野田友子 のだ ともこ
元杉並区立保育園園長。東京都の福祉サービス第三者評価の評価者として約500件以上もの保育園の評価を実施。子育てアドバイザーとして、子育て支援のシンポジウム・講演会なども行なっている。
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生活・しつけ
小学1年生 2015年3月24日の記事
小学生になると、親の言うことに何かと口答えする場面が増えてきます。
「うるさいなあ」「今、やろうと思ってたんだよ」なんて言葉にカチンときて、親のほうが感情的になってしまうことも。子どもの口答えには、どのように対応していけばいいのでしょう。
長年、保育園の園長を務め、現在では子育てアドバイザーとしても活動している野田友子先生にうかがいます。
●口答えは、子どもが新たに覚えた表現方法と考えて
この時期、親の言うことを素直にきけなくなるのは反抗期だからでしょうか?
野田 「反抗期というのは、正確には2〜3歳くらいで見られるイヤイヤざかりの第一次反抗期と、中学生になってからの思春期の第二次反抗期を指すので、小1前後の時期は、むしろ第一次反抗期を過ぎて物わかりがよくなってきたころ。思春期にはまだ早いですし、反抗期が原因というわけではないんです。
ではどうして、日常の生活で親に対する口答えが多くなるかというと、そういう表現のしかたを覚えたから……自分の気持ちを表す新しい表現法を1つ獲得したからと考えるといいのではないでしょうか。
お母さんにとっては、基本的には素直で、何かというと甘えてきた幼児期とのギャップが大きくてショックだと思いますが、口答えできるようになったのも、子どものひとつの成長の表れとも言えるでしょう。
とはいえ、子ども自身の機嫌が良かったり、心地いい状態のときには口答えは出ないものです。何か子どものコンディションがよくないとき、不快なときに口答えすることが多いと思います。
まずはイラッとする気持ちを抑えて、なぜ口答えをするのか、その子の置かれている状況を冷静に考えてみましょう。
『小学校生活に慣れなくて、疲れすぎているのかな』とか、『いつまでも小さい子扱いして、自分が口うるさくなっているからかも?』など、子ども自身のことだけでなく、子どもの状況やお母さんの接し方も振り返ってみるといいでしょう。
子どもに対して矢継ぎ早に『まだ歯みがきしてないの?』とか、『早くおやつ食べて。食べ終わったら宿題をしなさいよ』などとガミガミ言っていたとしたら、やらなきゃいけないとわかっていても、子どもは素直に従えない、ということもありますよね」
●口うるさく言わずにすむ環境をつくる
たしかに、黙って見ていると子どもはなかなか自分から動こうとしないので、ついつい口うるさくなってしまうという場面は多いと思います……。
野田 「でも、そういうときの言葉って、子どもの中には入っていかないものなんですよね。子どもにも、そのときの体調や気分の波というものがありますから、そこは親も気遣ってあげたいですね。
だからといって、子どもの機嫌を取る必要はありませんが、例えば、学校から帰ったばかりで疲れているときだったら、少し間を置いて、ジュースでも1杯飲ませて落ち着いてから言葉がけしてみるだけでも、反応は違ってくると思います。
また、子どもに口うるさく言わないようにするためには、環境をととのえるこ とも1つの方法です。例えば、朝の支度にいつも時間がかかるなら、子どもが自分で着替えやすいよう、収納を工夫してみたり、宿題になかなか取りかからない なら、帰ってきてからすることを順番に紙に書いておけば、『次、何をするんだっけ?』と、ひと言声をかけるだけで促すこともできるでしょう」
親の接し方で口答えを減らすこともできるんですね。
野田先生、ありがとうございました。次回は、よくない言葉を使って口答えをする場合の接し方についてうかがいます。
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元杉並区立保育園園長。東京都の福祉サービス第三者評価の評価者として約500件以上もの保育園の評価を実施。子育てアドバイザーとして、子育て支援のシンポジウム・講演会なども行なっている。
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