藤咲ちとせ
大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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週末・その他
年長 2017年10月2日の記事
舞台はニューヨークに実在する有名な観光スポット、アメリカ自然史博物館。そこに展示されている巨大恐竜の標本や動物の剥製、蝋人形などが、夜になると博物館の中を自由自在に動き回っているとしたら? 本作品は、そんな奇想天外な設定が楽しいコメディ。動物や恐竜、原始人など自然科学について、またアメリカの歴史について、大笑いしながらいろいろなことを子どもと一緒に話題にして楽しめる映画です。
主人公のラリーは、夢ばかり追いかけて仕事も住所も転々としており、離婚した元妻ばかりか10歳の息子ニッキーにも「他の大人たちみたいに普通の仕事に就いたら?」と呆れられる始末。息子の信頼を取り戻そうと、博物館の夜警の仕事に就いたラリーでしたが、巨大恐竜の骨格標本に追いかけられたり、ライオンの剥製に襲われそうになったり初日からさんざんな目に遭います。でも、自然史やアメリカの歴史を猛勉強して知識を身に付け、夜の混乱を少しずつうまく収めていきます。ところが夜警の前任者である爺さん3人組が館内のお宝を盗もうとして、さらなる大騒動が巻き起こります。
高さ10メートル以上もあるティラノサウルスの骨格標本が走り出し、動物の剥製や原始人などの蝋人形が、まるで生きているように歩き回っている博物館。モアイの石造がしゃべり出したり、エジプトのミイラが蘇ったり、古代民族やアメリカ開拓史のミニチュア人形たちが激しい争いを始めたり……博物館の中は毎日大混乱。次から次へと起こる騒動に、「こんなのアリ!?」と親子でツッコみながら声を上げて大笑いできること間違いなしです。
ひょんなことから息子ニッキーを博物館に招待することになったラリーは、息子に夜の博物館の楽しさと父としていいところを見せられる、と張り切ります。猛勉強で身に付けた知識を駆使しながら博物館で次々起こる騒動に対処するラリー。そんな父ラリーの姿を見て、ニッキーの目がみるみるうちに輝いていきます。「活躍する親」の姿を見るのは、子どもにとっては何よりも嬉しいこと。子どもにあれこれ言うより、親の背中を見せることが大切なんですね。
動物や恐竜について、アメリカの自然史について、年長さんなら親子でいろんな会話ができるはず。楽しみながら子どもの知的好奇心を伸ばすことができる映画です。この作品をきっかけに、ぜひいろいろな博物館へ子どもと行ってみてください。更に親子の会話が弾むのではないでしょうか。
ちなみにこの映画の大ヒットのおかげで、ニューヨークの自然史博物館は来場者が急増したそうです。いつかアメリカに行って映画に登場した博物館にも行きたいね、なんて話を親子でするのもワクワクしますね。続編の『ナイト ミュージアム2』、完結編にあたる『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』も面白いのでおすすめです。2014年に亡くなった名優、ロビン・ウィリアムズが、3作通して第26代大統領ルーズベルトの蝋人形役で出演しているのも見逃せませんよ。
<データ>
2006年/1時間48分/アメリカ/監督:ショーン・レヴィ 出演:ベン・スティラー:ロビン・ウィリアムズ
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