がちらほら出てきます。そんなとき、ついこの映画を持ちだして「もっと大変な思いをしてる子が世界にはいるんだから……」と言いたくなってしまうんですよね(苦笑)。

 

でもこの映画に描かれているのは、“子どもたちはもともと学びたい、新しいことを知りたいという好奇心にあふれているのだ“ということ。つい小言を言いたくなる気持ちをグッと押さえて、自分の息子の、娘の好奇心はどこにあるのかな?と改めて考えてみたり、ひとりで登下校をがんばっている子どもの応援をするような声掛けをしてあげられるといいですね。

 

映画に登場する国についてママが調べて教えてあげるのもおすすめです。子どもが“世界”へ興味を持つきっかけにもなりますよ。

 

 

 

<データ>

2012年/77分/フランス/監督:パスカル・プリッソン/出演:ジャクソン・サイコン、サミュエル・J・エスター、ザヒラ・バディ、カルロス・ヤネズ

 


連載「親子の会話がはずむ、年長児とママのための映画ガイド」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp 

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

新小学1年生におすすめの鉛筆選び、ポイントは形と濃さ

 

お子さんの小学校入学に向けて、文房具などの準備を始める時期ですね。その中でも「鉛筆」は、毎日の授業でノートがとりやすいよう、子どもが持ちやすく、書きやすい鉛筆を選んであげたいもの。入学準備では、どんな形状や濃さの鉛筆を選べばいいのか、子育て支援士の田宮由美さんにお話をうかがいました。

 

入学準備の鉛筆選び、2つのポイント

 

お子さんの小学校入学が近づくと、ひらがなの書き方や、数の理解など学習面のことが気になるのではないでしょうか。「学習をスムーズにすすめるためは、文房具にも気を配ったほうがいい」と、田宮さん。

 

「とりわけ、子どもが小学校の授業でよく使う鉛筆は持ちやすく、ひらがなの練習をするときに文字を書きやすいものを選んであげたいですね。鉛筆の形、濃さなど、選び方のポイントを2つお伝えします」(田宮さん)

 

ポイント1:鉛筆を持つとき指を当てやすい『三角』がおすすめ

 

ひらがなの練習に使う鉛筆の軸の形は、『丸』よりも、『三角』、または『六角』の鉛筆が適しています。特におすすめなのは、『三角』。持ったとき、3つの面に親指・人さし指・中指が当たるので、正しい持ち方を身につけやすくなります。

 

「また、『鉛筆グリップ』を利用してもいいですね。鉛筆を持ったときにすべりにくくなって安定するうえ、やわらかいので指が痛くなりにくいです。指に沿わせやすい三角の形の鉛筆グリップも販売されています」(同)

 

ポイント2:『2B』『B』の濃さで、文字をはっきり表現できるように

 

『2B』『B』の鉛筆は、芯がやわらかいのでなめらかに書け、文字を濃くはっきりと表現できます。それより薄いものは、芯が硬いため書きにくく、また、書いた文字も見えにくいので小学校低学年にはあまり適さないでしょう。

 

「正しく文字の形を覚え、表現できるようになるには、子どもが自分の書いた文字を見たとき『とめ』『はね』『はらい』など、それぞれの文字の違いがきちんとわかることが大切」と、田宮さん。

 

「反対に2B、Bより濃い鉛筆は、芯がやわらかすぎて折れやすく、書いた文字が手でこすれてノートが汚れることもあります。2B、Bの鉛筆がちょうどよい濃さです」(同)

 

濃い芯を使えば、シャープペンシルでひらがなの練習をさせてもいいのでしょうか?

 

「シャープペンシルは、芯が細くて折れやすいうえ、とめ、はね、はらいなど、書いた文字の細かな表現がわかりにくいので適していません。シャープペンシルを持ってくるのを禁止している小学校もあるようです」(同)

 

鉛筆を削る時には、尖らせすぎないように

 

自分用の新しい鉛筆を持つと、子どもはワクワクしてひらがな練習に取り組めそうですね。文字をスムーズに書けるように、鉛筆の削り方、持ち方の基本を教えてください。

 

「鉛筆を削るとき、芯の先を尖らせ過ぎると折れやすくなるので、削りきる手前で少し丸くしておきましょう。

 

鉛筆は、芯の先から3cmぐらいのところを目安に持ちます。そして、親指は人さし指より体に近い方に向け、中指を鉛筆に沿わせ、薬指と小指は中指に沿わせて軽く曲げます」(同)

 

「言葉で説明するより、親御さんが鉛筆の持ち方のお手本を見せていっしょに練習するのがいい」と、田宮さん。

 

「お子さんが緊張して鉛筆をにぎりしめてしまう場合、『3本の指で軽く持とうね』と声をかけてあげてください」(同)

 

まずは色々な線を書いて鉛筆に慣れよう

 

ひらがなを書くのに慣れていない子は、筆圧が強すぎたり、弱すぎたりしてうまく書けないことがあるようです。どうすればいいのでしょうか?

 

「ちょうどよい筆圧の加減を覚えるために、まずは運筆練習をして、いろいろな線(らせん、斜め線など)を書き、鉛筆に慣れましょう。

 

また、上から下ばかりでなく、右から左、左から右への運筆も練習しておくと、ひらがなを書くときスムーズに鉛筆を動かす助けになるでしょう」(同)

 

子どもが上手に鉛筆を持てないと、親は気になってダメ出ししたくなりますが…

 

「『その持ち方では、ダメでしょ!』などと厳しく言ってしまうと、お子さんは文字を書くことが嫌になってしまいます。はじめは、上手にできなくても大丈夫です。慣れてくると、上手に鉛筆を扱えるようになっていきますよ」(同)

 

小学1年生には、消しやすい消しゴムがおすすめ

 

入学準備の文房具選びでは、鉛筆だけではなく、文字を消す役割の「消しゴム」の選び方にも気を配ってあげたほうがよいのだそう。

 

「子どもは、見た目のかわいいもの、キャラクターものなどを欲しがりますが、学習のために使う消しゴムは、消しやすさを重視して選んであげるとよいでしょう」と、田宮さん。

 

「小学校低学年では濃い鉛筆を使いますので、濃い文字もしっかり消える消しゴム、実際に使ってみて、なめらかに消せるものがよいでしょう。

 

また、小学1年生は、消しゴムの消しカスを集めて捨てる作業に慣れておらず、親としては散らばらないか、気になりますよね。そのような場合、消しカスがまとまるタイプの消しゴムもありますので、試してみるのもよいでしょう」(同)

 

お店の文具コーナーで、「小学生向け」「濃い鉛筆もよく消える」などと書かれた消しゴムをチェックしてみてもいいですね。

さらに、消しやすく、よく消える消しゴムを選ぶことは、学習にも役立つといいます。

 

「子どもがひらがなや漢字を書いたり、計算をしたりするとき、間違えた箇所を消しゴムでしっかり消せていないと、その文字が残って計算ミスや、書き間違えをしてしまうことがあります。よく消える消しゴムを使い、しっかり消すことで、ノートもキレイにとれるようになり、ミスが減って学習意欲の向上にもつながるでしょう」(同)

 

消しゴムを使った上手な消し方について、子どもにどう伝えればいいでしょうか?

 

「消しゴムを使うときは、利き手の反対の手でプリントやノートをしっかり押さえ、利き手で消したい文字をていねいにこするように伝えましょう。慌てて力を入れすぎると、紙が破れたり、穴が空いたりしますので、入学前に、実際に消しゴムを使い、どれくらいの力加減が適当かなど、練習しておけるといいですね」(同)

 

「鉛筆などの使い方に比べ、見落とされがちな消しゴムの使い方ですが、鉛筆の持ち方や文字の練習などとセットで練習するとよい」と、田宮さん。

 

入学準備シーズンになると、お店の文具コーナーには小学校低学年向けの商品が並びます。お伝えしたことを参考にして、お子さんが使いやすい鉛筆と消しゴムを選び、入学前に使う練習をしてみてはいかがでしょうか。

 

(取材・執筆:掛川ゆり)


関連記事はこちら

先輩ママに聞く、ランドセル購入体験談。選んだポイントや注意点は?

選んだ色から購入時期まで。ランドセル大アンケート結果を発表!

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

学校で「ケガ」をしたら・させたら、どうすればいい?

 

こんにちは、現役小学校教諭の舟山由美子です。

エネルギーにあふれている子どもにとって、ケガはつきもの。大きなケガをしたり、子ども同士のちょっとした小競り合いがケガにつながることもあります。今回は、学校で起きるケガへの対応についてお話ししたいと思います。

 

学校でのケガには、給付金制度が適用される場合も

 

学校のケガで多いのは すりきず・打撲・突き指などで、ケガが多い時間帯は、休み時間や体育の授業中です。

 

ケガをしたときは、保健室で手当をしてもらいますが、骨折や歯が欠けたときや、傷口がパックリと割れて縫わなければならないようなケガの場合は、病院に行って処置・治療をしてもらうことになります。頭を強く打ったという場合も、念のためCTを撮ってもらったりします。

 

病院で処置をしてもらうと治療費が発生しますが、こうした場合に備えて、日本の9割以上の学校が、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」に加入しているそうです。これは国、学校の設置者(自治体)、保護者の三者負担による互助制度です。

 

例えば学校でケガをしたとき、そのケガが健康保険の適用範囲であって、治療費が一定額以上かかった場合は、その医療費の総額のうち4割が見舞金として支払われるというものです。

 

ただし、この給付金を受けるには、学校の管理下にある場合のケガに限られます。登下校のときのケガも保証されますが、たとえば学校で決められた通学路でない道でケガをすると、それが受けられないようなこともあります。また、こうしたケガに対する補償はケースバイケースであり、条例で定められた子どもの医療費助成などを受け、窓口負担がなかった場合の給付の有無なども、自治体によってそれぞれ異なる細則や書類申請があるようです。もしもの場合には、保健室の養護教諭とよく話し合い、確認してください。

 

完全には防げない、子ども同士のケガ

 

ケガの程度は小さくても、対応に配慮が必要なのが、子ども同士の接触やけんかによってケガをするケースです。こうしたことが起きた場合、まずケガの処置をした後、そのときの状況の聞き取り調査をします。本人だけでなく、周りにいた子どもたちからも話を聞きます。病院に行くようなケガの場合は、すぐに保護者に連絡して学校か病院にきていただきます。治療にあたって保護者の了解が必要だからです。

 

一方、ケガをさせてしまったほうの子の保護者にも必ず経緯を伝えます。それは電話で話すことが多いのですが、私は子どもに「先生からおうちに電話しますが、その前に、必ず自分でしっかりお母さんに話しておきなさい」と言っています。

 

子どもに言わせるのは気の毒と思う方もいるかもしれませんが、親御さんが自分の子どもが誰かをケガさせた、という話を担任からいきなり聞かされたらどう思うでしょうか。驚くし、申し訳ないし、腹が立つし、担任と話をしながらでもそばに子どもがいたら、問いただしたくなってしまうのではないでしょうか。最初の情報は、まず自分の子どもから話を聞きたいというのが親心なのではないかと思います。

 

ですから子どもにも、「お母さんは、はじめは怒ると思うけど、自分の子どもから最初に聞きたいものなんだよ」と話します。これまでの経験で、こう話すと子どもは、ちゃんと自分で親に伝えています。担任が親御さんに電話した時点では、怒りの波も収まっていることが多く、状況を冷静に伝えることができます。

 

また、学校からは、必ずケガをした子の家に対して、お詫びの電話を入れてください、と伝えます。これまでの経験上、ケガをさせた子に、電話や家に訪問するなどして謝ることで解決するケースがほとんどです。

 

保健室で処置できるのは、学校でのケガだけ

 

担任として思うのは、ケガをしないに越したことはないのですが、集団生活では、子どもはどうしてもケガをするものです。休み時間など見ていると、お互いよそ見をしながら走ってきてぶつかったりしています。不可抗力の場合も少なくありません。とてもおとなしい子が、まったく悪気なく、誰かをケガをさせてしまうこともあります。家庭でもケガはしてしまうもの。ましてや子どもが集まる学校は、さらにケガのリスクが高いということを心に置いて、ケガに対して神経質になりすぎないようにしていただければと思います。

 

また、どうしても保護者の皆さんにお伝えしておきたいことがあります。子どもが下校後、あるいは休日などにケガをしたとき、あるいは学校以外でのスポーツでの打撲や擦り傷のときなどに、「学校で診てもらいなさい」とか「学校で湿布を替えてもらいなさい」「保健室で絆創膏を貼ってもらいなさい」とお母さんから言われた、という子がいます。ごく一部ではありますが、わりと頻繁に子どもから聞くことです。

 

気持ちはわからないでもありませんが、これはマナー違反ではないかと思います。保健室は病院や治療院ではありません。保健室の養護教諭は、学校の管理下でのケガに対応しています。家庭でのケガは、家庭で対処していただくようお願いしたいと思います。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

風邪を引きやすい季節に、体のことをおしえてくれる絵本

 

風邪やインフルエンザが流行る季節になりました。一年でいちばん寒さが厳しい時期を、体調を大きく崩さずに乗り切りたいですね。あたたかい春が来る頃にはいよいよ1年生。親子で、自分の体のことを考えてみませんか?

 

体には、自分で治すすごい力がある! 『はなみずじゅるじゅるせきごほごほ』

 

 

『はなみずじゅるじゅるせきごほごほ』(細谷亮太 文、つちだよしはる 絵)は、聖路加国際病院副院長、小児科医療総合センター長を経て現在は顧問となり、数多くの著作がある細谷亮太先生の「からだ だから すごい!」シリーズの1冊です。

 

「かぜをひくって、どんなこと?」鼻水がじゅるじゅるして止まらなかったり、咳もごほごほ、げほげほ…。なんだか熱も出てきたみたい。誰でも身に覚えのある症状です。でも…「だいじょうぶ だいじょうぶ。ぼくのちからをしんじてよ!」バババーンと体の中から出てきただれかがいますよ。それは、だれでしょう?

「ぼくは からだの ちからマン。きみたちのからだのなかで、なかまといっしょに がんばっているんだぞ。かぜのとき、からだのなかが どうなってるか、しってるかい?」

 

絵本の中で、ちからマンは、のどや鼻に病気の元のウィルスがいっぱいいること、放っておいたらどんどん増えることを教えてくれます。鼻水じゅるじゅるも、咳ごほごほも、熱が出るのも、みーんなちからマンがウィルスを追い出そうとがんばっている証拠なんです! そしてちからマンは教えてくれます。わたしたちの体の中の、ちからマンを応援するにはどうしたらいいか。 鼻をちゃんとかむこと、手洗い・うがいをすること、しっかり食べて飲んで、ゆっくり休んで、からだの力を育てること……。なるほど、大事なことがわかりやすい言葉と親しみやすい絵で書かれています。

 

元々わたしたちの体に備わっている力……大人の難しい言葉で「免疫力」ということになると思いますが、免疫力はすべての基本。体に本来ウィルスをやっつける力が備わっていると知ることは、子どもを勇気づけるでしょう。ちからマンは言います。「じぶんのちからでなおすって、とってもだいじなことなのさ」と。

がんばれ、がんばれ、ちからマン。自分の体の中には「ちからマンがいる!」と自信を与えてくれる絵本です。

 

お医者さんの視点から、親子に役立つ言葉が並ぶ『からだ・あいうえお』

 

 

『からだ・あいうえお』(中川ひろたか 文、佐々木一澄 絵、吉澤穣治 原案)は、お医者さんの視点から、親子に役立つ言葉が「あいうえお」の順に並んでいる、ちょっとめずらしい絵本です。たとえば、「あしは だいにの しんぞうだ」「けがしたら おみずで きれいに あらいましょう」「しんぞうは ちをおくりだす ポンプです」……。原案は、東京慈恵会医科大学小児外科診療医長の吉澤穣治先生。絵本の著作が多い中川ひろたかさんが、リズミカルな言葉にしています。

 

「うんちは げんきの バロメーター」「ねっちゅうしょう はやめに おみずを のみましょう」は、先生がとくに入れたかった言葉だそう。「ほねはぜんぶで206 こどものときは260」など「へえ〜」と大人でもびっくりするようなものがあったり、「やけどをしたら まずひやす」「るいせんは なみだを つくりだすところ」「ろっこつは はいと しんぞう まもります」のように、ケガや体の仕組みについて子どもと話し合うきっかけになる言葉がたくさん入っています。また、「ちょうしんき からだのちょうしが きこえます」「にょうは いろんなけんさに つかいます」など、病院の医療行為を解説するものもあります。リズムが耳に心地よく、日頃から参考になる言葉がいっぱい。ぜひ親子で声に出して読んでみてください!

 

内臓と骨の名前や、本文の解説もすべてひらがなで書かれているので、年長さんにぴったり。どのページを開いても、佐々木一澄さんのインパクトのあるかわいい絵が、鮮やかに目に飛び込んできます。病気やケガのとき「体の中はこんなふうになっているんだ」「病院ではこんなことをするんだ」とわかっていれば、不安な気持ちはだいぶ和らぐのではないでしょうか。ちなみにカバーを外すと、裏は、絵本の内容が一枚に再現された「あいうえお表」になっていて、壁に張ることができます!

 

小学生になると、だんだん1人で活動する機会が増えていきます。自分で「具合が悪い」と先生に伝えることが必要になったり、登下校時に転ぶこともあるかもしれません。「体ってすごいんだね」「大事にしようね」と親子で話し合い、手洗い・うがいも体を応援するつもりで行えるといいですね。

 


★連載「親子で読みたい!子どもの成長を応援する絵本」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

選んだ色から購入時期まで。ランドセル大アンケート結果を発表!

 

これからランドセルの購入を考えるママは、選ぶ決め手や購入時期など、わからないことが多いはず。そこで、すでにランドセル購入を経験した小学生の子どもを持つ先輩ママたちに、ランドセルにまつわるアンケートを実施! その結果を発表します。

 

素材は約半数がクラリーノ。「軽さ」がポイントに

 

多くのママが気になるのが「ランドセルをどういう基準で選んだか」ということ。まずは「購入したランドセルの素材を教えてください」と聞いてみると、以下のような結果に。

 

 

ここ数年、牛革を使った工房系のランドセルもブームですが、なんと約半数がクラリーノを選択!特に1年生の頃は「ランドセルに背負われているように見える…」という声も多く、小さい体でも背負いやすい軽さが、選ばれる理由のようです。

 

以下の「購入の決め手は何ですか?」という質問でも、最も多い回答は「デザイン」ではあるものの、なんと2番目に多いのが「軽さ」という結果に!小さな子どもが実際に背負って登校することをよく考える、というのが、ランドセルを選ぶ際の大きなポイントになりそうですね。

 

 

また「選んだ色は?」という質問には、男の子は大多数が黒を選択。黒をベースにしてブルーやグリーンのステッチが入ったものや、スポーツブランドとのコラボ商品などが人気のようです。一方女の子は回答がバラける結果に。ピンク系と赤系が24%、パープル系18%、茶系15%、水色9%と、ファッション感覚でそれぞれが好きな色を選んでいる様子。その時に流行ったアニメやキャラクターなどの影響も大きいようです。

 

 

購入時期は年長の8月! ほぼ半数が夏までには決める

 

続いて「購入時期はいつ頃でしたか?」と聞いてみると、以下のような結果に。年長8月が21%、年長6月が19%、年長7月が10%と、約半数が年長の夏頃に購入していることが判明! 年々、販売時期が早まっていると言われている昨今、早めに購入を決める家庭が多いようです。

 

 

さらに、購入した場所は、なんとインターネット通販が最も多いという結果に! 購入前の下調べについては、85%が「した」と回答、その方法を聞くと、インターネット検索が22.5%と、今やランドセルの購入、リサーチにはネットが欠かせないようです。

 

探し始めてから購入に至るまでの期間については、「半年」が最も多く24%、続いて「3ヶ月」の22%。これだけの時間をかけている中で、実際に店舗や展示会に足を運んだ回数は、1回だけが約半数と最も多いという結果もあり、「ネットで念入りに情報収集→確認で背負ってみるために店舗へ→決めたらネットで購入」という流れを選ぶ家庭が大半のよう。ランドセル購入の流れも、一昔前とは変わってきているんですね。

 

 

 

祖父母の費用負担で、どんどん高級している傾向も

 

最後は、ランドセルにまつわる「お金」の話について。「購入したランドセルの価格帯は?」という質問には、「6万円台」が最も多く27%、「5万円台」が23%とあわせて約半数に。ランドセルのサイズが大きくなっていることもあり、ひと昔前と比べると、価格は上昇傾向にあります。

 

また、「ランドセル購入に当たり、費用を負担したのは誰ですか?」という質問には、母方祖父母が31%、父方祖父母が25%という結果になり、半数以上の家庭でおじいちゃん、おばあちゃんが費用を出してくれているようです。ランドセルを買ってあげることを楽しみにしている祖父母も多いとか。

 

 

 

意外な結果も多かった最新ランドセル事情。ぜひ、購入の際の参考にしてください!

 

(執筆:野々山幸)


関連記事はこちら

大手メーカー3社に聞く! 人気ランドセルの最新事情

大手メーカー3社に聞く! ランドセル購入のピークはいつ?

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

子どもの学校の顔と家の顔、違っていても大丈夫

 

こんにちは、現役小学校教諭の舟山由美子です。

面談などで、親御さんに学校での子どもの様子を話すと、「うちの子のこと?」と思うほど、家と学校で言動が違うとおっしゃる親御さんは多いもの。そこで今回は、子どもの学校の顔、家の顔についてお話したいと思います。

 

学校と家の違い、子どもなりに理由がある

 

保護者との面談のとき、ふだんの掃除の時間など一所懸命に働いている子を褒めると「この子は家では自分の脱いだものも片付けません。なんにもしません!」と言われることがあります。また、学校ではほとんど何も言葉を発しない子がいて、お母さんに聞くと「家ではぺらぺらとよくしゃべって、先生があのときこう言った、ああ言った…ということから、友だちの失敗話までを、面白おかしく話してくれます。」という思いもかけない内容の話が返ってきたりします。もちろん、家でも学校でも「あまり変わらない子」というパターンもあります。

 

前者のような、学校で一生懸命に立ち働く子の場合、学校では認めてほしい気持ちが強い子どもなのだな、ということが分かります。また、後者のように学校ではほとんど話さないという子は、「話す」という回路が、今のところ家庭限定であるだけで、そのうち学校でも、あるきっかけで話すようになりそうな段階だと言えるでしょう。

家と学校の表情が違うかどうかは、家庭の兄弟姉妹の存在も関連があるようで、上の子がおしゃべりだと下の子は話さないとか、そういった例もあるからです。

 

内面と外面、違っていて当たり前

 

いずれにしても、1年生でも6年生でも、家庭と学校との顔は(程度の差はあっても)違って当たり前、というのが私たち担任教師の共通の認識です。

これは高学年の場合ですが、子どもに作文や詩を書かせると、クラスで必ず1人ぐらいは「お母さんは、自分たち子どもに対して怒っているときに電話がかかってくると、急に声のトーンを変えて、よそゆきの声で応じている。不思議だ…」という内容のものを書く子がいます。それを紹介すると、ほかの子も「ある、ある!」ということになり、クラスみんなで笑っています。

 

このように『普段とよそゆき』『本音と建て前』という構図は、社会的な生き物であるヒトだからこそ持っている感覚であり、生きていくのにある程度必要なスキル(=技術)なのかもしれません。子どもは親の鏡でもあるので、大人の中で起きていることは、必ず子どもの中でも起きることなのです。

 

ウソや言い訳が入ると、問題になるケースも

 

子どもが学校と家で違う顔を見せること、それ自体は特に問題はありませんが、親御さんの側が「子どもはいつも本当のことしか言わない」と思っていて、子どもが言ったことをそのまま信じている(信じたい)場合、子どもが学校と家とで違うことを言っていたりすると、問題につながるケースが見られます。

 

例えば、学校で自分が友だちに意地悪をしたのに、家で親に話すときは、自分が意地悪をされたとか、誰かにそそのかされてやったなどと、「ウソ」や、もっともらしい「言い訳」をして、自分に都合のよいように親に言ったりするというような場合です。

これは心理学の用語で『防衛機制』と言われるもので、端的に言えば「傷つくのがこわいから、言い訳で自分を守る」という行動です。

 

こうしたケースの場合、担任が家に電話をして学校での状況を伝えたりすると、子どもから聞く内容と違っているために、保護者が「うちの子はそんなことは言っていなかった」と気色ばむことも少なくありません。

 

こんなとき担任としては、心の中で「この子はこうして、自分を守らなければならなかったのだな」と思いながら、学校でもう一度、双方の話を聞くなどの手順を踏んで、改めて保護者と話をするようにしています。そして「親には本当のことを言うはずだ」とか「我が子は悪いことをするはずがない」と固定している我が子に対する認識(認知)を、「実はそうでもないんですよ」とか「1年生でも外面と内面が違う子はいますよ」ということをやんわりと伝え、認識を柔らかくしてもらわないといけません。そうでないと、その後に同じような問題が起きたときに、また同じ轍を踏むことになってしまうからです。

 

全面的に受け入れることで、子どもは外で頑張れる

 

もしも「うちの子も、家と学校で見せる面が違っているかも…?」などと思いあたることがあっても、それだけで心配する必要はありません。ただ、万が一、子どもが学校のことでウソや言い訳をしたら「なぜこの子はこう言ったのだろう?」と振り返るチャンスにしてみてはどうでしょうか。必ず思い当たることがあると思うのです。

 

親は子どもの安全基地です。外で不安や不快なことがあって、お母さんの元に戻ったときに、そこでお母さんに「どうしたの?」「大丈夫だよ」と言ってもらい、全面的に受け入れてもらえることで、また安心して外で頑張ることができるのです。親が安全基地として、ゆるがない存在でいれば、子どもがウソや言い訳で自分の行動を正当化することはなくなるはずです。

 


舟山由美子先生の連載はこちら

「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓

 

子どもがかかりやすい感染症の症状と出席停止期間、通学の目安

 

たくさんの子どもが集まる学校では、感染症も流行しやすくなります。病気によっては感染が広がらないよう、「学校保健安全法」によって、一定期間、出席停止が定められているものも。いざというときに慌てないよう、出席停止になる病気と停止期間などについて把握しておきたいですね。

 

出席停止の期間が定められている病気

 

・インフルエンザ

 

症状…39〜40℃の高熱、悪寒、頭痛、咳や鼻水から始まり、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状を伴う。肺炎、脳症、中耳炎などを併発することもある。

 

通学の目安(登校基準)…発熱後5日かつ解熱後2日経過するまでは出席停止。

 

・麻しん(はしか)

 

症状…発熱、くしゃみ、鼻水、目やになどの症状から始まり、口の中に白い斑点が出る。熱がいったん下がりかけて、再び高熱が出てきたときに赤い発しんが全身に広がる。

 

通学の目安(登校基準)…発しんに伴う発熱の解熱後3日を経過するまでは出席停止。病状により、感染力が強いと認められたときは、さらに長期に及ぶこともある。

 

・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

 

症状…耳下からあごの下が急に腫れてくる。腫れは2、3日でピークに達し、3〜10日間で消える。無菌性髄膜炎や片側難聴などを併発することもある。

 

通学の目安(登校基準)…耳下腺や顎下腺などの腫れが現れてから5日経過し、かつ全身症状が良好になるまで出席停止。

 

・風しん(三日はしか)

 

症状…発熱と同時にバラ色の発しんが全身に現れ、3〜5日で消えて治る。首や耳の後ろのリンパ節に、腫れと痛みも見られる。

 

通学の目安(登校基準)…発しんが消失するまで出席停止。

 

・水ぼうそう

 

症状…体や首、顔などに発しんが現れ、熱は出ないこともある。発しんは赤い斑点状から水疱、膿疱、かさぶたへと変化し、かゆみや痛みを伴うこともある。

 

通学の目安(登校基準)…すべての発しんが痂皮(かさぶた)化するまで出席停止。

 

・咽頭結膜熱(プール熱)

 

症状…39~40℃の発熱、のどの痛み、頭痛、食欲不振が3〜7日程度続く。目の充血、目やに、涙が多くなるなど結膜炎の症状も出る。プールの水を介して流行することが多いので、プール熱とも呼ばれる。

 

通学の目安(登校基準)…発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状が消失した後2日経過するまで出席停止。

 

医師の診断で認められるまで出席停止の病気

 

・流行性角結膜炎

 

症状…結膜の充血、まぶたの腫れ、異物感、目やになど、急性結膜炎の症状が出る。

 

通学の目安(登校基準)…眼の症状が軽減してからも感染力が残る場合があるので、医師に感染のおそれがないと認められるまで出席停止。登校再開後も、便中にウイルスが排出されるおそれがあるので、1か月ほどは手洗いを必ず行なう。

 

全身状態がよくなれば出席可能な病気

 

以下の感染症は必ず出席停止を行うものではないですが、欠席者が多くなるなど、流行の大きさや保護者の不安が多い場合など、学校長が学校医と相談をして出席停止などの措置がとられることがあります。

 

・感染性胃腸炎(主にノロウイルス、ロタウイルス)

 

症状…おう吐と下痢が突然始まる。多くは2〜7日で治るが、脱水、けいれん、脳症などを合併して危険な状態になることもある。特に脱水には十分な注意が必要。

 

通学の目安(登校基準)…下痢、おう吐症状が軽減した後、全身状態のよい場合は登校可能だが、回復後も数週にわたって便からウイルスが排出されることがあるので、手洗いをしっかりと行なうことが重要。

 

・マイコプラズマ肺炎

 

症状…咳、発熱、頭痛などのかぜ症状がゆっくり進行する。特に咳は徐々に激しくなり、3~4週間の長期にわたることも。中耳炎や発しんを伴うこともある。

 

通学の目安(登校基準)…症状が改善し、全身状態が良くなれば登校は可能になる。

 

・溶連菌感染症

 

症状…発熱やのどの痛み、扁桃やリンパ節の腫れが見られる。舌がイチゴ状に赤く腫れ、全身に赤い発しんが出ることもある。

 

通学の目安(登校基準)…抗菌薬を飲んだ後、24時間以内に感染力がなくなるため、それ以降、登校は可能になる。

 

・伝染性紅斑(りんご病)

 

症状…かぜの症状の後、顔やほおに少し盛り上がった紅斑が見られる。手足にも網目状の紅斑が出る。紅斑は一度消えても再発することがある。

 

通学の目安(登校基準)…発しんが出るころには、感染力は消失しているので、発しんのみで全身状態がよい場合は登校が可能。

 

・手足口病

 

症状…発熱があり、口の中やのどの粘膜に痛みを伴う水疱ができ、唾液が増え、手足の末端やひじ、ひざ、お尻などにも水疱ができる。熱はそれほど高くならず、1〜3日で解熱する。

 

通学の目安(登校基準)…本人の全身状態が安定している場合は登校可能だが、ウイルス排出期間が長いので、特にトイレの後の手洗いをしっかり行なうことが重要。

 

・へルパンギーナ

 

〈症状〉39℃以上の突然の発熱とのどの痛み。のどに赤い発しんができ、その後水疱、潰瘍に変わっていく。夏風邪の代表的な病気。

 

〈通学の目安(登校基準)〉全身状態が安定している場合は登校可能。長期間、便からウイルスが排出されるので、手洗いをしっかりと行なうことが重要。

 

・伝染性膿痂疹(とびひ)

 

症状…皮膚に水疱ができ、強いかゆみを伴う。重症になるとただれを起こすこともある。かきこわすと別の場所に水疱が次々に広がっていく。

 

通学の目安(登校基準)…出席停止にはならないが、水疱やただれた部分をさわらないよう注意が必要。治るまでプールは禁止。

 

・伝染性軟属腫(水いぼ)

 

症状…2〜5ミリくらいのツヤのある半球状のいぼができる。治療をしなくても半年から1年で治るが、その間数が増え、かゆみや炎症を起こすこともある。

 

通学の目安(登校基準)…出席停止にはならず、プールも可だが、直接肌がふれると感染するため、露出する水いぼは処置が必要。

 

・アタマジラミ

 

症状…シラミという1〜4ミリの大きさの寄生虫が頭髪に棲みつく。かゆみなど、自覚症状はほとんどない。ロッカーやタオル、帽子、寝具、枕などの共用が感染の原因になる。

 

通学の目安(登校基準)…出席停止にはならず、治療を始めればプールも可。

 

冬のインフルエンザやノロウイルス、夏のプール熱など、代表的な感染症以外にも、子どもが注意したい感染症は多いもの。出席停止にはならない感染症もありますが、子どもの状態をよく見て、無理の無い範囲で、登校や登園を検討したいものですね。

 

※参考:文部科学省『学校において予防すべき感染症の解説』より


関連記事はこちら

親子で覚えたい、感染対策に大事な「正しい手洗い」

ノロウイルスを予防する手洗い! 効果的な3つのポイント

 

 

 毎週木曜にメルマガ発信中!

ご登録はこちらから↓

mailcp

 

ツイッターもやっています!

フォローはこちらから↓