田宮由美
子ども能力開花くらぶ『ちゅーりっぷ ふれんず』代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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学校・まなび
年長 2017年10月3日の記事
子どもが小学校に入学するまでに身につけたいことのひとつに、「右」と「左」を判断する力があります。生活の中で子どもが「右」「左」を自然に覚えられる方法について、子育て支援士の田宮由美さんにお話をうかがいました
子どもが小学校に入学すると、どのようなときに右、左の言葉を聞くようになるのでしょうか。
「小学校の授業では、先生が子どもたちに『プリントを左にまわしてください』『右にならえ』『廊下を左に曲がりましょう』などと行動を促すときに使います。また、文字の書き方を教えるときにも『右にはらう』『左にはねる』などと使われるでしょう。このとき、子どもが右と左をすばやく判断して行動できれば、小学校生活や学習にも、よりスムーズになじむことができますね」(田宮さん)
大人は、右と左の区別が当たり前のようにできますが、「右」「左」という言葉に慣れていない子は、わかりませんよね。子どもに右と左をわかりやすく教える方法を3つ教えていただきました。
「生活の中で、子どもに『右』と『左』の言葉を使って声かけをすることで、自然に左右を覚えられます。 次のように、子どもに動作を促す場面で使うのがコツです。最初は、言葉とともに右、左を指さしながら伝えると、聴覚と視覚の両方を使うので記憶に残りやくなります」(同)
道を歩いているとき
「道を歩くときは、右側を歩くのよ」
「次の信号を左に曲がろう。左はどっちかな?」
遊ぶとき
「○○ちゃんの左にある、絵本を取って」
「右の箱には人形、左の箱にはブロックを入れてね」
お手伝いをお願いするとき
「ごはんは左、おみそ汁は右に置いてね」
「ハンカチを右の引き出しに入れてちょうだい」
「このように、生活の中で意識的に右、左の言葉を使ってみてください。ポイントは、“次の行動”につなげる言葉をかけることです」(同)
ママの言葉を聞いて、子どもが「右はこっち」「左はあっち」と自分で判断できるように促せばいいのですね。
楽しい遊びを通して、右と左を覚えられる方法もあるのだそう。
「右手、左手でそれぞれ旗を持ち、上げ下げする遊びがおすすめです。ゲーム感覚でできて、子どもが喜びます。紙や割り箸などで手作りの旗を作ってもいいですし、手を上げ下げするだけでもいいですよ」(同)
《遊び方》
「右上げて。左上げて♪ 右下げないで、左下げて♪」というように、リズムにのって遊びます。慣れてきたら、だんだんテンポを早くしていくと盛り上がります。
「子どもにやらせるだけではなく、ぜひ親子で遊んでみてください。わざとママが間違えてあげると盛り上がります。子どもがさらに興味を示し、熱中してくれますよ」(同)
「おはしを持つほうが右(または左)」など、基準を決める方法もあると思うのですが、小さな子どもは、利き手が決まっていないこともありますよね。どうすればいいでしょうか?
「どちらかの手に目印をつける方法がいいですよ。例えば、子どもの右手首にリボン巻いて目印にします。そして、『リボンのついている方の手が右手よ』と伝えてください。その後、リボンを外しても、『右手』と言われると、『リボンのついていた方の手』と覚えています」(同)
「こっちが右」と視覚や手首の感覚で記憶に残るのですね。この方法は、幼稚園などの集団競技の指導で、ときどき採用されているのだそう。
「特に運動会でのクラス全員でするダンスや体操では、先生が『右手を上げて』『左手を大きく回して』などと、指示を出します。そのとき、全員が左右をすぐに判断できるように、どちらかの手にリボンなどで、目印をつけておくのです。そうすると、子どもはすぐに判断できますね。『右手、リボンのついている手を高く上げる』と言うと、子どもたちはすぐに正しく右手を上げられます」(同)
リボン以外にも、ブレスレットをつけたり、太い裁縫用のゴムにフエルトの車やリンゴなどかわいいワッペンやアップリケをつけたりしてもよいといいます。
「目印をつける方の手は、どちらでも構いません。子どもが自分でつけやすいように、左手にしてもOKです。お子さんが生活の中で右と左を楽しく覚えられるように、工夫をしてみてください」(同)
一度だけ「右はこっち」と伝えても、子どもの記憶にすぐ定着しないもの。子どもが間違えたとしても責めずに、「逆だね。ママもよく間違えるのよ」とやさしく伝えて欲しい、と田宮さん。楽しい遊びや生活の中でくり返し伝えていきたいですね。
(取材・執筆:掛川ゆり)
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小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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