仲上光芳
『東京視力回復センター』 所長。視力訓練士。
子どもから大人まで、近視、遠視、乱視、弱視の視力回復トレーニングの指導を行う。
その視力回復法は、テレビ、雑誌、新聞などでも取り上げられている。
東京、神奈川、埼玉、大阪、福岡などで店舗を展開中。
『東京視力回復センター』ホームページでも、目のしくみや働き、近視、遠視、弱視、乱視などについて解説。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年11月22日の記事
★子どもの「弱視」は6歳までに早期発見を![2016/11/22]
《子どもの視力と目の健康 1 》弱視は6歳までに早期に発見をしないと、矯正が難しくなります。
こんにちは。『ママノート』編集部です。
皆さんは、お子さんの現在の視力がどれぐらいかを把握していますか?
文部科学省発表の平成24年度『学校保健統計調査』では、裸眼視力が1.0未満の子どもの割合は、幼稚園で27. 52%(内、0.7未満は6.65%)、 小学校で30.68%(内、0.7未満は19.99%)となっています。
また、20年前の平成4年度の同じ調査では、幼稚園20.16%、小学校22.5%となっており、裸眼視力が1.0未満の子どもの割合が増加していることがわかります。
実際に、幼稚園や小学校の定期健康診断の視力検査で、子どもの視力が下がってしまった…と気にされている方もいるかもしれませんね。
今回は、子どもの目の成長や視力低下のサインについて、東京視力回復センター所長の仲上光芳さんにお話しを伺いました。
●子どもの眼球は6~7歳頃に大人と同じ大きさになる
仲上 「生まれてから6~7歳(小学校入学頃)までは、子どもの目が正視(図1参照:裸眼視力1.2以上)へと成長する、とても大切な時期です。
【正視の眼の働き・視力1.2以上】 《図1》
まずは、子どもの目の成長についてご説明しますね。
子どもの眼は、生後2~3か月頃は0.02程度の視力ですが、成長とともに発達して角膜水晶体とよばれるところが2~3歳頃に大人と同じぐらいの大きさになります。
ただし、まだ眼球が小さいために網膜の後方で像を結ぶ『遠視』といわれる状態になっています(図2参照)。
【2~3歳頃の眼の働き】 《図2》
そして、成長するに従って眼球が大きくなり、4~5歳頃には弱い遠視になります。
【4~5歳頃の眼の働き】 《図3》
さらに、6~7歳頃に大人と同じ大きさの眼球になり、正視(図1参照)になるのです。子どもの目の成長は、とても早いんですよ」
●弱視は早期に発見しないと矯正が困難になる
仲上 「6歳までに早期に見つけて、治療しなければいけないのが『弱視』です。
弱視とは、裸眼視力が0.3以下で、どのようなレンズを用いても0.4以上の視力が得られない目のことをいいます。
弱視は、何らかの原因で物を見ようとする働きが妨げられることによって起こります。
例えば、“逆まつげ” やケガによって “片方の眼に長期間眼帯をしている” ことによって弱視になる可能性があり、注意が必要です。
三歳児健診、幼稚園、小学校での視力検査で大丈夫だったから…と過信せず、眼科で片目ずつ見えているか検査することをおすすめします。
弱視は発見が早いほど、高い割合で回復することができるといわれています。(※機能的弱視に限る。器質的弱視は除く)」
●子どもの視力低下の進行スピードは大人より早い
仲上 「子どもの目は大人の目に比べると、視力低下の進行スピードが3倍以上早いといわれています。
幼稚園や小学校で行われる年1~2回の視力検査に頼らず、家庭で子どもの視力低下のサインを見逃さないようにしてください。
現代は、デジタル機器の普及によって子どもも大人も目を酷使する生活が習慣化しています。
長時間テレビ、パソコンの画面を見続けたり、ゲームをしたり、悪い姿勢で本を読んだりしていませんか?
近くのものを長時間凝視すると、まばたきの回数が減って目が乾き、疲労を招きます。
子どもの視力低下のサインには、下記の例があります。
□よくころんだり、物にぶつかったりする。階段などでつまずく。
□物を見るときに目を細める。
□物を見るときに顔を傾ける
□目や頭が痛いという。
□飽きっぽく、イライラしやすい。
□テレビを近くで見ようとする。
これらに思い当たることがあれば、眼科を受診することをおすすめします」
小さな子は “見えづらい” ことを大人にうまく伝えられないことがあるかもしれません。
仲上さんがおっしゃるように、定期的に眼科で視力検査をして子どもの目の健康を気づかうことが大切ですね。
次回は、視力低下を抑えるために家庭できることについてご紹介します。
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