田宮由美
子ども能力開花くらぶ 代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校での勤務を経て、現在に至る。家庭教育中心で、我が子の国公立医学部現役合格を支えた子育てから、実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。現在は執筆、講演を中心に幅広く活動中。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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学校・まなび
年長 2017年9月27日の記事
時計の読み方の練習について、前回は、「3時」「5時」などジャストタイムの短針の読み方に慣れる方法をお伝えしました。
今回は、短針と長針を合わせた時計の読み方を子どもに教える方法について、子育て支援士の田宮由美さんにアドバイスいただきます。
子どもに、時計の「短い針」と「長い針」の違いをわかりやすく教えるには、どうすればいいでしょうか?
「時計の短い針は『時間』、長い針は『分』を表しますよね。生活の中で、短い針は長い時間、長い針は短い時間を示すことを伝えましょう」(田宮さん)
例えば…
「幼稚園に行っているのは、長い時間だよね。この短い針が数字の8から2まで動くよ。それと比べて、おやつを食べるのは短い時間だよね。短い針はほとんど動かないで、長い針だけが動いているね」
最初は、ざっくり「長い時間=短い針」「短い時間=長い針」と役割を伝えればいいのですね。
時計の短い針は、1日のはじまりに12(0時)を示すところからスタートして回り、時間が経過します。
「大人にとって、それは当たり前のことですよね。でも、1から順に数をおぼえたばかりの子どもは、『なんで12まで進んだのに、1に戻るんだろう?』と、疑問を持ちます」(同)
そのため、この“時間の経過”の理解がつまずきやすいポイントになるのだそうです。
「小学校の算数の授業で時計の読み方、時間の経過の計算を学びますが、『8時に公園に着き、11時まで遊びました。何時間経ちましたか?』という問いの答えは『3時間』とすぐにわかっても、『午前10時に家を出て、午後1時に帰ってきました。何時間経ちましたか?』という、12時をまたぐ問いになると、答えがすぐに出てこない子が実際に多いようです」(同)
それを解決するには…
「手動式の学習用時計を用い、10時から1時間ずつ針を動かし、長い針を3回転させると1時になることを見せながら説明する方法があります。また、日常の会話の中で、『今、10時だね。3時間経って1時になったら出かけよう』など、12時をまたぐ時間の経過を意識する声かけを取り入れて、慣れていくと理解できるようになっていきます」(同)
時計の長い針の「分」の読み方は、どのように伝えていけばいいでしょうか。
「いきなり、『1時23分』など細かく教えるのではなく、『1時30分』『6時30分』など、『半』の時刻の読み方から子どもに教えていきます」(同)
例えば…
「今、1時だね。長い針が6のところにきたら、1時30分だよ」
「今、5時だね。長い針が6のところにきて、5時30分になったら、オモチャを片づけてごはんを食べよう」
そのとき、短針が各数字の中間まで進んでいることにも気づかせる言葉がけも忘れずにするといいそう。そして、半の時刻が読めるようになってきたら、「15分」「45分」の順に、時計の読み方を伝えます。
例えば…
「今、2時だね。長い針が3のところにきて、2時15分になったらおやつの準備を始めるよ」
「今、5時30分だね。あと15分たって、5時45分になったら積み木を片づけよう」
このような声かけを日常的にしていくことで、
「30分」は1時間の半分。
「15分」は30分の半分。
ということが、だんだん理解できるようになるといいます。
短い「分」の読み方は、どのように教えていけばいいのでしょうか。
「『19時に○○(子どもの好きなテレビ番組)がはじまるから、5分前になったらテレビをつけよう』『あと10分たって、10時になったら家を出よう』など、5分、10分の時間を意識する声かけもしてみてください」(同)
時計を読むのに慣れてきたら「今、何時、何分?」「10分たったら、何時、何分になる?」と、子どもに時刻を質問するのもいいそうです。
「時刻に遅れたからバスや電車に乗れなかった、など失敗の体験から、“時間”が大切であること、生活の中では欠かせないものであることを感じさせるのもいいでしょう」(同)
前編では短い針の読み方、後編では長い針の読み方をお伝えしました。小学校入学前までに、まずは「短い針」のジャストタイムを読めるようにしておきたいですね。もし余裕があれば、半分の30分の理解まで進めるとよいそうです。
時刻と生活スケジュールは密接に関わっているもの。日々の暮らしで時計に親しみ、「時計を読めるようになると、便利だな」と、子どもが実感できるように、少しずつ教えていきたいですね。
(取材・執筆:掛川ゆり)
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田宮由美
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小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校での勤務を経て、現在に至る。家庭教育中心で、我が子の国公立医学部現役合格を支えた子育てから、実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。現在は執筆、講演を中心に幅広く活動中。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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