東ちひろ
幼稚園・小学校教員、中学校相談員、教育委員会勤務 (教育相談総括指導員)の経験を経て、「一般社団法人子育て心理学協会」代表理事。心理学とコーチングの知識を活かし、子育てに関する電話相談や講演などを行っている。プライベートでは二児の母でもある。
著書:『男の子をぐんぐん伸ばす!お母さんのコーチング術』(メイツ出版)、『子どもが伸びる魔法のコーチング』(学陽書房)、『スペシャリスト直伝!教室で使える! ほめ方・しかり方の極意』(明治図書出版)など。
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生活・しつけ
年長 2015年6月26日の記事
●「折れない心」を持つ子は、どんな子?
こんにちは。子育て心理学カウンセラーの東ちひろです。
今回のテーマは、子どもの「失敗しても折れない心」です。その強い心のパワーの源は何だと思いますか?それは、「自分が大好き!」という自己肯定感です。
日頃、親から「あなたのことが大好きよ」という気持ちを言葉や行動で伝えられている子は、心の中にある貯金箱「ココロ貯金」が満たされていて、心が安定しています。
一方で、親から「あなたが大好きよ」と伝わらない言動(殴る・蹴る・感情をぶちまけるように怒鳴る・クドクド、ネチネチ嫌みを言う・無視するなど)をとられている子は、心の中にある貯金箱「ココロ貯金」に貯まったお金(ココロ)がガサーッともれてしまっています。
「ココロ貯金」の残高が多い子どもは、少々失敗したとしても、それだけで一気に心が折れることはありません。図々しいくらいに心が安定した、たくましい子どもになります。
「自分が好き!」と思える、心が安定した自己肯定感が高い子どもは……
・心が安定して、落ち着いている
・一喜一憂しない
・人にやさしくできる(やさしさのおすそわけ)
・ガマン強い
・向上心がある(新しいことをするエネルギーがある)
・打たれ強い
・失敗を貴重な経験に変えられる
・他人に寛容
・意欲的である
・人の目をあまり気にしない
このような特徴があります。
では、今日からすぐにできる、「折れない心」を持つ子どもに育てる方法を3つお伝えしますね。
【1】魔法の言葉「あなたのこと、だ~いスキよ」で、ママの気持ちを伝える
心の中で子どもを大切に思っていても、毎日、子どもに発する言葉がガミガミ・ナガナガ・くどくど・ネチネチ……。それでは、子どもはママからの愛情を感じられなくなってしまいます。子育てに、以心伝心はありません。きちんと言葉を使って、ママの思いを伝えましょう。
「そんなの言えない!」という方は……お風呂あがり、子どもの体を拭くときに「だいすき~♪だいすき~♪」と鼻歌まじりに歌ったり、「あなたが大好きなおかずを作ったよ」と間接的に「子どもを好き」と伝えたりする方法もあります。
【2】当たり前のこと、目に見えたことを言葉で伝える
よく、「子どもは、ほめて育てましょう」と言われますよね。でも、これは案外難しいのです。目に前の子どもが下の子にいじわるをしたり、ちっとも片づけをしないことが続いたりすると、「ほめるところがない」と思うときもあるでしょう。
でも、当たり前の「よく寝た」「よく食べた」「いっぱい遊んだ」ということも、子どもを認める材料になります。「よく、寝たみたいだね~」「いっぱい食べたね~」「たくさん、遊べたね~」と、当たり前のことを言葉にして伝えましょう。これは、子どもの「存在そのもの」を認めたことになります。
何かの成果が上がったときだけほめようと思うと、ちっとも成果が上がらないときには、ほめるところがなくなります。だから、一見当たり前のことを言葉にして伝えましょう。人間は、「承認されたい」という欲求があります。家庭の中で子どもの当たり前のこと、目に見えたことを言葉にするだけで、子どもは、ママから認められたと感じます。
たとえば、「おー、手を洗ったんだね」「おやつ、食べ終わった?」「汗をいっぱいかいたね」「日に焼けたんじゃない?」「今日の荷物は重そうだね」という感じです。
これらの言葉には、親が子どもを評価する言葉が入っていません。「きれいに手を洗った」「残さずおやつを食べた」という評価が含まれると、それは「認める」ではなく、「ほめる」になります。「ほめる」のも大いに結構ですが、子どもが大きくなると、何でも出来て当たり前になりがちなので、「ほめる」回数が減ってしまいます。
一方、当たり前のこと、目に見えたことを言葉で伝えるのは、「無条件の愛情」です。何かが出来ても出来なくても、「あなたのことを認めています」というメッセージが子どもに伝わります。
【3】子どもの名前を呼ぶ。
子どもの名前を呼ぶだけで、立派な承認になります。
例えば、ただ「おはよう~」とあいさつするだけではなく、「○○ちゃん、おはよう!」と、名前を入れて声をかけます。人は、自分の名前を呼ばれると、それだけで自分に感心を持ってもらっていると感じます。兄弟姉妹が何人かいる場合でも、このあいさつは「自分」へのあいさつとよくわかります。
これならば、忙しいママでも1秒で愛情を伝えられますね。
ピアノが上手に弾けても、自分に自信がない子どももいます。かけっこが遅くても、自分に自信がある子どももいます。これからは、あなたも「自己肯定感」を高めるコツを知って、「自分に自信がある子ども」に育てていきましょう。そして、ママも子どもどんどんハッピーになっていきましょう。
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東ちひろ
幼稚園・小学校教員、中学校相談員、教育委員会勤務 (教育相談総括指導員)の経験を経て、「一般社団法人子育て心理学協会」代表理事。心理学とコーチングの知識を活かし、子育てに関する電話相談や講演などを行っている。プライベートでは二児の母でもある。
著書:『男の子をぐんぐん伸ばす!お母さんのコーチング術』(メイツ出版)、『子どもが伸びる魔法のコーチング』(学陽書房)、『スペシャリスト直伝!教室で使える! ほめ方・しかり方の極意』(明治図書出版)など。
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