大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
生活・しつけ
年長 2018年1月29日の記事
風邪やインフルエンザが流行る季節になりました。一年でいちばん寒さが厳しい時期を、体調を大きく崩さずに乗り切りたいですね。あたたかい春が来る頃にはいよいよ1年生。親子で、自分の体のことを考えてみませんか?
『はなみずじゅるじゅるせきごほごほ』(細谷亮太 文、つちだよしはる 絵)は、聖路加国際病院副院長、小児科医療総合センター長を経て現在は顧問となり、数多くの著作がある細谷亮太先生の「からだ だから すごい!」シリーズの1冊です。
「かぜをひくって、どんなこと?」鼻水がじゅるじゅるして止まらなかったり、咳もごほごほ、げほげほ…。なんだか熱も出てきたみたい。誰でも身に覚えのある症状です。でも…「だいじょうぶ だいじょうぶ。ぼくのちからをしんじてよ!」バババーンと体の中から出てきただれかがいますよ。それは、だれでしょう?
「ぼくは からだの ちからマン。きみたちのからだのなかで、なかまといっしょに がんばっているんだぞ。かぜのとき、からだのなかが どうなってるか、しってるかい?」
絵本の中で、ちからマンは、のどや鼻に病気の元のウィルスがいっぱいいること、放っておいたらどんどん増えることを教えてくれます。鼻水じゅるじゅるも、咳ごほごほも、熱が出るのも、みーんなちからマンがウィルスを追い出そうとがんばっている証拠なんです! そしてちからマンは教えてくれます。わたしたちの体の中の、ちからマンを応援するにはどうしたらいいか。 鼻をちゃんとかむこと、手洗い・うがいをすること、しっかり食べて飲んで、ゆっくり休んで、からだの力を育てること……。なるほど、大事なことがわかりやすい言葉と親しみやすい絵で書かれています。
元々わたしたちの体に備わっている力……大人の難しい言葉で「免疫力」ということになると思いますが、免疫力はすべての基本。体に本来ウィルスをやっつける力が備わっていると知ることは、子どもを勇気づけるでしょう。ちからマンは言います。「じぶんのちからでなおすって、とってもだいじなことなのさ」と。
がんばれ、がんばれ、ちからマン。自分の体の中には「ちからマンがいる!」と自信を与えてくれる絵本です。
『からだ・あいうえお』(中川ひろたか 文、佐々木一澄 絵、吉澤穣治 原案)は、お医者さんの視点から、親子に役立つ言葉が「あいうえお」の順に並んでいる、ちょっとめずらしい絵本です。たとえば、「あしは だいにの しんぞうだ」「けがしたら おみずで きれいに あらいましょう」「しんぞうは ちをおくりだす ポンプです」……。原案は、東京慈恵会医科大学小児外科診療医長の吉澤穣治先生。絵本の著作が多い中川ひろたかさんが、リズミカルな言葉にしています。
「うんちは げんきの バロメーター」「ねっちゅうしょう はやめに おみずを のみましょう」は、先生がとくに入れたかった言葉だそう。「ほねはぜんぶで206 こどものときは260」など「へえ〜」と大人でもびっくりするようなものがあったり、「やけどをしたら まずひやす」「るいせんは なみだを つくりだすところ」「ろっこつは はいと しんぞう まもります」のように、ケガや体の仕組みについて子どもと話し合うきっかけになる言葉がたくさん入っています。また、「ちょうしんき からだのちょうしが きこえます」「にょうは いろんなけんさに つかいます」など、病院の医療行為を解説するものもあります。リズムが耳に心地よく、日頃から参考になる言葉がいっぱい。ぜひ親子で声に出して読んでみてください!
内臓と骨の名前や、本文の解説もすべてひらがなで書かれているので、年長さんにぴったり。どのページを開いても、佐々木一澄さんのインパクトのあるかわいい絵が、鮮やかに目に飛び込んできます。病気やケガのとき「体の中はこんなふうになっているんだ」「病院ではこんなことをするんだ」とわかっていれば、不安な気持ちはだいぶ和らぐのではないでしょうか。ちなみにカバーを外すと、裏は、絵本の内容が一枚に再現された「あいうえお表」になっていて、壁に張ることができます!
小学生になると、だんだん1人で活動する機会が増えていきます。自分で「具合が悪い」と先生に伝えることが必要になったり、登下校時に転ぶこともあるかもしれません。「体ってすごいんだね」「大事にしようね」と親子で話し合い、手洗い・うがいも体を応援するつもりで行えるといいですね。
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。