前回は、お手伝いをさせることは、
親として大切な役割であるというお話を、
辰巳渚先生にうかがいました。
今回は、お手伝いを始めるのは何歳くらいがよいのか、
についてお聞きします。
辰巳 「お手伝いは、
ほんとうはそのときにできることをやらせながら
見つける、くらいで充分なのですが、
あえてステップで考えるなら、3歳、6歳、10歳という
年齢の区切りで考えるとよいと思います。
そして、10歳までにはひととおり伝えておく、
というのがいいでしょう。
3歳までは、赤ちゃんの延長ですから、
親が身のまわりの世話をするのは当然です。
けれども、自分で何かができるとうれしい時期でもありますので、
この時期の自主性を大切にしたいです。
3歳を過ぎ、6歳くらいまでの間、
何にでも興味を持ち、『手伝わせて~』と言い始めます。
子どもに自我や好奇心がでてきて、
何でもやりたい、という時期です。
この頃が、お手伝いの始めどきだと捉えています。
まずは簡単で危なくないお手伝いから、少しずつさせていき、
『ありがとう』『助かるわ』と声をかけることで、
子どもは素直にお手伝いをする喜びを感じます。
この時期にお手伝いを始めることで、
『家事のお手伝いは自分がするもの』ということが、
自然と子どもの体に入ってきます。
6歳を過ぎ、小学生になると、
幼児から子どもに変わっていきます。
身体もしっかりしてきて、できることが増え、
あぶなっかしいことが少なくなります。
また、ルールに従ったり、友だちと力を合わせて何かをしたり、
といった社会性も出てきます。
私は、この時期から10歳までが、
お手伝いをさせるうえで、とても大切な時期だと考えています」
まさに、小学1年生のこの時期が、
お手伝いを身につけるには大事なんですね。
辰巳 「6歳から10歳がベスト、ではありますが、
この時期を逃したからと言って、
何歳から始めても決して遅くはない、とも思っています。
もっと早くお手伝いをさせるべきだった、
と悩むことはありません。
中高生だと、『急になに?』って言われるかもしれませんが、
『あなたはいずれ家を出ていく、その前に伝えたいことがたくさんある』
と話してあげてください。
言われた子どもはうっとうしい、と思うかもしれませんが、
うれしくないはずはありません。
ぜひ、上に兄弟がいる家庭でも、
お兄ちゃんお姉ちゃんも一緒に
今日からお手伝いをさせ始めましょう」
子どもたちは、いずれは家を出ていきます。
そのときまでに、家事能力を身につけておくことは必要です。
小学1年生でも、もっと上の子でも、またもっと下の子でも
その子に合ったお手伝いをさせてみましょう。
次回は、お手伝いをさせるときの心がまえ、ポイントについてうかがいます。
●辰巳渚 「お手伝いで子どもを伸ばそう」
最終回 間違った家事を子どもに教えてしまいそうで心配
第4回 パパの家事への関わりが、子どものお手伝いに影響?
第3回 子どもがお手伝いを面倒くさがったらどうする?
第2回 お手伝いは何歳までに身につけさせたらいい?
第1回 子どものお手伝いは、「言われたらやる」で十分
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