1995年東京女子医科大学大学院卒業。
同大小児科、社団法人至誠会第二病院小児科などを経て2005年より現職。母子愛育会あいいく病児保育室担当医師を兼務。
専門は低出生体重児のフォローアップ。 医学博士。日本小児科学会専門医、日本小児神経学会専門医。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年10月24日の記事
インフルエンザなどの感染症が流行りはじめる季節になりましたね。
子どものインフルエンザ対策について、愛育病院 小児科 医学博士 石井のぞみ先生におうかがいします。
RSウイルスについて、詳しく教えてください。
石井 「感染により呼吸器症状を起こすウイルスで、年齢が小さいほど重症化しやすいのが特徴です。
4~5歳以降では鼻かぜ程度で済みますが、新生児などでは人工呼吸器を必要とするほどの呼吸困難症状を示す場合もあります。
年齢が小さく症状が重い場合には、発熱、鼻汁、咳、喘鳴などの症状がでます」
インフルエンザについては、どうでしょうか。
石井 「インフルエンザの流行予測は、まだはっきりしませんが、例年、シーズン最初はA型から始まり、中盤以降B型が増えて、最後はB型が流行して終わる、というパターンなので、その傾向は変わらないと思います」
私たちが子どもの頃は、小学校でインフルエンザの予防接種をしていました。今は、任意になっていますが、その背景について教えてください。
石井 「2つの背景があります。
1 否定的になっていますが『接種効果がない』という説が発表されたため。
『インフルエンザワクチンには接種効果がない』という理論・論文が一時期発表されました。
それで実際中止してみたら大流行が起こり、脳症の患者数も増加したために、現在では否定的になっていますが、その後ワクチン集団接種のリスク対効果、あるいは費用対効果ははっきりと検証されてはいません。
2 アレルギーの患者数が増加したことも要因のひとつです。
インフルエンザワクチンには製造過程で鶏卵が関与しているため、卵アレルギーがある場合は主治医と相談の上、慎重に接種することになっています。
集団接種では、こうしたきめ細かい対応ができません」
予防接種は、どのタイミングで受けるのが良いでしょうか。
流行り始めてからでは遅いでしょうか。
石井 「13歳未満の場合は2~4週間間隔で、2回接種しなければならないこともありますので、できるだけ早めに接種を開始することが望ましいと思います。
多くの医療機関で10月上旬から接種を開始しています。
2回目を接種してから、さらに2週間以上経過しないとワクチンの効果は発揮できません。
それに対して、ウイルスに感染してから発症するまでの潜伏期間は長くても1週間ですから、流行し始めてから接種開始するのではワクチンの効果が間に合う確率はかなり低くなってしまいます。
また13歳以上の場合は1回接種でいいこともあって、流行が始まると成人の接種希望者もグッと増加しますから、ワクチン自体が不足してしまう場合も出てきます」
インフルエンザの予防接種を希望される場合は、ワクチン不足になる前に早めに受けることがポイントですね。
次回は、生活の中でできるインフルエンザの予防法をお伝えします。
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