大橋悦子
絵本・児童書専門古書店「おひさま堂」代表。
2008年、JPIC読書アドバイザーの資格を取得。
3人の娘を育てた経験から、
小さい子どもを持つ母親への読書推進活動に貢献。
川崎市田島地区民生委員・児童委員協議会の主任児童委員として、
子育て家庭への身近な支援に取り組んだ。
■おひさま堂
http://www.ohisamadou.com/
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生活・しつけ
年長 2013年7月31日の記事
☆年長さんと絵本のよりよい付き合い方とは?
《5~6歳児におすすめの絵本1》 絵本のプロに年長児にぴったりな絵本の読み方・選び方を教わります!
年長さんになると
子どもの興味の対象がはっきりと分かれ、
書店や図書館で絵本を選ぶのが
難しく感じることも多くなってきます。
小学校入学を控えたこの時期の
年長児と絵本とのよりよい付き合い方について、
絵本・児童書専門古書店の店主で
JPIC読書アドバイザーの大橋悦子さんにうかがいました。
●読み手あってこその絵本の時間
年長さんになるとひらがなが読めるようになり、
自分で絵本を読もうとするお子さんも多いようですが?
大橋 「絵本は、基本的に『おとなに読んでもらうこと』を
前提に作られていると考えていいと思うんです。
絵本は子どもが自分で読むよりも、
図書館や書店で行われる『おはなし会』で読んでもらうよりも、
やはりおうちの方に読んでもらうことで
絵本の本質が子どもに伝わり、
豊かな言葉の世界を理解していく、と私は信じています。
絵本を読む本当の醍醐味は、
読んでくれる人のお膝や傍らで、
言葉や感情を交わしながら味わうもの。
だから、絵本をひらがなの習得のためだけに
活用するのはもったいないことだと思いますね。
ぜひ親子でぴったりとくっついて、
親御さんの読み聞かせによる
絵本の時間を楽しんでいただきたいです」
やはり読み聞かせこそが絵本の醍醐味といえるのですね!
では絵本は年長児の子どもに
どのような影響を与えてくれるのでしょうか?
大橋 「感情が豊かになり、
長めのお話もしっかり聞けるようになるこの時期のお子さんは、
絵本を通してたくさんの経験を積み、
空想の世界に遊ぶ楽しさに没頭するはずです。
大好きなお父さん・お母さんといっしょに
ハラハラ・ドキドキしたり、喜んだり、悲しんだり……。
お話に入りこみ、親子いっしょに気持ちを動かす経験は、
今後の親子関係にとって大切なものになるはずです。
また、豊かな言葉の世界を知り、
これからさらに拡げていくための基礎にもなります。
そういう意味では、お子さんが小学校に入学した後、
たとえ6年生になったとしても、
お子さんが『絵本を読んでほしい』といってきたら
ぜひ親御さんは読んであげてほしいですね。
お子さんは、『絵本を読んでもらう』という
醍醐味を知っていて、
絵本の本質がわかっているということなのですから」
●「自分」を絵本で客観視する
5~6歳児にぴったり、という絵本のテーマはありますか?
大橋 「自我が強くなり、『もうすぐ1年生』と言われ続ける
年長さんは、少々感情が不安定になることもあるようですね。
この時期は、お子さんが『自分』を客観視できるような
絵本を読み聞かせすることをおすすめします。
友情や自立などをテーマにした
幼児が主人公になった絵本を読むことで
『自分とおんなじだ!』と共感するはずです」
絵本を読みながら自分のおかれた環境に気づく、
というのは理想的ですね!
次回は、子どもに「読書」を好きになってもらう方法を
うかがいます。お楽しみに!
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