舟山由美子
東京都公立小学校の現役教諭。本サイトで「現役先生が教える、学校ってこんなところ」を連載中。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
生活・しつけ
年長 2018年2月16日の記事
いよいよ入学式まで2カ月ほど。毎朝、規則正しい時間に登校するには、早寝早起きの習慣づけが大切。どのように生活を整えていけばよいか、現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。
入学後は、これまでよりも早い時間に家を出るようになるという子もいるでしょう。この機会に、寝坊や夜更かしぐせのある子は、正しい生活習慣を身につけたいですね。
「早寝早起きは、健康面・生活面において、基本中の基本となるものです。これはあくまで個人的な印象ですが、睡眠時間が十分とれていて、朝ご飯もしっかり食べている子は、授業への集中力が高く、授業態度も積極的、忘れ物も少ないように思います」(舟山先生)
早寝早起きをすることは、生活習慣を整えるだけでなく、成長していくうえで重要な力を養うことになるそうです。例えば午後9時に眠るためには、午後8時を過ぎたらお風呂に入り、8時半には歯を磨いて…というように、先の時間を読む力が必要です。
ゲームなどでもっと遊びたいと思ったとしても、時間が来たらやめて、寝る準備をしなくてはなりまません。これを毎日繰り返すことで、子どもは時間を読むことや我慢することを覚えていくのだとか。
「このような時間に対するルールを守るための自制心は、大人になっても必要なもの。子どもの頃にしっかり体に叩き込んでおきたいですね」(同)
睡眠をたっぷりとると、子どもの成長や健康に大切な役割を果たす成長ホルモンが分泌されます。
さらに太陽の光を浴びて体を動かしたり、朝ご飯をしっかり食べることで、「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。これは、食欲や呼吸、睡眠に関係する神経と、不安や緊張など情動や衝動を支配する神経をコントロールする役割を果たしているもの。このセロトニンが昼にたくさん作られるほど、睡眠を促すホルモンもたっぷり合成されるのだとか。
「夜、ぐっすり眠るには、早く寝るだけでなく、昼にたっぷり遊んで、ほどよく疲れることも大切です」(同)
最近では、ゲームやスマホが、早寝早起きの習慣が乱れる原因になっているようです。
文部科学省の調査では、「スマホや携帯で遊ぶ時間が長い子ほど就寝時間が遅い」「寝る直前までテレビ、ゲーム、スマホなどに接触する機会が多い子ほど、朝、ふとんから出るのがつらいと感じている割合が高い」といった結果が出ているそう。
「心当たりがある場合は、子どもの遊びから見直してみることも必要かもしれません」(同)
夜、寝る時間になってもだらだらと起きている子に対しては、「早く寝なさい!」と叱るばかりはなく、睡眠の大切さを教えていってほしいと舟山先生は言います。
「叱るだけだと子どもも萎縮してしまいます。1年生になるころには、きちんと順序立てて説明すれば、子どもも理解できますよ」(同)
また、お父さんやお母さんが起きていると、なかなか眠りたがらないという子も。
「そういう場合は、『大人と子どもは違うのよ』と、毅然とした態度で厳しく言っても構わないと思います」(同)
ときには、「お母さんはこう思うよ」と理詰めで言い聞かせることも必要なこと。そのかわり、子どもが自分で起きられたときは「起きられたね」とほめてあげるとよいそうです。
学校生活を元気に過ごすためにも、早寝早起きを徹底したいですね。
(取材・執筆:坂本洋子)
関連記事はこちら
★新1年生のための文房具選び【前編】キャラクターものがだめって本当?
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。