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生活・しつけ

年長 2018年11月13日の記事

現役養護教諭に聞く、集団生活での冬の感染症予防

 

 

冬は、寒さや乾燥で体調を崩しがち。特にインフルエンザなどの感染症にかかってしまうと、体に大きな負担をかけてしまいます。そこで、この時期に親子で気をつけたい感染症とその予防策について、新宿区立花園小学校の養護教諭である玉置玲奈先生にお聞きしました。

 

 

●ウイルスで流行しやすい感染症とは

 

早速ですが、冬に流行しやすい感染症には、何がありますか?

 

「特に冬、小学生の間で流行りやすいのは、インフルエンザ(A型、B型、C型の3種類)、ノロ、ロタなどのウイルス性胃腸炎です。加えて、通年で流行っている溶連菌や、幼児のいる家庭ではRSウイルスにも注意が必要。もちろん、風邪も一つの感染症です」(玉置先生)

 

地域でどんな感染症が流行しているかは、自治体のホームページなどで情報がアップデートされているとのこと。また、学校の保健だよりでも、季節の感染症や流行状況についてはお知らせしているそうです。

 

 

●学校内での感染は手洗い・うがいとマスクで予防

 

クラスや学校内でそれらの感染者が出た場合は、どうしたらいいのでしょうか。

 

「手洗い・うがいと、場合によってはマスクの着用に限ります。月並みと思われるかもしれませんが、この3つは徹底するほどに予防効果が高まるもの。特に外から室内に入ってきたときと給食の前には、必ず手洗い・うがいをするよう学校でも指導しています。登校してきたとき、休み時間に外遊びをした後、体育の授業の後などのタイミングです。うがいには、喉についた菌やウイルスを除去するほか、喉を潤すという意味もあります。

 

手洗いは、トイレの後もするように声がけしています。洗い方は、水道にあるせっけんを使い、爪の間まできれいになるようしっかりと。マスクは、登下校中だけでなく、授業中でも外さなくてOK。クラスで感染症が流行ったときや予防効果を高めたいときは、しっかりとマスクを着けるようお子さんに言い聞かせておくといいかもしれません」(同)

 

この時期は冷たい水を嫌がって、手洗いを雑にすませる子も多々見かけるそう。初心に返って、自宅でも注意しておきたいところですね。

 

 

●自宅では手洗い・うがいと「あいうべ体操」を

 

次に、自宅ではどんな予防ができるか教えてください。

 

「自宅でもやはり手洗い・うがいは基本です。幼稚園・保育園のときに比べて手洗い・うがいに対する意識が低くなっている子どもは多いので、帰宅後と食事の前の手洗い・うがいの習慣を改めてつけさせましょう。また、爪は間に汚れがたまらないよう短めに切りそろえ、朝晩の歯磨きをきちんとして口腔内も清潔に保って。インフルエンザについては予防接種も打っておけるといいですね。

 

抵抗力を高めるには、言うまでもなくバランスの取れた三回の食事、適度な運動、じゅうぶんな睡眠などの規則正しい生活が基本になります。また、人が多く集まるところほど感染リスクが高まることも覚えておいてください」(同)

 

もう一つ、玉置先生が教えてくださったのは「あいうべ体操」です。

 

「あいうべ体操は、『みらいクリニック』の今井院長が考案した、口呼吸を抑えることで知られる運動です。口呼吸をしていると、空気と一緒に入ってきたウイルスがのどに送り込まれてしまいます。冬場の乾燥しているのどは、ウイルスにとってさらに好環境。一方、鼻呼吸なら、鼻腔内のウイルスを外に追い出そうとする仕組みが働き、空気と一緒に入ってきたウイルスも体内に取り込まれにくいのです」(同)

 

具体的なやり方は、大きく顔を動かしながら「あー」「いー」「うー」「べー」と10回繰り返すだけ。「べ」のときには舌を大きく出すのがポイントとのこと。舌の筋肉が鍛えられ、口を閉じておけるようになるそうです。子どもの口呼吸で困っている保護者の方は、ぜひトライしてみてください。

 

 

●洋服は着せすぎ注意! 朝の健康観察も忘れずに

 

最後に、朝、登校前にチェックしたいことを教えてください。

 

「まず、洋服を着せすぎていないかチェックしましょう。薄着も注意すべきですが、子どもは体温が高いもの。大人と同じように着こむと、汗をかいて逆に風邪をひきかねません。子ども自身が脱ぎ着して体温調節しやすいよう、重ね着で暖を取ることを基本として、一番下には肌着を着せ、その上に薄いものを重ねさせるなど工夫してください。薄着だなと思ったら、一枚羽織るものを持たせて。

 

また、毎日、清潔なハンカチを持たせることも忘れずに! ハンカチがなく、代わりに汚れた服や髪の毛で手を拭く子がいます。しかしそれでは、せっかく洗った手にまた汚れやウイルスがついてしまいます」(同)

 

子どもにあまり無理をさせないことも大切。朝の健康観察で、もし少し熱が高いようなら、可能な限り学校を休ませるなどしてほしいそう。本人の健康を守るだけでなく、周囲にうつさないためにも心がけたいところです。

 

「保護者の方の『おかしいな』は病気発見のための何よりの近道。できれば、体温や食欲、睡眠の状況はどうか、目の充血など体の変化はないか、毎朝の健康観察を習慣にしてほしいなと思います」(同)

 

あわただしい朝は、保護者もバタバタと過ごしがち。それでも朝食のときなど、子どもの様子を確認する時間を確保することが、大事にならずに済む秘訣なのかもしれません。我が子の健康のためはもちろん、集団感染を広めないためにも、できることから取り組めるといいですね。

 

(取材・執筆:有馬ゆえ)

 

 

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