1995年東京女子医科大学大学院卒業。
同大小児科、社団法人至誠会第二病院小児科などを経て2005年より現職。母子愛育会あいいく病児保育室担当医師を兼務。
専門は低出生体重児のフォローアップ。 医学博士。日本小児科学会専門医、日本小児神経学会専門医。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年10月26日の記事
子どもが具合悪くなったとき、風邪かな? それともインフルエンザ? と判断が難しいことがあります。
どの症状が出たらインフルエンザを疑えばよいでしょうか。
愛育病院 小児科 医学博士 石井のぞみ先生にお聞きしました。
石井 「発症(大抵は発熱)から数時間の段階では、症状による見分け方は難しいと思います。
またインフルエンザ検査も、発症後12~24時間以上経過しないと偽陰性となる場合があります。
どの症状が出たら、というのは難しく、38度以上の発熱がどの位継続するかという点と、学校や家庭で感染者がいるか、という点で、区別していくしかないと思います。
発症からあまりに短時間の場合は受診しても、『症状が続いたら再診してください』と、一旦経過観察になってしまうことが多いので、しばらく自宅で様子を見てから受診しても問題ないことがほとんどです。
(短時間でも全身状態悪化、けいれん、意識混濁などの場合を除く。)
ただし発症後48時間以上経過してしまうと抗インフルエンザ薬の効果が低下すると言われていますので、症状が継続する場合には、48時間以内には受診してください」
タミフル、リレンザなど、インフルエンザの薬で異常行動があったなどの報道があり、不安を持つママも多いと思います。正しい知識を持ちたいと思いますので、アドバイスをお願いします。
石井 「抗インフルエンザ薬については、過去に異常行動の報告がありましたが、インフルエンザウイルス自体も神経系に作用するウイルスなので、異常行動と薬剤の間に因果関係があるのかどうか、最終的に結論が出ませんでした。
現在では、『抗インフルエンザ薬は、異常行動との因果関係について完全にシロとは言えないが、完全にクロであるとも言えない。
そうであれば慎重に使用するという条件下で、抗インフルエンザ薬を使うメリットの方が大きい』という判断が主流かと思います。
抗インフルエンザ薬を使うメリットは、重症の合併症(脳症、肺炎など)を防ぐことと、病気の期間を短くして体力の消耗を防ぐことだと思います」
受診のタイミングについてよくわかりました。抗インフルエンザ薬のことも正しく知っていることが大切ですね。
次回は、インフルエンザの子どもを家庭で看病するときのポイントをお伝えします。
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