舟山由美子
東京都公立小学校の現役教諭。本サイトで「現役先生が教える、学校ってこんなところ」を連載中。
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生活・しつけ
年長 2018年2月19日の記事
朝起きてから学校に出かけるまでの「朝の支度」。子どもが1人でスムーズにこなせるようにするにはどうしたらよいでしょう。現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいました。
朝の支度でもっとも重要なのは、朝ご飯。「朝ご飯は、必ず食べさせてください」と舟山先生は言います。
「朝ごはんを抜いた子は、気もそぞろで、ひたすら給食の時間を待っています。こんな状態では授業に集中できません。脳を動かすには、カロリーが必要。ご飯やパンなどの炭水化物をしっかり摂るようにしましょう。朝ごはんを食べて登校するには、まず食べる時間も確保する必要があります。朝目覚めて着替える時間や食べるのにかかる時間を考えて、起きる時間を設定しましょう」(舟山先生)
量は少な過ぎず、多過ぎず。給食の時間にちょうど空腹を感じるくらいが理想的なのだとか。
また、睡眠時間が足りないと、寝起きがぼんやりして朝ごはんが食べられなくなるので、寝る時間も必然的に決まってきます。朝ご飯を食べることを前提にすると、寝る時間も自然と早くなるそうです。
朝ごはんをきちんと食べるのと合わせて、排泄も大切と舟山先生。
「特にウンチの場合、学校では休み時間が短く、落ち着いて用を足すことは難しいので、朝、できるだけ家で済ませておきたいですね」(同)。
ウンチは習慣性が高いので、できないままでいると、便秘につながっていく可能性も。朝ごはんを食べた後に、ゆっくりトイレに入る時間を取り、それを毎朝のリズムとして体に定着させておくのが理想的です。
また、朝スムーズに出かけるためには、「時間割は前日に揃える習慣をつけておくとよいでしょう」とのこと。
小学生になったら、朝の支度は子ども自身にさせるのが基本。とはいえ、慣れないうちは、どこまで手伝うべきか、親としては迷うところです。
「子どものできる・できないは個人差が大きいので、最初は大人のサポートの割合が多い場合もあるでしょう」と舟山先生。
大事なのは、親が手伝っていても、子ども自身があたかも「自分の力でやっている」と思わせるように仕向けること。例えて言うなら、ブランコ遊びをしているとき、親がそっと後ろから押していて大きく弧を描いているのに、子どもが自分の力でこいでいると、思わせるというようなことなのだそう。
「いつまでも親がやってくれると思わせてしまうと、ずっと親が『仕方ないわね』などと小言を言いながら、手伝ってしまうことになります。こうなると、子どもも、親に何か言われてからいやいや動く……というパターンに陥りがち。2年生までそれが続いたら、そのあとも状況はほとんど変わらないでしょう。最初が肝心です」(同)
なかなか時間内にできないときは、朝のスケジュールや自分でやることを親子で話し合って、紙に書いて貼り出しておくといいでしょう。
「見える場所に紙を貼っておくと、それを見て、自分で支度することできます。もしやることを忘れたり、できないときでも、紙を指差すだけで子ども自身が気づけますよ」(同)
いろいろな工夫を加えて、毎日楽しく支度ができるようにしたいですね。
(取材・執筆:坂本洋子)
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