高山 恵子(たかやま けいこ)
NPO法人えじそんくらぶ代表。臨床心理士。
大学卒業後、学習塾経営を経て、アメリカトリニティー大学大学院教育学修士課程にて、幼児・児童教育や特殊教育などを専攻。
大学で講師を務めるほか、文部科学省や厚生労働省などにおいて協審議会等委員としても活動されています。
「NPO法人えじそんくらぶ」は、AD/HDなどの発達障害のある人とその家族の支援に力を入れている団体です。その活動で培った、子育てやストレスマネジメントのスキルを広く一般向けにも提供しています。
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生活・しつけ
小学1年生 2013年6月23日の記事
★ストレスと上手に付き合う方法を学びましょう
《ストレスマネジメント講座1》ストレスはゼロにはできませんが、うまく付き合っていくことは可能です。
「子どもの支度が遅くて、朝からイライラ!」
「相談したくても、夫は毎日帰りが遅いし…」
子育てに奮闘するママたちのほとんどが、多かれ少なかれ
何かしらストレスを感じているもの。
でも本当は、できるだけストレスを少なくして
子どもやママ自身、家族みんなが、笑顔でいられる時間を増やせたら、
うれしいですよね。
今回から6回シリーズで
“親子のストレスを減らすヒント”をお伝えしていきます。
子育て中の親や一般の人を対象に
ストレスマネジメント講座を提供されている
NPO法人「えじそんくらぶ」代表で臨床心理士の高山恵子さんに
お話しをうかがいました。
高山さん、そもそも「ストレス」とは何でしょう?
高山 「ストレスとは、その人自身の問題や対人関係、環境など、
何らかの原因によって心身にかかる負荷のことを指します。
人が環境に適応して生きていくうえで、ストレスは避けられないものです。
しかし、日常生活の小さなストレスが解消されないまま積み重なっていくと
どんどん状況が悪化してしまうことがあります。
たとえば、子育てストレスなら、
① 子どもが言うことを聞かない
↓
② 周囲の目が気になる
↓
③ 子育てに自信がなくなる
↓
④ イライラする、やる気がなくなる
↓
⑤ どなる、叱る
↓
① に戻る(この繰り返し)
こんなふうにグルグルと悪循環に陥ってしまうと、
ストレスレベルが高まり、そこから抜け出すのも難しくなります。
この状態で、知らず知らずにムリを重ねていると
肩こりや頭痛、胃痛、腰痛、動悸、だるさ、食欲不振などの身体症状のほか
不眠、イライラ、不安、緊張、怒りっぽい、気分の落ち込みなど、
心身にさまざまな変化が表れます。
場合によっては、ストレスがうつや虐待の引き金になることもあります」
どんどん悪いスパイラルにはまってしまうんですね…。
高山 「日々、子育てに家事に仕事にと
忙しい毎日を送っているママたちにとって
ストレスをまったくゼロにするのは不可能でしょう。
でも、ストレスとうまく付き合うことは可能です。
ストレスに上手に対処する考え方・対応法を
『ストレスマネジメント』と言います。
その人に合ったストレスマネジメントを行えるようになると、
今まで困難と感じていたことも、違う視点で見られるようになり、
落ち着いて対処できるようになります。
そして親が変わると、子どもも変わります。
ママがイライラしていると、子どももイライラしますが、
ママがニコニコしていると、子どもも安定して笑顔が増えますよ」
なるほど、
「ストレスマネジメント」によってストレスを減らすだけでなく、
親子間で“良い循環”ができていくのだとしたら、
子育てもグンと楽しくなりそうです。
次回から、子育て以外にも、人生のさまざまなシーンで役立つ
ストレスマネジメントの具体的な方法について、
順を追って教えていただきます。
関連記事はこちら
★《ストレスマネジメント講座3》ストレスへの対処方法は、大きく分けて2つあります
★《ストレスマネジメント講座4》子育てストレスはちょっとした意識づけで減らせます
★《ストレスマネジメント講座5》“よい子育て”をしようと気負いすぎてストレスに…
★《ストレスマネジメント講座6》我が子のストレスに、どう対処すればいいでしょう?
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プロフィール
著書紹介
「親子のストレスを減らす15のヒント 保育・教育・福祉現場の保護者支援に」(学研教育出版)
子育てにストレスを感じている親に対して、教育者や保育者、子育て支援担当者などが生かせるストレス軽減のためのヒントを、アメリカ等で評価されている「ストレスマネジメント」理論をベースに、絵や図表を多用しながら紹介。
「育てにくい子に悩む 保護者サポートブック」(学研教育出版)
子どもの困った行動が理解できない、育児が思うようにいかない、と悩む保護者は多くいます。プロとして、保育者が保護者にどう寄り添い、育児をサポートできるか、「子どもの行動の見直し」「保護者のストレスマネジメント」という2つをテーマにしています。
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「親子のストレスを減らす15のヒント」は → こちら
「育てにくい子に悩む 保護者サポートブック」は → こちら
その他の書籍
「おっちょこちょいにつけるクスリ」(ぶどう社)
「気になる子がぐんぐん伸びる授業~すべての子どもの個性が光る特別支援教育~」(小学館)