札幌市立屯田小学校 校長。
北海道教育大学札幌分校卒業。札幌市立小学校教諭、北海道教育大学附属札幌小学校教諭を経て、現職。文部科学省「教育情報セキュリティ対策推進チーム」委員(2016~)の他、札幌市社会科教育連盟委員長等を務める。
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学校・まなび
年長 2018年2月9日の記事
前回、文房具の選び方のコツを紹介しました。今回は、購入のタイミングや、購入時に気を付けたいことを、札幌市立屯田小学校の新保元康校長先生にお聞きしました。
前回、「学校説明会」や「入学説明会」で説明を聞いてから購入することが大切だと教えていただきました。では、説明を聞いた後ですぐに買いに行っていいのでしょうか。
「購入前に、親子で文房具を買う意味について話し合っておくとよいでしょう。『小学校は勉強をしに行くところだ』と、親子で確認しておくことが大切です。その後で、一緒に買いに行くのがよいでしょう」
「勉強のために買う」とわかっていれば、キャラクターものが欲しくなっても、我慢できるかもしれませんね。
学校へ行き始めたら、文房具はどのように管理するのがよいのでしょうか。
「文房具はもちろん、学校に持っていくものについては、最初は毎日親御さんが確認するようにしましょう。子どもと一緒に確認するのが一番よいです。学校からの便りや連絡帳を見ながら、『何を』『どれだけ』『いつまでに』持って行くのか理解しましょう。
また、持っていきさえすればいいわけではありません。例えば、『鉛筆はちゃんと削ってあるか?』『長さは十分か?』『本数は揃っているか』など、細かいチェックが必要です。
大人にとっては当たり前の用意ですが、子どもにとっては初めての事ばかり、何をどう用意すればよいのか分からないのが普通です。すぐできるようになる子もいれば、時間のかかる子もいます。焦らずに、毎晩確認してから寝る習慣がつけば、徐々に自分1人でできるようになります」
また、毎日一緒に確認することで、思わぬ子どもの状態に気付けることもあるそう。
「文房具や持ち物チェックをすることで、学校生活の思わぬ変化を保護者がキャッチすることもできます。いつもは汚れていない筆箱が急に汚くなった、というのはひとつの例でしょう。子どもは親に心配をかけそうなことは言わないことが多いものです。文房具の様子に、隠れた子どものサインがあるかもしれません。お見逃し無く」
文房具について、新保先生には大切にしてほしい考え方があります。
「まず、大人が楽しみ、願いを込めてほしいということ。『書く』『消す』『貼る』『切る』などの基本性能はもとより、アイデアに満ち溢れた工夫が施されています。持ちやすさなどの使い勝手、デザインと、本当に文房具の世界は奥深いのです。さらに、最新の文房具がある一方、昔からずっと続くロングセラーの定番品もあります。
IT全盛の時代ですが、お子さんの入学は、今一度この文房具の素晴らしい世界を大人が味わう良い機会かもしれません。
その中で、選りすぐりのシンプルな一品を選んであげてはどうでしょう。そこにあるドラマや思い出もできるかもしれません。あの時の鉛筆にはこんな願いを込めたと、後で話せるとステキですね」
確かに、子どもが使い始めたのをきっかけにシャープペンやボールペンではなく、親自身も鉛筆を使うようになり、その使いやすさに改めて驚いたものです。同時に懐かしさも伴いますね。
「もうひとつは、お下がりの大切さです。『新一年生には新品を』と考える方も多いと思いますが、『お下がり』も素晴らしいものです。お兄ちゃんお姉ちゃんのお下がりを大事に使う意味をていねいに教えてあげるのは、もしかすると最大のプレゼントかもしれません。
愛の伝え方は、さまざまです。奮発して高価な新しいものを買うことで伝わる愛もあります。古いものを大事にする意味を必死に考えて語り伝える、そんな親御さんの姿から伝わる愛もあります。
たかが文房具、されど文房具です。ご家族みんなで、悩み考えるそのこと自体が、最大の入学プレゼントかもしれません。どんな文房具を用意したのか……そんな写真が一枚あると、とってもよい思い出になるかもしれませんね」
子どもが学校にいる時間は長いもの。その間、ずっと付き合う文房具です。自分のことを振り返っても、文房具にはいろいろな思い出があります。それを一緒に作ってあげられたらよいですね。
(取材・執筆:栃尾江美)
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札幌市立屯田小学校 校長。
北海道教育大学札幌分校卒業。札幌市立小学校教諭、北海道教育大学附属札幌小学校教諭を経て、現職。文部科学省「教育情報セキュリティ対策推進チーム」委員(2016~)の他、札幌市社会科教育連盟委員長等を務める。
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