藤咲ちとせ
大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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週末・その他
年長 2017年7月5日の記事
カリフォルニアの海を舞台にした少年とイルカの友情物語
南フロリダの小さな島を舞台に、14歳の少年とイルカの友情を描くハートフルな物語です。海辺に住む漁師の伯父ポーターの元に、夏休みの間だけ預けられることになったサンディ。両親が離婚したばかりで反抗期真っ盛りのサンディはポーターに反発してばかりです。そんなある日、母親を殺された子どものイルカを密猟者の目をごまかして、海に逃がしてあげたことから、そのイルカがサンディに会いに来るようになります。サンディは、イルカに“フリッパー”と名付け、友情を深めて行くのですが……。
イルカって口を開けると笑ったように見えませんか? フリッパーのキューキューと鳴く声も、挨拶をするようにヒレをパタパタと振るしぐさも、サンディの姿を追うように泳ぐ様子も本当にかわいいです。もちろん水の中を縦横無尽に泳ぎ回る姿もカッコいい! 高くジャンプをしたり、ボールをパスしたり芸達者なフリッパーはたちまち子供たちの人気者になっていきます。調教をうけたバンドウイルカの見事な演技と、当時、水中撮影の第一人者だったカメラマンなどによる美しい海中シーンは一番の見どころです。
少年サンディの目線で、まるでイルカと一緒に遊んでいるような体験を味あわせてくれるこの映画、子どもたちの「イルカと友だちになりたい!」という夢を疑似体験することができます。映画を見ながら「いいなあ、イルカと友だちになりたい!」と言い出すお子さんもいるかもしれませんね。
反抗期で最初はふてくされていたサンディも、毎日サンディの元にやってくるフリッパーに話しかけたり、遊んだりしているうちにどんどん少年らしい笑顔を取り戻していきます。イルカは頭がいいと言われているので、人間の感情を読み取るし、信頼できる人間かどうかも判断しているのでしょう。人懐っこいフリッパーのかわいさと、美しい自然と海や空の青さに癒されます。海洋汚染など、環境問題といったテーマも盛り込まれているので、年長さんなら、親子で一緒に自然や海、海の生き物を守ることについて話してもいいと思います。
年長さんの頃から動物が大好きな小学生の娘と、この映画を一緒に観てみました。サンディに寄り添ったり、まるで人間のように愛くるしいフリッパーの表情やしぐさ、華麗にジャンプをする姿が登場するたびに「かわいい! すごい!」と大喜びしていました。親子で楽しめる、夏にぴったりの作品です。水族館に行く予定があれば、その前後に観ると、おでかけがより楽しめるのではないでしょうか。ちなみに主演は「ロード・オブ・ザ・リング」主役のイライジャ・ウッド。子役時代のイライジャも、フリッパーに負けないくらいキュートです。
<データ>
1996年/91分(1時間31分)/アメリカ/監督・脚本:アラン・シャビロ 出演:イライジャ・ウッド ポール・ホーガン
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