井上聖美先生
静岡県で長年小学校教諭として勤務。書家でもある。退職後は自宅で書道塾を営むかたわら、静岡市内の小学校で書道の指導にあたったり、幼稚園でママたちの子育て相談を受けたりと、幅広く教育に携わる。地域のママたちが頼りにするおばあちゃん先生。
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年長 2018年2月28日の記事
年長さんはもうすぐ卒園式・入学式を迎える季節ですね。当日何を着せるか、自分が何を着るか、ママたちは頭を悩ませていることでしょう。そこで、今回は、長年静岡県で小学校教諭として教育に携わり、退職後の現在も小学校で書道の指導に当たったり、幼稚園でママたちの子育て相談などを受けたりしている井上聖美先生と、札幌市立屯田小学校校長の新保元康先生に、卒園式や入学式の服装とマナーについてお聞きしました。
井上先生は、退職後も様々な立場で子どもたちの教育に携わっていることから、幼稚園の卒園式や小学校の入学式などに、来賓として出席することが多いそうです。そこでまずは、卒園式の最近の服装の傾向について聞いてみました。
「地域によっても差はあると思いますが、私の知る範囲では、親子ともそれほど昔と変わらずベーシックな服装の方が多いと思います。幼稚園の場合、卒園式は子どもは制服というところが多いと思いますが、お母さんの服装は、園によって傾向の違いがあります。ほとんどのお母さんが和服で来るという園もありますし、働いていて忙しいお母さんが多い園は、スーツなどの方が多いようです。無理のない範囲で、その園の雰囲気に合わせればいいのではないでしょうか」(井上先生)
では、小学校の入学式の場合、子どもの服装について、学校側で何らかのルールを作ったりしているケースもあるのでしょうか?
「入学式の場合、子どもたちの服装は基本は自由です。学校からも特に指導や指示はないと思います。とは言え、フードがついた服などカジュアルすぎる格好は避けたほうがいいでしょう。正式な場なので、基本は襟付きのものを着せたほうがいいですね。男の子なら、ワイシャツにジャケットやベスト、女の子の場合は、襟付きのワンピースや、中にブラウスを着られるタイプのワンピースの子なども多いです」
また、新保先生も、学校から特段子どもの服装についてお願いすることはないとしながらも、「地域によってはPTAや学校でルールを作っているところもあるので、それにしたがって、シンプルで清潔な装いであれば十分です」とのこと。
「ただし、普段着慣れない袴やアイドル風のファッションで決めてくる子もいますが、その場合に心配なのがトイレです。子どもは緊張するとトイレが近くなることがあるので、いざという時に間に合わないということも…。普段の服装からあまりかけ離れない格好で、襟を正すようなものが一番安心かと思います」(新保先生)
また、親の服装については、卒園式も入学式も主役は子どもということを忘れないでほしいと井上先生。
「卒園式も入学式も、あくまで主役は子どもです。そのため、あまりに親が華美になりすぎないようにだけは、気をつけてください。子どもをお祝いする気持ちがいちばん大事ですからね」(井上先生)
特に和服の場合、着て行く場に合った格のものを着るというマナーがあります。色や柄が派手すぎない訪問着や、色無地、付け下げなどがこうした子どもが主役の場には合っているとのこと。和服は年齢や体型の変化、流行などに関係なく、長く着られて便利ではありますが、着る時には、和装のマナーに詳しい人や呉服屋さんなどに相談してみると良さそうですね。
新保先生も、学校側からもしひと言お願いするとしたら、「学校の儀式にふさわしい装いでお越しください」とのこと。
「これまで何度も入学式を行ってきましたが、それほどおかしなファッションでいらっしゃる方はいませんでした。みなさん、お子さんの大事な1日を温かく見守る雰囲気で、節度と清潔感のあるファッションとマナーで入学式に参加してくださいます。ただし、1つご注意いただきたいのは、香水や化粧品の匂い。そういった匂いに過敏なお子さんもいるので、その点はご配慮いただければと思います。またあまりにも高いヒールの靴などは、学校内では歩きにくいので、避けていただいた方がいいかもしれません」(新保先生)
そのほかに、入学式の服装や持ち物について、知っておいたほうがいいこととして2人の先生が挙げてくれたのが、スリッパと寒さ対策です。
多くの学校では、体育館に入るためにスリッパを持参する必要があります。入学後は、学校に出入りする時には必ず持っていくことになるので、折りたたみできるスリッパを用意するお母さんも多いそう。また、4月でも天候によっては体育館は意外に寒いので、暖かい服装、薄手のひざ掛けを持参するなど、寒さ対策を行った方がいいとのことでした。
最後に、これから入学を迎えるお子さんを持つママに、2人の先生からアドバイスをいただきました。
「色々と不安はあるかと思いますが、学校生活のスタートで一番大事なのは健康です。体調を万全に整えて、入学式にのぞんでいただきたいと思います。虫歯などがある場合には、早めに治しておけるといいですね。そのほかは、大きな声であいさつと返事ができれば十分。おとなしい性格の子や人見知りの子も、子どもたちは集団の中に入れば溶け込んでいくもの。心配しすぎず見守ってあげれば大丈夫です」(井上先生)
「環境の変化に敏感なお子さんの場合、事前に相談してくださる保護者の方もいます。これは学校としてはとても助かります。式の時にお母さんに付き添ってもらったり、事前に入学式の会場を見ていただいたりしたこともありました。早めにご相談いただければ、学校側も配慮できると思いますので、心配なことがあれば、遠慮なく相談してみてください」(新保先生)
先生の視点から見た、卒園式、入学式のファッションアドバイス。これを参考に、洋服選びをしてみてくださいね。
(取材・執筆:ママノート編集部)
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井上聖美先生
静岡県で長年小学校教諭として勤務。書家でもある。退職後は自宅で書道塾を営むかたわら、静岡市内の小学校で書道の指導にあたったり、幼稚園でママたちの子育て相談を受けたりと、幅広く教育に携わる。地域のママたちが頼りにするおばあちゃん先生。
新保元康先生
札幌市立屯田小学校 校長。北海道教育大学札幌分校卒業。札幌市立小学校教諭、北海道教育大学附属札幌小学校教諭を経て、現職。文部科学省「次世代学校支援モデル構築に関する調査研究」事業推進委員(2017年~)の他、札幌市社会科教育連盟委員長等を務める。
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