武田さち子
教育評論家。1958年生まれ。一女の母。
「いじめ」のない社会をめざして活動するNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事。Webサイト「日本の子どもたち」主宰。
著書に『あなたは子どもの心と命を守れますか!』、『わが子をいじめから守る10カ条』(ともにWAVE出版)、『子どもとまなぶ いじめ・暴力克服プログラム 想像力・共感力・コミュニケーション力を育てるワーク』(合同出版)などがある。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年11月8日の記事
子どもが学校での出来事、クラスの友達関係を話す中で、
「○○ちゃんがいつも仲間外れにされている」
「△△くんが、よく殴られている」
など、「もしかして、いじめ?」と思うことを聞いたことはありませんか。
いじめは、子どもの心を深く傷つけ、自殺にまで追い込むことがあります。
たとえ、わが子が被害者でなくても、“他人ごと”で片づけず、周りの大人が早く気づいて対応することで、いじめ問題を解決することができます。
子どもから学校のクラス内のいじめを相談されたら、親はどのように対応すればいいのでしょうか?
教育評論家、NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事の武田さち子さんにお話をうかがいました。
●「仲良くしなさい」の言葉は、子どもの負担に
武田 「もしも、お子さんから『同じクラスの子がいじめられている』と相談されたら、なんと言ってあげますか?
『あなたが仲良くしてあげなさい』
『かばってあげなさい』
『先生に相談しなさい』
などと、言うかもしれませんね。
しかし、このアドバイスは、いじめの傍観者になっている子にとって、とても負担が大きいのです。
よく、『いじめを見ている側も悪い』と言われますが、傍観者もいじめに怯える“被害者”だといえます。
傍観者の子どもたちは、
『かばったら、自分がいじめられるかもしれない』
と、恐れているわけです。
いじめをする子は、頭がよくて弁が立ち、クラス内で強い立場であることが多いです。
逆らってしまうと、自分がいじめのターゲットになってしまうかもしれないので、多くの子は自分の身の安全を守るために、何もできなくなってしまいます」
●自分を守りながら、できることを考える
武田 「真面目な子は、『ママが仲良くしなさいと言ったから』と、いじめられている子をかばおうとします。
しかし、いじめをする子は、自分に逆らう子をターゲットにするので、わが子が被害者になってしまうこともあるのです。
また、『いじめられている子と友達になりなさい』と言っても、わが子と相性が合わない場合もあります。かばったことで、その子から依存されてしまい、負担になってしまうことも考えられます。
ですので、仲良くすることを親が無理強いしないほうがいいのです。
子どもの“いじめのターゲットになりたくない”という不安な気持ちに寄り添い、
『自分を守りながら、できることはないかな?』
と、子どもに聞いてみてください。
例えば…
・いじめを受けている子に『おはよう』『さようなら』とあいさつをする
・いじめをする子がいないときに『大丈夫?』と声をかける
・いじめをする子が『無視しよう』と言い出したら、反対する言葉を出さなくてもいいので驚いた顔をする
・いじめを受けているところを見ても、みんなに合わせて笑わない
このように、できることを親子で一緒に考えてみましょう」
●子どもがいじめだと認識していない場合もある
武田 「子どもが友達関係について話すとき、『からかっているだけ』など、いじめだと認識していないことがあります。
その場合、親として“いじめを許さない”という立場をはっきりさせることが、とても大切です。
『誰にでも、得意なこと、苦手なことの両方があるんだよ。できないからって、からかっていい理由にはならないよ。
あなたは、できないことがあって仲間外れにされたり、笑われたりしたら、どんな気持ちになる? きっと、いじめられてるって思うんじゃないかな?』
このように、いじめられている子の立場になって、子どもに考えさせましょう」
次回は、いじめ問題を学校に伝える方法についてお伝えします。
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武田さち子
教育評論家。1958年生まれ。一女の母。
「いじめ」のない社会をめざして活動するNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事。Webサイト「日本の子どもたち」主宰。
著書に『あなたは子どもの心と命を守れますか!』、『わが子をいじめから守る10カ条』(ともにWAVE出版)、『子どもとまなぶ いじめ・暴力克服プログラム 想像力・共感力・コミュニケーション力を育てるワーク』(合同出版)などがある。
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