1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年11月27日の記事
各地の幼稚園・保育園、小・中学校で講演するとき、私は子どもの熱中体験の大切さについてよく話をします。
自分が本当にやりたいことに熱中できている子は一番幸せです。
そのとき幸せホルモンがたくさん出て、生きる喜びを感じることができます。
すると自分自身の存在を肯定できるようになります。
明るく楽しい毎日を送れるようになります。
たまっていたストレスも解消され、気持ちが安定します。
すると、兄弟や友達にも優しく親切になれます。
楽しいことをたくさんやらせてくれて、ほめてくれる親のことが大好きになります。
親子関係がよくなり、素直な気持ちが出てきます。
熱中してたくさんやっていると、それが得意になります。
これによって自分に自信を持てるようになります。
すると、他のことでもできそうな気がしてきます。
楽しいと感じながら頭を使っているとき、脳の血流がアップして脳が活性化されます。
これが脳全体によい影響を与えます。
脳科学によると、頭がいいというのは、シナプスの数が多いということです。
シナプスとは、脳の神経細胞(ニューロン)同士をつないで情報をやり取りする情報の交差点のようなものです。
これは、本人が喜びを感じながら脳を使っているときにどんどん増えます。
認識力、理解力、情報処理力、記憶力、想像力、創造力、表現力などが、ぐんぐん伸びます。
つまり、地頭がよくなるということであり、脳の性能がアップするということであり、コンピュータでいえばCPUの性能がアップするということです。
地頭がよくなったところに勉強を入れればスイスイ入るわけです。
親は、つい、「いつまで『きかんしゃトーマス』で遊んでるの?それは幼稚園で卒業でしょ。そんなのテストに出ないよ。そんなことより、○○をやりなさい」などと言ってしまいがちです。
でも、それはもったいないです。
せっかく本人がやる気を持って頭の性能をアップしているのですから。
たしかに「きかんしゃトーマス」はテストには出ませんが、このとき子どもの地脳がどんどんよくなっているということを忘れてはいけません。
子どものやる気の最前線は、親の願うそれとはいつも違うところにあります。
親は、勉強、習い事、手伝い、整理整頓、お手伝いなどについて、やる気になってくれることを願っています。
そして、それを進んでやってくれる子を「自立した子」と呼んでいます。
親がやってほしいことをやってくれないと、「うちの子はやる気がない」と言います。
「自立してない子」とも言います。
そうではありません。
それは自立しているのではなく、むしろ逆です。
それは「親がやってほしいことをやってくれる育てやすい子」「親にとって都合のよい子」になったに過ぎません。
熱中体験の効果をいろいろ書いてきましたが、最後にまとめると、自分がやりたいことを思う存分やることの楽しさを味わうことが大切ということです。
そういう子は、「自分がやりたいことを自分で見つけて自分でどんどんやっていける子」になります。
これが真の自立であり、自分の人生を自分でつくっていく力です。
これが主体的な生き方というものであり、主体的な学びもそれにくっついてきます。
2020年に大学入試改革が行われますが、何のためにおこなうかというと、「主体性を持って人生を切り開いていく力」を養うためです。
これは、『高大接続システム改革会議「最終報告」』の冒頭に出てくる、一番のキーワードです。
これからの世の中は、少子化による人口減少、経済規模縮小、超高齢化、人工知能、グローバル競争など、かつて私たちが経験したことのないような変化が急速にやってきます。
そのような中で、「主体性を持って人生を切り開いていく力」が本当に必要だということです。
「人に言われたことをやる力」「親がやってほしいことをやる力」ではないのです。
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1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
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