舟山由美子
東京都公立小学校の現役教諭。本サイトで「現役先生が教える、学校ってこんなところ」を連載中。
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生活・しつけ
年長 2018年2月20日の記事
学校で授業を受けるときの基本になるのが、先生の話をきちんと聞くこと。人の話を聞けるようにするために、家庭でできることを現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。
入学後、子どもが学校の授業についていけるかどうか、親としては気になるところ。そのためには、人の話を聞けるかどうかがとても重要になると舟山先生。
「人の話をきちんと聞いて理解できないと、教室でも、次にやることがわからない、今やっている勉強がわからない…ということが出てきます」(舟山先生)
そういった意味で、人の話に耳を傾け、それを理解する力を養っておくことは、入学準備として重要なのですね。また、もう一つ大事なことは、「話を最後まで聞く」ということ。
「先生にしてもお友達にしても、人が話をしている時に、頭に浮かんだことや思ったことをすぐ言わないと気がすまない子がいます。人の話の腰を折って、自分ばかりしゃべっていると、今後友だち関係にも影響してくるかもしれません。とにかく人が何かを話している時には、その話に最後まで耳を傾けるように練習しておきましょう」(同)
人の話を聞けるようになるために、今のうちから、家庭でしておいたほうがいいことはあるのでしょうか?
「子どもの『聞く姿勢』には、親子の間での会話の習慣が出るものです。日ごろの親子の会話を見直してはどうでしょう」(同)
ポイントは3つあります。
・会話にふさわしい環境を整える
・親が子どもと会話をしたいという気持ちを持って話す
・子どもに対して一方的に話さない
会話にふさわしい環境とは、子どもの興味をひくものが周りにないことだそう。「子どもに対して何かをきちんと伝えたい時、または、子どもから何かを聞きたい時などには、食べ物やゲーム、おもちゃなどがあると、子どもは気もそぞろ、話を聞くどころではありません。もちろんテレビも消しましょう」(同)
また、親がゆったりした気持ちで、子どもとの会話を楽しむことも、実はとても重要だと舟山先生は言います。
「子どもは、とても敏感です。イライラしたり、焦ったりしている相手の話は聞きませんし、自分の気持ちを話したりしないものです」(同)
また、子どもに対して一方的に話さないというのは、親が子どもの話を聞く姿勢を持つということだそう。
「今日あったことを子どもに聞いて返事をさせてみたり、さりげなく親の意見を混ぜて話したり、子どもの話を否定せず、最後まで聞き、会話のキャッチボールをすることを心がけるとよいでしょう」(同)
ちなみに、舟山先生によると、話を聞くときは「相手の方を向いて聞く」というのが原則とのこと。
「学校ではよく、『おへそを相手に向けて聞きましょう』と教えます」(同)。
これも家庭で真似できそうですね。
「会話は教え込もうとしてはいけません。最初は、会話を引き出す気持ちを続けるとよいのではないでしょうか」と舟山先生。会話が楽しければ、子どもの話す姿勢、聞く姿勢も自然に身につくもの。今日から少し意識して、子どもと会話をしてみてはいかがでしょう。
(取材・執筆:坂本洋子)
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