田宮由美
子ども能力開花くらぶ 代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校での勤務を経て、現在に至る。家庭教育中心で、我が子の国公立医学部現役合格を支えた子育てから、実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。現在は執筆、講演を中心に幅広く活動中。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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学校・まなび
年長 2017年9月13日の記事
子どもの小学校入学に向けて、「ひらがな」の練習をはじめる家庭もあるのではないでしょうか。でも、子どもが読み書きに興味を持ってくれないと困ってしまうもの。ひらがなに興味を持ち、楽しく覚えられる方法を子育て支援士の田宮由美さんに教えていただきました。
小学校入学までに、ひらがなの読み書きをどの程度までできるようになっていたほうがいいのでしょうか?
「文部科学省の学習指導要領では、ひらがなは小学校1年生で習得するようになっています。とはいえ、小学校入学時には、ほとんどの子どもが、ひらがなを読めるのが現状です。入学までにひらがなを読めるようにして、できれば自分の名前だけでも書けるように家庭で練習しておきたいですね」(田宮さん)
入学前に全てのひらがなを完璧に書けるように練習しなければ!と焦らなくていいのですね。
「はい。まずは、ひらがなを“読む”練習からはじめしょう。入学後の学習がスムーズになるだけではなく、子どもがお友達の名前を読んで声をかけることができたり、各教室の表示なども読めたりして、学校生活になじみやすくなります」(同)
堅苦しい机上の勉強にならず、子どもがひらがなに興味を持って読めるようにするには、どうすればいいでしょうか?
「あいうえお順に覚えていく必要はありません。子どもにとって身近な人の名前、好きな物、興味を持っていることの単語を読むことからはじめてみてください」(同)
例えば…
・自分、家族の名前
・お友達の名前
・好きなキャラクター名
・好きな食べ物
・好きな動物、電車、車
など。
「お母さんがお手本の文字を紙に書いて子どもと一緒に読んだり、ひらがなが書かれているオモチャのパッケージ、看板、料理のメニューなどを指さして読んだりしてもいいですね」(同)
好きなこと、興味のあることの文字なら、スイスイ頭に入っていきそうですね。
絵本の絵と文字を対比させることで、読み方を教える方法もよいのだそう。
「絵本に、りんごの『絵』と『ひらがな』があったら、まず『絵』のりんごを指さし、次に『ひらがな』を指し、『り』『ん』『ご』と読み上げます。絵と文字を見比べることで、記憶に残り、覚えやすくなります。慣れてきたら、『これは何て読むの? お母さんに教えて』と文字を指さし、子どもに読ませてもいいですね」(同)
文字が多いものより、乳幼児向けのような文字の少ない絵本を選んだほうがいいのでしょうか?
「はい。最初は文字が大きく、少ない絵本を選ぶと字の形がわかりやすくなります。また、新しい絵本よりも、乳児期に読んでいた絵本、子どものお気に入りの絵本など、見慣れていて愛着のあるもののほうが、ひらがなの読み方を楽しく覚えられるでしょう」(同)
ひらがなが読めるようになって、次に書く練習をするとき、ノートなどに書いたり、なぞったりすることがまだ難しい場合があります。どうすればいいでしょうか?
「それなら、次のようにひらがなの字形を体や物で表現する遊びをするのがおすすめです」(同)
・全身で文字の形を表現する
「まずは、『く』『し』『て』など、単純な字形のひらがなを体で表現します。体を曲げてカーブをつくったり、腕を伸ばしてまっすぐな線をつくったり。立って表現するのが難しければ、床に寝て形をつくっても。『これは何という字?』と、親子で当てっこするのもいいですね。協力して文字を形づくるのも楽しいですよ」(同)
・次に身の回りの物で文字の形を表現する
「体でひらがなを表現するのは、限界があります。そうなると次は身の回りの物で文字の形を表現する工夫をしてみましょう。例えば、リボンやひもなどで『う』の形のカーブを作り、上の点のところに消しゴムを置く、長さの異なる2本のえんぴつを用いて『い』の形を作ります」(同)
ひらがなの形をマネするためにじっくり形を観察することで、字形を覚えていけるのですね。
この楽しい遊びをしたうえで、「鉛筆を使って紙に書いてみよう!」と、促してみるといいのだそう。
「体や物を使って表現した後なので、子どもは『紙に書いたほうが早いし、ラクだな』と感じるでしょう。“遊び”の中で、ひらがなの形に充分興味を持って見てきていますので、書くことに抵抗なく、スイスイ書いていけると思います」(同)
まずは、日常の会話や遊びを通して子どもがひらがなに興味を持つように促すことが大切だとわかりました。
次回は、子どもが「ひらがな」のなぞり書きをするときのアドバイスをいただきます。
(取材・執筆:掛川ゆり)
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日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校での勤務を経て、現在に至る。家庭教育中心で、我が子の国公立医学部現役合格を支えた子育てから、実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。現在は執筆、講演を中心に幅広く活動中。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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