佐藤 和紀(さとう かずのり)
常葉大学 教育学部 初等教育課程 専任講師 。
上越教育大学大学院修士課程修了。東京都公立小学校教諭・主任教諭を経て現職。この間、東北大学大学院博士課程後期に編入学。文部科学省「情報通信技術を活用した教育振興に資する調査研究」パフォーマンス評価検討委員、同 学校における ICT 環境整備の在り方に関する有識者会議 効果的なICT 活用検討チーム委員、同 次世代の教育情報化推進事業「情報教育の推進等に関する調査研究」企画検討委員等を務める。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年6月28日の記事
今の子どもたちを正しく導くための「ママが備えておきたいITリテラシー」。連載の第2回は、SNSについて紹介します。TwitterやFacebook、LINEといったSNS(ソーシャルネットワークサービス)は、使ったことのない人にとっては未知のもの。ところが、これからの子どもたちは当たり前のように使うと考えておいた方がいいでしょう。SNSと上手に付き合うために、どのような心がけが必要なのでしょうか? 常葉大学教育学部初等教育課程 専任講師の佐藤和紀さんに聞きました。
今後、子どもがスマホを持つようになったり、インターネットを使うようになると、SNSとの接触は避けられないでしょう。来たるべき日のために、親ができることは何でしょうか?
「子どもに使わせる前に、親があらかじめ知っておくほうがよいでしょう。SNSに限らず、親がわからないことを子どもにやらせることで、トラブルを招くケースもありますよね。例えば、自転車に乗れない親が、子どもに自転車の危険性を教えるのが難しいということに近いと思います」(佐藤さん)
では、SNSとはどんなもので、どんな種類があるのでしょうか。
「SNSとは、インターネット上で人と人とのつながりを生むサービスの総称です。手軽に投稿できるため、失敗も増えてしまうという特徴があると思います。それぞれのSNSにはコミュニケーションのテンポもあるので、テンポよく返信したことによって失敗が増えるケースも多いのでしょう。失敗を防ぐためには、発信前に読み返して、相手にとって不快になる表現はないか、SNS空間で不快になる人はいないか、と考えて発信するとよいでしょう」(佐藤さん)
簡単なミスをしがちなSNS。失敗を防ぐため、まずどんな種類があるのか押さえておきましょう。TwitterやFacebookなどが代表的ですが、それぞれ特徴が異なります。
TwitterやFacebookは、「公開」の設定にしていると誰でも見ることができます。そのため、友だちに話しているような感覚で投稿すると、大きなトラブルになることも。SNSのミスには、誰かを傷つけてしまうような大きなできごとから、マナーを知らずに恥をかくといった小さなミスまで、さまざまなレベルがあります。
「SNSも、ひとつの道具。道具は使い込んでいくと、上手に活用できるようになります。よく知らない道具で、いきなり無茶をしないことが大切でしょう。最初はミスをして学んでいくのもよいですが『絶対にしてはいけないミス』は判断できなければなりません。その際には、日常生活に置き換えてみてください。例えば、プライベートな写真をいきなり街中に貼り出すようなことは誰もしないのと同じで、写っている人に無断で写真をSNS上にアップしてはいけないわけです」(佐藤さん)
また、最初は周りの人がどうしているのかをよく観察しながら、マナーを学んでいくという方法もあるそうです。
また、SNSでのトラブルの原因としてよくあるのが、誰にでもある「承認欲求」が強く出てしまうケース。承認欲求が、使い方を惑わせることもあるのだとか。
「SNSに対しては、承認欲求が強くなる傾向があります。友だちの数や、『いいね』の数などを求めがちです。そのことを理解してある程度気持ちを抑えるようにすると、不用意な投稿が減るのではないでしょうか」(佐藤さん)
「不用意な投稿」とは例えば、見る人を思いやらない内容が挙げられます。防ぐためには、承認欲求を抑えることに加え、想像力が必要なのだそうです。
「知人が写っている写真をアップしてしまったあと、一緒に写っている人が『公開して欲しくなかったのに』と思うケースもあります。迷惑に感じる人がいないかどうか、想像力を働かせる必要があるでしょう。一度投稿した情報は、基本的に取り消せないと考えておいた方がいい。特に、子どもの写真をアップする場合には、悪用されるリスクも考え、非公開にするといった対策も検討しましょう」(佐藤さん)
親が自分でSNSを使ってみて、やっていいことと悪いことの境界線を感覚として掴んでおくのは大切かもしれません。それによって、子どもにもしっかりと伝えられるのでしょう。
(取材・執筆:栃尾江美)
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