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生活・しつけ
2012年7月9日の記事
忙しくて子どもの話を聞けないとき、何と言うべき?
「ママ聞いて!」と子どもが話しかけてきたとき、「忙しいから待って」と突き放したことはありませんか?
教育評論家 親野智可等
「子どもにひと言 ママクイズ」2
Q
夕食の支度でバタバタしているときに、
子どもが学校であったことを話しはじめました。
こんなとき、子どもに何と言いますか?
下のA・B・Cの声かけの中で、あなたが選ぶとしたら…
A 「うんうん。そうなの、楽しかったね」
B 「これだけやっちゃうから、あと5分待ってね」
C 「お母さんが忙しいのが見えないの?」
【クイズの答え】
Aを選んだあなたは…
「共感タイプ」
どんなに忙しくても、子どもと向き合って話を聞いてあげるのは◎です。
たとえ短い時間だったとしても、子どもは親に話を聞いてもらえたことで安心し、
気持ちが満たされて、待てる子になれます。
Bを選んだあなたは…
「待てる子要求タイプ」
小さな子どもは熱しやすく冷めやすいので、話したい気持ちが高まっているときに聞いてあげてください。
でも、どうしても手が離せないときはこのように言い聞かせるのはよいでしょう。
Cを選んだあなたは…
「ガマン強制タイプ」
小さな子どもにとって、親が忙しいことを判断するのは難しいのです。
「待てる子にしたいから」と突き放していては、子どもは愛情不足感を抱き、
逆に待てない子になってしまいます。
忙しかったとしても、1分でもいいので、子どもの話を聞いてあげてください。
イラスト/コダイラヒロミ
一生の中で、子どもと向き合って子育てできる時間は貴重です。
子どもを「待てる子にしたい」「ガマンできる子」にしたい……
そう多くのママが願っているのではないでしょうか?
今回のクイズの答えの例のように、
「お母さんが忙しいのが見えないの?」などと言って、
子どもにガマンさせようとしてはいけません。
子どもには親の理屈が理解できないので、満たされない気持ちになります。
自分や親に相手にされない、大切にされていないという気持ちが残り、逆にわがままな子になってしまうかもしれないのです。
お母さんに話を聞いて欲しいという子どもの気持ちの中には
「親の愛情を確認したい」という思いがあるのです。
忙しいのはわかります。
でも、子どもと向き合って、1分でも、2分でもいいので話を聞いてあげてください。
子どもはちょっと話を聞いてもらえただけでも気持ちが満たされます。
一生のなかで子どもと向き合って子育てできる時間は本当に短く、貴重な時間です。
このような対話の時間が、親子の至福の時間なのです。
子どもは気持ちが満たされ、親の愛情を確認できればわがままを言わなくなります。
私は、「待てる子になって」「ガマンして」と子どもに強制せずに、
親子でしっかり対話をして「子どものありのままを受け入れる」ことは、
子育てにおいてとても大切なことだと思います。
「そんなことをすると、子どもは安心して、がんばらなくなるのではないか」と思うかもしれません。
でも、それは違いますよ。
子どもが親から否定的なメッセージを受け続ければ、自己否定感を持ち、何かをやろうとしたときに、がんばろうというエネルギーなど出てきません。
どうか、子どもと対話をして「今のあなたのままでいいよ」というメッセージを伝えてあげてください。
そうすると、自己肯定感が生まれ、がんばろうというエネルギーが出て、
生きる力のある子になります。