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週末・その他
小学1年生 2012年6月9日の記事
内藤みか 連載コラム「6歳からの才能育て」第3回
第3回 「カサの忘れ物」
みなさんこんにちは! いよいよ蒸し始めてきましたね。
雨が続くようになると、毎日の登校も、なかなか大変なんですよね。
うちの息子もランドセルだけで重くてフラフラしているのに、さらにカサを持って登校するものだから、1年生の時は、かなり心配でした。
そして……子どもって、カサを忘れるんですよね!
うちの息子、カサをあちこちに置いてきちゃいました。
だから梅雨時は、カサの捜索を必ずやらなくてはならなくなります。
カサは、大体こんなところにありました。
1)学校の傘立てに入れたまま
2)習い事教室の傘立てに入れたまま
3)遊び場に放り出しっぱなし
公園のブランコの脇に横たわっている息子のカサを見つけた時は、
息子の行動が透けて見えて、笑ってしまいました。
さあ、遊ぶぞ! と張り切ってブランコをこぎ、ああスッキリした! とカサのことを忘れて帰っちゃったんでしょうねえ……。
それでもね、小学1年生の時は、まだ行動範囲も狭いので、カサの発見率も高かったんですよ。
中学生になり、電車通学になると、カサの捜索も難儀になりました。
学校だけでなく、駅や電鉄会社にまで「カサありませんでしたか?」と聞いて回らなくてはならないのですが、まず出てきませんでした。
うちの息子は、ぽとぽとぽとぽと、色んなものを忘れるんです。
ある時はお弁当を電車のシートに置き忘れて、お昼にひもじい思いをしたり、
またある時は、定期券をどこかに忘れて電車に乗れずに困ったこともあったんです(幸いにも親切なかたが拾って届けてくださいました。ありがとうございました!)。
「これ、駅に行く途中にクリーニングに出しておいてよ」
と、以前、私のパーティー用ドレスを持たせたら、息子はクリーニング屋に行くのを忘れ、私のドレスが入ったエコバッグを持ったまま、電車に乗っちゃったんです。
そして……、ドレスを見事に忘れて降りてしまいました。ドレスはとうとう出てきませんでした……。
もう流行遅れになりかけていたデザインだったのであきらめもつきましたが、その時はさすがに息子をうらめしく思いましたよ……。
どうしてそんなに忘れんぼうなの? と不思議なのですが、ぼうっと他のこと(大抵数学の問題)を考えていると、そちらに集中して、他のことを忘れしまうのだそうです。
もっと物を大切にしてもらいたいので、
「置き忘れたカサさん、どこかで泣いてるよ! おうちに帰りたいって泣いてるよ!」
と、作家の私らしく(?)擬人法で説得し続けてきました。
カサに対する思いやりを持ってもらいたかったんです。
それから「忘れ物をしてしまったらどうなるか」というシミュレーションも何度もさせました。
「ええと、水着を忘れたら……プールに入れないし……先生に叱られるかもしれないし……体育の単位ももらえないかもしれないし……もし水着を友達に借りたら……友達に迷惑がかかっちゃうし……」
と、忘れ物をすると色々損をすることに気づいてもらいました。
その効果が出たのか、息子の忘れ物は次第に減っていったんです。
高校生になった今では、ほとんど忘れ物をしなくなってきた……と喜んでいたら! 先日、やらかしてくれました。
体育のジャージ一式を、どこかに忘れてしまったんです。
今のところ、学校でも電車でも出てきていません。
ジャージ上下で1万円以上もするので、どうか出てきて~! と祈るような思いでいるこのごろです。
あと、最後に、小学校入学直前に息子がしでかしたとんでもない忘れ物の話をさせてください。
着替えの途中に全裸でぼうっとしていた息子に、パパ(当時まだ離婚してなかったので)が「散歩に行こう」と声をかけたんです。
そうしたら息子ったら……、
「うん、行こう、行こう!」
と……、全裸のまま靴を履いて出かけようとしたんですっ!
あれは笑いましたね~。
自分が着る洋服を忘れるなんて、ぼうっとするにもほどがあるじゃないですか。
科学者ニュートンも、ズボンを履き忘れて出社したことがあるというので、私の息子もあのまま出かければ、偉人への第一歩を踏み出せたのかもしれませんね。
あの時、裸で出ていこうとする息子を止めなきゃハクが付いたのかしら……と、ちょっぴり後悔?している私なのでした。