野田友子 のだ ともこ
NPO法人日本子育てアドバイザー協会講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長。保育園勤務時代は、絵本の読み聞かせに力を注ぐ。現在は、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行うかたわら子育てアドバイザーとしても活動。
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生活・しつけ
年長 2015年11月17日の記事
小学校に入学すると、45分間授業を受けるための集中力や、人の話をしっかり聞いたり、自分の意見をはっきり言えるようになることが求められます。
元公立保育園園長で子育てアドバイザーの野田友子さんによると、こうしたことを楽しみながら身につけるには絵本が役に立つのだとか。
そこで野田さんに、入学後に必要となる「集中力」や「人の話聞く力」「自分で話す力」を養う絵本、入学が楽しみに思えるようになる絵本を紹介していただきました。
●集中力を養うなら、図鑑や科学に関する絵本
「ニューワイド 学研の図鑑 増補改訂版・鉄道・船」監修:原口隆行 山田廸生(学研プラス)
「学研の図鑑 LIVE 動物」監修:今泉忠明(学研プラス)
「だいず(みそ・しょうゆ)」指導:平春枝 写真:山本明義(フレーベル館)
「ちいさいタネ」作:エリック・カール 訳:ゆあさふみえ(偕成社)
「せかいちず絵本」作:とだこうしろう(戸田デザイン研究室)
野田 「子どもが集中してじっくりとながめることの多いのは、科学や自然に関する絵本や図鑑です。題材が自然界のいろいろなものと結びつけられて、子どもの興味をそそるのかもしれません。
じっくりながめられると言えば、なんといっても図鑑。まずは鉄道や虫、動物など、その子が好きなジャンルのものから選んで与えるといいでしょう。
絵本の場合は子どもが読むだけでなく、例えば『だいず』なら、親がひと言加えて『これが大豆って言って、お豆腐や納豆になるんだよ』などと身近なものにつなげてあげると、いっそう興味を持って読むことができます。『ちいさいタネ』は絵がきれいで引き込まれますね。
『せかいちず』はどちらかというと社会の分野ですが、国の名前がたくさん出てくるので、子どもは覚えるのに夢中になります。カタカナを覚える第一歩にもなりますよ。中国料理やイタリアンのレストランに行ったときなどにその料理の国を話題にするなどして、食べ物と国の名前をつなげていってもいいでしょう。
ほかに、具体的な絵本名は取り上げませんでしたが、間違い探しや迷路などのゲーム的要素のある絵本も子どもが集中して読みやすいジャンル。動的なものに興味を持ちやすい落ち着きのない子にもおすすめです」
●人の話を聞く力を育てるなら、物語性豊かな童話を
「おしゃべりなたまごやき」作:寺村輝夫 画:長新太(福音館書店)
「金のがちょうのほん」 文/絵:レズリー・ブルック 訳:瀬田貞二 松瀬七織(福音館書店)
「花さき山」作:斎藤隆介 絵:滝平二郎(岩崎書店)
「エルマーのぼうけん」作:ルース・スタイルス・ガネット 絵:ルース・クリスマン・ガネット 訳:渡辺茂男(福音館書店)
「いやいやえん」作:中川李枝子 絵:大村百合子(福音館書店)
野田「絵本で話を聞く力を養うには、読んでもらって引き込まれるようなもの、ジャンルで言えばストーリー性の高い童話や少し長めのお話の絵本がおすすめです。
ここで挙げたのは、私が保育園時代に読み聞かせして、子どもが真剣な表情で聞いていたものばかりです。『おしゃべりなたまごやき』や『金のがちょうのほん』などは、園の劇遊びの題材になることも多く、子どもになじみのある絵本です。
すぐれた名作ぞろいなので、子どもが園で読んだことのある絵本も多いと思いますが、これらはぜひお母さんが読み聞かせをしてほしいですね。お母さんの声で読んでもらうと、『聞きたい』という気持ちが、より強くわくのではないでしょうか。
童話にはそれぞれ独特の世界があるので、読み終わった後は、子どもにあれこれ聞いたりせず『どうだった?』のひとことくらいで切り上げて、世界観を崩さないようにしましょう。
終わったらシールを貼ったり、『りゅうがかわいそう』といった程度の簡単な感想文を書いたりしてもいいでしょう。あまり根気が続かない子には、『今日はここまで。また明日ね』と、きれいなしおりなどをはさんだりして、1日に少しずつ読んであげるといいですよ。
お母さん自身も楽しく読めることが大事なので、もしつまらないなと感じたら、ぜひ子どもといっしょに本屋さんに行って、面白そうと感じる本を探してみてください」
野田さん、ありがとうございました。
次回は「自分の気持ちを伝える力を養う」、「学校に行くのが楽しみになる」をテーマに絵本をご紹介します。
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野田友子 のだ ともこ
NPO法人日本子育てアドバイザー協会講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長。保育園勤務時代は、絵本の読み聞かせに力を注ぐ。現在は、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行うかたわら子育てアドバイザーとしても活動。
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