武田さち子
教育評論家。1958年生まれ。一女の母。
「いじめ」のない社会をめざして活動するNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事。Webサイト「日本の子どもたち」主宰。
著書に『あなたは子どもの心と命を守れますか!』、『わが子をいじめから守る10カ条』(ともにWAVE出版)、『子どもとまなぶ いじめ・暴力克服プログラム 想像力・共感力・コミュニケーション力を育てるワーク』(合同出版)などがある。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年11月2日の記事
いじめをする子は、「自分がいじめをしている」と認識していないことがあります。
それは、なぜなのでしょうか。
教育評論家、NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事の武田さち子さんにお話をうかがいました。
●みんなと同じように「できない子」が許せない
武田 「小さな子どもは、価値観がまだ確立していないので、大人から言われたことを“正しい”と思い込みます。
普段から、親、学校や塾の先生などから
『宿題をしてこないのは、ダメな子だ』
『忘れものが多いのは、だらしない子だ』
『テストの点が悪いのは、バカだから』
というように、できない部分を否定され続けていると、みんなと同じようにできない子を否定していじめるようになります。
例えば、学校の担任の先生が宿題を忘れがちな子をいつも叱っているとします。
すると、いじめをする子は、『みんな、ちゃんと宿題をやってきているのに、あいつはズルい』などと理由をつけて悪口を言い、周りの子の反応をうかがいます。
周りの子も大人から宿題をしないのはダメな子だと言われていれば、『そうだよね』と賛同してしまい、いじめがどんどんエスカレートしてしまうのです。
悪口を言ったり、仲間外れや無視をしたりしても、いじめではなく“ダメな部分を正している”と思い込んでいます。
いじめられている子は、誰からも守ってもらえないと、『みんなと同じようにできない自分が悪いのではないか』と思うようになり、やがて『自分なんか、いなくなればいいんだ』と自己評価が下がって、自殺を考えるようになることもあるのです」
●「できないこと」「苦手」も認める子育てを
武田 「常にいい子、できる子でいなさいと求める大人の態度が、子どものいじめのきっかけをつくっていることがあります。
人には得意なこと、苦手なことが両方あって、何でも完璧にできる人はいません。
『今日、忘れ物をしたのね。うっかり忘れ物をすることってあるよね。次は気をつけよう』
『勉強ができることより、やさしい心を持つことが大事なんだよ』
『どんなあなたでも、お母さんは大好きだよ』
というように、できない部分も含めて子どもの存在を認めてあげてください。
そして、
『どんな理由があっても、いじめをしてはいけないんだよ』
ということを伝えましょう」
子どものいじめ問題が起こったとき、「いじめる子の性格のせいだ」と決めつけるのではなく、周りの大人がその子にどのように接してきたか振り返ることも大切なのではないでしょうか。
子どもには、思いやりの心を持って欲しいですよね。
大人が子どもの「できないこと」も認めて愛情を伝えることで、思いやりの心が育まれ、いじめを減らすことにつながるのかもしれません。
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武田さち子
教育評論家。1958年生まれ。一女の母。
「いじめ」のない社会をめざして活動するNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事。Webサイト「日本の子どもたち」主宰。
著書に『あなたは子どもの心と命を守れますか!』、『わが子をいじめから守る10カ条』(ともにWAVE出版)、『子どもとまなぶ いじめ・暴力克服プログラム 想像力・共感力・コミュニケーション力を育てるワーク』(合同出版)などがある。
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