舟山由美子
東京都公立小学校の現役教諭。本サイトで「現役先生が教える、学校ってこんなところ」を連載中。
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生活・しつけ
年長 2018年2月21日の記事
内気、恥ずかしがりや、みんなの前で話をするのが苦手な子は、学校でも気後れしてしまって、自己主張ができないのではと、親としては心配になります。自分の意見をはっきり言えるようにするには、どうしたらよいのでしょうか。現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。
学校生活の中では、おとなしい子や内気な子でも、しっかり意思表示をする必要があります。でも、すぐに何でも言えるようにするのは難しいもの。入学に際して、これだけは言えるようにしておいたほうがいいということは何でしょう?
「まずは、『トイレに行きたいです』とはっきり言えることでしょうか。よく1年生で、もじもじして迷った末に『先生、トイレ』と言ってくる子がいます。そんなときは、まずトイレに行かせてから『よく言えましたね。でも、先生はトイレではありませんよ(笑)、こういうときは“先生、トイレに行きたいです”と言いましょうね』と伝えるようにしています」(舟山先生)
こう言うと、ほとんどの子が次から、ちゃんと言えるようになるのだそうです。
また、友だちとのことで、何かいやなことがあったら、「嫌だからやめて」とはっきり断わったり、先生にいやことがあったと言えるということも大切とのこと。そうでないと、友達との間でトラブルになったりすることもあるのだとか。
「トイレに限らず、重要なのは、困ったことがあったとき、それを伝えられる、ということです。新一年生で、いやなこと、困ったことを友達や先生に伝えることできれば、ほかの場面でもだいたい大丈夫だと思います。家でも、『何かあったら先生に言うんですよ』といつも言っていただきたいですね」(同)
おとなしい子や、言いたいことがはっきり言えない子の場合、すぐに何でも先生に言えるようになるわけではありませんが、「困ったことは先生に言っていい」ということや「自分で言う必要がある」ことを伝えていくのが大切です。
「はじめのうちは言えずに失敗することもあるかもしれませんが、環境に慣れていくうちに、どんな子でも徐々に自分から言えるようになってきます」(舟山先生)
また、おとなしい子の場合、日ごろ、親が先回りして答えを言ってしまったりすることも少なくありません。よその人が子どもに話しかけたとき、子どもがなかなか答えられないと、つい親が答えてしまった、という経験がある方もいるのでは?
「家でも親御さんが、子どもの意見を先取りしたりせずに、自分で言うように仕向けたり、言い終わるまで待つ…ということがよい結果になると思います」(同)
親として気になるのは、はっきりと自分の意見が言えない場合、成績にも響くのかということ。授業中に自分の意見やわかっていても答えが言えない子は、通知表などでマイナスに評価されてしまうのでしょうか?
「確かに『積極性』『自発性』『話すという表現力』という面ではマイナスになってしまうかもしれませんが、みんな最初からできる子ばかりではありません。担任も、そういう子をどうするか、という視点で指導しますので、親御さんはあまり心配されない方がよいと思います」(同)
子どもに「はっきりしなさい!」などと叱らず、自分で言えたときは、そのことをほめてあげることも大切だとか。焦らずに、自分の意見を言えるようになるときは待ってあげたいですね。
(取材・執筆:坂本洋子)
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